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みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

企業内いじめを扱った、重いが、しかし素晴らしい舞台
冒頭は何が始まるのか分からなかった。
一部の人は「豚の仮面」をかぶって登場し、
幻想的な雰囲気の漂う中、話が進行して行く。

その後、なぜかゲームが始まったり…。
しかし、次第に劇の本質が見えてくる。

(以下、ネタバレ)

ネタバレBOX

いわゆる「企業内いじめ」が、この劇のテーマだったのだ。
詳しい内容は、ネタバレとしても書かないでおくので、
ぜひ観劇されることをお勧めするが、
最初にも登場した「豚の仮面」が、その後も時々登場し、
それは単にいじめられて鬱的になった精神状態とも取れるが、
それ以外の多様な可能性をも象徴しているとも解釈可能と思われる。

前にもどこかに書いた気がするが、かくいう私も、
多少はサラリーマン生活を送ったことがあるものの、
それに馴染めず、いわば逃げ出して、
今は細々ながら自衛で生活している人間なので、
観ていてちょっと辛いものがあった。
しかし、演劇としては素晴らしい水準で、
遠路吉祥寺まで出向いて良かったと思った次第

そして、2人の女性の、「セクハラ・パワハラは違法行為
(私も多少は法律知識で食ってる身なもので、一応共感!)」
VS「営業で頑張っていたらセクハラなど、一々問題にできない
(言われてみれば、たしかに…)」の意見の対立…、
また、「仕事ができないものへのひどい暴言」
VS「でもたしかに、仕事ができない人がいるとみんな困るんだよなあ
(自分のことは棚に上げてます)」の双方の感情…、
どちらも一応理解できるだけに解決は簡単でないということか…。

実はこの日、アフタートークもあって、作・演出の古城氏と、
ゲストは(演劇関係者でなく)パワハラの専門家の金子雅臣氏が
登場し対談。これも詳細は省略しますが、
やはり簡単な問題ではないことを、ここでも再認識した。
ぼく(25歳)のなつやすみ

ぼく(25歳)のなつやすみ

斬撃☆ニトロ

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2012/06/29 (金) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★

ナツヤスミ
小学生役というのもあり、テンション高く元気だけれど、勢いで突っ走って学生演劇の延長のように感じられました。。。
楽しそうに演じてるところ、ほんのりと恋愛要素も入ってて、その雰囲気もうまく醸し出してたところは好感がもてました

ネタバレBOX

大人と子供のメリハリをもっとつけてほしかったです。大人の時と子供時代のメリハリ、先生 対 小学生のメリハリなど
特に先生は、小学生時代のなかで唯一の大人。どんなにいい先生でも、こどもにとっては別世界の異端な存在のはず。こどもの輪には入れない。輪の外の存在として描くことでより作品が引き締まると思います。
ノートの存在がよかったですね。彼も主人公と同じ、姿だけが小学生でほかとは違う空気がよくでてました。ノート、サキは個性がしっかりしてて存在感がありました。他の役は少し弱かったので、もう一歩でそれぞれの役がもっと引き立つと思います
ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

バカバージョン
ダブルキャストのうちのバカバージョン観てきました。
テンポ良く、テンション高めで進みつつ最後はしんみりと締めてくれました。

Shambles

Shambles

劇団スクランブル

シアター711(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

ブラックコメディ楽しみました
それぞれの女性が元気でたくましいお芝居でした。
ストーリーには矛盾を感じるところもありましたが、深く考えなければ楽しめます。
女優さんの中でも藤井牧子さんが、特によかったです。
(遠目には木村多江似)

ネタバレBOX

その楚々とした姿と語り口にすっかり騙されましたが、藤井牧子さんも実はワルというどんでん返しは、良いラストだったと思います。
少々の矛盾は吹き飛ばしてくれました。

しかし、刑事のマミが、友人たちのそれぞれお金がいる事情を知っていたのは、やはり、「警察の情報網をなめちゃいけない」というヤツでしょうか。


お嬢様が語る推理がハチャメチャなのですが、そのシーンを、死体が突然生き返って再現するという手法が面白かったです。
中根道治さんは、初めて拝見したのですが、あのしゃべり方や演技は個性ですか?それとも今回だけの演出でしょうか。正直、とっても気持ち悪かったです(笑)

