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そうか、君は先に行くのか

そうか、君は先に行くのか

カムヰヤッセン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

【はたたがみ編】観劇
最近、イライラさせられる芝居がマイブームなのか、イライラしながら、色々ツッコみながら観ていました。

ネタバレBOX

甘ちゃん刑事の歪な公私の話。

ホストに車を買ってやりたいと言う妻に、いくら別れたくないといっても離婚協議中ですよ、150万円も出してやるかぁ。夫は、出世のために妻帯者になることが目的だったということだし、妻は妻で、いくら夫の愛情が歪なものであるとはいえ、収入もないのに、働くのが好きでもないのに自分から離婚を言い出しながらお金は当てにするなんて夫婦ともにへんてこりん。ホストはホストで、車にオプションが付いていないと逆切れしたりして、もうこうした関係の不条理さにイライラしながら喜んで観ていました。

ラストの殺人未遂で捕まったときの叫びは、理不尽さも若干は伝わって来ましたが、やっぱり甘ちゃんの遠吠えでした。

このラストシーンについては、ドキュメント映像で、なぜ夫婦なのに思いっ切り接触しないのかといった意見があったように記憶していますが、完全な夫婦にはなり切れていなかった訳で、ぎこちなさがあって当然だと、これで良かったんだと思いました。

ところで、シーンがテンポ良く展開するので已むを得ない面があるのは理解しますが、部屋の中で座っているのに靴を履いているというのが嫌で嫌でしょうがありませんでした。

また、警視庁捜査二課から四課に異動があったとのことですが、二課と四課の違いについての説明はほしかったと思います。
また悪だくみをしているのね

また悪だくみをしているのね

電動夏子安置システム

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/07 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

手の込んだいたずら
糸がこんがらかっていて、さらにこんがらがるが、最後には解けて無事終了。
手の込んだ脚本で、当パンで登場人物の相関が書かれており、これをあらかじめよく読んでおいたのですんなり入っていけた。
この劇団はいつも感じることであるが、劇団員全員で観客をおもてなす姿勢が感じられ、とてもいい気持ちにさせてくれる。
次回作が楽しみ

荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

鵺的(ぬえてき)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/08/07 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

凄い芝居!
これは見応えあったなあ。
こういう演出、脚本は、なかなか無い。
非常に濃厚な時間を過ごせた!
今日の14時30分公演で最終だし、前売りチケットも売切れだけど、
時間があれば当日券にかけることをオススメしたい!
上演時間75分。

ネタバレBOX

シンプルな舞台美術。正面向きに9席おいてあるだけ。
役者陣が座って話すのだが、皆正面向いているので、
相手の顔はみれない。
役者陣1人1人が自分の役割になりきり、話ながらその話す内容、
場面に応じ表情をつくる。
息があっていなかれば、とてもできる芸当ではない。

役者陣は全員上手い!
語りと表情だけでこれだけ魅せるのは、お見事!

事実に基づく内容を脚色した脚本。
こういう家族が存在している・・・。
どういう内容か観劇することをオススメしたい。

ラ・マンチャの男

ラ・マンチャの男

東宝

帝国劇場(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/25 (土)公演終了

満足度★★★★★

退屈の先
役者の表情がオペラグラス使わず見える、ゼイタクな席で観劇っっ!!でも予備知識全く無しで観劇したので、前半1時間は退屈で。この退屈さはとても重要だと思いました。そしてこの退屈さが反転したときに、作品の主題がありありと浮かび上がるなと思いました。松本幸四郎と松たか子の共演は本当に豪華で、それだけでも大満足です。

