最新の観てきた!クチコミ一覧

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少年王マヨワ

少年王マヨワ

ニットキャップシアター

座・高円寺1(東京都)

2013/06/28 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

合うかどうかは分かれるかも・・
自分は好み。個人的には今年ベストの部類かな♨

・・まあ、人それぞれだけど。

浅草での子供鋸人と言い、前世紀末の関西は東京からでは見えにくいかもしれないけど、舞台として非常に豊潤であることに疑いの余地はない、と思う・・あくまで個人的な見解として(苦笑

非常に色彩が豊かで、音の要素も微妙。男性らしくない演出ぶりだったと思う。

男性の演出家で、これだけ繊細に、かつ色んな技術を目立たせないように忍ばせる腕を持つのはごま氏くらいではないかと思ったり。

物語の豊かさ、ユーモア、演出の微妙さと言い、
国内の若手の劇作家、演出家としては完全に抜け出しつつあるのではないかな、とも思う・・あくまで個人的な見解として。

役者たちの動きもピラカタ・ノートよりさらに動きがスムーズになっていてとても良かった。

ちなみにごま氏とは一切面識はありません、個人的な感想で・・。

班女/弱法師

班女/弱法師

shelf

d-倉庫(東京都)

2013/06/28 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

惹きこまれました
役者さんの迫力も相俟って、台詞が能の様式美を内包して重層的でしかもそれで美しい感じがした。舞台装置も、微妙で面白い。不思議な空間演出である。いつの間にか、惹きこまれました。

きれいなお空を眺めていたのに

きれいなお空を眺めていたのに

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/06/19 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

好きな芝居だった
(主観だが)いい芝居とは2つ3つの出来事が、一見バラバラに進行するように見え、そして実際バラバラなんだけど一瞬でも接点を持ち、メタファーとかパラレルで繋がってたりするものじゃないかと。
そして、コメディな部分でちゃんと笑える雰囲気を作り出すこと、また、後半にかけこのセリフが前半にあればストレートにコメディなセリフを、ある種のブラックユーモア、ぞっとするセリフと化す、その見せ方が、非常にうまかった。
舞台装置は、現実的、具体的だけど、色のなくて、抽象的。中間だった。

鳥肌を立たせる舞台。

ネタバレBOX

一見骨組みをよく見ると解りやすい話の流れとなっていて、「パーに勝つチョキを出す」っていうのも奇抜突拍子ではない発想の展開だけど、そういう脚本にありがちなのが役者個人の能力に頼りすぎてしまい、いわゆるコメディな部分はすごく面白くてもシリアスな部分がないがしろにされ客を置いてきぼりにするという舞台がままある。
しかしこの公演では、役者と演出のどちらの裁量も素晴らしいのだろう、普通なら「天気予報でパーが降る確率70%」などと出てきたら、絵本の「はれ、ときどき、ぶた」のようにほんわかチックなコメディ調なシーンで用いられるだろうが、この舞台は大きくシリアスに持って行った。もちろんそれを笑い飛ばす役も存在するがそれらはメインではない。
サルマークに関するストーリーもそのように、笑もありながら闇を持つ存在となった。シリアスな部分を大事にされていた。しかも露骨なシリアスではない、自然に鳥肌を立たせるシリアスだ。

この舞台に於ける解りやすさは決して単に簡単にするだけの解りやすさではなかった。解りやすい舞台の成功例だ

それと何しろ終わりが良かった。終わりを含め、余韻が素晴らしい。


しかし若干暗転が長すぎるのでは?と思った箇所もいくつか見受けられたが、余韻や、適度なクールダウンをもたらすための間である ところも あった。
SQUARE AREA

SQUARE AREA

壱劇屋

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

見応えたっぷりの舞台
独特のパフォーマンスはもちろんですが、練られたストーリーも見応えがあり、とても素晴らしい舞台でした!まさに壱劇屋でしか観られないお芝居だったと思います。四角い部屋に閉じ込められた人たちの脱出劇、ということで舞台は囲み舞台。ぜひ別の面からも観てみたかったです。

熱き心で突っ走れ!

熱き心で突っ走れ!

