最新の観てきた!クチコミ一覧

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アリス・イン・アンダーグラウンド

アリス・イン・アンダーグラウンド

ナイロン100℃

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

1996/03/08 (金) ~ 1996/03/11 (月)公演終了

満足度★★★★

オールスタンディング
※実際の鑑賞日は1996年です。こりっちさんでは2008年以前の鑑賞日は設定できないようになってるので現在出来る一番古い年代にしました。

ネタバレBOX

で、実際観たのは1996年3月8日。
フツーの演劇ファンへの絶縁状ってことで、なんでか友達と行きました。演劇もやってましたけどコントとかライブとかパフォーマンスの集大成って感じでした。お酒も売ってたし良かったと思います。会場入口の周りで、落語とか、バザーとかやっていてお祭りみたいでした。バザーのとこで犬山さんからスニーカーを買った思い出があります。
nora(s)

nora(s)

shelf

アトリエ春風舎(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/10/31 (木)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい空間演出 そして演技!
空間演出が素晴らしかった。

役者の演技も素晴らしかった。
特に、韓国の女優:Cho YuMi さんに魅了された。

芝居自体は☆4という印象ですが、Cho YuMi さんの魅力に☆5です。

ネタバレBOX

素舞台に5人の役者が独立して存在している。

それぞれが自分の時間を有し、無軌道に動き、その中で言葉を発する。

まるで無限に広がる宇宙に孤立している人間存在の姿がそこにあるかのように。そこでは、役者の身体がそのものとして投げ出されている。

言葉は虚空に響き、誰に受け止められるわけでもなく漂い続ける。
そこでは、言葉は意味を失う。
そして、言葉そのもの、想いそのものとなって投げ出される。

その身体、言葉が、時に出逢い、重なり、そして離れる。

舞台という小宇宙に、見事なまでに人間存在の孤独が描かれている。


このようなシンプルな舞台を成り立たせているのは、
役者の強度。素晴らしかった。

川端優子さんが歌った「サン・トワ・マミー」は特に素晴らしかった。
その歌の中に人間が現れていたと感じた。

そして、Cho YuMi さん。
彼女の言葉は韓国語なので何を言っているのかわからないのだが(と言っても、川端さんの台詞と重ねて〈ちょっとズラして〉語られているので、おそらく川端さんの日本語と同内容だろうが)、その言葉そのものの響き、その微細な演技、、、本当に魅入ってしまった。

素晴らしかった。
針が指す彼方まで

針が指す彼方まで

ACTOR’S TRASH ASSH

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

針が指す彼方まで
観てきましたよ~ASSH別腹公演!!題材がタイムトラベルで
時間を移動する時などのポーズ?がちょっとツボに…
ちょいちょいクスっと笑える場面もあり楽しませてもらいました。千秋楽にはまつだ壱岱さんも出演!!

WORLD

WORLD

株式会社Ask

THEATRE1010(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

世界観に引き込まれる舞台セット
舞台セットが凄く良かったです。場面転換の際にはつい立てやスクリーンを使っててとてもわかり易かったです。
とくについ立てを使った演出はスピード感がありドキドキとハラハラを増殖させられました。
謎がどんどん増えていくのですが、どれもが何かしら繋がっていて、劇中でも出ていた表現ですがパズルのピースのように一つずつ解明されて頭の中ではまっていくのが面白かったです。最後のどんでん返しも予期せぬ展開でハラハラしました。ずっとハラハラしっぱなしではなく、記者陣が出てくるとほっとできて良かったです。特に渡部将之さんのキャラは和みましたね。
AKBそんなに詳しくないので佐藤亜美菜さんがどんな方か知らなかったのですが、声がめちゃくちゃ可愛いですね!透き通っていて凛としていて鈴のような声でした。

ネタバレBOX

ラストのリュウジがとってもカッコ良いんだけど、それまでのストーリーを見ていると世界を変えるって事で単純に中国系や韓国系の支配している所を爆破するとか、爆弾の設置はケンジにまかせっきりだったりとか、無鉄砲にヤンドンスクに掴みかかろうとしたりとか、一人ではとても心配です。ぜひ信頼できる仲間を集めて頑張って欲しいと思いました。
『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

