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読書劇 テロならできるぜ

読書劇 テロならできるぜ

オフィス再生

秋葉原アトリエ「ACT&B」(東京都)

2013/09/06 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

勢いはすごい。
個人的には、
視界を少しも遮られない最前列での観劇が良いかと。

特殊な劇団なので、一概に『お薦め』にぽちっとは出来ない・・・かな。

ネタバレBOX

開演前に緞帳があり、
暗転時にスタッフさんが取り外したのは気配でわかったんだけど、
緞帳がなくなっても、もう1枚、そこに幕がある感じがして、
目が慣れてきたら・・・やはり!
『読書劇』ってまさか、このまま声と光と影だけでお芝居するの!?
って一瞬思ってしまった^^;

インパクトのすごさは相変わらず。
緞帳が開いた後の緞帳に赤字が書かれるシーンもぞくっとしたし、
見沢さん役の鶴見さんが入ってる檻(カゴ?)は、有刺鉄線で出来ていたけど、
鶴見さんが座っている下まで張り巡らされ、相変わらずの細やかさだなぁ、と。
お母さん(あべあゆみさん)が、舞台上で唯一の、普通の人代表という感じで、
普通なのに舞台上では異色、観ていて不思議な感じでした。

ただ、ラストの鶴見さんが本にうずもれていくところは、欲を言えば、
もっともっとうずもれてほしかったかなぁ。

前回の『二十歳の原点』よりも、内容はわかりやすかったけれど、
観た目の美しさ、という意味では、『二十歳の原点』のほうが上に感じました。
男郎華(おとこえし)

男郎華(おとこえし)

Marmoset

俳優座劇場(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

Bバージョン
後半に力を使いすぎた感があり、前半だらだらした印象を受けました。
お遊び要素がお遊びとして活きているのが少なかったのも一つの要因かと。
個人的には紫雨流けん玉術なんかは好きなんですけど。

2パターンあるのにどちらのパターンを見ているのかちらしを探すまで分からなかったり、ロビー広めなのに椅子なかったり、客席も役者仲間が芝居として見ておらずバカ笑いしてたり、舞台自体以外でも色々残念でした。

ただ、後半の勢いは良かったので、殺陣や美術、台詞まわし、発声、音楽などなど課題は沢山あるかと思いますが、続編でパワーアップされてることを期待します。

あたっくNo.1

あたっくNo.1

劇団EXILE

青山劇場(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/09/17 (火)公演終了

満足度★★

若さ溢れる。
初・劇団EXILE。
Bチーム観劇。
開演後に入ってくる人や、
音楽が大音量だからいいと思っているのかおしゃべりする人が多く、
観劇環境としてはあまり。。。

ネタバレBOX

それでも、誕生日の歌のシーンや、
和太鼓のシーンなど、やや唐突感はあったけれど、
ややダレ気味のお芝居に、いいアクセントになっていて、
飽きずに最後まで観られました。

ストーリーは典型的で、
どこかで聞いたことある話のつなぎ合わせのような感じでしたが、でも、
実在していた方の日記が原作と後で知って、
合点がいったような気がしました。
なぜ ヘカベ

なぜ ヘカベ

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2013/09/04 (水) ~ 2013/09/11 (水)公演終了

満足度★★★★

植民地の知
 “なぜ”という問いが、今作の眼目だろう。無論、直接的には、ヘカベが蒙った数々の不幸への疑問である。トロイアの王妃という地位にありながら何故かくも理不尽で惨めな目に合わなければならないのか? 何故、自分なのか? という本人にとっての理不尽を神と名付けたものに仮託する問いである。