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

さすが
役者のメリハリのある迫力あるセリフで、パワハラの緊張感が伝わってきます。
今回は、再演ですが、初演時も今回も上司は違うが、深刻なパワハラに悩んでいるときに巡りあうタイミングで、観劇している。
力ある立場のものは、閉鎖された会社の世界では、強かで絶対権力である。
だから解決策を得るのは難しい。
今回も客観視ながらも、身につまされる。公演時間の2時間が、1時間程度しか経っていないかのような内容の濃い作品でした。
良く出来たないように、会場の空気も凍るそんな緊張感一杯の作品で、役者の技量の高さを前回同様に感じる内容でした。

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/07/18 (水) ~ 2012/08/01 (水)公演終了

満足度★★★

みた
笑いっていうものが何なのか分からなくなる。舞台上の笑える事ごとが、実はなにひとつ面白く無いことだと言われても納得できる気がする。初めて小劇場の作品を見てみようとする人にはお勧めしにくい。

ともだちのそうしき

ともだちのそうしき

RONNIE ROCKET

大吉カフェ(東京都)

2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

アダチ・皮墓村組
オリジナルである男性版を順番的には最後に観ることに…。
で、女性版を観ていて「ここは男性版ではどうなっているんだ?」と抱いていたある設定に関する疑問の解答が得られるとともに男女版は男性版にかなり近いことがワカり、あれこれ納得。

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度

招待いただきましたけど
席は前から2列めの下手の一番端で、しかも柱の後ろで、下手で芝居されても、見えない状況でした。
また、役者もやたら怒鳴っているばかりで、やかましいと感じました。また、登場人物が多く、なにやらごちゃごちゃしていました。
私には、まったく合いませんでした。

少女教育

少女教育

シンクロ少女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

引き込まれた
2時間がすごく短く感じるほど引き込まれました。
机と椅子しかない舞台なのに、途中から他人の私生活を間近に覗き見てるような感覚に襲われる、そんな雰囲気が自分にはたまらなく良かったです。

「はなして」+「アマゾン」

「はなして」+「アマゾン」

三角フラスコ×ペピン結構設計

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2012/07/21 (土) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

じわじわくる余韻
2つのカンパニーによる311以降の世界の語り方。それぞれ、距離感は違えど通底したものを感じ取りました。三角フラスコ『はなして』は素晴らしい完成度。ペピン結構設計『アマゾン』は世界観の構築方法に唸りました。見逃せない公演だと思います。

少女教育

少女教育

シンクロ少女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★

なんだかずいぶんと洗練されてきたような・・
嫌さとかそういうのはなくなっていて、
すごくスマートにきちんと二者二様の生き方で、
同じ言葉の呪縛から抜け出るさまが描かれていて
(それは多くの女性に共通する呪縛かもしれないけれど)
ここ何作かを通じての成長ぶりを感じ、
目を見張ったりしてました(笑

・・・ちなみに、今回の演劇祭はみんな負けじと
構成をブラッシュアップさせてのぞんできてるように感じました。

登米氏あたりが提示した
小さな画面の劇場ならではの目を見張るような構成の緻密さが
王子のカラーとして定着しつつあるのを
再認識してしまうような・・(気のせい?

どれも力作ばかりだけど、
こうしてみると、トップバッターの競泳水着は
順番的にちょっと不利・・?(苦笑

ネタバレBOX

「いちばん好きな人とは一緒になれない」
という、親
(これも、生まれの母親と父親は全く同じだけれど、
育ての母親と父親はそれぞれ異なる
(片方だけ生まれの母親と育ての母親が一致する)
の言葉を聞かされて育った双子の姉妹の、
二者二様の、
「素直に好きと言えるようになるまでの軌跡」
を鮮やかに描いている。

奔放な女の子の方が実は子供のままで、
根暗な文学少女の方が実は母親的(一方の男が実は子供であることからそれが伺われる)である、
という描写が、
最初のシーンで二人無意識に着ていた
全くそろいのシャツの印象的なシーンから始まって
(最後の場面で双子であることが示されることを、最初の段階で暗示している)
鮮やかに描きわけられ、対比されている。

