チェンジング☆ホテル
アリスインプロジェクト
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2013/05/01 (水) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
面白かった!
ハイテンション☆入れ替わりコメディとのことでしたが、たしかにハイテンション☆入れ替わりコメディでした!
笑いあり、ダンスありと盛りだくさんな舞台でした。
出演者も全員女性だったので、舞台も華やかでした!
個人的にオススメなのはオーナーですね(笑)
フェルナンド・アラバール「戦場のピクニック」フェスティバル
die pratze
d-倉庫(東京都)
2013/04/23 (火) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★
戦場でピクニック
戦場のピクニック。戯曲自体は拝見したことがなかったので、なんとも言えないが、1つの同じ作品が、3つの団体で見事に、全くバラバラに表現されるのは面白いな~と思った。こんなにも演出で違いが出るのかと。
何が良くて、何が悪いか。好き、嫌いがよくわかる。逆に自分ってこういう考えを持っているのか、と気づかされたり。本編の目論見と違う所で、自分は楽しめました。
ここからは山がみえる
青年団リンク・RoMT
アトリエ春風舎(東京都)
2013/04/24 (水) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★★
ひとり語りの豊かさにひたる
早熟な少年の思春期が、ひとりの役者のことばとうごきによって三時間で語りおろされる。
語りのなかで言及される厖大な固有名詞は、私たちは成長の過程で驚くほど多くの人とモノと接触を持っていたということを気づかせてくれる。
少年の成長の瞬間を鮮やかに描き出した第6場は感動的だった。
三時間の一人語りをスペクタクルとして成立させるための役者の技術、演出上の配慮が素晴らしい。多くの人にあの濃密な語りと演劇の時間を味わって欲しいと思う。
ヴォイツェック
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2013/05/01 (水) ~ 2013/05/05 (日)公演終了
満足度★★★
椅子だけで表現
韓国にフィジカルシアターの公演で、椅子だけを用いて様々なシーンを表現する手法がエネルギッシュで印象的でした。
『ヴォイツェック』は先鋭的かつ陰鬱な演出で上演されることの多い戯曲ですが、このカンパニーのヴァージョンは意外とエンターテインメント的な面が強く、社会とヴォイツェックの関係よりも、ヴォイツェックと妻の関係に焦点を当てていている様に感じました。
椅子だけで小道具やセットを表現し、物語上で重要な意味を持つイヤリングやナイフも小物として用いないで展開してましたが、身体表現が的確で、動作だけで何を持っているのかがはっきり分かりました。
数秒の暗転毎に椅子や役者の配置が変化しているのが鮮やかで魅力的でした。ユニゾンのムーヴメントや台詞のタイミングが揃っていて技術の高さを感じました。
ミニマルな道具立ての演出のわりには、椅子を他の物に見立てるという、舞台ならではのマジカルな味わいが期待していた程には感じられず、直接的な表現が多かったのが残念に思いました。冒頭のバラバラになる椅子のような隠喩に富んだ演出をもっと見せて欲しかったです。
台詞は韓国語の他に英語と日本語で話されていて、ポストパフォーマンストークでの演出家の話によると身体表現を見てもらいたいので、キーになる台詞は字幕を見なくて良いように、上演する国の言葉で話すことにしているとこのことで、一理あると思いましたが、片言気味に話される為にあまり感情が伝わって来ないデメリットもあって、諸刃の剣に感じられました。
甲高い声を出したり、バタバタと動き回ったりする、稚気を強調した表現は悪い意味で安っぽく感じ、好みの表現ではありませんでした。
focus. 神話
ミームの心臓
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/08 (水)公演終了
満足度★★★
良企画!
