熱帯男子 2
オデッセー
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2013/10/12 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了
満足度★★★
光井愛佳さん
お元気そうで何よりでした。
ネタバレBOX
モー娘。に入った頃の光井愛佳さんはおばちゃん風のクシャ顔でしたが、今ではトリンドル玲奈さん風のクシャ顔になっていて可愛い感じがしました。彼女は骨が弱いと聞いていたので骨折しないかと心配しましたが、ダンスも無事にこなし本当に良かったです。
今回はリゾート開発真っ盛りの1988年当時の話。
身近にいると麻痺してしまう…、池綿島のサンゴ礁も、同僚も、見慣れているとその素晴らしさに気が付かなくなってしまうものですね。
プロポーズの言葉として、味噌汁を作ってくださいはダメ、毎朝味噌汁を作ってくださいが正解、友情溢れる素晴らしいアドバイスでした。
伯爵のおるすばん
Mrs.fictions
サンモールスタジオ(東京都)
2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
不老不死
笑いの中に哀しみが横たわっていて。強烈に惹きつけられるわけではないがなぜか目が離せなくなる、そんな舞台でした。前半の2つは素晴らしかったですが、その分、後半が気持ち弱く感じましたね。
無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】
劇団鹿殺し
青山円形劇場(東京都)
2013/09/27 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
電車は行くよ
アホだったり、しんみりしてたり。
今までみた鹿の中で一番笑いが少なかったですが、私はそれがマイナスになるとは思いません。面白かったです。
ネタバレBOX
最後の星空はうっとりするほど綺麗でした。騒がしいエピローグなどををつけず、栗田がハンドルを握ったところで終わるのもよかったと思います。
2番目の女たち。
崖っぷちウォリアーズ
劇場HOPE(東京都)
2013/10/08 (火) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
適材適所
捨てる神あれば拾う神あり
ネタバレBOX
バーの常連で便利なセカンドガールを自称する女性たちの間で何となく自然発生した女子会でしたが、お互い本音では気に入らないところがあったり、やはり仲間に寝取られたりするのは我慢ならないものです。イケメンらの男性客も混じえて楽しいはずの女子会が相手をなじったりすることで険悪になり、その場の雰囲気が、バイトで働く吉郎の大好きだった父親が愛人の存在を巡って祖母や母親や小姑から陰口を叩かれていた幼少期の家族構成や家庭環境と同じようになったとき、突然吉郎はワカコに豹変し、イケメンを刺し、女性たちの中から一人殺される者を選べと命令するなど思わぬ展開へと発展する多重人格者の話でした。
実はサイコスリラーだったという大きなオチでしたが、女子会部分だけでも見応えがありました。リカのローラ風お喋りはとても可愛くて良かったです。
頭が大きいのか身体が小さいのか、バランスの悪い先輩でしたが、適材適所、色んな役者さんがいてお芝居は成立するのだと改めて感心しました。
そんな先輩ををかばったイケメンが女子に文句を言ったとき、いったんギャフンとなったはずなのに、それどういう意味ですかぁーと白目を大目に見せながら斜めから睨み返すセツコの逆襲の様子に、それそれ、そんな女子がいて、いったんわだかまりができるとその後ずーっとそんな目で見られてしまうんだよねと背筋が凍る思いでした。
時々シャーッという雑音が流れ、吉郎の心の中に何かが起こりつつあるということを暗示していました。このことは後半の展開のために必要だったと思いますが、あくまでも楽しい女子会として始まるべきです、冒頭のフミエと吉郎が闇の中で見つめ合うシーンは変な雑念を植え付けてしまう観点から不要だと思いました。
余談ですが、地デジ化が進み、シャーッという音が一瞬空白になった状態を示す表現だということをいつまで理解できるのかと思ってしまいます。
フミエにワカコらしき誰かが感染ったような終わり方はドキッとさせられ素敵でした。
2番目の女たち。
崖っぷちウォリアーズ
劇場HOPE(東京都)
2013/10/08 (火) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
怖わ!
最初は笑いもありましたが,終盤は笑いも忘れるシリアスな展開。ただただ舞台に集中です。最後の台詞には寒気が走りました。フサエを除き4人は美人でスゲェ嫌な女,お見事に演じ切りましたね。喧嘩のシーンは壮絶で,見応えあり。とても面白かったです。
『賛歌』 うたいた~い!