そして二人の育ての母親の、それぞれの対照的な生き方。

また、それら4人の女性の周りの男性たちの特徴的な描き別れ方。

それぞれが全く別々のものでありながら、
最後には二人の女性の人生を軸に鮮やかに
まとまっていく様子が美しい。

ストーリーテリングというよりは、
構成で饒舌に語っているという感じがして、
視覚的にみても素晴らしい作品だったように思います。
千に砕け散る空の星

千に砕け散る空の星

ゴーチ・ブラザーズ

シアタートラム(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★★

どこが
千に砕け散るだよって思いました。

ネタバレBOX

地球に隕石がぶつかるといった程度のものではなく、宇宙の進化の過程で空間に断層のようなものが生じ、強力な空間の歪みが地球に到達して地球が粉々になるというイメージでした。

そんな中で取り上げられたのがイギリスのとある家族…、母親と5人の息子およびその家族等はバラバラで、連絡が取れない息子もいる状態です。次男は17歳で父親になり、その娘も16歳で母親になっていて、イギリスでは少子化の心配がありませんねと言いたくなるような特殊な人たちでした。

案の定、地球が崩壊するというSF的な要素は全く無く、バラバラになった兄弟を母親の許に集める口実に過ぎませんでした。日本なら、父親の法事を前提にして作るお芝居のようなものです。

そして、家族がバラバラになったきっかけや、性癖、性格などを探り合うお話でした。ゲイを取り上げなければ普遍的なドラマにならないという強迫観念でもあるのでしょうか。

そんなことより、地球が粉々になるんならもっとおののけよ、そんな平然としていられるわけがないでしょう。

末期癌で死を目前にしている長男の髪と身体を実際に洗ってあげるシーンは、イギリスでは舞台上で裸を見せなければ客が入らない事情でもあるのかと思わせてくれるようなシーンでした。イギリスではガウンを羽織ったままで立たせて髪を洗うんだと、それはそれで新鮮な驚きでした。丁寧な介護シーンとも言えますが、時間の無駄、こんなシーンはカットして2時間くらいに収めればと思いました。

かつて次男を殺そうとした長男の交通事故の真相が、次男が16歳で妊娠させただらしなさ故ではなく、長男のゲイ的性癖を次男に見られたことによるものだったということだけが、唯一面白かった点でした。
新・幕末純情伝

新・幕末純情伝

RUP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

配役が•••
今年に入って6度目の幕末純情伝、4つの劇団のものを観劇した。今回が最もハコも大きく、有名人も多く、チケットも高い。
では、それに匹敵するだけの出来上がりかと言うと、やや疑問が残る。
主演の桐谷美玲は初演ということで、かなり練習は積んだものと思われるが、殺陣に力を感じさせず、棒読みっぽい台詞も多く残念。先々代、先代の石原さとみや、鈴木杏と比べてもかなり見劣りがした。
一方、つかこうへい門下生の吉田智則、山本亨、神尾佑の演技は流石であった。但し、42歳の神尾が33歳で死んだ龍馬というのは、桐谷との年齢ギャップを考えても無理があったのではないかと思う。軽薄と情熱の塊であった2003年ダブルスでの筧利夫の演技がどうしても頭にあるので、真面目顏の神尾では何だかなぁと感じてしまう。また、度々出てくるエロい台詞も軽薄な筧では許されるのだが、神尾は中年のいやらしさを感じさせ、桐谷にセクハラしているように見えてしまった。

シアターライブ! part2

シアターライブ! part2

SOUKI

シアターブラッツ(東京都)

2012/07/21 (土) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

それぞれ面白く
SOUKIメンバーによるパントマイム個人戦バトル。参加者の個性がそれぞれの作品に現れ,楽しく観劇できた。作品の評価が本番直前のくじ引きによっても左右されるのはガチのバトルだから仕方ないが,正直,この作品がこの出番で来るのはもったいないと思うものもあった。いずれにせよ,各人13分の演技,これも立派な芝居である。

