最新の観てきた!クチコミ一覧

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南へ

南へ

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

1996/02/03 (土) ~ 1996/02/13 (火)公演終了

満足度★★★★

アゴラ劇場で観ました
※実際の鑑賞日は1996年です。こりっちさんでは2008年以前の鑑賞日は設定できなくなっているので現在設定できる一番古い年代にしました。

ネタバレBOX

で、実際観たのは1996年2月9日。
船の甲板が舞台になっていて、日本から出て外国に行こうとしてる日本人達。船という閉じた空間の中で、一見平和そうなのだけど、それぞれの思惑自体はそうではないように伺えた。何かとてつもない事件とかそういうのはやはり起こらないのですが、日本を出てきたはいいものの、どこに向かうのかを今ひとつ決めかねている人たちの群れに見えました。
風 -ふう-

風 -ふう-

劇団ZAPPA

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/09/28 (土) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

サヴァン症候群
 一言で言うとすばらしい作品でした。どう表現したらよいか分からないくらい。おかげでこの観てきた!を何度も書き直してしまいました。

 私は新撰組に詳しくなく、どちらかというとサヴァン症候群というキーワードにひかれて鑑賞させていただきました。TVで特番があるたび、よく観ていたのです…が!新鮮組ってかっこいいんですねー!なんて私の新たな扉が開かれつつあります(笑)

 役者さんひとりひとりが、その人物その人として生きていました。感情の流れも自然で、深く、ステージの小物の使い方、照明の使い方から、もちろん作品の流れも作品としての完成度がとても高いと感じました。
 
 続きがあるようなのでぜひ観たい!できればDVDほしかったなぁ。今回はステキな作品をありがとうございました!!

このしたやみ「紙風船」

このしたやみ「紙風船」

まちげき企画とんぼだま

ナンジャーレ(愛知県)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★★

まちげき企画とんぼだま ・このしたやみ「紙風船」観ました
 京都・このしたやみの定番演目を、愛知の有志が招いて各地で公演する企画。


 非常にコンパクトなセットが、二人芝居の空間をピンポイントで強調。
 夫婦の小宇宙。

 岸田國士の古びることのない代表的な戯曲が、このしたやみの手で緩急激しい夫婦掛け合い漫才のような舞台に。(個人的にはオイスターズの舞台を想起 汗)

 声、足、紙…けだるく繋がる夫婦間の空気の壁をいろいろに見せる。(あんなに具象的な心の声w ) 押しても引いても断絶しても、結局繋がっている。「永遠に続く男女の遊び」と評した知人も。

 クールな広田さんと一生懸命な二口さん、男女役者のコントラストも眩しい。二口大学さんの汗。。。;(;Д;);


 上演時間40分、ちょっとトランクに収めて、汽車で各地へ持ち運べる感じの公演。
 これからまだ、名古屋や岡崎のお寺でも公演が行われます。機会ある方はお気軽にぜひ!



 ※10/19(土)の公演@西区長善寺(15:00)は、私が出演する【パズル星団第3回公演 『白夜、そして約束の朝』『贋作山月記』二本立て公演】@ナンジャーレ(19:00)とハシゴできますよー(笑)
 → http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=38903
 

ash children(アッシュ・チルドレン=灰の子供たち)

ash children(アッシュ・チルドレン=灰の子供たち)

星の女子さん

ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ)(愛知県)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

SLOFT/N&星の女子さん「ash children(アッシュ・チルドレン=灰の子供たち)」観ました
 会場に入るとまず、セットがシンプルかつ美しい。アナログな組みでデジタルなイメージ。



 劇場の構造を生かしたOPの入りでワクワク。ちょっと流山児事務所か、つかこうへいチック(後者は観た事ないけど) 壮大だーw
 (これは、SLOFT/Nとも星の女子さんとも違うテイストの舞台が始まるな…)、と予感。


