『宮本武蔵』 公演情報 五反田団「『宮本武蔵』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    武蔵でござるよ
    まさかここまで史実に忠実な武蔵を、五反田団で観られるとは……

    ネタバレBOX

    …んなことはあるはずもなく、サムライ的な雰囲気で、いつもの、あれ的な、うだうだと、だらだらとした前田・武蔵でござった。

    宮本武蔵という人は、案外こんな人だったのかな、とは思わないけど、今の世のメンタリティーのまま、斬り合ったり、殺し合ったりする世界の中にあったとすれば、武蔵という人は、あんな性格の人でも不思議はないでござるよ、と拙者は思ったのでござる。

    前田・武蔵は、コミュニケーションを取るのが下手で、友だちなんていないのでござろう。
    友だちできても、話が合う人は、みんな刀持ってるから、斬っちゃうんだ、なんてうそぶいているけど、やっぱり友だちできない系の人なんだろう、前田武蔵は。

    時代劇なんだけど、今の人たちの感覚のまま、それをやっているというところが面白み、なのでござって、実際に面白いのでござる。
    脱力感たっぷりの笑いが、ついつい起きてしまうのでござるよ。

    男子学生が、なんかうだうだとしている感覚に、サムライ的なやつとか、仇討ちとか、そんな時代劇的な要素が混ざり合ったりしているのでござる。
    宿屋の女主人に一方的になじられるサムライたちは、まるで近所のおばちゃんに怒られる学生のようでござったし。

    ただし、いつも感じる、時空が捻れるような演劇的面白さに溢れた感覚は、感じなかったのでござった。
    それは、設定自体が捻れているからであったからだろうが、もうひとつ、ぐりっとなるような感覚を味わいたかったのでござる。
    そういう意味では、想定内の「前田武蔵」でござったかもしれない。

    「殺すっていうのは、やっぱムリ」って言う、今の感覚の中にあって、卑怯な方法で、平気で人を殺してしまう前田武蔵は、今の世界の人だったら、発散する場がなく、相当ねじ曲がっていそうで、恐いでござる。

    そういう、世の中批判的なアレがあるのかどうかはしらないけれど、五反田団側へ、武蔵という時代劇を引っ張っていく力は凄いと思うでござる。

    あと、いつものような、ラストのぽかーんとした雰囲気は大好きなのでござった。

    だけど、少し長いかな。

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    2012/06/15 03:29

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