ネタバレBOX

 この作品のベースになっているのは、エウリピデスの書いたギリシャ悲劇「ヘカベ」で、今作は、ヴィスニユックが風に書きおろした3作目である。エウリピデスにはないテーマがいくつか加えられているのは当然のことだが、例えば盲目の老人(ホメロス)、羊飼いの父と娘(預言者・坐子的存在)が加えられ、コロスも通常のギリシャ劇とは異なる用い方をされている。
 さて、この何故? の果てにヘカベが辿りつくのは、神々からの答えを期待することではない。寧ろ、己の頭で考えることである。生命は、何処からきたのか? 我らは、何故生きているのか? 生きることに意味があるのか? と。
 無論、生物が何処からきたか? については、宇宙の生成にも関わることである。総ての物質はそこから生まれたと考えられるのだから。而も、現在の宇宙は、超高温でもなければ、絶対零度でもない。等方背景輻射があるからである。宇宙全体がどうなっているのかは無論殆ど分かっていないが、それでもブラックホールやホワイトホール、超新星爆発というマクロから素粒子、素粒微子などのミクロまで様々な物質の在り様が少しずつ解明されつつある。その中で、矢張り生命を形作る物質であるアミノ酸が生まれ、電気的刺激や化学反応によってウィルスのような存在が細菌のような存在に進化する仮定も生じたのであろう。(様々な異論はあるだろうが)まあ、我々のような生き物も個体発生は系統発生を繰り返して誕生するので、発生の初期に発達する神経系(脳の古層、視覚など)や下意識には、宇宙にたった1人で存在する恐怖といった原初生命体の怯えのようなものがあるのかも知れない。何れにせよ、そのような絶対的孤独に耐えられないことを知るが故に、我ら、ヒトは神なるものを発明したのだ。従って、苦悩の果てに常識などという通常の人間の考える識域を超えてしまった人間は、裸形を見ずにはすまないのである。
 ただ、風の方法は、知に重きを置き過ぎるように思う。良く勉強しているのだが、もっと自分の居る地域に根差しても良いのではあるまいか? ヨーロッパ流の知は、我らの知そのものではない。シリア問題が切迫する中、アメリカの植民地でしか無いこのエリアで、アメリカが攻撃を掛ければ、その攻撃下で無残・理不尽な死を遂げるのは、子供、女性、障害者、老人など弱者である。アメリカの用いる武器には、DUの含まれる砲弾なども多い。そしてそれらが着弾して生じる放射性核種による被害は、半永久的である。無論、出る放射線は、ベータ線など波長の短いものが多いので内部被曝による被害が多く、IAEA,英米、ICRPなどはこの因果関係を否定し、ダーティーな下部組織は、因果関係を主張する医師、研究者には、殺すなどの恫喝を掛けている。このような事実が存在するとき、米兵が出陣するのは、我々のエリアからでもあるのである。この直接的な危機感を反映して欲しかった。
阿修羅城の瞳

阿修羅城の瞳

Contondo

世界館(大阪府)

2013/08/31 (土) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

女芝居の力强いファンタジー!
Contondoは2度目の観劇!
前作は2011年の旗揚げ公演を見た時は
あまり印象はなかった様な⁈

【朝日のような夕日をつれて】

http://ameblo.jp/hkhk0720/entry-11022206624.html


久しぶりの観劇で世界館へ!
15分前ぐらいに劇場へ着いたら長蛇の列が‼
その後にまだ続々と並ぶお客さん⁉
このベースだと開演時間が間に合わないなぁと思っていたら
やはり20分押しの開演…

客席は満席⁉
旗揚げ公演の時には感じなかったけど
こんなに人気があった劇団なのか⁈

今回は女優陣11人だけの渾身の“阿修羅城”


階段を使ったオープニングのタイトル
いきなりカッコ良すぎるでしょ‼

今回は演出の素晴らしさが際立ったファンタジー♪
光などで上手く世界観が表現されています

それに応えるかの様な女優陣の熱演!
中でも主役の小寺曜さんのしっかりとした演技!
鬼役のらいぴさんの声の出し方が印象的♪
その他の役者さんも熱かった!

女優陣だけでも力强く感じるファンタジー!
言葉が聞き取りにくい部分もありましたが
最後まで見応えあるお芝居でした!

それだけに開始の遅れは少し残念…
折角の良い作品も観る時の気分によって
印象は大きく変わってしまうので…

あたっくNo.1

あたっくNo.1

劇団EXILE

青山劇場(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/09/17 (火)公演終了

満足度★★★★

男臭さ満載
戦争ものではありますが、エンターテインメントも盛り込まれ、笑いもあるし、よく動くし、最初から最後まで、真っ直ぐで、エネルギーに溢れていて、汗だくで男臭い感じで、「劇団EXILE」らしさも感じられる、「夏」っぽい舞台でした。戦争モノだからっていう訳じゃないんですがね。