 北村想による、もはや意味やメッセージを考える必要を感じさせない、およそ演劇らしくないテキスト(文献をそのまま載せたかのよう)。
 こちらが気を回すこざかしさなどとは無縁なのか、あのお方は。。。


 それ以上に、台詞の出所となる役者の身体、所作に注目。
 役者の動かないパワー、気持ちの置き方、演出が構築しようとする世界観の共有力が重要。

 役者の体表からにじみ出る声が、舞台から観客席へゆるやかに流れて届く。


 名古屋ではあまり観ないタイプの舞台。
 観客の賛否が大きく割れる結果に(「最近観た芝居で上位に入る出来映え」という声もあれば「「観る価値ない」との声も)

 私がしいて言うなら、shelfに近いイメージの舞台。
(出演者は、ちょっとクセのある女の子だらけ。かわいいshelf?笑)
 


 分かりにくいけれど目指す地点が高いところにあるのが分かる、意欲的な公演でした。
 星の女子さんは、これからどう変わっていくのか…(想さんは変わらないだろうけどw)

音楽劇「それからのブンとフン」

音楽劇「それからのブンとフン」

こまつ座

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/15 (火)公演終了

満足度

安っぽい思想がいっぱい。
井上ひさしの代表的な戯曲。初のこまつ座なので、かなり期待して行ったのだが…途中で観るのが厭になった。

役者は申し分無く、市村正親は魅力的で、小池栄子もなんともコケティッシュ。新妻聖子は楽しそうに悪魔を演じる。
上手に置かれたピアノでは朴勝哲が美しい音を奏でる。
出だしは良かった。こりゃ、いいぞ、とわくわくしてくる。

しかし…

ネタバレBOX

途中から、安っぽい権力闘争の場となった。
そういえば、これが書かれたのは1975だ。さもありなん。
そして、周りを見渡せば、多いのはその頃青春を送ったであろう、団塊の世代。

「人間が一番好きなものを盗むの。それは権威」「権威をまとった人間は人を意のままに操ろうとする」(正確ではないが)だの、
「盗むのです。貧しい人からはその貧しさを、悲しむ人からはその悲しみを、権力者からはその権力を…そうすれば、人は本来の姿になる」

本来の姿って何だよ、と突っ込みながら、うんざりしてしまった。
ファンタジー的な要素の強い話に、こういう台詞を持って来られると、小学生におとぎ話をしながら説教をするオヤジの話を聞いているような気になってくる。
音楽劇 「ヴォイツェク」

音楽劇 「ヴォイツェク」

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★

善人、罪、罰
原作部分はそのままに、新たなエピソードを加えたり、シーンを組み替えたりして見通しの良くなった脚本をこけおどしのない演出で描き、ヴォイツェクが狂って行く様子を通じて社会と道徳について考えさせられる内容でした。

本来は途中に置かれる見せ物小屋の場面から始まり、ヴォイツェクの破滅的な物語が描かれた後にエピローグで再び見せ物小屋の場面が再現される構成で、キーとなる単語やエピソードを繰り返して強調したり、ある意味ヴォイツェクと対の存在である知恵遅れのカールに暗示的な台詞を多く言わせたりと、原作を読んだことがなくても分かり易い作りになっていました。
新たに加えられた台詞には今現在との繋がりを示唆する要素がありましたが、説明的過ぎる様に感じられる所もありました。

山本耕史さんが演じるヴォイツェクはとても純粋な男として描かれ、次第に挙動がおかしくなっていく様子が痛々しかったです。
他の役者はわざと芝居じみた大袈裟な演技をしているのかどうか曖昧さを感じることが所々ありました。

「7つの大罪」を想起させる7つのドアがある3m程の壁の前で、家具の位置移動だけで様々な場面を描き、クライマックスの妻殺害のシーンで初めてセットの大きな転換があるのが効果的でした。

クルト・ワイル作曲の『三文オペラ』に東欧的なテイストを加えた様な音楽で始まり、ヴォイツェクの精神状態が悪化するに連れて逆に明快な響きになって行くのが印象的でした。
管楽器奏者2人+ギタリスト+ベーシストの4人編成で、ピアノやドラムを用いてないのが作品の雰囲気に合っていました。