セッションハウス
神楽坂セッションハウス(東京都)
2013/10/12 (土) ~ 2013/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★
無題853(13-292)
13:00の回(快晴、淡い青空)。12:23受付、13:00開場。13:03前説(80分)、13:08上演~14:21終演。
1.プロローグ「當麻(たえま)」リスト『孤独の中の神の祝福』。
2.「班女(はんじょ)」ドボルザーク『4つのロマンチック組曲Op.75』
3.「弱法師(よろぼし)」バッハ『マタイ受難曲』
4.「祇王(ぎをお)』フォーレ『ピアノ四重奏曲No.1 Op.75』
5.「山姥(やまんば)」ONDEKOZZA『鬼太鼓囃子』
6.エピローグ「賛歌」メンデルスゾーン『シンフォニーNo.4 Op.90』
萩森英明(編曲)『ララバイ』
バレエは2回目、先週「ELEVEN(10/5@ヤマハエレクトーンシティ渋谷)」をみました。今日のほうがダンサーに近い、「やまんば」はかがり火に照らされていたらどうだろうと思いながらみていました。
ファニー・ガール
シンクロ少女
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2013/10/04 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
特別だけど特別じゃない
幼少期と、それくらいの子どもを持つ大人になった二つの時間がシンクロしていた。男を作って蒸発した母に捨てられ、父と二人で明るく生きる女の子。親が事故で亡くなり、性欲が無く処女だという母の姉に育てられる男の子。その二つの家庭がシンクロしていた。時間と空間をシンクロさせる構成に痺れた。とにかく女の子を演じた浅野千鶴さんが素晴らしい。彼女の演技を何作品か観ているが、良さが余すところなく発揮されている。キュートな笑顔。憂いのある眼差し。切なさや恐怖を押し殺し、どうってことないふりをしたスウィートボイス。照れ隠しのようなユニークなダンス。とにかく魅力満載。挿入される歌が、世代的にもろにフィットする選曲でまいった。大好きな『イン・マイ・ライフ』もだが、クイーンの『Somebody To Love』の大合唱はひっくり返った。笑った。時間のシンクロ、空間のシンクロ、音楽と演劇のシンクロ…こうした意味の『シンクロ少女』なのならば、もう脱帽。恐れ入った。人間の業というか、心の奥底にずっとあるような性への執着のようなものを見せつけられた感じがする。でも決して嫌な感じではない。すごいなぁ、シンクロ少女。次回作も必ず観たい。
奇妙なコドク
立体親切
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2013/10/11 (金) ~ 2013/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★
奇妙丸
戦国時代と現代との対比、関連付けが面白い。始まり方も奇妙というか、ちょっと変わっている。前説から、いきなり口上に移り、今作の特殊性を説明するのだ。描いている世界は、信長の時代と現代である。それも信長と現代を描くのではない。信忠とその幼名、奇妙丸を含めた生涯と、歴史小説で流行作家となった父を持つ、引き籠りのニートの話として描くのだ。口上を述べる者が態々「現代劇です。ござるなどの表現も無ければ、殺陣もございません」と説明する。これはユニーク。自分は、この斬新な始まり方で、面白く観始めた。
ネタバレBOX
作家は、当然のことながら、信忠が、二条城での戦いから逃げられた可能性についても言及しているし、実際、それは可能であっただろう。信長ほど、信忠は、他人を信じなかったわけでもないようだし、それが、無能とは結びつかないことは、歴史が証明している。そこで、何故、一歩引かなかったかが、論争の争点に成り得るのだ。作家は、この点を見逃さない。そして、以下のように解釈するのである。即ち、敷かれていたレールが、いきなり外され、自らの自由の下に、それから先の判断を下す方法を持っていなかったのだと。余りに偉大な父を持った息子のエディプスコンプレックスというわけである。
