
川を越えて、森を抜けて
加藤健一事務所
藤沢市湘南台文化センター・市民シアター(神奈川県)
2012/06/23 (土) ~ 2012/06/23 (土)公演終了
満足度★★★★
核家族化
年齢層高めな感じのお客さんの入りでした。
内容的には、前半インパクトというか”ノリ”というか、ちょっとパンチに欠ける印象はありましたが、後半時代が進むにつれての押し付けがましくないセンチメンタルさは良かったですね。
ふるさとを離れ、家族と離れ、仕事にまい進し、そんな孫を応援するけれども、居たい場所はそこしかない。
まるで、ふるさとを離れざるを得ない福島の方々へのレクイエムにも思えます。

梅雨のバッキャロー!!
演劇カンパニー曲者
ワーサルシアター(東京都)
2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

コクーン歌舞伎第十三弾 『天日坊』
松竹/Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2012/06/15 (金) ~ 2012/07/07 (土)公演終了
満足度★★★★★
アイデンティティ
コクーン歌舞伎は毎回観ていますが、ここまで良かったのは久しぶり。
笑って笑って、最後泣ける。「俺はだれだ」という叫びが胸に刺さりました。
新・勘九郎はもちろん最高に良かったけれど、脇も含めてみんな良かった。
「和美画」の舞台も、音楽も良かった。
もう一回見に行くつもりです。

絶交わる子、ポンッ
康本雅子
シアタートラム(東京都)
2012/06/28 (木) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★
エロスと笑い
エロティシズムを笑いで包み、シリアスな思いと悪ふざけが入り混じった作品でした。惹かれる部分とそうでない部分の振れ幅が大きく、総合的にはマイナスな印象が残りました。
抱きつく、臭いをかぐ、息を吹き掛ける、咬む等下着姿で踊る等、性的なイメージの振付、演出が多くが多く、しかし生々しくなり過ぎないバランスが独特でした。
台詞を喋ったり、歌ったりする場面が多かったのですが、言葉の内容をダンスで十分に表現していたので、言語表現が過剰で押し付けがましく感じられました。
ギャグ的な要素はあまり上手く行っていなくて、後半は客席から笑いが起こっていたものの、前半は滑っていることが多かったです。
白い床以外は何もない状態で始まり、次第に色々な物が散乱していく構成はあまり必然性が感じられず、ビジュアル的にも美しさ、あるいはインパクトを感じられませんでした。
康本さんは純粋なダンス表現だけでも魅力的な作品を作ることの出来る振付家だと思うので、もっとストイックな作品を観てみたくなりました。
ダンサー達は良く言えば同じ動きでもそれぞれの個性が出ていたのですが、手や足の曲げ方やタイミングの不揃い具合いが気になりましたでした。康本さんのソロはしなやかな動きの中に切実な思いが感じられて、美しく魅力的でした。細い体を精密にコントロールして踊る、鈴木美奈子さんのテクニックが際立っていて、康本さんとのデュオでのクールな質感が印象に残りました。

骨唄
トム・プロジェクト
あうるすぽっと(東京都)
2012/06/28 (木) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
日本的なアンビバレンツ感覚 − 我一塊の肉塊なり −
再々演ということもあり、とても安定した素晴らしい舞台あったと思う。
しかし、良い意味でも悪い意味でも、桟敷童子風味。
この舞台を観て気に入った人で、桟敷童子を観たことがないのならば、観るとハマるんじゃないかな。桟敷童子の濃厚さに耐えられるのであれば。

人の気も知らないで
iaku
atelier SENTIO(東京都)
2012/06/29 (金) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
iaku「人の気も知らないで」観ました
つくづく、ひとと人とは違うものだなあ…話し合ったからといって、簡単には分かり合えない。多重に関係性が重なる間柄での計算された会話劇へ、できれば話題にしたくない強烈なポイントを容赦なく投入。関西の軽妙なノリとアレが続くのかと思いきや、行きがかり上、人間的に非常に危険な領域へ踏み込みながら、相手の懐を探るやりとりが延々と…胃が痛くなりそう(´Д`)ラストがちょっとすっきりし過ぎた気もするけど、これくらいがちょうどいいかも。唯一の男が癒し(笑』。