井手茂太さんの振付はダンスらしくない動きも多く、社会に飲み込まれる人間の不気味さが表現されていました。もっと身体表現を見せるシーンがあっても良いと思いました。

ファニー・ガール

ファニー・ガール

シンクロ少女

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

無題849(13-288)
19:30の回(曇)。三鷹駅下車18:27〜(早めに歩いて)会場着18:42、受付、開場待ち用の列があるので並ぶ。18:45時点で4名、18:57で列に5名、その他3名、18:59開場。椅子席4列、座布団がお尻のところと背もたれにも2枚ずつ(いいカンジ)。床面〜5段の重層の舞台、前方(一番広い)、下手後方、上手後方が部屋。真ん中は戸外でベンチらしきもの。全面板張り。説明に「選択」とあります。何度も何度も…迷い、惑い、苦しみ、もがき、そして再び、三たび、繰り返す、それぞれの人生、家族。それを象徴するかのように舞台は前に進むための「路」が取り囲み、上ったり下ったり、気がつけば同じ高さ、どう進んでもいつもの同じ高さ、それでもまた前へ。開演前のBGMはカバー曲でしたでしょうか…懐かしいものも(Fleetwood Mac、Cyndi Lauper…)。19:15/19:25前説(150分、休憩なし)、19:32開演〜21:57終演。ゆったりとした時間はいつの間にか進んでゆく、人のつながり、別れ、友達、親子、夫婦。お話に身を委ね、温かいものを感じていました(暗転時のBGMは爆音でしたが)。終盤のコーラス…とても良かったです。横手さんはさっぱりとした雰囲気になっていました。ひとつ、舞台前で誘導するスタッフ…後ろで手を組んでいるのはどうかと…

ネタバレBOX

Queenは「QueenⅡ」以外ほとんど聴いていませんでした。調べると、このアルバム発売は1974年…多分、この時発売と同時にLPを買ったはず。「Sheer Heart Attack(1974)」はパスし、「A Night at the Opera(1975)」を買っておしまい。「Sheer〜」は紙ジャケが出てようやく購入するも…2〜3回しか聴かず…。それでもこのメロディ(ネタバレなし、ぜひ劇場で)、舞台全面に広がり歌う人たち、よくこの曲を思いついたものです。アコースティックギターの「In My Life」もピッタリ。
乱痴気10『ウイルス・ミス』『仮面サイバーV3』

乱痴気10『ウイルス・ミス』『仮面サイバーV3』

乱痴気STARTER

シアターシャイン(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーとハホリー☆
(^^)/
二本立ての方の、【ウイルス・ミス】を観ました!
面白かったです☆
題名から面白い!
ず~っと笑いっぱなしの面白さです♪
より深く舞台を楽しむために、
「風邪の諸症状に対する人体の防衛反応」を
予習していくと良いですよ☆
観劇日記をブログに書きました。
後日、【仮面サイバーV3】も観る予定。

サラ金へおいでよ

サラ金へおいでよ

劇団チキンハート

新宿シアターモリエール(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/09 (水)公演終了

満足度★★★

千秋楽観劇です
熱が入っていたのか2時間半・・・・
眠気も起きずに集中して観れたのですが、後半は失速気味に感じました。
さすがに歌に特化した方も入っているせいか、
BGMや効果音など台詞にかぶせた使い方とか上手でした。
舞台セットも良く出来ており作品世界に合っていましたが、
話は割りと表面的だったかな。
登場キャラが濃すぎる方多いのでリアルには出来ないだろうが、
端々に入れるリアリティっぽさ(程度でいいですね、この作品世界観では。)
をも少しひねって欲しかったかなぁ。

