focus. 神話 公演情報 ミームの心臓「focus. 神話」の観てきた!クチコミとコメント

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    3作品とも、私にはわかりませんでした。
    (学生劇団ということですが、王子小劇場での公演なので、手心は加えません、悪しからず。)

    ネタバレBOX

    【ミームの心臓『東の地で』】
    本来は、舞台を見ることで、観客が何かを感じとれるように脚本も演出もなされるべきなのに、観客が感じるべき余白はなく、そこに作者の想いと台詞(意味)が押し付けのように溢れていた。
    小説などの場合は、心理描写などが重要になるため、説明のような言葉が多くても、それほど押しつけがましさは感じないものだが、舞台でそれをやられてしまうと、観客としては辛い。写真におけるネガとポジの関係のように、演劇における脚本と舞台との関係は、その重要度は反転する関係にあると考えるのが一般的だ。勿論、討論劇など、言葉や議論の面白さで構築する舞台もあるので、例外は当然あるが。友人に話を聞いたところ、酒井氏の以前の作品『ケージ』などは、『東の地で』では過剰と感じられた言葉の感覚(理屈っぽさ)が、全共闘時代をテーマにしているために、むしろ活きている面白い舞台だったというので、そういう方面で追及するか、そういう主旨ではない作品を作る際には、今「台詞」として言わせている言葉の多くを「ト書き」に変えるとよいのではないかと思う。
    (とても、真面目に作品に向おうとしている姿勢を強く感じたので、敢えて厳しく書いてしまいました。おせっかいだったら、すみません。)

    【四次元ボックス『cicada』】
    最近は、一般的に考えれば、エンタメ作品の場合、ご都合主義で、脚本に都合のいいように様々な設定が作られることは、悪いことではないとされているようなので、ご都合主義が散見されましたが、その点を批判するつもりはありません(それに、今回は「神話」なので、リアリズムからの批判はナンセンスかもしれませんし)。
    ただ、片目を失い、義眼を入れている人が主人公で、その義眼の問題が中心題材であるという点だけは、かなり引っかかりました。
    というのは、障害問題をネタとして利用し、作品を構成しているように見えたからです。
    この作品の中心テーマは、障害問題やそれに付随する偏見や差別などの問題ではない(そういう問題も、要素の一つとしては出てきますが)。
    つまり、他の題材でも中心テーマを語ることはできるはずなのに(というか、もっと言ってしまえば、テーマが何なのか、私にはそもそもよくはわかりませんでしたが)、面白おかしく話を語り易い題材として隻眼・義眼が使われるのは、あまりよくないことではないかと思いました。
    勿論、作品内で、差別的な表現はまったくなかったので、私が過剰に反応しているだけかもしれませんが。
    それでも、近親相姦(ある種のDV)のネタもそうですが、そういう深刻な問題を、エンタメのネタにするのはどうかと思います。
    そういう問題を、必要以上に深刻に扱おうとする私のような意見の方がむしろ差別的だと言うのならば納得しますが、そういう問いかけが内包されている作品には見えませんでしたので。
    と、厳しく書きましたが、三作品の中では、『cicada』が一番完成度が高いと思いました。
    上記の問題を不問に付せば、原田マサオ役佐藤秀作さんは面白い演技だったと思います。

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    2013/05/03 00:57

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