ネタバレBOX

劇中「最も憎むことはありのままの人生に折り合いをつけて、あるべき姿のために戦わないことだ」という台詞が出てくるが、これが主題かな、という実感を持ちました。

観客が主観的に見ると、寂れたハタゴ(宿)に集まった、食い詰めた男女はどう見てもみすぼらしい姿。それを劇中のドンキホーテは、素晴らしい城と、紳士淑女だと言い、ハタゴで働く女アルドンサを姫だといい続ける。この一貫したギャップに観客は笑うし、戸惑う。何しろずーーーっと、言い続けるのでドンキホーテは本当に頭がおかしいのかなと思う。退屈だ。でも、徐々に世界が反転していく。ドンキホーテの周囲の人達が戦ってないだけで、この世界は見方を変えると素晴らしく映るのかもしれない、と。アルドンサの置かれた境遇や社会的な立場は悲惨だ。そして彼女自身「最大の罪は生まれてきたことだ」と言い放つほど、自己肯定感を損なっている。暴行を受けて、ボロボロの彼女が「私の本当の姿を見て」と迫っても、ドンキホーテは「姫」と言い続ける。誰にも承認されてこなったアルドンサはそこで世界を反転したのではないか。

その世界の反転は、「21世紀の日本で3次元ではうだつが挙がらない(非正規雇用で異性にモテず自分に自信を持てない)が2次元の世界(ネトゲとか)では神なんだ」みたいな現実逃避ではないと思う。そうではなく、自分の置かれた境遇や立場と、自分自身の尊厳は独立した別々のもので、アルドンサは世界と自分を肯定的に捉えなおしたんだと思う。人間はどんなに過酷な環境や境遇でもそこに希望を見出して生きれば、幸福を追求し続けられる。でもその戦いは、あまりに孤独で、あまりに過酷だ。サンチョも劇中に「ゾウがネズミをかじっても、ネズミがゾウをかじっても、どちらも痛いのはネズミだ。」みたいな台詞があったが、大きなものと闘う個人は勝ち目がない。それでもそんな戦いをし続けるドンキホーテは、何だかとても神々しく見えるのだ。そして観劇していて物語の序盤にドンキホーテに感じていた退屈さは、そのまま自分の生き方へと跳ね返ってきて、自分の人生の退屈さを思い知らされる。ありのままの人生に折り合いとつけてるなぁ、と。

いつの時代もこの世界は不平等で不完全なものだという指摘は正しいかもしれないが、指摘したあなたはその事実をどう変えるのか?ドンキホーテは、その問いにドンキホーテは1つの答えを示しているなと思う。
そうか、君は先に行くのか

そうか、君は先に行くのか

カムヰヤッセン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/20 (月)公演終了

満足度★★

やぶからし編観劇
本番直前までの制作過程、役作りの過程を見る事が出来る【ドキュメンタリー企画 Naked Actors】を、劇団HP上でやっていて。普段見れない役者・演出家の姿が見れてとても刺激的。こういう企画は是非、またやって欲しいなぁと思う。ただ実際の公演を見ると、役者の成長云々よりも前に物語にのめり込めず。役の感情が一貫してないのか、僕の好みの問題なのか。

ネタバレBOX

漫画の「代紋TAKE2」とか「闇金ウシジマ君」が好きな僕にとって、作品中の「任侠道」や「貧困感」がどうもリアルに見えない。別にリアルでなくてもいいんだけれど、登場人物の誰一人自分は何をしたいのか、何を考えてるのかよくわからないと、物語を楽しめない。ハズレクジを引き続ける人生を、小学生時代の失敗に引き付けて考えるのも幼いなぁと思うし。「隣の芝生は青い」という主題も、隣が羨ましいように見えないし。前作「バックギャモンプレイヤード」はものすごく面白かったし、今回観劇しても主演の2人も魅力的な役者だと思いました。自分の好みでないだけかもしれませんが、本作品はハマレませんでした。
【ご来場ありがとうございました!】西日、新車に直撃【舞台写真UPしてます】

【ご来場ありがとうございました!】西日、新車に直撃【舞台写真UPしてます】

トリコロールケーキ

シアター711(東京都)

2012/08/08 (水) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しみました
満足度だけでいったら☆5つでもいいくらい。
話自体は適当で、ギャグも新しいんだか古いんだかわからないのですが、とても温かく楽しい感じが伝わってきました。
この前に見た別の劇団の芝居では、(脚本が緻密なぶん)重箱の隅をつつくような細かいところが気になってしまった私ですが、ここまでいろいろナンセンスだと逆に何も気になりませんでした(笑)
個人的に、こんな風に楽しむ劇団があってもいいなと思います。