ネタバレBOX

サラ金とはタイトル掲げていたが、内容は闇金です。
さすがに「闇金へいらっしゃい」とはできなかったかな。

違法ですし犯罪だと主人公4人組の一人が言ってるし、
なんか方向性への説得力が弱かったと言えますねー。

オチの負債5000万円っていって、
小型のスーツケース1個じゃ入ってないでしょうし。
2~4個ぐらい放り投げるとか、
家賃1万5千円で取り立てるにはチト大家さんテンション高めでしたし。
スーツ着てきた仲間の様子から、
実は希望的観測の入った夢落ち・・・・とした方がしっくりきたです。
5000万円の鬼の切り取りするなら、
あんなゆるい追い込みはしないなぁ、自分なら。
とりあえず拉致って臓器販売だな、
先に衣食管理と運動で、たこ部屋ツマして臓器健康にしてから売りますね。
庇う仲間がいるのなら連帯させて漁船に売り飛ばすなら回収できるかな?

トグロじゃなくて柘榴(笑)兄弟もキャラが笑えましたが、
「弟は(肉体美はGood(^^)シックスパック見事でしたしー
でも原作のようなボリューム感が不足なので)これで50%ぐらいだ」とか、
原典生かした笑える台詞も言って欲しかったなー(^^)。
Hanger Boy

Hanger Boy

おぼんろ

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2013/09/16 (月) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★

進化してきてました
それでもまだ、ここはこうした方が・・・。
とか思う処もあったが、絵本のような物語が情感豊かに演じられておりました。
→かなり物語りに入り込んでいた方もおりましたし・・・

めずらしく観客は高齢な方々の多い回でありました

(1時間)

ちなみに近所の方々が気軽に来る様な作品であり、
上演時間の倍の時間までかけて見にいくかは、
個人の心のエネルギー次第ですねー。

ネタバレBOX

「ひとりじゃできねーもん 二回目」の2部の作品の再演ですね

ロボット君の話です

主催さん今作絵本にでもして売ると物販として良いのでは?と思いました

ちなみにパンフレットはあったのかな?
(アンケートも無くて書けなかったが)
Clash Point

Clash Point

劇団スクランブル

シアター711(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/13 (日)公演終了

満足度★★★★

最高の暇つぶし
公演パンフの脚本家さんの挨拶文が役者さんたちについて書かれていて面白かったです。ストーリーも面白く、楽しい時間を過ごせました。暇つぶしと考えたら確かに最高な時間の使い方ですね!

ネタバレBOX

ストーリーが良くできていて凄く面白かったです!
言葉遊びというか、セリフの使い方が上手いと思いました。何度も同じ言葉を使っていたりしてしつこいのに嫌な感じではなく、ちょっと笑っちゃうようなものだったり、イラストレーターと小説家のやりとりや、終盤のセリフの応酬などお見事だと思いました。
恋愛事情はホントにややこしく、でも観ているほうにはわかりやすくて面白かったです。
舞台セットも真ん中に編集部、左右にイラストレーターと小説家の部屋があり、場面転換がスムーズでわかりやすかったです。
初日のせいか、役者さんたちがセリフを噛んでいたのがちょっと目立ちました。
十月大歌舞伎

十月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2013/10/01 (火) ~ 2013/10/25 (金)公演終了

満足度★★★★★

【夜の部】観劇
夜の部の方が断然面白いです。

ネタバレBOX

四幕目 木の実・小金吾討死 
いがみの権太は仁左衛門さんしかいないというくらいのはまり役。わざと持ち物を間違え、相手が自分の持ち物を開けて中身を確かめるであろうことを見越して因縁をつけるやり方で、小金吾はいがみの権太にしてやられましたが、討ち死にに関してはやさ男の割には大勢の敵と戦っての討ち死にでしたから恥じることはありません。

五幕目 すし屋
四つ並んだすし桶は、初めは左から空、空、三貫目、小金吾の首の順でしたが、弥左衛門が血で汚れた衣服を左端の板の下に仕舞ったため、空、三貫目、小金吾の首、空の順になりました。そのため権太が首を持って行ってしまったというわけです。

