酒顛童子~胎動~
シアターOM
シアターOM(大阪府)
2012/03/30 (金) ~ 2012/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
戦う時間
濃密な時間の中で生まれる、かつての名作!
そこにたどり着いた気持ちが、この序章。
さて、
この第2章が今から楽しみでならない!
『うしおととら』 第二十章
シアターOM
シアターOM(大阪府)
2012/02/17 (金) ~ 2012/02/20 (月)公演終了
満足度★★★★
走るOM!!
これから先の濃い公演ロード!
OMの若武者達が、これ以降の時間をどのように使っていくのか楽しみです!
世界最終戦論
アシメとロージー
pit北/区域(東京都)
2012/10/05 (金) ~ 2012/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★
二幕目を見て
一瞬コント集かと思いましたが、壮大な物語でした。
ネタバレBOX
世界最終戦を回避するために戦っていたとしても、やはり奥さんには正直であらねばならない、必須です。
形而上学的最終戦というと、回避できなかったとしても別にどうなるということもないのかもしれませんが、これまでも毎年回避してきたからこそ今日があるとすれば、誰かしらが毎年その任に当たっていたはずで頭が下がります、なんちゃって。
おばさんになってもの噛み合わなさは面白かったですが、けんかをやめてになるともう慣れが来てしまいました。
ところで、村上聡志さんて高倉健さんのような風貌でしたね。とても似ていました。
それにしても佐々木さんよう、火曜JUNK風に言いますが、アンケート用紙を廃止したというのでここに書くけどさあ、あんたねえ、いくら難しい横文字だったとしてもだよ、今日はちょっと噛み過ぎだったんじゃない。最後はもう普通の日本語だって怪しかったじゃないの。あんた自分でも照れ笑いしたような声で言い直ししてたよねえ、ひどかったよ。今日だけだったとは思うけど見ちゃいられなかったよ。あんたには才能があるんだし、それは認めているしさぁ、応援しているから頑張ってよね。
うしおととら 第二十二章 『畜生からくり』
シアターOM
シアターOM(大阪府)
2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
畜生からくり!
ある意味、挑戦作!
ネタバレBOX
まさか、稲森さんが人形の中に入っているとは!
驚きと、
そしてそれを遂行した稲森さんに拍手だ!!
とらが休みだというのに、
その存在感は秀逸!
鳥山ふさ子とベネディクトたち
ナカゴー
元・立誠小学校(京都府)
2012/10/02 (火) ~ 2012/10/05 (金)公演終了
満足度★★★★★
ナコゴー!
ナカゴー特別劇場「鳥山ふさ子とベネディクトたち」観劇。
ナンセンス荒野を真っ向から突っ切るが、体に色んなものが巻きつくがそれでも前に進む愚鈍なまでの真摯さを感じる。
怖い。
不安にさせる言葉の連弾に、酔って吐きそうになる。
まるでトラウマのトレモロ。
小さなエール
643ノゲッツー
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/02 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★
変わろうとする人にエールを送る
道徳の授業みたいに“反省”し“心を入れ替える”主人公が出来過ぎの感もあるが
「じゃあどうすればいいのか」という根源的な問いに対して
作者は反論を覚悟の上でひとつのメッセージを発信していると思う。
役者が自ら操作する照明による独特の雰囲気が超現実的なシーンを和らげる。
ネタバレBOX
父親の七光りで豪邸で好き勝手に暮らし、父の愛人の娘たちを
虐待するようにこき使っていた涼太(海老根理)。
会社の経営コンサルタント(谷仲恵輔)の助言にも耳を貸さず
ついに父親は病死、会社は乗っ取られ、妹は通り魔に刺されて死んでしまう。
新しい主としてこの豪邸に乗り込んで来たのは社長令嬢で、
涼太が何度も振ってコケにしてきた娘だった。
他に生きる術を持たない涼太は、彼女に仕える身となってしまう。
ここから社長令嬢始め、こき使って来た使用人たちから
執拗な報復を受ける生活が始まる。
ほとんど昼の連ドラみたいに怨讐渦巻く環境の中で涼太は驚くべき変化を遂げる。
自分のこれまでを反省し、復讐する人々の理由も含め全てを受け容れていくのだ。
その姿は、「零落ぶりを見に来ました」とうそぶく坊主などよりよほど宗教者のようだ。