ネタバレBOX

登場人物がみんなツノを付けている時点で、これは常識世界の話じゃありませんよと、メルヘン誘導されました。それがよかった気がします。

一番の目的は、鳥原さんのぬいぐるみ的可愛らしさを見にいったものですが、「あら、このおばさん役なのに妙に愛らしい人は、鋼鉄村松のお芝居で女流名人を演じていた人だわ」とか、「あら、あのサンタフェぶら下げている子は、確か参宮橋で観たコントでやきそばを口いっぱいほおばっていた子だわ」と、一年足らずの観劇歴で、知っている顔が出てきたことが、なんだか嬉しかったです。

唯一、残念だったのは、入り口で誘導していたムラマツベスさんを前にして、何も話しかけられなかったことです(笑)

夏の終わりを告げた手紙 無事公演終了致しました!ありがとうございました!

夏の終わりを告げた手紙 無事公演終了致しました!ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

ワーサルシアター(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

何度も観たくなる
町子と蓮の繋がりが、激しさから始まっ成長したた口紅から一転、優しさに満ちていたのが良かった。柔らかくなった相原奈保子さんの町子と百光年の詩から更に成長した光藤依里さんの蓮がお互いを思う気持ちに感動でした。

蜜 室(みっしつ)

蜜 室(みっしつ)

まことクラヴ

シアタートラム(東京都)

2012/08/08 (水) ~ 2012/08/11 (土)公演終了

満足度★★★

アングラ的味わい
舞踏や社交ダンスのダンサーも出てくる雑多な雰囲気がいかがわしくて楽しく、ダンス的ムーブメントだけでなく演劇的構成も魅力的な作品でした。劇場以外での公演も多いカンパニーなので、劇場で公演することについて意識的で、うっすらとメタ的な構成が感じられました。

開場すると舞台上が「差押」と書かれたテープで囲われていて、ダンサー達もテープで巻かれて身動きせず佇んでいる異様な光景が広がり、開演時刻になるとテープカットのセレモニーが行われ、舞台やダンサーのテープが切られパフォーマンスが始まるのが印象的でした。
中盤はコミカルなテイストで、夏目漱石の『それから』の台詞を一人で語ったり、澤田有紀さんが向雲太郎さんに社交ダンスのレッスンするもののどうしても舞踏的な動きになってしまう様子が笑えました。
終盤になって開演前のアナウンスが流れ、開演してからそれまでの時間が幻のように感じられる効果があり、アナウンスの言葉が次第にゴチャ混ぜに編集され、『それから』の相手の台詞に変容していくシーンが素晴らしかったです。
最後は女性歌手2人(1人はダンサーの森下真樹さんで、歌だけの為に出演)が客席後方から現れ、ジャズ的な曲を歌い、差し押さえの札が舞い散る中またテープが舞台上に張り巡らされ、その向こうにダンサー達が並ぶ姿に迫力がありました。
冒頭と最後はとても素晴らしかったのですが、中盤が少々間延びして感じられました。

ダンスは群舞に勢いがあり、爽快でした。向雲太郎さんの異質な存在感があるときは奇怪にあるときはコミカルにと上手く用いられていました。
照明が凝っていて素晴らしかったです。

口紅を初めてさした夏 (再演) 無事公演終了致しました!ありがとうございました!

口紅を初めてさした夏 (再演) 無事公演終了致しました!ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

ワーサルシアター(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

観てほしい
再演ですが初観です。まず蓮役の斉藤花菜ちゃんがいいです!初舞台ということですが大人達の中で見事な演技でした。町子とのやりとりの変化が心を揺さぶりました。2作品逆に観てもいいですがやはり口紅→夏の終わりと観た方がより入り込めると思います。まだの人は是非観てほしい素晴らしい舞台です。

see/saw

see/saw

Nibroll

ヨコハマ創造都市センター(YCC)(神奈川県)