瀕死の権太が、四幕目で息子からくすねたおもちゃの笛を使って維盛と維盛の妻子を呼んだのは何とも皮肉でした。権太の妻子は身代わりになって鎌倉方に引き立てられて行った後でしたから。

権太が鎌倉方から褒美でもらった陣羽織に書かれていた文字は、「内やゆかしき、内ぞゆかしき」で、中には袈裟と数珠が入っていました。頼朝は、伊豆への流刑で済まし、自分の命を助けてくれた維盛の父重盛に恩義を感じており、維盛を殺すことは考えておらず出家を勧めたのでした。維盛もその意を汲んで妻子と別れ出家します。

大詰 川連法眼館
源九郎狐の忠信は菊五郎さんしかいないのかというくらいのはまり役。階段から突然現れるのは、事前にずーっとそこばかり見ていましたがやっぱり不思議です。廊下の欄干に乗ったり、高い所から飛び下りたり、70過ぎなのに軽々とした身のこなしは素晴らしかったです。

源九郎狐が鼓の皮と親子だと打ち明けた後、鼓は音が出なくなりました。鼓をもらって喜んだ源九郎狐は置き土産として屋敷を狙っていた隠密のような兵士三人を退治して木に登って大団円。
めいとーでん~鬼切之編~

めいとーでん~鬼切之編~

COTA-rs

シアターサンモール(東京都)

2013/08/07 (水) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★

知ってるとより楽しめるか
本刀を擬人化した舞台。舞台などの物語で見聞きするぐらいなので、そこまで刀に詳しくはないが、楽しめました。ただ、出てくる刀に詳しければさらに面白いのかなとは感じましたが。
しかしこの擬人化、イロイロと物語できそうだな。(外敵と戦ったり)

マイホームマイホテルマイパートナーハネムーン/久保らの歩く道

マイホームマイホテルマイパートナーハネムーン/久保らの歩く道

コーヒーカップオーケストラ

OFF OFFシアター(東京都)

2013/10/02 (水) ~ 2013/10/09 (水)公演終了

『久保らの歩く道』これが劇団だ
もう「クッソ面白かった!」の一言に集約される。
単純に笑えるのは勿論、劇団としてのドラマが見えて感動。終盤の「泣きながらパンツ下ろしてるんじゃないよ!」って台詞こそがコーヒーカップオーケストラだし、その後のモリサキミキ含めて四人で踊る新しいシーンで号泣。
今年一番ってくらい面白かった。

ネタバレBOX

野島が死んでからの年一の集まりとダンスの連続。これが再演で加わってるのが劇団員モリサキミキ加入の物語としてグッとくるのは勿論、「これがコーヒーカップオーケストラだ」という宣言にも見えて心底カッコいい。
そして「劇団っていいな」と強く思わされる。

今回だけと言わず、折に触れ再演して欲しい。
全然若くなくなってもやって欲しい。
ファニー・ガール

ファニー・ガール

シンクロ少女

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

選択の理由
「選択」を示すことは同時に「選択しなかった方」を強く意識させる。
どちらにしても「選択」とは痛みを伴うものなのだ。
シンクロ少女、平易な台詞と丁寧な演技で劇的な展開を“隣の出来事”みたいに見せる。
いつの間にかディープな人間関係に首までつかって2時間半。
空間構成と照明の上手さが印象的で
重いテーマと軽やかなキャラのバランスがとてもよい。

ネタバレBOX

舞台はシンプル、階段状になっていて2つの家族がそれぞれ小さなちゃぶ台に集う。
上の家族は10歳のシイちゃんと父親、母親は家を出て別の男の元へ走った。
下の家族は高校生のジュンとカスミ、オカマのサダハルの3人。
カスミは事故で死んだジュンの実母の姉だ。
カスミは性欲の無い処女だが、ジュンを育てるためにはもう一人の存在が必要と考え
オカマのサダハルと結婚した。 