皆さん海軍の白い軍服、すごく似合ってました。眩しかったー。
皆スタイルいいから、本当にかっこいい。
それでダンスもされた日には、鳥肌モノです。

戦争、特攻、命、勅命…重いテーマがあり、色々と考えさせられる作品でした。死と隣り合わせの中でも、日常は存在しているし、閉鎖空間なれども、仲間と共に友情も育むことは、今も昔も変わらない…。
そう考えると、戦争の前では日常の脆いこと…。
それが、あの時代にはあったのだと思うと、ただただ追悼、哀悼するばかり。
そして今の平和な時代に感謝。
好きなお芝居が、のんびり観られることに感謝。

和太鼓、劇団EXILEらしさを感じたというか、ちょっと懐かしかった。
(劇団公演の時には、必ず和太鼓やってたから。Aチームにはどうやらなかったシーンらしいです。)
やっぱり格好かったなぁ。

ネタバレBOX

ちょっとキスは、しすぎな気もしましたが…。そんなに腐向けにしなくとも…と思うのですが、それは腐ではなく、男の世界ですか?

特殊潜航挺の下りからは、涙でした。
1年も死に行くための訓練を受ける兵隊の気持ちは…想像を絶する。
切なく辛いどころじゃない。自分の思考を切り替えなければ、正気で居られないだろうと思える状況にただただ涙でした。
星の王子さま

星の王子さま

NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)

あうるすぽっと(東京都)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

素敵な舞台でした。
舞台は親子連れが多くて、夏休みらしさも感じました。
子どもももちろん楽しんでいる子はいましたが、私の回りにいた子どもは一部集中力なく、飽きてました。
もちろん、舞台に夢中になって、舞台に向かって叫ぶ子どももいて、それは微笑ましいんだけど…若干複雑。

子どもに見せたいっていう姿勢はわかるんですが、根本的なところが大人向けな気がしました。暗転が多すぎて。
子どもは暗転苦手だから、なるべく暗転ないようにしないと、暗転のたびに「怖い!」って叫ばれます。

上演前のミラーボールに照らされた花びらの照明はすっごくきれいでした。
そして何より感動だったのは、キャストの皆さんが、自ら演奏するってのが!
すごい!素敵!
演奏してるとこが見ずらい席だったので、すっごく残念だったけど、オープニング、エンディングの曲がすごく好みでしたので、CDも買えて、曲のタイトルを知ることが出来て嬉しかったです。
気に入った曲のタイトルは、「夜間飛行」でした。
あ、もちろん王様の「♪宇宙のワンマン~。」も好きです。

それにしても、安いチケットチケット代で、すごく上質な舞台を観られることはありがたいですね。「子ども」のおかげだね。
ありがとう、子どもたち。ありがとう、スタッフ&キャストの皆さん。

『ジャマイキー!ジョーキー!』

『ジャマイキー!ジョーキー!』

上田ダイゴトークライブ

BAR『OVERGROUND』(京都府)

2013/08/24 (土) ~ 2013/08/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

内容は・・・とにかく 最高に面白い!! 
面白い むちゃくちゃ面白い その後の顛末 人生かけたネタふり 悪意たっぷりの・・・の話し 馬鹿っぽい・・・、 ・・・は、・・・処理 あっけらかーーん!! 書けません、書かないほうが良いと思います!! とにかく 最高に面白い!! 次も必ず行きますよ。

 この会場の舞台前の方 f-coさんの声の高さで共振する様です。ちょっと後ろがちょうど良いですよ。

岸田國士小品選

岸田國士小品選

おででこ

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2013/09/06 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄く良かったです
3本とも凄く面白かったです。
着物も綺麗だった!シンプルなセットが三つの世界に変わるのが面白かった。

一番印象に残ったのが一人芝居のモノロオグ。です。
30分くらいの芝居で、一度しか見てないのに、ここでこういう動きしたな、とかここでこんな顔したな。とか強く印象に残りました。
それだけ役者さんが強いアピールをしてくれたんだと思います。

30分の中で、あんなに笑える所と共感するところと、泣けるところがあるなんてビックリでした。 

三つで2時間程度だったんですが、時間の経つのがあっという間でした。
いいものを「見た」というよりも「体験した」気になれました。
本当に面白かったです!見てよかった!


お話の切り替えは、青い光の中で舞台のセットを組み換え?るんですが、スムーズで綺麗だったので、そこも楽しめました。

ネタバレBOX

馬ていのおかみさん!!!!!まさか!!!!そうなるの!!????
こええぇえええぇえ!!!!!