一方、現代の話が、信忠の話にオーバーラップするのも、当にエディプス・コンプレックスに於いてなのである。父(五光)を有名作家として持つ七光(にじ)は、父の敷いた通りの道を歩いて来た。作家に成る為の道である。したいことを諦め、良く勉強して国立大学の仏文科に入学、良い成績をおさめていた。父に対する反発はあるものの、そして、父のつけた道しるべ通りに歩むことは、それなりに努力を必要とするものの、兎に角、謂われた通りにやっていれば済んだ。然し、父が倒れた後では、自分が、何をどうするかを決定しなければならなくなった。だが、どうしていいのか分からない。
七光の父は、単なる流行作家。信長と比べるのは役不足とはいえ、子にとって絶大な父とその後継者と目される嫡男という位置は等しい。二人とも、著名な父を持ち、而も、後継者であることから、周囲からは、ちやほやされ、父の敷いたレールの上を一所懸命に走り、率なくこなしてきたのではあったが、自らの完全自由に於いて選んだ結果ではないことから、自分に従う者達との間には、矢張り、距離がある。即ち、従者たちとの関係に於いて、真の闘争もなければ、真の融和もないのである。その為、信忠も七光も、従う者達に物理的には囲まれ乍ら、常に孤独たらざるを得ない。
この点に気付いた時、七光は、二条城に籠り、自刃するに至った信忠の真情を理解したと合点するのだ。即ち、多勢に無勢で戦う中で、信忠は初めて己の意思と命を懸けて共存の感覚を得たのだと。そして、それこそが、彼が、命の果に松姫に捧げた純情であったのだと。
今作では、この物語の流れを構成する登場人物として編集者が登場するのだが、彼女の日常が描かれるシーンが、七光・鈴(七光の孤独が作り出した幻影)と信忠・松姫との対比が作り出すドラマから浮いている。この問題を異化効果を用いて処理することができれば、今作は傑作になろう。同化するのであれば、佳作となろう。
ユニークな口上の使い方といい、一見、異質な登場人物を結び付ける着眼点といい、現在に引き寄せた視点から作劇している点といい、この業界で生き残れそうな要素を持つ存在だろう。たゆまぬ努力に期待し、チャンスに恵まれることを祈る。
冒した者
葛河思潮社
吉祥寺シアター(東京都)
2013/09/20 (金) ~ 2013/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★
三好十郎の最後の到達点
三好十郎という劇作家は、今ではあまり記憶されることのない
作家のように思えますが、その心血を注いだ、裏表のない
言葉の数々は、何十年経っても変わることなく人を打つ威力が
あると思います。長塚氏は、その圧倒的事実を、巧みに観せて
くれました。心から感謝します。
ネタバレBOX
手元にある片島紀男『三好十郎傅 悲しい火だるま』(五月
書房)によると、「現在の時期というものと、この日本という
場の真ん中に生きている私という実感から直接的に生まれた」
ものが、本作『冒した者』であり、この作品は、三好の最後の
長編戯曲となります。
この作品は、数年前に、青空文庫で読んだんですよね。その
時は、それまでにない、サスペンスに近い作風に、まったく
相変わらずの熱い独白が延々続くスタイルにしびれて、この
作品、舞台化ならないか、とは思ってたんですが、限りなく
小説に近づいてしまっていて、舞台転換などが難しい、と
感じ、ちょっと諦めてたところがあります。
それだけに、長塚圭史氏が演出、上演を手がけると聞いて
感動しましたよ、本当にね。
『冒した者』は、戦争の記憶そう遠くない、朝鮮戦争の時期、
そして日本の再軍備が近づき、またの戦争が始まるのでは、
という気配の中で書かれた作品です。
なので、世相を反映して、敗戦と共に力を失った軍人や
政治家が再び徒党を組んできな臭い動きを見せたり、左翼
マルキズムに根ざした反体制平和運動に屋敷の住人の一人が
加担していたり、時代の混乱がまんま出ています。
戦時を引きずったかのような時局をよそに、屋敷といわれる
三階建て、塔付きの奇妙な設計の屋敷に居住する9人の
住人は、表面的には平穏で平和な日常を過ごしつつも、
危ういバランスの中、お互いを牽制し合っているようにもみえます。
そんな中、最近恋人との心中に失敗し、その両親や近所の魚屋を
殺して逃げてきた須永という青年が屋敷をひょいと訪れたことで
その均衡が一気に醜く崩壊していく…という話。
闖入者である須永は…ひとことでいうと、「死に魅入られた、死
そのもの」ですね。時代精神に押し潰され、恋人を失い、夢遊の
中で人を殺してしまった彼は、その時点で生者との接点を失い、
まるでゾンビのようにただ徘徊する存在になってしまったのです。