この豪邸の主の会社に、次々取り入っては潰してきたコンサルタント自身が
たった一度の買収失敗によってリストラされ落ちぶれる様は壮絶だ。
結局涼太の変化が、愛人の娘たちや社長令嬢の心にも作用して
人々はひとつずつ小さな灯りを手にしてこの屋敷を去っていく──。
こんなに真摯に反省、受容して人の心を理解できる人間が
どうして最初あんなに人を人とも思わないような扱いをしてきたのか
その変化に飛躍があり過ぎるから、違和感を覚えざるを得ない。
だが、「じゃあどうすればいいのか」という開き直ったような問いかけに
作者は直球ストレートでひとつの思いをぶつけて来る。
「いじめる人間が変わらなければ何も変わらない」
いじめられて逃げ出しても、先生に言いつけても、マスコミが騒いでも、警察が介入しても
いじめはなくならないし何も変わらない。
平然と他者の痛みを「笑う」行為は、「想像力の欠如」に他ならない。
作者はそこに気付いた涼太の苦悩を描き、彼に小さなエールを送っている。
役者が操作する小さな灯りは、過去と現在を照らし分け、個々の孤独を浮き上がらせる。
横断歩道で鳴る「ぴっぽっぴっぽ・・・」という音が終始小さく流れて
目の前の上下関係が間もなく逆転するのをカウントダウンしているようだ。
次はあの坊主が宗教法人としてこの豪邸を買い取って、いつか脱税で捕まって・・・
みたいな展開もありかもしれないと想像させる。
海老根理さんの素直な表現が、涼太の激変ぶりを“性善説”として訴えてくる。
コンサルタントの谷仲恵輔さん、少し前に芝居屋風雷坊の「今夜此処での一と殷盛り」で
探偵を演じてとても印象的だったが、
「サラリーマンの自信」が時として「想像力の欠如」から来るものだと言うことを
ブレない演技でまたまた強烈に印象付けた。
涼太の渡す小さなキャンドルが、そのまま
変わろうとする人々への小さなエールに見えた。
「人が変わる」とは、それ程に難しく苦しいものなのだ。
今、逃げる
熱帯
サンモールスタジオ(東京都)
2012/10/05 (金) ~ 2012/10/14 (日)公演終了
満足度★★★
なかなか楽しい!
東西南北へ逃げる、逃げる!
何も考えずに観れば、楽しい。
上演時間約120分。
以下ネタばれで。
ネタバレBOX
①東へ②西へ③南へ④北への4編で構成される物語。
会社で翌朝のプレゼン企画書が完成してなく、
更に上司の仕事を押し付けられ、ピンチに。
仕事が嫌になり、衝動的に同僚2人で逃げることを決意。
会社前で彼女を待つ男の車に乗り込み、逃亡開始。
逃亡前にコピーを頼まれた派遣社員と彼女が
男たちを追いかける・・・。
きっとテーマは、”無責任”。
仕事を投げ出すことも無責任なら、逃亡中に出会った
人妻をその気にさせ、一緒に逃亡しておきながら”重い”と
投げ出すあたりも無責任。
そうそう、喫茶店のアルバイトを演じた役者さんの
”無責任でいい加減な感じ”が印象的で好きだなあ(笑)。
最初「家に帰って寝たい」と一見無責任であったが、
一番責任感があったのは、頼まれたコピーを持って、
追いかけた派遣社員か(笑)。
で、物語を通じて結局何を言いたかったのかは、よく分からない。
が、細かいことを考えなければなかなか楽しい。
コメディ色でいくのなら、徹底的にコメディの方が面白いと思えるのだが、
途中からなんだか”物語の軸”がよく分からなくなってきた印象だった。
ラスト、4歳年上の彼女のせつなさは感じられた(笑)。
あと人妻を演じた役者さん、一緒に連れて行きたくなる
雰囲気が出ていたなあ(笑)。
さわやかファシズム(無事公演終了!ご来場まことにありがとうございました)
INUTOKUSHI
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/10/03 (水) ~ 2012/10/14 (日)公演終了
満足度★★★
可愛らしい劇団さんです。
出演者さんも大勢で凄い勢いパワーでお腹いっぱいになりました。
面白い事、馬鹿馬鹿しい所をてんこ盛りしているような感じで
お客さんのリアクションからも人気というか愛されてると解ります。
私には少し濃いというかシツコイと感じる所があって、
面白くなってきても、しつこい所で冷却されちゃった感がありました。
でも楽しい舞台、劇団さんなのは良く解りました。
頂いた友情カードは無くさずに深めて行きたいですね
まだ始まったばかりですTBはネタバレになるので気を付けて下さい。
下ネタ嫌いな人も気を付けましょう(笑)
ま○○ろのネタはもう少しは面白くして欲しかったなぁ
ゴベリンドンの沼 終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!