株式会社夢グループ

ゆうぽうとホール(東京都)

2013/06/27 (木) ~ 2013/07/03 (水)公演終了

満足度★★★

団塊世代の懐狙いっすね
往年のスター達による時代劇に歌謡ショーって、
スター達でないと地方の温泉地とかにある
ホテルのアトラクションのようですよね。
(芝居に歌にと宴会につきものの(^^)

時代劇約1時間→休憩30分→歌謡が75分ほど

ネタバレBOX

公演の特製饅頭が¥1000でパンフレットが¥500に、
各歌手さんのTシャツやらCDやら飴やら・・物販も攻勢かけていました。

九州から東京への観光ツアーに組み込まれた面もあり、
宿泊も同じトコで観光は自由行動との事でした(20人位って聞いた)。
たぶん全国各地からのツアーでも入れてるでしょう。
う~ん商売うまいなぁ(^^) (満席だったしねー1階はー)

さてお話は、小林旭扮する織田信長の父の葬式の場面から始まって、
美濃のマムシこと斉藤道三(松方弘樹)とその娘である濃姫(浅丘ルリ子)の輿入れと流れて、信長が小田家の統一を道三の兵を借りて果たすまでです。
幕に地図とシーン説明用の土地名を表示しての判り易さです。
(水戸黄門のような安心感で、さくさく進むストーリーでした。)
年齢層の絞込みバッチリでありました!
ということでお薦めは定年退職した方々位の年齢ですねっ(^^)

アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ

アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/06/29 (土) ~ 2013/07/06 (土)公演終了

満足度★★★★

笑いに徹する
本編2本と小編。SFやミステリーよりも笑いが優先。おバカ。少し初日の固さがあったがすぐにほぐれると思う。

『ベルサイユのばら』 -フェルゼン編-

『ベルサイユのばら』 -フェルゼン編-

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★

久々
上演時間3時間、30分休憩あり。久々に宝塚を観劇。とても宝塚的で華のある舞台だった。携帯が何度か鳴っていたが、観客のマナーレベルが低い。

アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ

アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/06/29 (土) ~ 2013/07/06 (土)公演終了

満足度★★★

乳化は難しかったように感じた
クラウンエーテルでもあればねぇ・・・・・

あーさて、3作を110分ほどでの上演です。

今ひとつだったかなぁ・・と思いました
細かく笑いは取れてるんだけど、期待した大笑いは少なかったんで。

ネタバレBOX

女子高生がプエルトリコに引っ越した友人を尋ねる為に用意した旅行鞄の中身を点検するコントから始まって→この話は後の2作の合間に挟まって最期に3つ目のコントでオチが付くという設定。

鎮魂歌=は小型の移動式ハンガーとパイプ椅子にて作られた列車内のセットにてサークルの二股男が法事だと嘘ついた本命彼女とのデートの帰りの車内でサークルの合宿帰りの彼女と仲間2人に見つかって事態の収拾を図る話のはずが・・・・頭と頭のぶつかりあいで精神が入れ替わるという混乱劇の展開となります。これはオチが秀逸でした(^^)見た方が良いですねー。

駅=は死んだ人間が思いを遂げる場所のはずが、いろいろスラップステックな展開で繰り広げられる話です。 いまいちだったが、成仏の具体的な見た目の話が・・・ここは受けた。 でも全体今ひとつになっていた。

で最期は無事プエルトリコに着いたJK3人が荷物取られてしまって、金を作るか盗るんだという展開になるも、奇跡起こそうといってるうちに怪人乱入のドタバタで尻切れ風にENDでした。 よくはなかったなぁ・・・。

駅の前に入ったリコーダーとトランペットとアコーディオン+笛のいざこざは楽しかった。笛担当さんのY字バランスなどは凄かったです(^^)。

自分的には精神入れ替わりドタバタ意外は今ひとつと感じたです。
なかなかいろいろ難しいのかな?

ファミリーナ

ファミリーナ

雀組ホエールズ

OFF OFFシアター(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★

チョイ長
頑固大家と店子たちを中心としたオンボロ下宿のコメディ・ストーリー。
基本的には好きなんだが、クドい部分(「犯人捜し」のトコとか)があってモタついたり(よって上演時間は約125分の長尺)、リアクションが大袈裟で醒めてしまったりするのは残念。
とは言え、娘の結婚話に決着をつける終わり方などは上手い。

寺山修司作「盲人書簡」

寺山修司作「盲人書簡」

雲の劇団雨蛙

サブテレニアン(東京都)

2013/06/28 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

怠惰な作品
非常に怠惰な作品だと感じた。というのは寺山修司が昔やった手法から一歩も出ず、そこに演出的な試みが一切見られないからだ。観客にマッチを渡すのも、暗闇の中での上演というのも初演と同じだが入口上部に外光が漏れていて、この作品制作に対する中途半端さがすでに露見している。さらにマッチ擦りも天井桟敷の系列の劇団に比べるとかなりいい加減に行なわれていて、役者がさかんにマッチを擦り直したり、慌てて吹き消したりしていて見苦しい。さらに最も問題なのはこの劇における闇というものが一体何なのかということが、作品の中でまったく明らかにされていないということだ。これは演出家の完全なるサボタージュだ。これがサボタージュでないのだとしたら、この演出家はまったくの無能だということだ。
あと大変に気になったのは、制作をやっていた男性が常時動物的なしゃっくりを頻発する人間で、暗闇の中で頻繁に聞こえるしゃっくりは芝居を壊していた。