学生が大学を飛び出して、外小屋でやろうという志しに拍手を送りたい。構内でやれば、金銭面でも運営面でもはるかに楽だし、同世代を相手にしていた方が評価もずっと高い。
しかし彼らが本当に高みを目指すなら一般の観客を満足させなければならない。それは外小屋でなければ経験できないのだ。
作品的にも野心的な作品ばかりで、彼らの成長を見続けたいと思った。
追記。
7日にもう1回観ました。初日の問題点がしっかりと修正されていたところに、三団体のレベルの高さを感じました。
ネタバレBOX
今回(初日)は運営面で問題があった。1時間以上の作品を3作品見せるのは相当大変だ。またそのためには仕込み&リハの時間がもっと必要だったろう。しかし、そんなこともやってみなければわからない。あえて無謀な企画にチャレンジしたことも意義を感じる。
確かに、劇場でのリハ不足が、本来もっと素晴らしいであろう彼らの作品を散漫なものにしたことは否めない。
しかし、こういった経験をすることで彼らは同世代の学内でしか上演しない団体に比べて、はるかに成長していくことだろう。
ぼーくらは、みんなーいーきている〜
Moratorium Pants(モラパン)
新宿眼科画廊(東京都)
2013/04/21 (日) ~ 2013/05/01 (水)公演終了
満足度★★★★
役者の魅力を引きだしつつ・・・
24日ソワレ、27日マチネで両編を。
夭逝されたという劇作家、萩原伸二さんについては
まったく存じませんでしたが、
彼の紡ぐ世界にも惹かれつつ、
役者たちのそれぞれがとても魅力的に思えた公演でもありました。
その世界がただ戯曲で語られてるのではなく
役者たちの良い部分をちゃんと惹きだすように
作られているというか・・・。。
席替えに巻き込まれて、場内の雰囲気の違いを体感するのも楽しくて。
そして、なにより、導き出された役者の個性が
しっかりと残る舞台でありました。
ネタバレBOX
会場に入ると、いきなり目に飛び込んでくる
舞台というか場内の美術に息を呑む。
ポップでいろんな世界が混在し、でも散り散りになることなく
一つの空気に調和していて。
座席もいろいろにランダム。
ちょっと早めに入場できたので、それぞれの席からの風景を確かめて
一番お気に入りの席に腰掛けます。
なにか次第に会場の空気が馴染んでくる感じがとてもよい。
戯曲を演技に紡ぎあげる役者たちにも、それぞれの魅力があって・・
・席替え
両編の共通演目でありつつ、
モラトリアム編は女性Ver,パンツ編は男性バージョンで。
両方見ると思春期の男女が抱くものの次第に解けていく感じの
通じるものと異なるものがさらなる広がりを生み出して・・。
同性の視点で観るからか、パンツ編(男性Ver)の方が、
なんというか主人公の自我がやや強い感じがあって、
その分、次第に解けていく想いが、
とても良い意味でまどろっこしい感じがする。
橋本昭博の想いのメリハリのつけ方の自由さを、
芝原弘が丁寧に拾い色付けしていく感じ、
観る側に物語られるものがゆっくりと丁寧に伝わってくる。
モラトリアム編(女性Ver)は
佐藤睦の内向的な想いに密度があり、
その解け方にもしっかりとした歩みを持っていて、
一方で佐山花織のリズムが、それを停滞ではなく
解けていくことわりや歩みにうまく導いて。
二人のバランスがほんの少し乖離する時間があって、
更なる精度も作れる感じはしたものの、
そのばらけ方が生み出すニュアンスがあって。
戯曲の懐の深さを感じたりもしたことでした。
・恋愛恐怖症(パンツ編)
どこかファンタジーな部分もあるのですが、
そこに作品が足を止めず、
やがて、西村ヒロミが演じるキャラクターの存在感や
ナチュラルな女性の風情と質感が
くっきりと浮かび上がってくる。
窪田壮史の作り出す距離感がしたたかで、
物語の空気を想いと現実のはざまにうまくコントロールして。
ちょっとした客いじりや美術の使い方が
観る側を編み上げられた世界に次第に同化させていく力にもなっていて。
気が付けば、主人公に去来する想いのありようが
とても自然に、舞台の風景の如く、観る側に置かれておりました。
・明日はあかね色(パンツ編)
どこかコメディ的なテイストもあるのですが、
柴田薫のロールへのデフォルメが、
キャラクターの要所のリアリティをしっかりと切り出していて
ドタバタした印象の先に、とても今を歩む女性の素顔を垣間見せる。
そこに引きずられる感じの横山晃子や江間みずきも
