きれいなお空を眺めていたのに 公演情報 こゆび侍「きれいなお空を眺めていたのに」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    好きな芝居だった
    (主観だが)いい芝居とは2つ3つの出来事が、一見バラバラに進行するように見え、そして実際バラバラなんだけど一瞬でも接点を持ち、メタファーとかパラレルで繋がってたりするものじゃないかと。
    そして、コメディな部分でちゃんと笑える雰囲気を作り出すこと、また、後半にかけこのセリフが前半にあればストレートにコメディなセリフを、ある種のブラックユーモア、ぞっとするセリフと化す、その見せ方が、非常にうまかった。
    舞台装置は、現実的、具体的だけど、色のなくて、抽象的。中間だった。

    鳥肌を立たせる舞台。

    ネタバレBOX

    一見骨組みをよく見ると解りやすい話の流れとなっていて、「パーに勝つチョキを出す」っていうのも奇抜突拍子ではない発想の展開だけど、そういう脚本にありがちなのが役者個人の能力に頼りすぎてしまい、いわゆるコメディな部分はすごく面白くてもシリアスな部分がないがしろにされ客を置いてきぼりにするという舞台がままある。
    しかしこの公演では、役者と演出のどちらの裁量も素晴らしいのだろう、普通なら「天気予報でパーが降る確率70%」などと出てきたら、絵本の「はれ、ときどき、ぶた」のようにほんわかチックなコメディ調なシーンで用いられるだろうが、この舞台は大きくシリアスに持って行った。もちろんそれを笑い飛ばす役も存在するがそれらはメインではない。
    サルマークに関するストーリーもそのように、笑もありながら闇を持つ存在となった。シリアスな部分を大事にされていた。しかも露骨なシリアスではない、自然に鳥肌を立たせるシリアスだ。

    この舞台に於ける解りやすさは決して単に簡単にするだけの解りやすさではなかった。解りやすい舞台の成功例だ

    それと何しろ終わりが良かった。終わりを含め、余韻が素晴らしい。


    しかし若干暗転が長すぎるのでは?と思った箇所もいくつか見受けられたが、余韻や、適度なクールダウンをもたらすための間である ところも あった。

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    2013/06/30 00:22

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