2012/07/20 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

慟哭を聞き、無念さに思いを馳せ、泣きそうになった
あまりにも、ストレートすぎなのだが。

映像と音(音楽)で、ダンサーたちの感情と形を増幅させ、会場全体をダンスで埋め尽くした


『see/saw』を中心に、off-Nibrollとしての一人芝居、さらにインスタレーション作品の展示で、ヨコハマ創造都市センター全館を使っての公演である。

ネタバレBOX

オープニングから圧倒された。
輪が束になって天に上がっていきつつ、その中、一番下のところでで踊るダンサー。

輪が泡にしか見えず、ダンサーの動きは、自分の吐く泡の中でもがく姿に見えてくる。
美しくもがく姿というのがインモラル。
耳鳴りのような電子音が会場を回る。それはまるで耳に水が入ったような感覚の音だ。

そして、生命が弾けるような光の直線、束。

人の喪失、過去と記憶が美しく交錯する。
活き活きとしている「白」のダンサーたちが激しく踊るのだが、冒頭のダンスがあったので、「死」の影がどこまでもつきまとう。
さらに、それを「黒」いダンサーたちが覆っていく。破れた衣装と、身体のどこかにバンドエイドを貼ってある黒いダンサーたちのストレートな表現。
嘆き、叫び、慟哭が会場を暴力的に覆っていく。
もの凄い「音」。五感に響く。

この「痛さ」「悲痛」さは何であろうか。
ほんの1年と少し前の記憶が蘇る。
黒い波が、真っ黒い波が、街を人を生活を飲み込んでいく様子だ。
何度も何度もテレビやネットで繰り返し見た、あの状況だ。

呆然として立ち尽くす人々と、モニターのこっち側で、やはり同じように呆然として見ている自分がいた。その距離は大きく違うのだが、このときに自分の中で起こっていた「気持ち」は、この「慟哭」「叫び」「嘆き」であったことに気づかされる。
折しも、この舞台を観た日は、11日。

ここから「白」は消え、「黒」の世界になっていく。
ストレートな映像が周囲を走り、ダンサーたちは翻弄される。
もがく、必死にもがく。

人が人を押すように動き回る。押しているのは「人」であったり「物」であったりであろう。
他人に手を伸ばす人もいる。椅子に自分の逃げ場を見つけ一安心している人もいる。
しかし、結局は流れの中へ。

ばらまかれる葬式の花が、「花」からゴミになっていく。「過去」「記憶」になっていく人々。
本当に辛い状況が延々と続く。

「不快」にさせる、金属の蓋のようなものを床に叩き付ける音がいつまでも響く。
しかし、辛さも不快さも痛さも繰り返されることで「マヒ」してしまう。
それが恐怖でもある。

タイトルにある『see/saw』は、もちろん「過去」との関係であるが、それを遊具のシーソーにして舞台の中央に置いていた。
シーソーは、どちらかが下がればもう一方が上がる。どちらか両方が下がったり上がったりすることはない。舞台の上のシーソーは、必ず向かって左側が下がるようにできており、右に誰かが乗らない限り右は下がらない。これはもの凄く暗示的ではないだろうか。
白と黒のダンサーたち、彼岸とこちら側、シーソーの上下。助かる、助からない…。

最後に、さてこれからソロのダンスが始まると思った矢先に、ダンサーへバケツで水が浴びせかけられる。これには「ある日突然断ち切られてしまう」ことを強く感じた。その悲痛さ、無念さをだ。それでも踊り続ける。

最後まで観て思ったのは、ちょっとした芽はあるものの、叫び、慟哭、嘆き、無念、悲痛の中にも、勇気とか愛とか、そんな「記憶」も入れてほしかったということだ。

ダンサーたちはもの凄くよかった。
特にメインの4名。その中でも最初に踊った小山衣美さん(だと思う)の、キレの良さ繊細さは素晴らしいと思った。また、福島彩子さん(だと思う)もダイナミックさが印象的だった。

Nibrollは、ミクニヤナイハラプロジェクトでもそうだが、映像と音楽が素晴らしい。
今回も、映像(高橋啓祐さん)と音(音楽)(スカンクさん)で、ダンサーの感情と形を増幅させ、会場全体をダンサーたちで埋め尽くしていた。