ハイライフ
東北えびす
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2012/06/26 (火) ~ 2012/06/27 (水)公演終了
満足度★★★★
SENDAI座☆プロジェクト「ハイライフ」観ました
最底辺で生きる犯罪者4人が合流しての、それぞれのまるで懲りないバカ人生を書いた現代アメリカ演劇(厳密にはカナダ)を、仙台の実力派演技陣がパワー全開かつ巧みに。小細工のない素直さが、逆に新鮮な印象。倫理の規制も個人の信念も一本通らない、価値基準の違う世界。あんな腑に落ちないはずのラストがしっくり来るとは不思議…。

『(諸事情により)よろず相談始めました。人間科学隙間研究所』~お陰さまで全日程終了致しました。次回作も御期待下さい。
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2012/06/29 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★
現代音楽
ノリとしては現代音楽のそれだ。つまり、不協和音が快感足りうるか、というレベルである。今回、実験では無いことが実験という触れ込みであったが、小プロットをインプロビゼーションという手法で演じるという形式を取ったことになっている。然しながら、インプロビゼーションがインプロビゼーションとして成立するための条件があるだろう。それは、演者のテンションが高止まりしていることである。このレベルで合格点を差し上げられるのは、教授役の俳優さんだけではないか。そもそも、普通のテアトルに対する戦いとして実験をするというのであれば、その問題意識は、常にハイレベルでなければなるまい。現代音楽の巨匠であった、メシアンにしろシェーンベルグにしろ、そうであることは当たり前であった。また、インプロビゼーションの音楽としてジャズは外せないが、コルトレーンにしろ山下洋輔にしろ優れた演奏家たちのテンションの高さは周知の事実である。研ぎ澄まされた表現を望む。

記憶、或いは辺境
風琴工房
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
当たり前を疑う
座席は、そびえ立つ座高の人の後ろで見るのが大変だった。開演前の劇場の演出、凄く良かったです。まさに辺境。題材への興味の高さからか、お客さんの年齢も比較的上の方が多かった気がします。
時間はトータルだともう少し短くまとめられた方が、より凝縮されて密な作品になると思います。
日本語は世界から見ても難しい言語で、日本人は外国語の日常会話を話せる人は多くない。鎖国や島国なのもあるかもしれないですけど、それでも日本語でどうにかなるでしょという価値観に疑問を持たねばと感じました。
正直在日とか本当に歪んだ人もいますが、立派で素敵な方も沢山います。歴史の偏見に流されないようにすること。簡単ではないけど、可能性や願いも感じれて良かったです。

教室短編集
劇団「14歳」
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★
考えさせられる
酷評も然りですが、評価からの想像より自然なやり取りも見受けられ成長している感じもしました。
役者さん達は若くて経験も多くはないのだから、役作りの細かいところやイメージなど、手間が掛かっても基礎からもっと時間を用いるべきではなかったかと思います。
方針も見に来るお客さんの雰囲気も、色々斬新でした。所属事務所は知っているところ多いです。キャスティング、内容、値段諸々、誰の為に芝居をするのか。これは本作品に限らずあらゆることに言えますが、それを意識し考える面でも勉強になりました。

12人のそりゃ恐ろしい日本人 2012
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2012/06/28 (木) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★
実在の事件である必要性???
演劇ってマイナーな存在だし、世間への影響も少ない訳だから不謹慎であったり反社会的であろうと、とんがった部分があった方がむしろ良いと思う。が、この話、一見 “ 毒カレー事件 ” を基に裁判員制度・死刑制度・冤罪の問題を笑いを交じえながらも提起する、みたいな形をとってはいるが、何ひとつ強烈な主張もメッセージもない。
批判・批難されてでも伝えた事があるで無く、話題づくりの為に実在の事件を題材にしているとしか感じえなかった。
色々、話しの収束もされる事も無く、脚本が浅い。