少女教育

少女教育

シンクロ少女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

2時間飽きずに
名嘉友美さんは才能のある方だと思う。以前観劇したシンクロ少女の作品でも感じたが,女性の感性で登場人物,特に女性の気持ちの動きが表現され,観劇後は素直に納得してしまう。今回の話もバラバラに進行汁ストーリーが繋がりをみせるに従い深くのめりこんでしまい,2時間も終わってみれば短く感じられた。タイトルから想像する怪しさは全くなく,誰もが違和感なく観れる作品だと思う。

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

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カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

ノーマルバージョンの感想です。
バカバージョンとは脚本その物は一緒で、バカ〜はコメディ仕立て、こちらはシリアス仕立てという作品です。

好み的にはこちらのバージョンの方が良かったと思います。シリアス仕立てとは言ってもコメディ要素も適度に入っていて、充分に楽しめました。

しかしながらこちらのバージョンもゾンビが主役では無かったのが唯一の欠点です。ゾンビを主役にして再演したらどうでしょう?

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

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カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

バカバージョンの感想です。
悪くは無かったです。役者さん達の一生懸命さは充分に伝わって来ました。「アクションは今公演は封印する。」と言っていた割には結構激しい感じで立ち回っていたので、次回以降また観たくなりました。

只、アニメのネタをギャグに取り入れるのはどうかと思いました。あれだと解る人には解るみたいな感じで悪くすると楽屋落ち的な内容になってしまう様に私には思われました。(かろうじて私には解りました。)

それから肝心のゾンビの活躍が序盤で終わってしまうのも非常に残念な感じでした。次回以降またホラーを題材に公演をするなら是非ゾンビを主役にお願いします。

次回公演では全力投球の公演を期待しています。

Shambles

Shambles

劇団スクランブル

シアター711(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

女と犯罪
花で飾られた美しい銃のフライヤーが“女と犯罪”をイメージさせるが
”ヤワ”か”ヘン”な男に比べて、強い女の心意気が楽しい舞台だった。
ラストの「どっひゃー!」が良く出来ている。

ネタバレBOX

仲の良い5人(うち夫婦1組)が、メンバーの一人の父親が所有する別荘へやって来た。
台風に見舞われてようやく辿り着いたのだが、
何とそこには死体が3つと9900万円の現金が入ったアタッシェケース、拳銃付き。
警察へ通報しようにも携帯の電波も入らない山の中だし、車を出そうにも台風だし…。
というわけで謎解きするうちに「これ、山分けしない?」という話になっていく。

実はそれぞれ深刻な“金の悩み”を抱えていたのだ。
シングルマザーは、一人息子の病気の治療のために、
夫婦は友人の連帯保証人になったばっかりに借金を背負い、
別荘の持ち主のパパは、脱税の罪を一人で背負わされて捕まっちゃった…。
職務に忠実だった刑事の真実(竹内もみ)も、友人たちの苦境を知ってついに折れた。

「どうせ被害届なんて出せない金に違いない」
「死体さえなければ事件は無かったことになる」
「だから死体を切り刻んで消してしまおう」

という結論に至るのだが、同時に謎解きも試みられる。
この3人は誰なのか、なぜ大金が(妙に半端な)残されているのか。
銀行強盗説、悪の組織説、仲間割れ説、男女関係のもつれ説等々…。
仮説が立てられるたびに、いきなり死体が動き出して再現ドラマが始まる。
これがメチャメチャ可笑しい。
3つの死体の中でも、ヘンな顔とヘンな動きで“怪しさ全開”の男(中根道治)が
毎回他の2人の女をイラつかせて強烈な印象を残す。

そして最後の再現ドラマには、刑事の真実が加わっている。
彼女こそが、3人を殺して金を奪った犯人だった。
刑事としての仕事に限界と疑問を感じ、
困っている友人たちを救いたいと決断しての犯行だった。
その再現ドラマの終盤、第一発見者の祐花(藤井牧子)が
死体の次に金に気付いてバッグに詰め込むところが再現された。
そして叫び声を上げて仲間を呼ぶ前に、客席を向いてにやりと笑う。
そのスゴイ迫力に火サスもびっくり。
この人の台詞のテンポやギャグの間にセンスを感じる。
全ては、ラストのこのギャップの為だったのだ。