・・・どこの世界にも、どの時代にも、ヤンダレっているんだな、て思いました。
ジョーカーの審判

ジョーカーの審判

やんちゃ喜族

明石スタジオ(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

ラストで
少し腑に落ちました。

ネタバレBOX

そのまま死ぬ人もいれば、草を食べて瀕死の状態から生き返る人もいて、統一性の無い、殺戮に明け暮れる世界が延々と描かれていて、意味もよく分からずただただ眺めていました。

ラスト近く、秘刀を柄に取り付けると死神が持っている鎌のようになり、全てが納得できました。そして、ラストでファンタジーの世界の人たちがサラリーマンの格好になり、死神がファンタジーの世界や現実世界でフツーに仕事をしているということで、少し腑に落ちました。
真田風雲録

真田風雲録

もんもちプロジェクト

荒川区ムーブ町屋 ムーブホール(東京都)

2013/09/06 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

日本は変わったのか?
 戦国が終わりを告げた関ヶ原の戦いが幕開けである。合戦の前には法螺貝を吹き鳴らす効果音を流すなど演出的にはかなり凝っている。また今演出では演劇が総合芸術であるという謂われ方をしているのに対し、デザインの仕方なのではないか、という視点で取り組んでいる点も興味深い。実際、楽器だけでも和太鼓あり、パーカッションありでコラボしているし、ギターもエレキとアコースティック、他に琴、横笛(効果音?)、三味線などが、用いられ場面に応じて面白い使い方をしている。実は、越境も隠れたテーマなのである。
 内容的にも17世紀初頭と現在を時間的・空間的に照応させている。事実、ここで描かれていることは、その革新性、党派性、組織とリーダー、支配者と被支配者、更には民衆との相互関係であり、体制派と反或いは非体制派との相克、実現すべき社会をつくるに当たっての展望の有無、その有効性、闘いの中での異論や分裂、味方と敵との線引きの難しさ、裏切りの定義は可能か? 等々、実際に戦った者にしか問題の本質が見えてこないような深読みがいくらでもできる内容になっており、また実際に戦う場合には必然的にぶつかる問題群なのである。一応、17世紀初頭を描いてはいるのだが、当に我々が、日々抱えている問題そのものだということができよう。
 役者陣の殺陣も素晴らしい。

ディオニュソス

ディオニュソス

SCOT

利賀大山房(富山県)

2013/08/25 (日) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

SCOT「ディオニソス」観ました
(SCOT「禿の女歌手」から続く)
 利賀・SCOTサマーシーズン2013も、いよいよ大詰め。
 最終日・最後の演目は、SCOTが世界に誇る名作「ディオニュソス」!

 すでに利賀山房で観た事があるけど、今年は新劇場・利賀大山房での上演。一見、体育館にしか見えないw(補助金申請の都合上、改装前と同じ体育館扱いにしているそうです。。)



 「神に逆らった人間への罰」という超自然的な素材を元に、人為を超えた悲劇に直面しながらも、耐え抜き生きる人間の姿に焦点(震災も連想した…)。


 盲目の神官や幕を引きずる神女らが、日常とは別の法則に乗っ取った身体で舞台上を動く様子は、人ではなく神の気のよう…


 空間が大きくなったのが効を奏したスケール感、役者の立ち位置が変わるだけで局面が変わっていくように見える照明、限界に挑む身体、異質な音楽や所作の統合。
 全てがまさに、ワールドプレミアム。



 大きくなった空間が、確実に世界を広げて見せた。普遍的な出来事に感じられた。
 「劇場が変わると芝居が変わって見える」というのを、シンプルな劇場空間同士でこれほど顕著に見せられるとは…
 これだけを観に行っても満足できる、凝縮された満足の舞台でした!



 後ほど、SCOTサマーシーズン2013全体の感想も、この「ディオニュソス」
欄に書きます。

G・愛・情

G・愛・情

カラスカ

上野ストアハウス(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ドラマ構成のコツ
 タイトルそのものも無論だが、様々なレベルで言葉の遊びが含まれている。また、内容的には、ファンタスティックな要素が物語の中核に関わることで、実際にはあり得ない世界を描きながら、同時に、人間の深い部分へも目が行き届いている為、物語としてきちんとドラマが成り立っている。この辺りの構成の確かさと人間の本質に対する目線が、面白いと同時に人間的な作品に仕上げている。