単に柴田に振り回されるのではなく、
個性自体もそのキャラクターのペースのようなものを
それぞれに重なることなく良く作りこんでいて。
どこかとほほな、戯画的な部分に観る側を巻き込む力がありつつ、
でも、そのベタさの先にある、ふっと広がるほろ苦さのようなものに
しっかりと惹きつけられました。
・忠臣蔵ブルース(モラトリアム編)
古典を置き換えるくすぐり的な部分は、
それほど珍しく感じなかったのですが、
佐野泰臣と石川修平の作り出す、
現代との重なりの精度がとてもよくて、
陳腐な印象はなく、その中間に編まれていく感覚が、
時代を跨いだ普遍としてやってくる。
アイデアをあざとく感じさせない、
空気のクオリティがあって、だからこそ、
物語と舞台上が乖離せず観る側を繋ぎとめておりました。
・ヒカリモノ(モラトリアム編)
戯曲は、ことばにできないようなニュアンスを語っていて、
でも、その深さを表現しうる力量が役者たちにあって。
石塚みづきには、刹那ごとの想いを、
クリアに立ち上げるパワーがあって、
さらに、それを観る側に焼き付けてしまうのではなく
別の軸に乗せて動かしていく、安定した持久力もあって。
芝原弘が舞台全体の空気をしなやかコントロールしていくなかで、
その、てだれの演技力と組みあって、単に舞台に染まるのではなく
さらに踏み出していく表現の力量に舌を巻く。
死とのエッジに立つ時間が、
概念からふっとリアリティを垣間見せる
そのしなやかさと切先に息を呑む。
さらには、流れに加賀美秀明が重ねる、
全く異なる質感が一つの束ねとして
朝を迎えるところまで運ばれていく成り行きにも
ひたすら見入って。
夜にだからこそ存在する、虚飾とどこか薄っぺらい感覚から
ロールたちの想いのコアが滲み、さらに削ぎ出されて。
しっかりと心を捉われました。
*** ***
パンツ編の後に観たおまけ芝居、これがねぇ、とんでもなく面白くて。
素敵にくだらないのだけれど、天丼されても全然見飽きないというか。
楽しませていただきました。
ぼーくらは、みんなーいーきている〜
Moratorium Pants(モラパン)
新宿眼科画廊(東京都)
2013/04/21 (日) ~ 2013/05/01 (水)公演終了
満足度★★★★
モラトリアム編
結局パンツ編が見れなかった。とても残念。
相当な会場との一体感がある芝居。とてもいい。
お話は、少し「陰」の部分がメインに描かれている感じがした。陰なんだけど、どろどろしていないのがなかなか。
橋本さんと芝原さんの2人芝居は楽しかった。恋愛恐怖病はコミカルで面白い。
明日はあかね色は、少し個人的にはもどかしい感じがした。
当日のおまけの「忠臣蔵ぶるーちゅ」もどこまで想定でどこからアドリブかわからなかったが、その場で進んでいく感がよかった。
「したごころ、」【満員御礼!千秋楽を無事迎えることが出来ました!】
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/15 (水)公演終了
満足度★★★★★
初日
初演は観ていないので・・・。
なんとなく他の演目と系統が違うように思えた。
いい意味で後味が「もやもや」。
ちょっと変わった恋バナだけど、どこかに「したごころ、」があるというお話で
結構意味深。
男の方が相当「ダメ」な感じを出しまくっているのが、もやもやの原因かもしれない。
どの役も、個性が明確に見えるので観ていて入り込める。
ネタバレBOX
どの役も印象的だけど、
根本さんの「嫁入り前のお嬢様」はなかなかはまり役かもしれない。
ただ最初は既婚者かな、と思った。ちょっと服装の感じが年齢上目だし、
口調がどちらかといえばマダム口調。指輪で設定はわかったけど。
ホスト遊びの仕方も、まさに大人。あれが正しい遊び方なんだろうと納得。
伊丹さんの役も、これまでと違って、いい意味で悪役の迫力がありました。
最後に落ちがあるのもいいです。
平塚さんの定まらない感じの役も印象的。弱いのか強いのか、理詰めなのか感情的なのか、混ざっている感じがする。
あの報告書を渡してしまうシーンは、少しまだ理解できていない。
女性が持って行ってしまうのが、なんかそうしてほしくない、という気持ちがある。
また劇中の料理がまさに、芝居そのものを表しているように思えた。
料理ブロガー・バーテンダーのかみ合わない空気よまなさは、
全体としていいアクセントになっていて、楽しい。
ラストは少しあっさりしすぎ???