おぼんろ
ゴベリンドン特設劇場(東京都)
2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
遠征
我慢できず、急遽愛媛から参加させていただきました。
半日バスに揺られて来た甲斐がありました。
当初5日のマチネだけの予定だったのですが
これまた我慢できず6日のマチネも行かせていただきました。
とてもとても素敵な時間ととっても暖かいラブをいただきました。
本当に行って良かったです。
遭難、
劇団、本谷有希子
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2012/10/02 (火) ~ 2012/10/23 (火)公演終了
満足度★★★
遭難は好きです。
初演を拝見したている好きな戯曲。
やはり里見は凄いと思いますが、主演降板の影響はありましたね。
好きで女性役も得意な菅原さんだ代役を務めていました。
佐津川さん松井さん美波さんも良かった、
それでも空気が軽かったんですね、菅原さんの女装自体は
普通面白くみてしまってるので、篠井さん位違和感ないならOKだけど
こればっかりは仕方ない事かな、面白いのは確かなので初見はお勧め
小さなエール
643ノゲッツー
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/02 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★
初見
芝居内容のあらすじを、前もってHPや各自のブログ等で確認しようとするも自分の見落としがあったのか一切触れらておらず、把握しようにもそれが出来ないまま、「劇場の灯りを使わない」という説明文のみの内容に惹かれて観賞。
登場人物の芝居内容が自分の苦手分野の行動が多くて、「エール」がどこにあったのか判りませんでした。
ネタバレBOX
確かに劇場の照明は使ってないけど、灯りを用いない方法は作品の内容とあまり関係なかったような気がする。
中盤盛り上がりのBGM挿入で「もう終り?」と錯覚してしまった。
最後のキャンドル蝋燭の灯を点す際、ライターかチャッカマン操作が妙に耳障り。
暴力とか絶叫セリフが多いのは見ていてシンドくなるので、もともと敬遠していたが、タイトルからくるイメージで感想を左右された舞台でした。
ゴベリンドンの沼 終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!
おぼんろ
ゴベリンドン特設劇場(東京都)
2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★
いいお話・雰囲気
廃工場を利用した雰囲気のある環境で、
お話もとても面白い。わかりやすいし、はっともさせられる。
入った時からなにか御伽噺の世界に入った感じでなかなか。
ネタバレBOX
すごくいい作品だと思う。
とても満足はしたんだけど、なにかもう一つ自分に刺さってくるものが欲しかった。観る側の心持ちの問題かもしれないが、それがなにかわからなくてモヤモヤしている。
縦横無尽に動き回っているのがかえって集中力を失ってしまったのか・・・。
お話や、役者さんの個性や演じ方はとっても好みなんだけどなあ。
個人的な問題だな、これは。
世界最終戦論
アシメとロージー
pit北/区域(東京都)
2012/10/05 (金) ~ 2012/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★
なかなかでした。
わかりにくいって話ではなかったのですが、脚本的にどうなんだろうだとか、演出的にどうなんだろうとか、そんなことばかりをずっと考えてしまった105分でした。
ネタバレBOX
気になったのは、ちょいちょ入る音楽の使い方、あれ必要だったんだろうかと、けれど最後は歌で盛り上げていたので必要だったんだろうなと。
それにしても尾崎豊の時の白Tシャツがチャンピオンってのはちょっといただけませんでした。
「あと10分で終わります」の文字が「あと十分で、終わります」じゃなく、「あと十分、で終わります」と区切ってたのが見やすくてよかったです。
ニートの人がなんで五本指に分かれた靴下を履いていたのかが不思議でした。
石原莞爾の服がダボダボ過ぎて気になりました。
この劇場の座席は椅子にしろクッションにしろきついなと思いました。
送別会
バイヲチックリサス
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/10/03 (水) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★
至近距離で
日常を切り取ったような、本当にありそうなお話でした。
全席が最前列の為、どこに座っていても役者の息遣い・表情・仕草などが細かく伝わります。
そういったものを感じたい人にお勧めです!!