スピーディーな展開とシャープな切り替え、
個性的なキャラ設定が功を奏して
コンパクトな上演時間ながら充実してとても楽しかった。

犯罪者の背中を押すのは、時に正義だったりする。
たとえそれが独りよがりで偏った正義だとしても。

それにしても己の信じる正義の為なら殺人もやってのける決断力、
こういう腹くくった潔さ、やっぱり男より女だわ。
みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/26 (木)公演終了

満足度★★★★

役者陣が上手い!世界観が秀逸!!
会社員の自分にとっては、観劇しながら色々思う内容だった(笑)。
痛いくらいの世界観がヒシヒシと伝わってきた!
それにしても、役者陣が上手い!
いろんな意味で感情移入してしまった(笑)。
上演時間約2時間。

ネタバレBOX

ある会社の新規プロジェクトでの物語。

「仕事ができる人」が「仕事をできない人」をいじめるという構図。
これでもかというほど、いじめる側が調子づく。言葉の暴力である。
会社員としてみた場合、いじめる側の主張は言い方には問題があるものの、強ち間違っていないように思えた。

ただ、「自ら仕事ができると言う人」で、仕事ができると周りから認められる人って、あまり聞いたことないなあと思ってみていたら、案の定・・・(笑)。

しかし、今時職場でこんな陰湿ないじめはリアリティがないように思えた。
(それとも自分が恵まれた職場なのか(笑))
それに、出世したいと思う人で、あからさまに上司相当の人に
真っ向から逆らう人はいないだろう(笑)。

ただ、パワハラ、セクハラを分かり易く、伝えるには、
この位強調した方が良いのかもしれないが。

リーダーが上手く舵取りできない組織が崩壊していくさまも
分かり易かった。
机がバラバラの方向に並べられるさんて、まさに無政府状態(笑)。

中間管理職、担当者、女性管理職、女性一般職それぞれの主張が
多少誇張はしているものの、会社組織の生の声に感じられ、
他人事じゃないなと感じた(笑)。

まあ辞令も正式におりていないのに、プロジェクトにメンバーが集められる
こと自体、まともな会社では実際には有り得ないことだと思ったが、
やっぱり・・・。

結局、会社は過剰在庫を抱えたことにより、倒産する。
最終的に、在庫管理の責任部署である自分たちは全員責任をとらされ、
クビになる・・・という暗示で物語は終了する。

結局、”人並み”に仕事ができると評価されている者は、
このプロジェクトには誰もいなかったのだ。

ラスト、全員が豚のかぶりものを被った状況で終了した。


役者陣はいじめる側、いじめられる側とも、抜群に上手い!
観ている側をイラっとさせる感じやそこまで言うか感じさせるところは、
とても良かった!
公演後、観客席の仲間同士で「あまりにいじめる場面が多く、心が痛んだ」と言っていた。。

演出では、物語の途中で場面転換でダンス?のような動きが
何回もあったが、緊張感を和らげる箸休め的な時間で好み。
描かれている世界観の強弱が感じられ、効果的だと思う。
豚のかぶりもので暗示させる世界観も好みであった。

こんな舞台を観せられたら、次回公演も楽しみである。
象のいる部屋

象のいる部屋

劇団恋におちたシェイクスピア

RAFT(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

3.12  
 3.11の間違いではない。問題は3.12だ。その方が遥かに重大な危機だからだ。3.11規模の地震、津波は、歴史上、何度もその記録が残る体験を我々の祖先はして来ている。然し、マグニチュウドの数値を気象庁独自評価からいきなり説明もなしに学者などが用いてきた評価方式に変えて数値を大きく見せかけるような操作を行い、恰も致し方なかったと言い訳しやすいようにする態度には、誰も納得できまい。評価は、同一基準ですべきである。
 更に、データの隠蔽・誤魔化し、説明会でのヤラセ、虚偽証言、政財界、マスコミ、司法への工作など推進派のダーティーな行為は枚挙のいとまもないが、そのような状態を肌に感じたのか、面倒くさがりの作者は感覚的に描いた作品だという。その割には、まずまず、正鵠を衝いていると言えないことはないが、勉強不足は、ラストの余りにも曖昧な終わり方に出ているように思う。ストーリー展開その他では、中々楽しめる作品にはなっている。

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