ヨコハマ創造都市センターという石造りの会場を見事に使い切っていた。
音が響きすぎる会場なのに、「音(音楽)」ではそれをうまく使っていたし、「映像」は、三角系で天井の高い形状や柱に意味を与えていたように感じた。
映像と音は、ダンスよりもさらにストレートなのだが、映像では実写の色調に、音楽では人を突き飛ばすシーンで、リリカルさを感じた。キツイシーンをリリカルにすることで響くものがあるのだ。

この公演の前には、off-Nibroll の公演として、一人芝居『家は南に傾き、太陽に向かって最も北から遠い』が行われたのだが、こちらも「記憶」がテーマとなっていた。
『see/saw』を観てから、その公演を振り返ると、「家」「家族」「生活」「記憶」ということが、さらに切なくなってつながっていく。
インスタレーション作品の中での一人芝居なのだが、小さな「家」がずらっと並んでいる作品であり、『see/saw』での「白」と「黒」の関係、つまり、一人芝居では「夜」だったものが、黒い「不安」(一人芝居でも「不安」はキーワードだったと思うのだが)、もっと言えば、「津波」にも思えてしまうのだ。
グッバイ・エイリアン

グッバイ・エイリアン

ニコルソンズ

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2012/08/08 (水) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

本当に面白い。
とっても面白かったです。すっごいすごい好きでした。一人一人の役者さんもとてもステキでした。

荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

鵺的(ぬえてき)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/08/07 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鵺的的
「鵺的」的世界を堪能。

ネタバレBOX

ともすれば推理劇になりそうな展開をさらりと回避する作劇手腕とストイックさに鵺的を感じた。

『フォーク 回想   』ご来場ありがとうございました。

『フォーク 回想 』ご来場ありがとうございました。

岡田久早雄プロデュース

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/13 (月)公演終了

満足度★★★★

カニバリズム
 余り極端な振付や演出がない分、素の活きた舞台であったが、言葉の区切りかた、ブレスの取り方でとり違いをしていた個所があった。無論、カニバリスムは、文明化されたはずの我らの時代には、極限状況でなければ起こり得ない。余談になるが、その極限を体験しない人々が、した人々を獣扱いすることの残酷も相当なものではあろう。
 その点を踏まえて観ている我々の位置も照らし返される作品ではある。

10station  都合のいい記憶〜凌霄花〜

10station 都合のいい記憶〜凌霄花〜

劇団始発列車

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2012/08/09 (木) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★

リアリティ
 どうも、溺れているようである。メンタルなレベルに。自己憐憫やナルシシズムに毒されているように思うのだ。演出上、絶対にあってはいけないようなミスもあり、細部のリアリティーにも乏しい。原因は甘えか観察力の不足である。その結果、作家本人が自らに課す荷が軽い。だから哲学と言えるほどのものが無い。あるのは移ろう心情だけであるが、それを根拠づける体系が無ければ、ものは見えてこないだろう。
 この舞台の原作は、記憶アプリを題材にした自主製作映画だということだが、恋愛物として仕立て上げる中で、マッチングが上手くいっていない。結果、焦点がぼけてしまった。これも、価値観の体系も持たず、物語を重層化することのできないレベルでITなどの技術を表面的に使った結果だろう。
 

また悪だくみをしているのね

また悪だくみをしているのね

電動夏子安置システム

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/07 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