面白いのは、戦争をくぐり抜けて生き延びてきた、タフな屋敷の
住人達が、須永の存在になすすべもなく、自身の本質をさらけて
いくところ。その存在に過度に思い入れたり、恐れたり、そして
意味づけしてみたり。
そうすることで、須永という、自分達とは異質な、いや、異質と
思いたいけど、実は近しい存在をなんとか理解しようとして
みるけど、途中から、須永が生きているのか、屋敷の住人が
生きているのか、それともみんな死んでいるのか、よく
分からなくなってきます。その辺が、闇を巧みに用いた
ライティングなどの演出によって、うまい具合に浮き彫りに
されていきます。じわじわ得体の知れないものに侵食されるよう。
場面展開なども、以前の『アンチクロックワイズ・ワンダー
ランド』や『荒野に立つ』のように、シームレスにつないで
いく手法を用いて、ああ、うまいな、と。
この作品、60年位前の作品なんですけど、同時代性があり過ぎて
ちょっと怖いです。何が起こるか分からない不透明な世相に、
動機がはっきりしない殺人事件、現在と同じく時代の圧力で
圧迫されながら生きる意味を失い、死人と近しくなっていく
人々(特に若者)、人を死に導く原爆(現在では原発)の存在…。
三好十郎が、おそらく自身を仮託している「私」の言葉では
「YESでもNOでもない、第三の道がきっとある」
「自分を圧迫するピストンの存在に苦悩しつつ、立ち向かい、
再び生の実感を取り戻そう」
という言葉が、そんな中で、とりわけ印象に残りました。
役者では、証券屋を演じた中村まことの啖呵と、理知的だけど
得体の知れない医師を演じる長塚圭史の不気味さ、茫洋として
つかみどころのない青年、須永の役である松田龍平が印象に
残りましたが、皆、良かったです。
6人の悩める観客
壱劇屋
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
大笑い。
すっごく楽しかった。ゲストのかのうとおっさんのお二人と大熊さんの絡みも最高でした。もう1回観たい!!
愛のおわり
青年団国際演劇交流プロジェクト
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
必見!
前半の演出家が兵藤に振り付けた動き以外は素晴らしい。
こんなに素晴らしい作演出家が来日しているのにあまり知られていない気がする。
前半違和感を覚えたが、それもやがて解消される仕組みだった。
とにかく必見!
兵藤さんの早口、素晴らしい。
レオンゴンゲキレンメズの万博
日本演劇連盟
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2013/10/12 (土) ~ 2013/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★
表層芸
ヒーロー特撮系、サラリーマン系、ホームドラマ系、瞬間芸系など、コントテイストの作品群と米映画のパロディーなどからなる笑劇集。
ネタバレBOX
KY的人間関係、体制派VS孤立派、常識VS非常識などの間に生まれる表層的なおかしさをドライな感覚と中々イケテル芸で処理して見せる。唯、扱っている映画は、米映画ばかりで在る点が気に掛かる。まあ、興行的に何処でも誰でも観ている作品が多いこと、被植民地で宗主国の「文化」が喧伝されるのは、宗主国の経済を潤わせる為にも、被植民地の大衆を文化面からコントロールする為にも使われる陳腐で有効な手段ではあるが、ホントにエッジの効いたシャープな笑いを獲りたいと思うなら、更に深く、アイロニカルな視点を持ち得るだけの鍛錬をすべきである。
6人の悩める観客
壱劇屋
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
観客と演者の境界
壱劇屋さんの再演もの。
3stを拝見しましたが、お客さんとの相性も良く盛り上がった公演だったのではないかと感じました。
実は2stを観た人と話をしたのですが、そちらは同じネタでも今一つの盛り上がりだったそう・・・これも含めて「観客としての要件」「演劇に携わる者としての心構え」を問いかけられている‐というのは大げさかもしれませんが。
一度でも小劇場演劇を観たことのある人と初めての人とでは感じ方に少し温度差があるかもしれません。
ネタバレBOX
大熊さんもよく見てるな!というのが最初の感想です。
登場する6人の観客の所作は、どこか自分にも当てはまる「あるある」もの。