Call me Call you

Call me Call you

劇団6番シード

吉祥寺シアター(東京都)

2013/06/27 (木) ~ 2013/07/04 (木)公演終了

満足度★★★★

手に汗握る2時間10分!
オープニングから緊迫したシーンが続きハラハラドキドキの連続でした。交渉ブースとなったトレーラーもよくできていて圧倒されました。SITの服装やキビキビした動きも格好よかったです。交渉人を軸とした犯人や警察・SITとのやりとりも見もの。

ネタバレBOX

受付を済ませて階段を上るとSITの制服を着たキャストが客席案内をしてくれたり、会場に入ると大きなトレーラーが舞台上にドーンとあったりと始まる前から気持ちが高ぶりました。

犯人は、ほとんど声だけの出演でしたが、交渉人とのやりとりで気持ちが変わっていくのを上手く表現できていたと思います。

人質となったダンス教室の講師と生徒の服装やキャラが濃かったなぁ~。
どんなダンスをするのか気になりました。

格好いい役柄が多かったのですが、個人的には人間味あふれるデカ長が一番かなぁ。



Call me Call you

Call me Call you

劇団6番シード

吉祥寺シアター(東京都)

2013/06/27 (木) ~ 2013/07/04 (木)公演終了

満足度★★★★★

良かった。
2時間10分と長尺ながら、全く飽きさせない。これぞ6C!的なエンタテインメント作品でした。舞台上のトレーラー、そしてオープニングアクトからワクワク。

ネタバレBOX

やはり圧巻は、遠山弥生役の宇田川美樹さん。キュートでとぼけたおばあちゃん‥実は凄腕の交渉人‥を見事に演じていました。終盤の犯人説得シーンは思わず涙。納得のダブルコールでした。
獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

イキウメ

ABCホール (大阪府)

2013/06/14 (金) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり面白いイキウメの世界観
神的な存在、降り注ぐ柱、魅入られる石…。イキウメのお芝居のストーリーには毎回驚かされますが、今回も凄いお話でした。SF的な設定なのにリアリティのある怖さが全編を覆っていて、最後まで引き込まれる素晴らしい舞台でした。イキウメの世界観はやっぱり面白い。

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★

千両みかん/屋上庭園
面白い。「千両みかん」の方が楽しめたかな。

ネタバレBOX

「千両みかん」
若旦那がみかんが食べたくて病に罹り、安請け合いした番頭がなんとかみかんを売っている店を探すが、千両で買い取るハメになる。みかんを食べた若旦那から3房のみかんを受ける番頭は、自分の境遇を見つめ、みかんを持ったまま逐電する…。
枕も含めて、二人芝居での「千両みかん」を演じる。役を固定せず、途中途中で切り代わり、トントンと話が進む。身体パフォーマンス含めても面白い。
落語だと同時に複数の役は舞台上には存在しない(演じられている役以外の役は、客の想像で存在することになる)けども、今舞台は二人芝居なので同時に役が存在している。落語におけるそんな特徴を排した舞台であることに意義があったのかなと。そういう舞台のつくりってとこでは、その効果がよくわからなかった。


「屋上庭園」
とあるデパート?の屋上の庭園でばったり会った、旧友の並木(糸山和則)と三輪(沼田星麻)の両夫妻。裕福そうで人生順調そうな三輪と妻(毛利悟巳)に対して、見栄を張る並木。三輪の夕食の誘いも断った並木に、妻(榊菜津美)は優しくその身を案じる…。
ブロックに板を置いた舞台が屋上。すれ違うにも窮屈な板の上で微妙な人間の距離(並木妻の脇を通る三輪夫妻への仕草とか)を表現する。
両妻が買い物をしている中、屋上で会話をする並木と三輪の繊細な心の動きがいい。そして、三輪夫妻が帰ってからの並木夫妻の会話がさらにいい。「あなたの友達がどんどんいなくなる」と心配する妻を(板から下りて)同じ目線で抱きしめる並木。不安定な心(板)から開放されたように、並木の心に安心が生まれる。並木の卑屈さを癒す妻のやわらかい愛情が美しかった。
平原慎太郎ソロダンス公演 NOCON 『ボレリッシュ』

平原慎太郎ソロダンス公演 NOCON 『ボレリッシュ』

コンドルズ

あうるすぽっと(東京都)