曽我蕭白
LiveUpCapsules
atelier SENTIO(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/05 (日)公演終了
満足度★★★
でも、ほんとはどういう人?
曽我蕭白って、江戸時代の絵描き? 不勉強で知りませんでした。でも絵はどこかで観たことがあるような。
無頼派な感じの曽我蕭白のエピソードをユーモラスに描いていました。
絵を映写機で直接見せちゃうってのは、わかりやすくていいですよね。
わかりやすかったです。
ネタバレBOX
東上線、北池袋駅。atelier SENTIO。
線路沿いにあるのね。しかも木造の家を改造したみたいな感じのスタジオ。
電車の音がうるさいんじゃないのかなあと思ってたら、やっぱり煩かった。
それから、上演の途中、ときどき水が流れる音が聞こえたんだけど、あれはなんだろう。雨戸? なわけないよね。トイレ? やっぱりトイレ?うーん。
演劇の空想的な空間に入り込んだ、みたいな感覚が、そういうのにときどき邪魔されたのが残念。
曽我蕭白って、ほんとはどういう人だったんでしょう。上演では、破天荒なエピソードがいくつか紹介されていたけど、そこから曽我蕭白の人間に迫る、みたいな視点が欠けていたような。
いつも超人的な、あるいは仙人的な感じで。
絵が描けなくて悩んだり、なんかいじけたり、そんなふうな人間の弱さが見えなくて。
曽我蕭白の理解者であり、芝居の進行役でもあるお兄さんも、単なるやさしいいい人みたいな感じのままなのが不満でした。他の登場人物すべてにも、それは当てはまるかな。
あと、これは、ぼくの理解力が乏しいだけだからなのかもしれないけど、クライマックスのシーンは、「ここがクライマックスだよー」みたいにわかりやすくもっと露骨にやって欲しいなあとおもったり。
最後に蕎麦の話題に戻ったとき、蕎麦が落ちにならなくて、まだ続きがひょっとしてあるのかなあと思われたけど、「ありがとうございました」って頭を下げられて、「ああ、終わりかあ」と、なんだか中途半端な気持ち。
マジョババさんのお菓子なパーティー
劇団テアトルジュンヌ
立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/04 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題690(13-115)
19:00の回(曇)。近くの劇場まではよく来るのですが構内に入るのは2回目(受験以来 !爆!)。なので早めに行ったもののよく調べなかったので通りかかった警備の方に訊いてみると「4階になります」。受付前で少し待って18:30開場(予約不要、カンパ制)。入ってみると、少し高くなった床台にパイプ椅子席3列。舞台は薄暗く市松模様の床(フェルメール風)。正面、左右には布がかけられ、ときどき雷鳴。左右対称に創ってあるようです。舞台の端、左右に十字架、墓石(左右で違う)。ミュージカルナンバーのようなBGMが流れています。で、これは終演後お伝えしましたが、客席の照明はもう少し明るくし、色もソフトなものにしたほうがいいのではないかと感じました。開場~開演まで30分弱として、1人で来ているときは、当パンを読む、本を読む、タブレットをみる...どれも「見る」ことなのでできるだけそれに適した「明かり」にしていただけるとありがたいです。どんどん客席が埋まっていきます、みなさん在学生さんなのでしょうか。その間、上手側にいらしたスタッフの方がBGMに合わせカラダを動かしています。暗いので表情がよくみえませんでしたがなかなか面白かったです。この方がパントマイムしたら...なんて思いました。
19:03前説(再演について、カメラ撮影あり、70分)~20:17終演。
リハーサルということでしたがきっちりできていたと思います。
初めて行くとどこが会場かわかりにくいので、「説明」のところにでも「エレベータで4階に上がって」のような案内があると親切だと思います。チラシ裏やサイトをみるとわかりますが、私みたいな者向けに...