小さなエール
643ノゲッツー
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/02 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★
うーん期待したヒネリが無かったなぁ
特に劇場照明を使わない意味は感じられなかったし、
話にしても何か表面的な感じが否めなかったです。
主人公には共感も納得もし辛かったが、
谷仲さん演じる川本氏はキャラ設定も含めて気に入った。
**最前列の客席と舞台の間にある段差は見え辛く、
自分と着物の女性が躓きました。
要改善の必要があると思います!(声かけとかねっ)**
<1時間30分>
ネタバレBOX
白黒のチェッカー模様の床に、
中央にテーブル・囲んで三脚の椅子が配置。
マネキンの頭部+ウィッグの飾ってある棚が舞台正面から見て
左に配置してある一部屋設定での物語り進行であります。
二人の使用人、
右頬に火傷の痣のある武藤奈美と
顔の左側を髪の毛で隠したクールな対応をする須永愛見。
主人である安田涼太(30歳)は父の会社・権力をバックに働くこともせず、
好きな絵を描いて尊大に使用人である上記二人をコキ使っています。
と思うと主人が変わって、
涼太は田中瑞希という女性に使われる立場になります。
尊大で横暴な安田は父が危篤となり、
会社の存亡が危ういという報告をしにきたスーツ姿の経営コンサルタント
川原明宏の言葉にも耳を貸しませんでした。
また場面が変わって田中女史が主人の話にもなります。
田中と安田と岩本琢磨は3人とも面識のある友人で、
共に親が会社経営してる金持ち(セレブよせれぶ(^^)らしいと判明します。
安田には死別したヨーコという妹がいたらしく、
ヨーコの友人である石嶺さりと長野恵津子の二人も、
ヨーコが女性通り魔に襲われて亡くなった為に、
犯人探しの為にちょくちょく安田の家を訪れています。
結局ヨーコ殺害犯は不明のままですが、
屋敷の使用人二人の顔に火傷を負わせたのは
ヨーコであると話が出てきます。(須永さんの髪の毛の理由)
主人が田中と安田の交互に変わるのは時間の前後であり、
安田が川原の言う通りに指示出さなかった為、
屋敷は抵当に入れてあり出て行く事になったのですが、
その屋敷を買い取ったのが田中の親であり。
田中は今まで通りに部屋に住んでいて構わない代わりに
自分の使用人になる事を選択させたのでした
(田中は立場対等な時に5度安田に告白してフラれていた・
6度目はOKであったが、安田が手酷いフリカタをしました・・)。
まぁ当然働いたことのない安田は屋敷を出ることを選ばず、
使用人となったのでした。絵も売っていたと自負していた安田でしたが、
知り合いの坊主=金子直人から親の影響力での・
庇護下での自己満足であり純粋に絵の魅力で購入してくれた人はいないと
現実を突きつけられます。
その家を出される時までに屋敷の二人の使用人は共に安田父の子供=
異母兄妹であると判明します。
だが、田中の会社も川原がコンサルタントしていたにもかかわらず
業績が悪化し屋敷を手放すことになり、安田は出て行かざるを得なくなり。数々の会社(3人のセレブ(^^)のうち岩元の会社も傾きかけた)の
業績を悪化させた川原は16年働いた会社をリストラになり、
安田と同じような立場となり泣き言を言いに+
雇ってくれそうかと屋敷に来たのですが・・・。
「何とかしていくしかないと(いった感じでー)」安田に言われての幕です。
まぁ使用人二人の火傷痕の話や、モデル男の世間対比や、岩本氏の好きな女性への玉砕話、須永の母の遺骨を娘が死んでまで愛人としてパトロンの墓の側に置いておきたくないと出て行く時に持ち出す話などがでてました。
それにしても安田の暴君ぶりが辛いですねー、
こんな奴が使用人に格下げになって性格改まるとは思えない。
しきりに安田は自分の兄弟=肉親はヨーコだけだと言いますが、
二人の異母姉妹のこと無視した発言なんでしょうかねぇ・・。
芝居上では判断が出来ませんでした。
重ねて言いたいのが、主人公安田の女性虐待シーンだね。
見ていても気分のいいものではない。
台詞でごまかすとか、
舞台袖で音声だけで表現するとかは出来なかったのかなぁ?