霜月小夜曲 @こまばアゴラ劇場

霜月小夜曲 @こまばアゴラ劇場

札幌座

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
満員の客席に、期待と熱気がムンムンしているのがわかりました。作・演出の斎藤歩さんのセンスが光っていました。回想シーンに人形劇(顔は俳優で、首から下を人形にする方法)を取り入れ、それをまた後半の台詞に散りばめて笑いにしているのですが、その人形劇のクオリティが実に高くて笑ってしまいます。メインキャラクターの3人の女優さんのやりとりにどんどん引き込まれて、どんどん愛しく可愛らしくキュートに思えて、終演時には虜になってしまいました。また、その子ども世代に当たる若い女優さん達の会話のテンポが小気味よくて感心します。僅か、コンマ数秒、前の台詞を喰い気味に交わされる台詞が癖になります。かなり楽しく気持ちいいです。冒頭のホテルマンの会話(上下にズレた視線も)から一貫して、噛み合っているような噛み合っていないような台詞のやり取りが、この作品の、この劇団の技術力の高さを証明しているようです。北海道でしっかりと鍛えられ、美味しく育ったジャガイモを蒸かしてホクホクをいただいたような、そんな満足感に浸り帰路につきました。たくさんの人に味わってもらいたい作品です。どうぞ、召し上がれ。

明日も明日も、そのまた明日も

明日も明日も、そのまた明日も

劇団かさぶた

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

こちょこちょっと
笑わせてもらいました。

ネタバレBOX

エウロパや宇宙船は出てきましたが、時間が遡ったということが全く感じられず、SFという感じが全くしませんでした。天国と地球との間でも交信できるという不思議なファンタジーでした。

グダグダ噛んだり、台詞を忘れたっぽくしたところが軽妙で、確かに受けました。しかし、ヘタウマとも違う、タコが自分の足を食べているような将来展望の開けない危険な行為のように思えて仕方ありませんでした。

途中途中でスプレーで壁に1、2、3のように書いていましたが、/、ユ、アのように見え、これは何かあると思っていました。終演後にスプレーで継ぎ足し、シーユーアゲインになりましたが、本編とは全く関係無く、そんなところに注力しなくてもいいと思いました。
チューボー

チューボー

KENプロデュース

コア・いけぶくろ(旧豊島区民センタ-)(東京都)

2013/09/06 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

見入ってしまった
さすがは昨年度の池袋演劇祭優秀賞受賞作品,ホントに芝居に見入ってしまいました。役者さんたちは皆うまいですね。ストーリーも,これがこの劇団お得意のシュールコメディ問題作というやつなんでしょうか,面白かったです。あの終わり方で,これからどうすんのと思ってしまいますが,各人の想像力に委ねられるのでしょうね。ところで,自分にとって「仕事とは・・・」,答えの出ない問題です。いい加減に生きてるからなぁ^^;

かもめ

かもめ

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/09/04 (水) ~ 2013/09/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

ストレートではない。
チェーホフの戯曲を現代風にアレンジし、かつ、キャストにあった遊びもいれて飽きさせない演出になっていました。幕間の見せ方や装置も意識されています。

ネタバレBOX

上手のシーンが多々あり、右横の座席はからは見えません。大竹しのぶさんはスゴかです。
風ノート2

風ノート2

放課後ランナー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

はまって、涙腺が。
これもでもかってくらいシリアスなシーンが続いて、素直に感情移入してしまいました。このためか、カップルの見ている方が恥ずかしい仲の良さや記者のある設定など遊びの部分も入っていました。

ネタバレBOX

走るシーンを演出するのは難しいですね。
RE:1k 【公演終了!】

RE:1k 【公演終了!】

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/08/30 (金) ~ 2013/09/05 (木)公演終了

脚本は珠玉揃い
太田守信さんの新作「天使はエロ本を閉じて」を観たくて行きました。その点に於いては楽しめたので満足。一見変態じみてる太田さん脚本ですが、実は至極真っ当で、どんな課題を与えられても根底で人間の妙を描き、かつ自身の世界観を打ち出すことが出来る器用な作家さんだと思います。こういうタイプの職人的脚本家さんってほんと好きなのですよ。演じている役者さん達も楽しそうだったことが印象的でした。

ネタバレBOX

5演目中、3演目は2008年のギリギリエリンギ「The Best of 1k」で拝見してます。ブラジル山田さん、トリコ米内山さん、DART'S広瀬さんといった錚々たる脚本家さん達の珠玉の名作・・・のはずでしたが、正直に書いてしまいますと、舞台に上がるにはまだまだ力の足りない役者さんが散見されたように思います。