ネタバレBOX
双子という設定だと配役が少し難しいかな..と思うのですが、こちら側に来るときに容姿が変わってしまう...のではない限り...ん?違うな…ハロウィン、仮装、だからいいのかも。
(衣装)白と黒のシンメトリー(役者さん2名)は他の劇団でもありましたので、もうひとつ工夫が欲しかったところです。
Bye-bye,Sneak
劇団スクランブル
シアター711(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★
眠気がおきた・・・・・
コメディなので細かい突っ込みはしてはいかんのだろうが・・・。
それにしても状況を納得できる説得力が希薄な感じを受けました。
(だいたい95分くらい)
ネタバレBOX
Barにいた男女6人を銃ひとつで脅すって説得力が無かった・・・。
話術巧みに武器はスパイスで用いて欲しかったなぁ。
結局首謀した男と宝石店の女はグルで、
バーにいた客達は巻き込まれていただけだが。
メインの首謀者男女は海外に逃げて(逃がしてもらって)、
宝石店は襲撃されなかった(?よくわからんかった)。
ちなみに舞台はBarで、状況を会話で重ねる芝居です。
抑揚を感じられず退屈な時間だった=で眠くなったと・・・・。
自分としては銃で脅すより、最初のBarの会話で大金が必要となる状況を作って。そこに儲け話を持ってくる方がストレートに感じるし、そこでも犯罪は・・・と思うメンバーに武器使用(またはBarなんだし、首謀者がおごった酒に毒でも混ぜてあって解毒剤を渡すこと条件とするとか(ブラフで十分でしょう時間制限かかると判断力奪って自由に指示出せるだろうし)ソーユー方が説得力高いと思う・・・ちなみに銃はライターでしたと最後に判明した・・・)と。
ここからは山がみえる
青年団リンク・RoMT
アトリエ春風舎(東京都)
2013/04/24 (水) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★
厨二
休憩を入れて3時間20分の一人芝居、役者には敬意を表します。
ネタバレBOX
イギリス、さほど高くもない山々が連なるペイン山脈の麓にあるオールダムという小さな町が舞台。アダムという少年の、確か1982年12歳から1988年18歳までの地元で暮らしていた頃を描いたいくつかの章に分かれたストーリー。
小学生のときの歴史の授業中の話からスタートしたと思ったら、いきなりペッティングの話になっちゃって、そのうち女性はみんな美人に見えるらしく相手構わずちょっかいを出してはセックスしまくりで、こいついくつなんだと思いました。
今何歳という説明が欠けていたように思います。後から考えると多分14歳の頃にはサカリがついて、中高一貫してサカリがつきまくっていましたというガキの話でした。
一人芝居だから相手のパンティを脱がせたりできるんですね。二人だとそれらしいことをやらなきゃいけないですからね。一人芝居の利点について納得しました。
ただ、役者は口で説明するばかりで、身体による表現は全く無く、気恥ずかしさなどは伝わってきませんでした。
妊娠騒動も起こしましたが、おばあちゃんの死を経て少しおとなしくなったみたいで、高校を卒業して町を出て水道会社に就職して普通の大人になっていくのでしょう。
ところで、開演前に眠らないように促す前説がありましたが、それは余計なお世話だと思いました。いびきをかいちゃあ駄目ですが、眠らせないのはあなたのお仕事でしょうと思いました。
グリーンミュージカル「LADYBIRD,LADYBIRD」
アリー・エンターテイメント
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
Good
よく出来ている。少女が出演者の大部分を占めるが、このようなキャストでここまで完成度が高いのは、立派である。少女達の柔らかい感性を活かしつつ、大人が、きちんとフォローし、演技の上でも脇を固めて過不足なくプロの舞台にしている。実際、キャスティング、少女達の歌や踊り、演技の上手さも、優れたシナリオ、演出に応えた内容であった。結果、死生という重いテーマを扱いながら、決して沈んだトーンにならず、本質的でありながら質の高い抒情性を易しい表現に織り込み、希望の火のともる温かで、爽やかな舞台になった。
ネタバレBOX
主演のテントウ虫、アンを演じた加藤 梨里香は若干荒削りではあるが、これからが楽しみな才気を感じさせ、アゲハ蝶役の古谷 梨乃もキッチリ役をこなしていた。また、蜂を演じた4人の少女たちの愛くるしさも良い。
この少女達の謂わば陽の世界に対置されるような形で蜘蛛を演じた女優が、また素晴らしい。夜、悪、地獄と悪いイメージばかりを背負わされた役柄であったが、彼女はこの役を、ビートの効いた踊りと歌で甘美な悪と耽美な夜に変え、地獄の恐怖を従順に変化せしめたのである。そのような華を若い頃のピーターのような妖しい洒脱で演じてみせたのだ。
これらを演出した技術も素晴らしい。虫さんと呼ばれ、彼らの飼い主でもある人間が、実際には舞台上に登場しないのも良い演出だ。惜しむらくは、カブトムシは名前からはオスであるはずなのに、女優が演じ、その角がオスのものであったことだ。カブトムシのカッコよさを表すには、この方が適当だろうが、ちょっと気になった点ではある。
更に細かい点に難が無い訳ではないが、これからが、楽しみな劇団であり、出演者、スタッフである。
筋肉少女【残すは7月in→dependent theatre 1st!】】
石原正一ショー
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/05/01 (水) ~ 2013/05/03 (金)公演終了
満足度★★★★
チラシに偽りなし!!