シイちゃんは、父親が病気で亡くなった後かつて自分を棄てた実母の元へ行く。
新しい父親と彼の連れ子である妹がいるところだ。
高校生のジュンは、付き合っている彼女ではなく
親友ソノヤの彼女ミツコといる方が楽しいと感じている。

そして15年後…。
明らかにカスミたちと暮らした方が幸せだと思われるのに
実母の元へ行くことを選んだシイちゃん。
案の定シイちゃんの実母は再び別の男の元へと出て行き
シイちゃんの夫は血の繋がらないあの妹と不倫している。
ミツコはジュンと一緒にいると楽しいと自覚しながら、長く付き合ったソノヤと結婚した。
交通事故で失明したソノヤは、息子のショウタがジュンの子どもではないか
という疑念がぬぐえなくて、素直に愛することができない。
そしてミツコはジュンと不倫している…。

冒頭から一気にシイちゃんのキャラクターに惹き込まれた。
母親の記憶が無いシイちゃんが、ジュンに「ジュンちゃんのお母さんの話をして」とせがむ。
もう何度も話した、交通事故で死んだ母親の話をするジュン。
痛ましい話なのに悲惨な感じではなく、むしろ数少ない“母のエピソード”として
大切に、楽しげに語っている。
このシーンの“普通でないのにどこか温かい”感じが秀逸。
シイ役の浅野千鶴さんの作り過ぎない10歳ぶりが素直で良い。
15年後、結婚したシイちゃんにすんなり移行しているところも自然で無理がない。

シイちゃんを取り巻く人々のキャラがまた皆魅力的だ。
クールなカスミを演じる坊薗初菜さんがよくはまって、身勝手な実母に向かって
「私はシイちゃんをうちの養子にしてもいいと思ってる」と
啖呵を切る(ように私には見える)ところが素晴らしい。
行動は合理的だが、ちゃんと人の気持ちを見ている。

いい人達ばかりの中で、ひとり困ったちゃんがシイちゃんの実母カツコ。
演じる墨井鯨子さんの「私はもう昔の私じゃない!」と主張する
ご都合主義で結局何も変わらない女の、ムキになる台詞が上手い。
15年後、思った通り“いなくなってる”事実に、真実味を与える。

平易な言葉を紡ぐ台詞が共感を呼ぶ。
何より役者の気持ちが言葉と同時進行で高まって行くのが見てとれる。
それはとてもリアルで、観ている私の心も一緒について行くのだが
時々少し饒舌過ぎてインパクトに欠ける。
こんなにドラマチックな決断をするのに
あるひと言にスイッチが入って涙が止まらない…という
強烈なカタルシスに繋がらないことがちょっと物足りなかった。

いきなり始まるミュージカルにはちょっとびっくり。
BGMでなく、歌って踊らなければいられなかったのか…。

それにしても
どうして“こっち”じゃなくて“そっち”なんだ?
どこか失敗の匂い漂う“そっち”の選択をした理由は何だろう?
壊れるところを見なければ気が済まないのか、終わりにできないということか?
テーマの重さと、シイちゃんの軽やかさのバランスが絶妙で後味は悪くない。
シイちゃんの“多分もう結論は出ている”選択に思いを馳せながら
私は「選択」の理由を今も考えている。
伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

圧倒的な短さで編む大河ドラマ
手塚治虫氏の『火の○』に劣らない、壮大な物語を造ってしまった。
ツッコミの炸裂する「笑い」が暗転を効果的に生かしてリピートし、全編で いつの時代も変わらない「愛」を映す。

身分だとか、社会的なモラルだとか、男だ女だという性差だとか、人種だとか…。

生涯5人の人間を愛した、1800年代生まれ の男爵には、時代ごとで愛すべき対象との大きな障壁があった。

ネタバレBOX

例えば 初めの恋人を拒ませたのは、登ることのできない「階級」(中世 フランス)である。

しかし、考えてみれば、次の時代1990年代には「階級」という概念すら政治家の頭にはなくなっていた。
「階級の否定」に他ならない。

一方、その時代の障壁は「社会的モラル」である。

日本で私立高校の保健教師となった男爵の目の前に、「透明な」女子高校生が現れたのだ。
もちろん、「教師と生徒の愛」など社会的にNOだから、公職の彼は 障壁を破ることすらできない。