と思いましたデス。
伊藤さんの坊主頭とか、
有能そうに登場した川原氏が契約書内の英語のスペルもままならない、
仕事無能人と判明するのは目新しかったです。
でもハンドライト使用などの必然性は芝居上感じなかったし、
登場人物のキャラも良く煮込まれてはいなかったなぁと思ったです。
どうした 643ノゲッツー といった気持ちが強くなりましたわ
とりあえず次回作に期待です といった次第ですかねぇ・・・・・
Baggage Claim
年年有魚
RAFT(東京都)
2012/10/04 (木) ~ 2012/10/09 (火)公演終了
満足度★★★★
無題480(12-223)
19:30の回(曇~土砂降り)、19:00受付開場...時間を間違え相当早めに着いてしまうが戻る体力もなく、外で本を読む(おかげさまで読了)。入ってみると入り口側が舞台、ブルーシートが敷かれ(雨天時用?)。コの字型に椅子席が配置され左右が1列、奥(正面)に桟敷席+椅子席3列(段差あり)。正方形の舞台茶色のテーブルに丸いイスが3つ。床には赤、青、緑、黄+桃色の市松模様が描かれ、正面から見て奥(なので実際には入り口側)のスペースやトイレも舞台。「海がめのゴサン」、林さんが出ているというのでみに来ました。「かもめマシーン」でリーディング~稽古~本番と3回みていて次のお芝居はきっと、と待っていました。同じように横手さん(シンクロ少女)も7月の公演に行きました。あたりまえというか全然違う役柄、終演後お話できてよかったです。終演少し前、雨が降ってきた音が客席でも聞こえていたのでみると外は土砂降り。
全5話、狭い空間(ダイニング?、タクシーの中、稽古場、トイレの前)の中で少しずれた物語が柔らかく進み、みているほうとして途中から「あれっ?」と感じながら、そのずれ方を楽しみました。
ネタバレBOX
①話「恋愛WINNER」。3人の彼氏自慢と思いながら聞いていると、何か気になり始める。デートのタイミング、帰宅時間や今夜の予定、「もしかして」と感じ林さんの表情をみると、明らかに他の二人とは違う。②話「TAXI」。テーブルがなくなり、椅子が4つ。タクシーの中。男女のお客とカラオケ好きの運転手。車が道をまがるごとに3人が席を替え、360°回転。男性客が運転手に思いを告白...あっさりNGで傷心。③話。源氏物語を演ずる劇団員の稽古場、予定外の光源氏の登板で劇団員の間に亀裂が。お互いボロカスに罵りながらも、最後は揃って稽古。④話「センビキ」。トイレの前でエア「定規」とエア「鉛筆」による線引き...見えないものが見えたり、見えなかったり。⑤話「利き酒」。幻の銘酒に詰められた普通の水をホンモノと勘違いし、利き酒合戦。なぜか酔ってしまい気まずい雰囲気。
小さなスペースでの会話をメインにした日常のなかのすれ違いを軽いタッチで見せてくれました。
エッグ
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2012/09/05 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★
音楽とスポーツ
リニューアルした東京芸術劇場のオープニング公演で、エンターテインメント性がありつつシリアスなテーマが浮かび上がる作品でした。
東京芸術劇場の改修工事現場で寺山修司の未発表戯曲の原稿が発見されるところから始まり、その戯曲を劇中劇的に上演するという形で進行し、次第に時代や場所、そして「エッグ」という競技の由来が明らかになるという凝った構成の物語でした。
現在と史実とフィクションを巧みに組み合わせ、負の歴史を記録から抹消して、無かったことにしてしまってはいけないというメッセージが表現されていました。
ロッカーとカーテンを用いたトリッキーでスピーディーな場面転換が楽しかったのですが、使い方のバリエーションが少なく、2時間ちょっとの上演時間中にその手法に飽きてしまいました。