とにかく「おもしろいのん」しかない110分。元ネタわからない部分もありましたが、もうこの雰囲気にずっと包まれていたいくらい、全力でバカバカしくて気持ちの良い公演でした。女性ばかりで、自虐に走らず、これだけ笑いを取れる公演って観たことないので、本当に爽快でした。
ネタバレBOX
少年ジャンプの表紙やポスターが張り詰めれた舞台美術がこの舞台の世界を表わしているなと思いました。ベタで単純でとにかくぶっとんでてご都合主義な、「努力・友情・勝利」な少年マンガな世界だなぁと思います。タオルを巻いただけに見える衣装で女優さんが登場する、藤子F的お色気なシーンも、エッチというより、コミカルで、もう本当暗転の度に思わず拍手したくなるくらい徹底しておバカ世界を作り出しているなと思います。女優さんが本当に体を張って、時にずっこけて、時に変顔して、極端なキャラになりきって、全力で表現するからこそこんなに腹かかえて笑えるんだろうなと思います。関西では珍しくないのかもですが、東京でこういう演劇、なかなか見れないので貴重な体験だなと思いました。
てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて
マームとジプシー
十六夜吉田町スタジオ(神奈川県)
2013/04/16 (火) ~ 2013/05/01 (水)公演終了
満足度★★★★★
Cプログラム
マームとジプシーの観劇は2作品目ですが、改めてリフレインの魅力に引き込まれました。自分にとってグッとくるシーンが、少しずつ変化しながら何度も何度も繰り返されるのは、すごく贅沢な気持ちになります。いつまでも見ていたくなりますし、すごく物語に共感しました。
ネタバレBOX
点とはなんでしょう?と劇中に問いかけられるシーンもありましたが、記憶であり、場所であり、時間であり、色々な解釈が出来るなと思いました。そうした点と点が結んで出来る空間は、個々人にとって唯一無二な世界でありながら、並列世界として無限に広がっていくなと思うとワクワクしました。「9・11」や「3・11」について語られる時に、役者さん達が片足をあげて非常に不安定なポーズで発話する姿は、私達の日常もある日突然足を踏み外す危うさを秘めていることを体現しているのかなと思いました。上演中にリアルタイムに、事前に用意した映像と、リアルタイムの会場の映像を切り替えながら進行する演出も、観客の私達の視点を様々な大きさ、角度に変えて見えて刺激的です。前回見たのが、「Kと真夜中のほとりで」で非常に役者の肉体を酷使して表現する公演だったので、今作は比較的静かな公演だったなと思いましたが、やはりリフレインの魅力は十分楽しめました。
楽屋
劇や
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2013/04/25 (木) ~ 2013/04/27 (土)公演終了
満足度★★★
落語と女優
お芝居を観る時は極力先入観無しで観たいので、当日パンフなども事前にはなるべく観ないようにしています。そこで本公演の「とんかつ」が始まり、「楽屋」で想像していた内容とあまりにかけ離れているので面食らいました。そっとチラシを見て、ああ二本立てだったのかと納得したわけですが、前説で一言欲しかったです。
「とんかつ」は台本は面白いのですが、ほぼ落語です。一人芝居という形で行う必然性をどこに見出すかが課題と思われます。
「楽屋」は丁寧でわかりやすい演技が良かったです。女優さんが、いかにも女優、という芝居をするのは、案外難しいのではないかと感じました。濃いキャラの登場人物が多い中、中條めぐみさん演じる"枕を抱いた女"の透明感が良かったです。
ネタバレBOX
2作品とも、やや長めに感じました。少し削れば、もっと観やすくなったと思います。
蛻(もぬけ)てんでんこ
野戦之月海筆子
夢の島公園・第五福竜丸展示場前広場・テント劇場(東京都)
2013/05/01 (水) ~ 2013/05/05 (日)公演終了
満足度★★★★
20年後の未来で会おう!