そして、次の時代は2030年代。

アウトスロー界を浸かった男爵は 、組の構成員の若い青年と「愛の生活」を過ごす。
これからは近未来の人類の仮定を指すが、「社会的モラル」で人々の恋愛が制限される価値観=障壁も吹っ飛んだのかもしれない。


こう人類の歴史を辿っていけば、「愛」の障壁は 時代ごとの闘いや草の根の運動によって崩れてきたのだ。

今、インドなど世界中に身分制は存在し、完全に是正することは不可能だろう。
だが、人類の潮流、流れ としては、「身分制」を葬り去る方向へ動き(人民の武装)、性差や人種を越える方向を求めてきた(草の根運動)。


今作が型どった時代は その境目であり、非常に思慮を感じる構成だった。



「エロいメイドの時代が来ます!」に象徴される「笑い」は、暗転を利用したからこそ生まれる。それはコントの形式で多用する方法だろう。
だから少なくとも前半は、ショート•ストーリズを重ねた「アップルパイ」のような舞台である。
逆の見方にすれば「薄っぺらい」感触も感じつつ、チラシ(絶賛したい)にも登場した女子高校生との「愛」「障壁」を映す第二幕でカーテンコールの時刻だと思った。

しかし、私は冒頭、手塚治虫氏の『火の○』を わさわざ引用している。
特に、二幕(女子高校生)、それに続く三幕、四幕、五幕がメッセージを帯びており、観るものをゲーテの世界に落としてしまった。

一幕はメッセージ性というか、貴族社会のショート•ストーリズのようだったが、結局のところ中世フランス時代の「日常観察」の比較で 次幕以降の男爵の姿が浮き彫りになる。
「人類の歴史」を語るメッセージを放つためには日常的な「笑い」を徹する演出も必要だろう。





「たまたま窓にカナブンが入ってきただけ」

男爵は、女性貴族の呟く この言葉を身にまとい、各時代を歩んだのだろう。


話の中で「フランス領インドシナで日本軍の捕虜になった」事実も明かされた。
1940年代の幕を描いてもよかった。
対象は、雑用スタッフとして働く現地人女性か、紛れ込んでいたフランスの女性兵士で どうか。



「いつ終わるのか」さえ解らない構成で、観客は「時間」のテーマに接しざるを得ない。
この不安感が男爵に置き換えられる感情だとすれば、「やられた!」の一言である。


世界的ベストセラー『ソフィーの世界』の光景を彷彿させる内容も 見受けた。

何か、作品に影響を与えた書作や映画等あれば、聴いてみたいものだ。
伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