2013/06/29 (土) ~ 2013/06/29 (土)公演終了

満足度★★

絶頂に達することのないボレロ
イキウメの前川知大さんがテキストを担当した(台詞はなかったので、おそらくプロット的な文章でしょうか?)作品で、ラヴェルの『ボレロ』は用いられず、静かな雰囲気の中にうっすらとドラマ性を感じました。

劇場に入ると、大量の灯体を吊った3本のバトンが低い位置まで下げられ、床には会議テーブルが並んでいて、全身黒尽めのスタッフ達が出入りしているという、仕込み途中の様な光景で、そこへ静かに黒ブリーフ姿のダンサーが入って来て、ベジャール版『ボレロ』を思わせる動きを踊って始まりました。
机の上の埃を払い落とす様な動きが次第に展開し、シャツ・パンツ・ベスト・ネクタイを身に纏い、ラヴェルの『ボレロ』と同様に次第に音量を増して行く音楽に合わせてダイナミックに踊るものの、ラヴェルの曲とは違って頂点に達せず、逆に次第に減衰して行き、ダンサーが倒れ込む度に床と壁にランダムに照らされていた帯状の明かりが消えて行き、音と光が無くなって終わり、メランコリックな雰囲気がありました。

激しく動く時でも体の隅々までコントロールが行き届いた繊細なダンスが美しかったです。
ダンサーは1人ですが、机を様々な位置に動かす2人もパフォーマーとして存在していて、間隔を空けて立てた机に森の映像が映される中を横切る姿が印象的でした。
上手では別の2人が小さなパーカッションを生演奏していて魅力的な音を生み出していたのですが、後半は録音の音楽だけになってしまったのが残念でした。

ピンク・パーポー・センセーション

ピンク・パーポー・センセーション

Love♪Panic

高田馬場ラビネスト(東京都)

2013/06/27 (木) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しめました。
退屈せずに楽しく観劇出来ました。

私と彼氏とその彼女

私と彼氏とその彼女

演劇ユニット キャッチ.コム

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/06/28 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★

誰もが通った道
 高校生男女それぞれの仲良しトリオを巡る学園物。学内隠れ家は秘密の場所、進学と恋、校則とグータラ欲求、教師とのやり取り、友情と恋、三角関係と裏切りの末の友情破綻等々。

ネタバレBOX

 殊に、他人の彼を取ってしまったことで女同志の友情は非難のうちに壊れ、前カレ、前カノの関係は破れて三角関係はあっさり崩れたものの、奪った者もまた、雨の中を独り、ずぶ濡れになって家に帰り、生まれて初めて、何故、雨がシトシト降るという表現なのかを実感する辺り、思春期の柔らかい感性を描いてグー。翌日、彼女は学校を休む。彼から電話が入る。「大丈夫?」彼女は彼の傷心も思い遣って応える「大丈夫」。思えば、彼女が、隠れ家の壁に凭れて泣いていた時、偶然、通りかかった彼が「泣いてたの?」「ううん、泣いてないよ」「そうか、泣いてたように見えたから」彼はそう言うと一旦、隠れ家を離れかけた。戻ってくるとカルピスを持っていて泣いたことは知らんぷりをしてくれて「飲めよ」って置いていってくれた。彼女は2つのことがハッキリした。一つは、生ぬるいカルピスっておいしくないっていうこと、もう一つは、彼女は彼を愛してる、ということだった。
 別のシーンで、彼女は、かつて自分が住んでいた場所に来ている。彼も一緒だ。彼女は、総ての経験をここで初めてしてきた。初めて転んだこと、初めて泣いたこと、初めてブランコに乗ったこと等々、かつてその場所にあった遊具を一つ一つ指さしながら、小さい頃からの自分の様子、団地の前にあった公園のこと、何の約束もしなくても近所の子供達は、皆、この公園に集まってきて遊んだこと、夕ご飯が出来ると、お母さんが、子供の名を呼ぶ。「ご飯ができたわよ」の掛け声と共に。それで子供たちは、家に帰る。こんな経験を全部、ここで初めてしてきた、とファーストキス。
 この辺りの抒情性にこの舞台の真骨頂がある。感情の瑞々しい高校時代、誰もが通ってきた道を、その瑞々しさのまま描いた。
Over The Line

Over The Line

EgofiLter

シアター711(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
舞台のセットが素敵でした。面白かったです。

金星の金曜日

金星の金曜日

劇団925

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2013/05/24 (金) ~ 2013/05/27 (月)公演終了