ロック歌手役を演じた深津絵里さんが椎名林檎さんによる曲を何曲か歌い(口パクのもありましたが)楽しめましたが、音楽やスポーツをモチーフに扱うということから期待していた、熱狂する集団の怖さがあまり描かれていなかったので、音楽にまつわるエピソードにあまり必然性が感じられず、歌うシーンが浮いて見えました。
脚本、演出、役者ともクオリティーが高いのに、何故かグッと引き付けるような魅力があまり感じられず残念でした。
ズーキーパーズ ★第24回 池袋演劇祭「優秀賞」受賞作品★
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/09/27 (木) ~ 2012/10/01 (月)公演終了
満足度★★★★
そつの無い芝居
成る程、シチュエーション・コメディでした。
主人公の思惑とケーブルテレビ側の勘違いが組み合わさり、そこにいる登場人物達それぞれの思いや行動を巻き取りながら展開していく物語は、ソツがありません。こういう芝居はテンポが大事ですが、役者の皆さん見事に演じていらっしゃいます。
ネタバレBOX
冒頭で登場人物の紹介をするという手法は、わかりやすさという点では良いのですが、説明的になりすぎる弱点もあり、好みが分かれるかと思います。
いつも心だけが追いつかない(終演御礼。ご感想お待ちしています。ワンダーランド・10月期クロスレービュー対象公演なのでぜひご投稿を)
MU
BAR COREDO(東京都)
2012/10/01 (月) ~ 2012/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★
光さす −−− 笑ったけどなんかいい感じ
この数回ぐらいから、MUってコメディ濃度が徐々に高くなっている印象。
今回も笑わせてくれる。
もう、コメディって言ってもいいんじゃないだろうか。
って思いつつ観ていたが、笑いという面では確かにそうだったのだが…。
ネタバレBOX
MUの学園モノは、ハセガワアユムさんの「学校」という集団(生活)との距離感というか、意識がうかがえる作品ではないだろうか。
前から勝手にハセガワアユムさんって、「集団」(人が集まることについて)に嫌悪のようになものを感じているのではないかと思っていた。学校なんていうのは、まさにそういう場所であり、最初に体験する集団生活(社会)ではないかと思う。
以前上演した学園モノ『5分だけあげる』は、そんな魂を、教師を通して描いたように感じた作品だった。特に「先生」とかキライじゃないかと思うような匂いが…。
それは、私自身にトレースして観ていたことによるのかもしれないのだが、ソレを刺激したのは、やはり作品の持つそういうものに対する嫌悪のようなものではなかったと、責任転嫁しておく(笑)。
今回もそれは教師たちの描き方から、多少は感じられるのだが、『5分だけ…』ほどではない。嫌悪というより、少し憐れにさえ感じてくる。この変化は何を意味しているのか、あるいは意味していないのか。それはラストに明かされると言っていいと思う。
物語の主人公は、美術教師。彼は教師をしながら個展を開き、自らの存在価値をそこに求めているようだ。教師は「仕事」としてやっているということのようだ。
「お金を稼ぐための仕事」が教師で、「自分が本当にやるべき仕事」は絵を描くこと、というところだろう。もちろんそれは単純に2つに分けることはできない。教師の仕事にはやりがいもあるだろうし、絵を描くことが自らを縛ってしまうこともある。
こういう2つの「仕事」を抱えている人は多いのではないだろうか。例えば、演劇関係者とか、インディーズ・バンドをやってる人たちとか。
その中の多くの人たちは、別に本業があり、芝居や音楽もしている人もいるだろうし、バイトをしながら芝居や音楽を本業としようといている人もいるだろう。また、彼らだけではなく、「今の仕事は自分がやるべき仕事ではない」と日頃思っている人も多いのではないかと思う。