普段小劇場での演劇や学生演劇を多く観ていますが、良い意味で伸び代を感じることはあっても技量不足による不満を感じたことがないので、今回あらすじが分からないほど演技的に未熟な部分があったことはかなり残念でした。

そんな中で感じた太田さんや山岡くん(まだ学生ですが明大アートスタジオで何度も観てたりする、)の安定感、そして気になっていた第27班の深谷晃成くんの存在がなんだか救いのようにも思えました。

※2008年のキャストが神(酒巻さん、冠くん、太田さんetc.)だったのと、照明が恐ろしいほどきれいだったことは今でも鮮烈に記憶に残っています。大木戸門編・新宿門編合わせて3回観て、素敵な思い出も多い好い公演でした。
ガソリンホットコーラ

ガソリンホットコーラ

tsumazuki no ishi

ザ・スズナリ(東京都)

2013/09/04 (水) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

売れないガソリン
冒頭から会話のすれ違うもどかしさ全開で、その“伝わらなさ”が孤独感を呼ぶ。
生者と死者がすれ違う舞台で、実は生きている者同士もすれ違っている。
ちゃんと話が通じるのは死んでからなのか…。
暴力的なまでに一方通行のコミュニケーション、シュールな展開の中に
私たちの現実が透けて見えるような舞台。

ネタバレBOX

客入れのBGMがめちゃめちゃカッコよくて、でもロックについてはよくわからない。
あー、劇団の人に聞けばよかったと後悔した。
舞台下手奥にバーカウンター、その手前にガソリンの給油スタンド、
上手奥には店の入り口ドア、手前に古いソファとボロボロの椅子が置かれている。
古タイヤや雑誌の束が雑然と置かれ、BGMが抜群にはまる。

近未来、超過疎、高齢化の地方都市で
シンタロー(日暮玩具)はガソリンスタンドの店長をしている。
車なんてめったに来ないのに、たまに来ても給油スタンドのホースは車まで届かない。
このスタンドでちゃんと給油できるのはバイクだけだ。
弟のユージロー(加地竜也)は人とうまくコミュニケーションが取れない。
シンタローの嫁マキコ(中村榮美子)は亭主とその弟を怒鳴りつつ距離を置いていたが
ある日ついにパートに行くと言って出たまま戻らなかった…。

子どもの頃父親とガソリンスタンドに来るのが楽しかったからという理由だけで
車の来ない過疎の都市で、致命的な欠陥物件を買ったシンタローは
この時点でもうニーズも状況も見ない、単純な情熱だけで生きていると判る。
嫁の不満はそこに集中していく。

登場する人物は誰も自分の目的を果たすことができないまま
不条理な状況でもがき続けている。
暴力的なまでに一方通行のコミュニケーションが行き交ううちに
一人ひとりの孤独な姿が浮かび上がってくる。

後半、男たちが狭い使命感と格闘しているのに対して、女たちは一気に行動に出る。
“死”に対してためらわず踏み出し、ずんずん突き進む様は
“変えたいのに変えられない”前半の展開がもどかしいので小気味よいほど。

ユージローと常連客のチカゲ(加藤亜依)が
舞台床の丸い穴から出て来た理由が明らかになって
初めて死者と生者が共存していたこと、ユージローがその境界にいたことが判る。
生前誰ともコミュニケーションを取れなかったユージローが
実は全ての人の声を聴くことができたと知って哀しい気持ちになる。

シンタロー、ユージローを始め、女性政治家から取ったかのような名前が
ギャップを感じさせてちょっと面白い。
照明の美しさが印象的。
テロリスト(?)に変身したマキコを演じた中村榮美子さんが強くて美しい。
チカゲを演じた加藤亜依さん、ランドセルが異様に似合って、一瞬子役かと思ってしまうほど。
コーラの瓶の中身を一気飲みしたりお弁当を食べたり
ラーメンを本当に作って食べたりと、“食”に関して妙にリアルなのが可笑しい。

何だかシュールで不条理な展開にびっくりしてよくわからないところもあったが
これをおとなしく小さくしたのが私たちの日常なのかもしれない。
一方通行のコミュニケーションがすれ違い、誰にも届かない…というのは寂しいことだ。

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