レイヤー状の
舞台の使い方がおもしろかった。

新作オペラ『地獄変』

新作オペラ『地獄変』

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

作曲の素晴らしさ
 今回、作曲家ロネン・シャピラの音作りは、西洋音階から離れ、殆どの部分をアラブ音楽や日本古来の楽曲に用いられる音階である四分の一トーンを用いて作曲している。そのことと、彼の文化に対する謙虚な姿勢が、単に音を演奏したり、作曲すると言う表現ではなく、或る宇宙に音を置くという行為に結実している。即ち、音がものそれ自体のように空間に座を占める時、宇宙の創成が為される。そのような創造の縁を表象しているのである。この音の創成は、見事に「地獄変」の本質に呼応している。
 シャピラの音に応えて、演出の井田 邦明は、作品と演者の重層化を試みている。シアターXの劇場構造をそのまま生かし乍ら、映像用の幕を斜めに張り、舞台袖の無いこの劇場の搬入口を区切って亜空間を創造し、更にビニールシートで覆うことで彼我の差を表象している。
 台本の入市 翔は、当初書き上げたシナリオを一度、破棄している。音楽劇であるオペラでは、言語に纏わる音声は非常に重大な要素であるが、言語の違いが、リズムや感情を込める時のアクセントの位置で齟齬を来したからだ。その後、作曲に合わせて、書き直されたテクストが用いられているのだが、ドラマツルギーの原則が活かされ、対比構造を用いることで自然にドラマが成立する仕組みである。
 出演するオペラ歌手、コロスの面々も普段から鍛えられた素地の、質の高さと集中力とを感じさせる舞台であった。科白の聞こえが良くない程の高揚場面もあったのだが、それは、この作品の特異な位置からは、逆に効果的に作用していた。宇宙創世期に、カオスは必然の一形態である。そこで、アモルフな状態が出来するのは当然であろう。更に、良秀の娘役は毎回変わる。この点も何度も見るに値しよう。
 ところで、「地獄変」に描かれた内容だけでも地獄だが、我が国の地獄とは、力無きものに犠牲だけを強要するシステムそのものなのではないだろうか? 芥川の言いたかったことをこの点だけに絞るつもりはないが、昨今の原子力村復活動静にしても、国会運営の在り方にしても、そのように思えてならない。

令嬢ジュリー

令嬢ジュリー

演劇集団 砂地

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです。
上演終了後、涙と嗚咽が止まらなくて、
なかなか席を立てませんでした。
心臓をわしづかみにされて揺さぶられたような感覚でした。

藤波さんが、とにかくかっこいいです。
台詞回しも、音もかっこよくて、完全にファンになりました。

こんな舞台には、なかなか出会えません。

富裕

富裕

monophonic orchestra

新宿眼科画廊(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/15 (水)公演終了

満足度★★★★

リーディングのだいご味
リーディングの面白さは、動きが限定される分台詞に集中できる事だ。
それはそのまま役者さんの力量が露わになることでもある。
須貝英という人の抽出する会話のリアルさが際立つ公演だった。

ネタバレBOX

「浮遊」に登場するのは1人の男(大石憲)と2人の女(安川まり、伊佐千明)。
“失踪”というちょっと衝撃的なキーワードが介在する微妙な関係の3人。
富裕とは所有する“量”ではなく“質”の問題なのだと思う。
多くを所有することより、何をどこまで所有するか、その深さが問われる。
所有の仕方が浅いと、人は不安になって
相手を試したり傷つけたくなる──。

安川まりさんの、どうしようもない喪失感が痛々しく
ラストの悲しみと同時にどこかほっとした表情が良かった。

3人の関係が、過去と現在を行き来しながら描かれる。
それにしても男はどうしていつも答えを出さないのか。
女が突きつけたものに従って生きているように見える。

「ファーファーファーファー、ファーラウェイ」は2人芝居(片桐はづき、櫻井竜)。
台詞の醍醐味とリアルさで、この日一番印象に残った作品。
高校生2人の電話での会話から始まるこの話は、
冒頭のリアルなやりとりで一気にひき込まれた。
ディズニーシーに2人で行きたいけど、相手が少しでもそれをためらうようなら
みんなで行こうって言おう・・・という手探りの期待感が伝わって来て微笑ましい。

上手と下手に離れて向かい合っていた役者2人が
少しずつ歩み寄ったり離れたりするのが彼らの関係を視覚的に示して面白い。
ここでも女が「もう友達同士には戻れないのを覚悟の上で」告白しても
男は明確な返事をしない。

その後も節目節目には電話で連絡を取り合いながら細いつながりを絶とうとはしない2人。
自分が所有したい相手から、「所有したい」と言われない失望感を抱えてきた女が
「さよなら」と言ったとき、ようやく大人になったのかもしれない。
告白のときの片桐はづきさんの初々しい覚悟と
ラストの「さよなら」が切なくて泣けてしまった。