小さなマナー違反から意外なご縁の発見まで、どれもこれもうなずけるものばかりでした。
特に劇中にある「観た方がいいよ」「これはおすすめ」というあの流れ。
自分には経験ありませんが、確かにそう感じるものなんだろうなと思いました。だって、自分で選んで、または作品に選ばれて観たいですもん。
ところどころにさりげなく遊び心が仕込んであって、それを演者さん達が抜群の集中力で観客に届けてくれる。個人的に壱劇屋さんの舞台は、作品に込められたメッセージ以上に演者さん達が楽しそうに演じておられるのが一番伝わってきて、すごく演劇への根源的な愛情をわけてもらえているような気持になります。
これからもずっと演劇に関わっていたいと思える、そんな舞台でした。
チムニースイープ・ラララ
彗星マジック
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
もやけ
初めての本公演(?)観劇でした。
少し長めの上演時間でしたが、あまり気にならず観ることができました。
男性も女性も魅力的な俳優さんばかりで、舞台上にたかれたスモークがまるでみなさんの熱気のあらわれのようでした。
チラシから受ける印象そのままに、
いい意味で裏切られることなく観られると思います。
ビビビッときた直観を信じてみてもいいかもしれません。
ジャンキー・ジャンク・ヌードット
good morning N°5
駅前劇場(東京都)
2013/09/20 (金) ~ 2013/09/25 (水)公演終了
満足度★★★★★
ブレないカッコ良さ
レオさんには毎回腹筋が崩壊するほど笑わせて貰ってますが、今回は客演・ワンダフルズの佐藤さんを想像以上にイケメン扱いしつつ弄り倒す演出家に爆笑しました。戦国鍋やるひま系の舞台からさと兄さと兄言ってるファンの人はちょっとショックだったかも?gmn゜5を初めて観た5年前から一貫してブレないカッコ良さ。豪華絢爛なお下劣花魁ショーって感じなんですが(笑)あの舞台をミュージカル・ロディで共演した小林星蘭ちゃんも観ていて、いつか出たいと言ったそうなww。すばらしい!!
TRUE WEST~本物の西部~
梅田芸術劇場
世田谷パブリックシアター(東京都)
2013/09/29 (日) ~ 2013/10/13 (日)公演終了
満足度★★
わかるようなわからないような…
何となく、途中までは作者の意図をわかったつもりで観ていたのですが、ラストになって、自分が理解しているのか、自信がなくなりました。
内野さんが、役作りでわざとそういう喋り方をされているのだろうとは、納得しますが、如何せん、3階席だと、ほとんど台詞の言葉を聞き取れず、手探り状態の観劇でしたから、尚のこと。
演出は、外国の方なんでしょうか?そうだとしたら、日本語の台詞が、どう客席に聞こえるのか、ご理解できないかもしれないので、仕方ないのかもしれませんが、これはあくまでも、台詞劇なので、もっと台詞を届ける工夫をして頂きたかったと思います。
音尾さんと菅原さんの演技は、愉快でした。
ネタバレBOX
どうも、生活態度にかなり問題がある父親のDNAを受け継いだらしき、兄弟。
盗みなども平気のへいざの兄に比べ、弟は、脚本を書いて、地道に生活しているように見えるのですが、久しぶりに、自由気ままな兄と再会し、だんだん、兄の影響を受けて、結局は、弟も、兄のような生活をするようになる。
違うように見えても、親や兄弟は、似た者同士だなって、そんな感じの芝居かと思って観ていたのですが、ラストで、兄弟喧嘩の果てに、弟の方が兄を殺してしまったかと思いきや、そうでないことがわかったところで、幕なので、この先の展開が読めず、結局、作者は何を描きたかったのかとわからなくなってしまいました。
弟が、兄を真似て、盗んできたたくさんのトースターが、全部コンセントが繋がれていないのに、パンが焼けるというのも、すごく不思議だし、兄が、ペンと紙を探すシーンも、筆記具なんてある筈もないところまで、わざとのように、食器を部屋にばら撒きつつ、探すのも、一体どういう意味があるのかと、頭の中は??だらけ。
結局、頭の硬い私には、不向きな作品だったようでした。
Show the BLACK
大川興業
ザ・スズナリ(東京都)
2013/10/11 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
笑いに包んだ毒薬