無題869(13-308)
19:30の回(雨)。「太陽とサヨナラ」。19:08会場着、受付(全席指定)。上手に螺旋階段、陸橋のようなものにつながってキャットウォークに接続。下手に床下から天井までの赤く細い柱、床には四角い穴。客席はB列から19:16/28前説、誘導灯が消え、19:33開演~21:33終演。

ネタバレBOX

「フリル」がだめで、@空洞の2作(6月&7月)がとてもよくて、本作は...ちょっとだめでした。ダンス、パフォーマンスはまだいいのですが、お芝居がわかりませんでした。お隣の女性方はたくさん笑っていたので、もう感覚だけなのでしょう。

物語そのものに惹かれるものがなく、登場人物たちがそこにいなければならない意味、そのセリフでなければ伝わらないものをとらえることができないまま終わってしまいました。

太陽というなら核融合していて、それが砂漠化の原因なのだろうか。それだったら水(飲み物)は大変貴重なものだろうし...それがダチョウ...か、とか余計なことを考えてしまいました。

セッションハウス(@神楽坂)の予定を確認していたら「CHAiroiPLIN vol.5
『THE BELL』」に田中美甫さんのお名前...みにいきましょう。
どん底

どん底

江古田のガールズ

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

16歳の山崎少年、おそるべし
若手人気作家が原作映画初日舞台挨拶前にデビューのきっかけからその日までの道を顧みる1時間余。
主人公がある曲に人生を喩えるのと終盤でヒロインがあるキャラクターに自分の現状を喩えるのが巧く、現在と回想場面との繋ぎ目もスムーズでイイ。
また、メタフィクション的な部分(出だしとか劇中の小説とか)も好み。
これ(の原型)を16歳の山崎少年が書いたとはオドロキ。

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

うれしい悲鳴を観劇
初見でしたが、群舞が迫力があってすごかったです。圧倒されました。ハッピーエンドのわかりやすい話が普段は好きなんですけど、ハッピーではないのにストーリーに凄く惹かれました。

ネタバレBOX

吉祥寺シアターは初めてだったので、舞台の広さに驚いたのですが、その空間を上手に使い場面転換もわかりやすかったです。衣装も良く、色を用いて関係性が分かりやすくなっているのももちろん良かったけど、「泳ぐ魚」のメンバーが並んだ時に単純に見て青と白のコントラストがキレイだと思いました。最初に出演者の方達が現状に至るまでの背景を朗読し始めた時は斬新だなと思いましたが、説得力があり、そんな無茶なと思うような「アンカ」や「泳ぐ魚」についてもすんなり受け止められました。テンポが良く、駆け抜けたりする演出や、早口でまくし立てるようなセリフもスピード感があり良かったです。早口なのに聞き取りやすく役者さんの凄さを感じました。痛覚がない男性となんでも過敏症の女性が出会って恋に落ちるのはお互いが無い物に特化している彼等には必然だったのだと思います。彼らは確かに愛し合っていたし、お互いの存在が唯一無二の存在だと確証していたにも関わらず、男性が女性を殺さなくてはならなかったのは、「泳ぐ魚」は家族のいない男性には居場所であり「アンカ」は絶対で、彼女もまた母親は特別な存在で、二人はお互いの存在よりも比べる事はできないそれを譲る事はできなかったからで・・・。恋愛を重視したストーリーならばお互いの存在が何より大事なはずなのにそうではない所がまた・・・。卒業式のシーンはミミの感情がダイレクトに伝わってきて、思わず涙してしまいました。「キスして殺して」の所のミミの笑顔が印象的でした。最後までミミはぶれなかった。ラストは切なかったですがようやく、欠席結婚式の意味がわかりました。ルールや上司の命令、何の疑問もなく受け入れている自分。色々と考えさせられました。ダンスが本当に良かったです。広い舞台で順々に動いていったり、一斉に揃って踊ったり圧倒されてまったく目が離せませんでした。
針が指す彼方まで