初日は2時間40分強。気軽にオヌヌメできないんだよね。お尻は痛くなるし寒いし。
しかし私は『阿Qゲノム』から全部欠かさず見ているので、役者の顔と名前も一致してきたし、「世界観」もおなじみ。
人間としての登場人物は登場しない。何かの事象のシンボルである役者。
リューセイオー龍、森美音子。この二人には注目。独特なスタイルの苦悶の芝居が即興ダンスになっているという。あとは観客にアジっているような台詞まわし。詞がときどきびしっと決まる。
役者も少しづつ若返ってきている。今公演は揃ってきた感じ。
泣く子も黙る「曲馬館」「風の旅団」で70年代は機動隊なんかといざこったテント劇団の現在の姿ではある。ポスト全共闘・世界革命的な、暗黒の世界史に釣竿をおろした世界観。
晩年の安部公房的な治外法権の特殊な場所と権力者。中上健次的な父親殺しのモチーフ。現代文学ファンにも親しみやすい設定ではある。
ネタバレBOX
作者・演出・主役の「桜井大造」氏。
灰色の髪のシーザーみたいなヘアスタイル。
桜井氏は、中国の様なほころびかけた中世的な巨大帝国。特殊な農薬と種子というテクノロジー、強引な機械化で生態を捻じ曲げて支配するグローバリゼーションのアメリカ帝国。
こういうとんでもない帝国が本当は好きなんだなあ、と思う。
住民が攫われ、川に何十頭もの子豚が投棄される暴力じみた謎の国。
そのの狭間で、朝鮮戦争下で起きた残忍な暴力行為の記憶。極貧の移民の子孫。震災で家族がばらばらになった子供達のその後。心に傷を負った妄想的な人物たちが右往左往する。
奇怪な地政学・建築物の構造が観客にわかってくる頃には、この世界が崩壊してくる、という、そういう劇構造。
今回はラストでテントの向こうが開けてのスペクタクルなエンディングが無い。最初のシーンに戻ってくる。そして20年後の未来までしぶとく抵抗しようという呼びかけになっている。あー、ラストじゃないところで大技はあります。お客を楽しませるケレンもたくさんありますよ。
focus. 神話
ミームの心臓
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/08 (水)公演終了
満足度★★★
企画自体は今後もやってほしい
なかなか、学生さんのお芝居を見に行く機会がない
自分にとっては、よい企画だったと思います。
3作とも観ました。
個人的には一作目のリーゼントのカヲル役と
三作目の原田マサオ役が盛り上げ役として
印象に残ってます。特に、原田マサオがぶら下げていた
雑誌が「ムー」というのは、吹き出しました。
ただ、テーマが普遍性の高いものなせいか、
なかなか、印象としてストンと落ちるものがなかったです。
しかし、学生さんの演劇を見る機会があまりない自分にとっては、
こういう企画は今後も続けていってほしいと思いました。
focus. 神話
ミームの心臓
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/05/02 (木) ~ 2013/05/08 (水)公演終了
・・・
3作品とも、私にはわかりませんでした。
(学生劇団ということですが、王子小劇場での公演なので、手心は加えません、悪しからず。)
ネタバレBOX
【ミームの心臓『東の地で』】
本来は、舞台を見ることで、観客が何かを感じとれるように脚本も演出もなされるべきなのに、観客が感じるべき余白はなく、そこに作者の想いと台詞(意味)が押し付けのように溢れていた。