生き生きと躍動感ある会話が楽しく、話の弾む高校生の会話を隣で聴いているよう。
この会話の再現が素晴らしい。
単なるイマドキのてれてれした会話の再現ではない。
きちんと再構成されていながら“平成24年の会話”になっている。

あえて間を置かずに会話の内容で時間の経過を知らしめる方法も、
テンポを落とさず全体の流れを止めることもなくて良い。
2人が常にテンション高く、快活で、話題を選んでいるのは
相手に不機嫌な声を聴かせるほど親しくなれない2人の関係を物語る。
この戯曲は、リーディングでもう完成されているような気がする。

もうひとつは「一人寝の夜に」という小説の朗読。
ホチキスの村上直子さんの朗読で
須貝さんの繊細な目が感じられる作品。

「浮遊」の本公演はどこがどんなふうに変わるのだろう。
須貝さんの人間観察の鋭さと共に興味が尽きない。
わずか20名ほどの観客を前に演じられるという贅沢なひとときを堪能した。
モマの火星探検記 ~Inspired by High Resolution~

モマの火星探検記 ~Inspired by High Resolution~

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

あざとさのない演出が心地いい
あー、少年社中さん、2回目の観劇。

やっぱり、大好き!この劇団。

宇宙飛行士毛利さんの宇宙愛と、少年社中毛利さんの演劇愛がドッキングしたような芝居。そこに、客席にいる自分の個人的境遇が、ユーリの心情にダブり、後半は、目頭が熱くなりました。

「ネバーランド」の時にも、体感した、客席の同感涙の洪水が、演劇愛に育まれて成長した自分には、故郷にいるような懐かしさと心地良さを感じます。

客席にいる子供達が、この舞台に出会えて幸せだったのではと、嬉しくなりました。

始まりは、劇団四季のオリジナルミュージカルタッチでしたが、明らかに、すぐに四季との違いが明確になるのは、主宰の劇団員に対する愛とリスペクトの違い故でしょう。

今回で、この劇団を退団されるという、モマ役の森大さんへの、主宰毛利さんの愛情溢れる餞的作品でもあったような気がします。

ネタバレBOX

やはり、私は、演劇愛に裏打ちされた舞台が心底好きな人間だということを改めて実感しました。

毛利さんの原作が、もしかしたら、劇作家毛利さんの足かせになった部分はあるのかもしれませんが、父から子へ受け継がれる、何かを好きなDNAというテーマが、原作と、芝居を見事に融合して、あざとさのない、ある意味、ストレートな作品作りに、演劇としての工夫以上の、人間愛の賛歌が満ち溢れて、素直に、感動してしまう佳品の気高さが優先する素敵な舞台でした。

まだ2回しか拝見していないのですが、この劇団、素敵な役者さんだらけですね。森大さんは、活滑も良く、NHKの子供番組なんて担当されたら良さそうな役者さん。ユーリ役の松下さんも、とても好感度の高い演技をして下さる女優さんで、嬉しくなりました。
「ネバーランド」の時から、ファンになった、長谷川さん、甘浦さんも、今回も、小学生役がすごくはまっていて、魅了されました。司会のお姉さん役の女優さんも、素敵でした。

ユーリが、祖父や父親の血を引いて、父の書物を見て、宇宙に興味を持つ過程は、まるで、私が祖母や父の血を引いて、演劇好きな少女になったのとあまりにも似通っていて、後半は、ユーリへの感情移入が激しくて、観ていて、相当タマラナイ想いが満ち溢れて、おばさんの癖に泣き出さないようにしないとと、自らの感情制御に骨が折れる始末でした。

帰りに、大好きな役者さんから、「ネバーランド」のDVDを購入し、ルンルン気分で、帰りました。いつか、私の息子達が、この素敵な作品を目にする日が来たら、嬉しいなと、その時の用意のために。
荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

鵺的(ぬえてき)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/08/07 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

荒野か
すごかったです。

題名も いいですね。

ネタバレBOX

静かに見える 舞台上 で
役者の演技がする空間に 飲み込まれて、
特に、 ハマカワフミエ さん の 演技が すばらしいと思って、
ぶっ飛ばされました。

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