打ち上げ
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

ネタバレBOX

伯爵(岡野康弘)…不老不死。橋の下の住人、奴隷、保健教師、ヤクザなどを転々とし、56億年ほどを生き、最期の日を迎える。愛したヒトは計5名。
ブルボン(小見美幸)…貴族の妻。奴隷の伯爵を買う。母性から伯爵に教養をつけさせようと教育。伯爵と再開後、処刑される。
佐久間ひよ子(相楽樹)…高校生。心臓など身体的に弱いけど精神的には強い。卒業の日に告白し伯爵の整理を待つが、3年後病死した。
よっちゃん(野口オリジナル)…伯爵の所属する組と対立する組の下っ端。鉄砲玉として伯爵殺しを命じられるが、監禁され、死亡する。
UHA(志水衿子)…生命のない地球に訪れた宇宙人の内の一人。伯爵の眠りを覚ます。地球に残ると決意した伯爵とともに過ごすが、結局先に寿命を迎えた。伯爵の子を身篭った。
コリス(浅利ねこ)…伯爵とともに宇宙の最期を過ごす女性。20歳代。
モロゾフ(工藤さや)…ブルボンの寝室に勝手に入る貴族。奴隷同士をマグワわせることを想像する。
ロイズ(関原あさこ)…モロゾフの友人貴族。色んな貴族に会いにいこうとブルボンを誘う。
右足(今村圭祐)…ブルボンの奴隷。つっこみが冷静な方。宵越しの物はもたない。
左足(中舘淳一郎)…ブルボンの奴隷。好戦的な方。
リスカ(佑木つぐみ)…ブルボンのメイド。エロメイドがスタンダードになると予言する。伯爵にふられた。奇跡の人。
ユーハイム(三嶋義信)…奴隷商人。後に革命派の先導者。
不二(工藤さや)…高校生。湖池の恋を応援する。
湖池(佑木つぐみ)…高校生。伯爵にふられた。
赤城(中舘淳一郎)…高校生。彼女あり。
カバヤ(渡辺伸一郎)…高校生。ひよ子のストーカー。伯爵との仲を疑う。
カクダイ(ひら凌一)…体育教師。ひよ子の兄。ひよ子の手紙を持参し、その死を伯爵に伝える。
江崎(三嶋義信)…伯爵の組所属。伯爵のことが好き。
ハリ坊(渡辺伸一郎)…伯爵の組所属の下っ端。
でん六(ひら凌一)…伯爵の組所属の下っ端。レーザー銃を所持。
ママ(関原あさこ)…UHAの母。パパのマイクコードをサポートする内助の功な妻。
パパ(今村圭祐)…UHAの父。地球調査員的な宇宙人。人と出会うために生きている。
2番目の女たち。

2番目の女たち。

崖っぷちウォリアーズ

劇場HOPE(東京都)

2013/10/08 (火) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

無題848(13-287)
19:00の回(曇)。18:15会場着、ちょうど受付開始、18:30開場。18:51/19:02前説(アナウンス、95分)。舞台はカフェバー、中央から下手にかけて大きなソファ、椅子、上手はカウンターとその奥はキッチンらしい。舞台周辺を木製のフレームが囲んでいます。3列目まで平地、4列目は劇場の椅子のようでした(但し、ほとんどが「関係者用」..遅れてきたお客さん用でしょうか)。舞台と最前列とは距離があり、足が楽です。舞台は40センチくらいの高さ、芝居の緊張感を体感できる最前列がオススメ。19:06~20:34。喫煙シーンあり。

ネタバレBOX

チラシの印象とは違って、後半、会場全体が金縛りにあったかのよう、客席では全く音がない時間ができました、壮絶。役者さん、巧いです。

前半、金属音と流れが止まったようなシーンで、これは何かあるなと感じましたが、突然、豹変、血も凍る、とはこのことかと思ったくらいです。

イラついたり、キレかかったりしたのもそれは準備段階。ジキルとハイドか、入れ替わる人格がカフェの客、女4人にも伝染、湧き上がる狂気の世界、修羅場、地獄絵が舞台を覆います。

部屋の片隅で固まる者たち、その表情、虚ろな眼がリアルすぎる。

カフェの店長には少し違和感を感じました。
東京JACK

東京JACK

が~まるちょば

北とぴあ つつじホール(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/09 (水)公演終了

満足度★★★★

サイレントコメディ
楽しめた。

ネタバレBOX

マイム舞台はあんま見ないけど、楽しめた。アンコール含めて100分程度。やっぱり笑いはシンプルな伝わりやすさが重要と思った。パフォーマンスだけでなく、客いじりも上手い。あとあの妙な声が上手い。
伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

哀愁漂う
伯爵に感情移入しました。好きな人達との別れ。
最初、無機質だった伯爵が徐々に人間味を帯びていく様子が面白かったです。相楽樹さんは可愛い女子高生を演じると「まんま」ですね。
「すべての夜は朝へと向かう」を思い出しました。衣装は豪華で華やかでした。

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