人の気も知らないで
iaku
atelier SENTIO(東京都)
2012/06/29 (金) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

水無月の云々
中津留章仁Lovers
タイニイアリス(東京都)
2012/06/21 (木) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

パンザマスト【ご来場ありがとうございました】
青春事情
駅前劇場(東京都)
2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
同窓会ハイ
同窓会の高揚感で母校の小学校に忍び込む。過去のわだかまりも出てくるベタな定番ストーリーですが、泣かせてくれます。懐かしさを共感できるのがいいですね。

パンザマスト【ご来場ありがとうございました】
青春事情
駅前劇場(東京都)
2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
あまりにも青春
「パンザマスト」って夕方児童の帰宅を促す放送という意味もあるそうだ。
「♪夕焼け小焼けで日が暮れて~」みたいなやつ。
ストーリーはベタな青春ものだし、わかりやすい展開だけど
仲良し3人組が一度途切れた糸をもう一度つなぎ直す作業に立ち会ううちに、
何だかうるうるして来ちゃったのはあまりにも素直な青春のせいか。

温室
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2012/06/26 (火) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★
ハロルドピンターの
シアタートークを聞かなかったら、公演の価値が正直わからなかった。
それにしても最近の新国の美術は、モノトーンが好きらしい。

僕の過ちはここにある(終演致しました!ありがとうございました)
HINATA*SENSE
名曲喫茶ヴィオロン(東京都)
2012/06/06 (水) ~ 2012/06/11 (月)公演終了
満足度★★★
過ちは正せるか否か...
なぜ旗揚げ公演にこのようなテーマを選んだのだろうか?と、見終わった瞬間から帰り道....ずっとソノことが頭に残ったお芝居。1番苦手なタイプの人間を見せられ続けるので、正直イライラしたのだけれど、ヴィオロンという場を生かした演出と役者さんの演技に引っ張られて最後まで...(後はネタバレ)w

Goodnight
劇団競泳水着
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了
満足度★★★★
初・本公演でした。
昨年15mmで短編を拝見したときに「ピュアな会話劇」という印象があったので、本公演ではどのような長編が観られるのか楽しみにしていました。蓋を開けてみると、短編でのピュアさはそのままに。トラットリアを舞台に兄弟姉妹や男女関係の繊細なエピソードが積み重ねられ、100分という時間があっと言う間に過ぎてしまう楽しく温かな物語でした。役者さんがみなキャラ立ちしていて素敵。女性達の台詞一つ一つに共感し(なぜ上野さんはこんなに女性の気持ちを的確に描けるの?と吃驚)、男性の元カノへの未練たらたらさにやたらリアルさを感じて苦笑したり。温かく流れる時間の中、心が洗われた思いでした。次回公演も観たいです。観ます。

『(諸事情により)よろず相談始めました。人間科学隙間研究所』~お陰さまで全日程終了致しました。次回作も御期待下さい。
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2012/06/29 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
壊れた哲学劇
ヨレヨレの教授の壊れ具合が秀逸。時折生じる下水管や地下鉄のゴーッという音が、何となくステージとマッチしているのも面白かった。

ゴドーを待たせつつ
踊れ場
ひつじ座(東京都)
2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
グッとくる。
とっても身近な『ゴドー』だったなあ。
「神」っぽくなくてヨカッタ!
時間軸というか空間軸をグルグルさせる登場人物がいるんだけど・・・この人物のさじ加減が絶妙なんだよなあ。不思議なのに、現実に引き戻されるというか。。。
ボクは、不条理系の芝居はキメ打ちをしないと退屈な時間を過ごしちゃうので、今回は「恋愛」をテーマにして観たんだけど・・・かなりグイグイきたね。
グイグイ。
過去も現在も未来も・・・どれもこれも現実。
唯物と観念の行ったり来たり。
たまにイラつくけどね。
とりあえず、好きな人と一緒にいる時って幸せ。