満足度★★★

2本見れたお得感
①「まごころを君に」
真心を貨幣とする、というストーリーがユニークで面白かったです。が、ハートフルな話だなと思っていたら終盤でブラックな展開に。少しその転換が急だったような気がしますが、皮肉の利いた上質なお芝居だったと思います。それにしても、物理的にもデカイ伊藤えん魔さんの存在感は凄かった(笑)
②「誰がために金は要る」
1話目のベテラン中心の構成からうって変わって、若手の俳優さんを中心にハイテンションな2話目。潰れかけの喫茶店の再生を目指すお話。涙あり笑いあり、という展開だったとは思うのですが、テンションが先行してたような気がして、個人的にはあまり乗り切れませんでした…。ただ、パワー溢れる楽しいお芝居だったと思います。

朝日がのぼる夜

朝日がのぼる夜

彩才女組

シアターブラッツ(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/09 (月)公演終了

『ブカティーニにあうソース』について






国旗の色がセットに散りばめられ、食事にペペロンチーノが登場したからではない。

人が、会話が、たたずまいが、まさしくイタリアだった。


話の道筋は、イタリアらしい。
一人のレオナルドなる好色男子を巡る、ハードボイルドな女の恋愛狂想曲である。


北部の都市•トリノの弁護士事務所で この狂想曲が奏でられてからというものの、全く内容を理解できなかった。

事務所の弁護士、探偵、イタリア•マフィアの関係者など、様々な境遇の女性が集結するが、関係図式が 今ひとつハッキリしない。
序盤の「サッカー試合八百長事件」を緊迫し描いたシーンに繋がるのは、まず間違いないだろう。
「15年前」がテーマであることも
確かなようだ。

しかし、進めば進むほど、紐を解くどころか、絡まって複雑な関係図式となる。
パンフレットは どうか。
関係図式について、避けるように記載していない。


この物語は、ミステリーではなく、先程、示したとおり、ハードボイルドな恋愛狂想曲だ。
コンクリートの弁護士事務所に集まったのは、南欧の美女(?)だけである。南欧といっても、トリノはイタリア北部地域独立を訴える「北部同盟」という政党が一定の支持を得る都市である。
イタリア人=ジローラモ氏を思い浮かべる日本人にとって、北部の人々は外国人に映る可能性も考えられる。

コンクリートの内側で巻き起こる、誰が味方か分からぬ関係性、過去に何があったのかを軸に展開する、女の友情…。

オペラの名曲のみが流れる知的な内側 ではあるものの、ハードボイルドとしては緊迫感は伝わらなかった。手を縛るのもスカーフで、何より目に 迫るものが乏しい。
もちろん、会話劇としては知的な狂想曲だった。ただ、ハードボイルドの重要なポイントが伝わらなかったのは へし折れた電柱と同じ印象を持つ。

女とか、男とか、関係なく、そこは もっと現実性を備えた「対峙の姿勢」が あったはずだ。
手を縛られているわけだから、旧友であっても、いや、旧友だからこそ しなければならない表情が あったはずだ。その点でいえば、マスクを被らせる演出は、逆の効果を生じさせるのではないか。


「レオナルド」は、どれだけ魅力的な好色男子なのか、それは隠された舞台のテーマである。

彼女達の裏切り、脅し、…友情、全てレオナルドが原因だ。
15年前、当時、孤児院で一緒に育てられていた彼を、みんなで「守る」ことを決めた。


「傷つくけど、気付きたい幸せがある」


歴史を背負うのは、負担だ。
しかし、二宮金次郎は蒔きを背負った。
舞台の肩には、イタリア社会とマフィア、女達、レオナルドの15年間が乗っている。見えないけれど、会話劇が 見えるようにバージョンアップしてくれる。

私は、「見えない」レオナルドを、この国の青年に知ってる。
青年の名は桐島という。
『桐島、部活やめたんだって』(朝井リョウ 著 角川文庫)の、主人公にして顔を出さない桐島クンである。
地方高校バレー部のキャプテンでありながら、ある日、部活を辞めたという情報が校内中に知れ渡った。
周りの反応、対立をとおし「桐島」なる青年の人物像を掘って行く、その作業がストーリーである。

今回の舞台に関していえば、レオナルドは全てを繋げる「象徴」的な存在があり、男ー女の普遍的な物語を扱っていたとすれば、「オペラ」に他ならない。
「オペラの発祥の地」イタリア、数え切れない男ー女の物語を響かせたなか、八幡山で行われた 今回の舞台も 極めて近しい音域に属するのだろう。


イケメン劇団に対抗しえるユニットとなりえるか。
ミュージカルではなく、イタリアを持ち出してきたところに、これから の道筋を察する。











































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