小説などの場合は、心理描写などが重要になるため、説明のような言葉が多くても、それほど押しつけがましさは感じないものだが、舞台でそれをやられてしまうと、観客としては辛い。写真におけるネガとポジの関係のように、演劇における脚本と舞台との関係は、その重要度は反転する関係にあると考えるのが一般的だ。勿論、討論劇など、言葉や議論の面白さで構築する舞台もあるので、例外は当然あるが。友人に話を聞いたところ、酒井氏の以前の作品『ケージ』などは、『東の地で』では過剰と感じられた言葉の感覚(理屈っぽさ)が、全共闘時代をテーマにしているために、むしろ活きている面白い舞台だったというので、そういう方面で追及するか、そういう主旨ではない作品を作る際には、今「台詞」として言わせている言葉の多くを「ト書き」に変えるとよいのではないかと思う。
(とても、真面目に作品に向おうとしている姿勢を強く感じたので、敢えて厳しく書いてしまいました。おせっかいだったら、すみません。)
【四次元ボックス『cicada』】
最近は、一般的に考えれば、エンタメ作品の場合、ご都合主義で、脚本に都合のいいように様々な設定が作られることは、悪いことではないとされているようなので、ご都合主義が散見されましたが、その点を批判するつもりはありません(それに、今回は「神話」なので、リアリズムからの批判はナンセンスかもしれませんし)。
ただ、片目を失い、義眼を入れている人が主人公で、その義眼の問題が中心題材であるという点だけは、かなり引っかかりました。
というのは、障害問題をネタとして利用し、作品を構成しているように見えたからです。
この作品の中心テーマは、障害問題やそれに付随する偏見や差別などの問題ではない(そういう問題も、要素の一つとしては出てきますが)。
つまり、他の題材でも中心テーマを語ることはできるはずなのに(というか、もっと言ってしまえば、テーマが何なのか、私にはそもそもよくはわかりませんでしたが)、面白おかしく話を語り易い題材として隻眼・義眼が使われるのは、あまりよくないことではないかと思いました。
勿論、作品内で、差別的な表現はまったくなかったので、私が過剰に反応しているだけかもしれませんが。
それでも、近親相姦(ある種のDV)のネタもそうですが、そういう深刻な問題を、エンタメのネタにするのはどうかと思います。
そういう問題を、必要以上に深刻に扱おうとする私のような意見の方がむしろ差別的だと言うのならば納得しますが、そういう問いかけが内包されている作品には見えませんでしたので。
と、厳しく書きましたが、三作品の中では、『cicada』が一番完成度が高いと思いました。
上記の問題を不問に付せば、原田マサオ役佐藤秀作さんは面白い演技だったと思います。
筋肉少女【残すは7月in→dependent theatre 1st!】】
石原正一ショー
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/05/01 (水) ~ 2013/05/03 (金)公演終了
満足度★★★★
まゆとろ
色々馴染みないけど面白い。
ネタバレBOX
キン肉マンの隠し子で、町でスケバンはってる高橋ひろみ(丹下真寿美)を、ミート(中谷真由美)が導き、超人育成機関の超人女学園で暗躍する悪と戦う…。
意外とストーリーがある。それでいて、キン肉マンをベースにしたキャラとプロレスなパフォーマンスで視覚的にも魅せてくれる。コミカルっていうのか。黒子(石原正一)や脚立を使ったバスターとか、あけっぴろげなとこが笑える。何気に石原がハケる時のガッツポーズがいい。
話的には、悪が乗り移った渡紗理奈(永津真奈)らを倒し、さらに乗り移った用務員のおっさんらを倒し、ひろみが生徒会長になるが、旅に出る(結局戻る)という感じ。後半のバトル的なとこはネタも豊富で楽しい。
丹下は、主演張るだけあって終始魅力的に演じてた。崩れた表情もウェディングスタイルの笑顔もピカイチだった。あと、ミート君を演じた中谷もいい。声がいい。背の低さもあってマッチしてた。
ゲスト(オクスリ)の時間とか、まゆとろに絡んだ客席との干渉とか、ショーって感じがじんわりきた。華やかで元気が沸いてくるいい舞台だった。