暗闇の演劇ということで、天井桟敷の『盲人書簡』のような、劇構造を解体したり、見るという行為そのものを相対化するような実験演劇かと思ったが、そういうものではなかった。だが、その方法は充分に実験的。
大川工業ということで、はっちゃけたものを想像していたが、
芝居自体は正攻法の芝居。
笑いの要素は当然多いが、おふざけで笑わせているというのとは違う。
計算された脚本と演技力で笑わせている。
しかも、その笑いのオブラートの中には、社会風刺の毒薬が仕込まれている。見事。
そのような芝居を暗闇でやるとどうなるか、、、
単に普通の芝居を暗闇でやりましたという訳でもない。
そこには暗闇でやることの意味はきちんと考えられている。
ネタバレBOX
冒頭、見ず知らずの複数人が暗闇に閉じ込められる。
どうしてよいかわからなくなるが、見えない敵の仕業だろうということになり、戦うためにはここにいる者で団結してその敵と戦わなくてはならないとなる。その為にはリーダーが必要だということで、リーダー決めを始める。
このように、話が展開する中で、機知に富んだ絶妙な社会風刺が連発する。
それも権力を嘲笑して笑いをとっているが、その笑いをとっている本人も差別的な発言(失言)が多かったりと、一筋縄ではいかない毒の込めようがなんとも素晴らしい。
ただ笑わせているだけと思いきや、集団を組織するという問題が、政治の問題と絡んで語られ、更にそれが闇の中でのことであることを踏まえると、この集団が、国家という集団の寓意のようにも見え、いつまで続くかわからない闇の中で、私たち一般市民は「何を見て、何を見ていないのか」ということを暗に問われているとも受け取れる。
また、その後、リーダーとなった(大川総裁演じる)佐藤を中心に物語は進むが、そこでも、極限状況に置かれた人間の狂気のことや、人間関係の不信の問題なども描かれる。佐藤は会社を経営していたが、かつて社員にひどい仕打ちをされて裏切られたことがあり、そのことが元で、この状況でも疑心暗鬼になったりする。
更に、佐藤は、会社で経営不振の鬱憤を社員にぶつけていたら、その社員は更に下っ端の社員にその不満をぶつけるという暴力が弱い方に流れる話など、現代社会の闇はこの作品の闇の中に常に投影されている。
このように書くと、深刻な舞台のように感じるかもしれないが、深読みすればそうも読み取れるというだけで、表面的には軽い笑い話の中でこのような内容がサラッと語られている。そのスマートさには本当に驚いた。
笑いでオブラートに包んであるが、その中身は猛毒。
闇の中でもこの芝居を成立させているのは、第一に大川総裁の存在感(個性)と演技力。そして、その他の役者さんの演技力。
素晴らしかった。
ただし、ラストの大オチ(ネタばらし)は、少しわかりづらかった上に、何か強い問いかけを残したかというとそんなこともなく、それまでの芝居が素晴らしかっただけに、ラストの弱さはもったいなかった。
それでも、充分面白い作品だった。
伯爵のおるすばん
Mrs.fictions
サンモールスタジオ(東京都)
2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★
愛と生を讃歌しなくちゃな
小泉さんに招待状は出しただろうか?小泉さんは観に来ただろうか?彼女が観たら号泣したんじゃないだろか?小泉さんの歌ををこんなに感動的に聞いたことはかつてない。(ちなみに私はそれほど小泉さんのファンではない。)この歌を初めてて聞いたわけではないので脚本あってこそはもちろんのこと。ひとつひとつの言葉が良かった。ただし、前半の暗転の多用は私には耐えがたかったな。
十二夜【12月27日DVD発売!!】
ワタナベエンターテインメント
紀伊國屋ホール(東京都)
2013/10/04 (金) ~ 2013/10/13 (日)公演終了
満足度★★★★
喜劇が似合う
十二夜って、クリスマスから12日間続く祭りだと思うんですが、セットや提灯が和風で、なんとなく夏祭りから12日間みたいな雰囲気でした。
Dステには、こういう喜劇系やスポーツ部活青春モノの方が似合う気がします。
ぎゅっと2時間休憩なしにまとめた十二夜は、コンパクトで面白かったです。
なんといっても、ずーっと生演奏している演奏がとても素敵でございました!
チケットもぎり入り口付近の生演奏にうっとりしてずーっと聴いてたら、舞台裏劇場が始まってました。
アップ&メイクシーンの裏舞台が観られるのも、祭りな感じで面白かったです。
ネタバレBOX
今回は、加治くんのマライアが観たくて、チケット取っていきましたが、期待以上!