つまり、安田のことが、自らとダブって、きつかった観客もいたのではないだろうか。
彼の苦悩に共感できる人もいたと思う。
ただし、物語はそんなシビアな展開だけではない。彼の女装癖と相談に来た女生徒、そして彼らを取り巻く人々が絡み合って、騒動になっていく。
女生徒の彼氏・岡山の飛び道具感がいい。彼がスパーンと出てきて、舞台をかき回す。そのお陰で、安田の女装というハードルが一気に低くなり、その後にスムーズにつなかっていくという展開が巧みだ。
あと、毎回、どんどんテンポ良く放り込んでくる台詞が鮮やかだし。
ドタバタありつつも、絵も女装も、教師も、全部、私なんだ、と訴える安田。
コートを脱いで女生徒の体育着を見せる姿は、彼自身の戸惑いの姿でもあろう。つまり、絵を描いて個展を開くための、生活基盤として選んだ教師という職業が、絵を描くこと自体を鈍らせてしまっているし、絵を描き個展を開くということが、生活の基盤である教師という仕事も鈍らせてしまっていて、そのバランスがうまく取れなくなっているのだ。
これって、先に書いたが、思い当たるフシがある観客にとっては、結構イタイ展開ではないのかと思う。しかも、(たぶん)理解者であったであろう、妻とは離婚調停中なのだから。
そしてラスト。
オチっぽいラストを想像していたのだが、それは軽く蹴飛ばされた。
そこには美しいラストがあった。
互いに考えていることは違っていても、満たされないモヤモヤな不安を抱えている他人同士が、言葉にするのには難しい何かの1点で、心が美しく触れ合う、光あるラストだと思う。恋愛ではない、人同士の接触。
70分という時間は手頃なのだが、こうなってくると、安田と岬の内面を描くようなエピソードがもう少し欲しかったかな。90分ぐらいとかにして。
勝手な思い込みかもしれないが、かつてのMUで感じていたイメージのラストであったとしたら、こんな光さすラストにはならず、虚無感のみが支配したのではないかと思う。
MUはソロからバンド(劇団)になったことによる効果のひとつなのかもしれないと密かに思ったりした。
女子高生・岬役の小園菜奈さんは、フライヤーの写真よりもナマのほうがずっとよかった。古橋先生役の古市海見子さんの、強い存在も印象に残る。
手を怪我していて、ソバ屋のメニューも開けなかった板倉先生は、手を叩いたり、モノをつかんだりしていたのだが、あれは、健気さアピールで手は大したことなかったと受け取っていいのかな。
あと、「ぶっ飛んだ」の単語が数回出てきたが、これは言葉が強すぎる割りにはなんかイマイチ。もう少ししっくりくる言葉はなかったのだろうか。
ついでに書いてしまうと、安田先生は女装した姿を見せて、教師仲間に「どうだ」と迫り、ラストに岬にも見せようとするのは、ストーリー的には安田先生の内面吐露の爆発なのだろうが、ひょっとしたら、女装しただけでは飽きたらず、ついに、「私のこの姿を誰かに見てほしい」という、女装趣味の階段をもう一歩上がって、(さらに罵倒されたい願望もありの・笑)新たなステージに踏み出したのではないか、なんて思ったりもしたのだ。先生とかキチンとした職業っぽい人の犯罪に多そうな展開になっているのではないかな(って、やっぱり先生をdisってる?・笑)。
おとう戦記
PROJECT VANGUARD
プラザノース ホール(埼玉県)
2012/10/06 (土) ~ 2012/10/06 (土)公演終了
満足度★★★
残念
立派な建物,広い舞台と200人は入りそうなホール。観客は指定席である程度まとめられていたが,それ以上に空席が目立ち,演技している方も観客のあまりの少なさにがっかりしながら芝居していたのではないだろうか。内容も父から子へと伝える言葉を主題としていたが,それ自体が観客には伝わらなかったのではないか。普段演劇に接しないであろう地方に演劇を広めたいという趣旨には賛同するが,それに応じた内容を考えた方が良かったのではないか。その他大勢のアンサンブルの演技の方が印象に残ってしまった。