「いるいる!いるよ!こういうおばちゃん!」(by碓井&瀬戸アフタートークより)
加治くんの妥協ない役者魂と、わらかそうとするサービス精神は、やっぱり好きです。
ミッキー・カーチスさんのサー・トービーは味のあるサー・トービーでしたが…ちょっと年寄過ぎかな…。マライアが恋するのが…無理あるような気がして。
マライアさん、相当マニアだよ。爺専ってことになっちゃうよ…。
後、よかったのは、フェステの陳内くん。
そして、マルヴォーリオ役の坪倉さん(我が家)!
この方、すっごい似合ってた!そして声がいい!
素敵だったー。
池岡オリヴィアが…ちょっとぶさいくだったなぁ…。観てるとだんだん可愛く思える魔法は若干あったけど、あれはヅラがよろしくないような気がします。
それでもアフタートークで瀬戸くんが「池岡、可愛かったね。色っぽかった。」と言い、「池岡が毎日少しずつ可愛くなっていく。メイクさんが頑張ってくれてる。」と碓井くんが言っていたので…きっともっと可愛くなるはず。
サー・アンドルーのずっきーは、ホントにバカなの?って感じでカラフルで可愛かったです。
碓井ヴァイオラは可愛かった。荒井セバスチャンとは似てないと思うけど、似てる様に見えたし、衣装が素敵でした。
『「ブラックジャックによろしく」に、よろしく。』
Infinite
シアターサンモール(東京都)
2013/09/11 (水) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★
おのけんワールド
「作・演出 小野健太郎」っていう記載や響きが、なんだかスタジオライフっぽくなくて、違うステージに行っちゃったような気もして、もやもやしてたんですが、舞台を観て、やっぱりおのけんらしさ、おのけんワールドがそこにあって、なんだか理由なく安心してしまいました。
スタジオライフの本公演では、もう相当お会いしていませんけれど、スタジオライフにいてもらいたいというのは、単にファンのワガママです。(本当は出て欲しいけど、今のライフの上演作品では、おのけんの使いどころが難しそう。)
ご活躍が本当に嬉しい。
しかも今回はスタジオライフの曽世さんと大沼さんと荒木さんと一緒に小野さんが観られるという幸せ!
その時点から既に私の満足度はかなり高いので、私の評価は甘くて高いと思われる。
あの脚本の主役は、「おのけん」だと思いました。
そう思うと、すっきり腑に落ちるし、納得出来る。
…ってことは、おのけんを知らない人には、分かりにくい人物像なんじゃないかと思うのです。
テンション定まらないし、意見があるのかないのか、ハッキリしないでもやっとするし、熱いのか熱くないのかわからない不思議さ。
コミュニケーション。
かも。
この舞台の根幹。
と、ざっくり思いました。
それはどっちも。
舞台上の役柄も、役者たちも。
スタジオライフのメンバーにはすっごく当て書きっぽくも、似合うし、舞台上必要な役でありました。
それは、おのけんが仲間を知りうるから作り出せたポジションでもあるんだろうなと。
(曽世さんの嫌味で権力やお金に汚いステレオタイプなお医者さんとか超似合うし、大沼さんの大学病院の制度に疑問を持つワイルドなお医者さんは超かっこいいし、荒木さんの軽い研修医なんか、ハマっていて、舞台上が華やかで楽しかったです。)
話の筋はともかくとして、舞台はお父さんの大堀さん(&曽世さん)が、引っ張ってる感じで。出番も多いし、たくさん和ませて下さいました。
お父さんと娘、お父さんと息子の絆、関わりはすっごくあるのに、兄妹の関係が希薄すぎるのは気になるところですが。
モンスターママも、居そうで、強烈に素敵でした。
ナースも素敵だったけど、及川奈央さんの使いどころが、ちょっともったいない感じ。
山崎真美さんは大活躍。なんだか戦隊系なメンバーに、ちょっとうきうきしたのは内緒。
照明の切り替えで、現在と過去を行ったり来たりするのが、Jr.5祭の作品的で、懐かしくも、おのけんの好みを感じました。
個人的には、おのけんの突っ込みや間が好きなので、あの始終笑える脚本は好きです。マニアック過ぎて、わからないネタも多かったけど。(楽天好きにはオッケー。)
初日は手探り感たっぷりでしたが、千秋楽までにはだいぶ隙間が埋まった気がします。
ネタバレBOX
主人公が「おのけん」だったら、おのけんを知る役者が演じた方が、違和感少なかったかもしれません。
金子さんはすごく頑張っていて良かったですが、これを姜くんが演じたら、どうだったかな…とも思いました。