針が指す彼方まで

ACTOR’S TRASH ASSH

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

残念!
観させていただきました!
出だしは「おっ!」と吸い込まれそうになりましたが、なんせストーリーに難あり。この内容なら1時間半くらいにまとめないと中盤、終盤は苦痛。役者の写真などを売ったりしていたので、ファンのついている劇団なのでしょうが、今回はいただけませんでした(T_T)

【千秋楽当日券ございます】値札のない戦争

【千秋楽当日券ございます】値札のない戦争

劇団印象-indian elephant-

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/10/24 (木) ~ 2013/10/28 (月)公演終了

満足度★★★

強い批評性
現在、大きな問題になっている日本と韓国(広くみれば中国も)との国際間摩擦をメディア批評を中心テーマに置きながら描いた寓話作品。

今の社会状況で、そしてBeSeTo演劇祭で、日本人と韓国人が一緒にこの舞台を作る意義は大きい。

ネタバレBOX

ただし、芝居としては、メッセージ先行という印象が否めない。

そこにある批評性が一義的な意味に留まり、演劇的な何かが生まれている感じがしない。
月の国と星の国との摩擦・戦争を描いているのだが、
寓話ではあっても、もはや直喩であって、日本と韓国のことでしかありえない。竹島/独島の問題なども直球。
寓話的な意味の広がりが感じられなかった。
勿論、直喩の面白さはあるのだけれど。

それでも、ここで描かれているメディア批評は素晴らしい。

平和な状況で、ちょっとした遊び心から撮り、売るために発表した戦場を模した偽戦場写真が、実際の戦争状態への引き金になっていく。
また、実際の竹島/独島らしき島で撮った写真も、国旗を燃やしているのか、単にタオルか布のようなものを燃やしているのか判然としないようなものを、国旗を燃やしているものと受け取れるように敢えて発表するなど、お金に繋がりさえすれば(読者・観衆を興奮させられれば)、事実なんてどうでもよく、そしてその結果がどんな影響を及ぼそうが関係なく、なんでもセンセーショナルに報じる今の日本のメディア状況をとてもよく描いている。

また、日常にあるような出来事と政治的な問題を重ねて描く点もよかった。
男が「女は昔のもう終わったことをいつまでもネチネチ問題にするけど、もうその話は一度謝って、片が付いているじゃないか」というような主旨の発言には、韓国と日本との賠償や謝罪の問題が重ねられていたりする。この問題も、両方の言い分を別の役者に言わせることで、どちらが正しいということではなくしている点もとてもよい。

ミサイルの問題と、男性器を重ね、そこに男性原理の暴力性を重ねていたりもする。

戦場カメラマンの話が中心で物語が進むのだが、
「お金こそ目に見えないものを見えるようにするカメラだ」というような台詞もよかった。

だが、すべてが政治状況や思想的なものに意味を変換(解釈)して味わうという感じで、演劇的な面白さをあまり感じなかった。
ニッポンヲトリモロス

ニッポンヲトリモロス

劇団チャリT企画

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/10/30 (水)公演終了

満足度★★★★

ブラックコメディ!
面白かった!途中に中だるみ的なところありましたが、ヤンキーグループ斗璃喪
怒死隊(とりもどしたい)が登場。笑いを誘う!

ネタバレBOX

最後の上から降ってきた黒い箸は、原爆投下された後の黒い雨なのでしょうか。
日本が滅びる。最後はちょっと寂しいです。
濡れた花弁と道徳の時間

濡れた花弁と道徳の時間

肯定座

明石スタジオ(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

とてもよかった
とてもいい舞台でした。

次のエピソードへのつなぎ方とか、構成もうまい。

ネタバレBOX

陽太はいろいろ、反則。
陽太の靴下!
足跡、終わりなく、呼吸まで

足跡、終わりなく、呼吸まで

ポムカンパニー

OFF OFFシアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

脚本に検討の余地がある
主人公をはじめ登場人物がやたらに悩んだりしているのだが、冒頭からいきなり悩んでいる姿を見せられてもあまり共感出来ない。もう少し脚本の構成をしっかり考える必要があると思う。
役者さんは何人か魅力的な人がいた。私が良いと思ったのは探偵助手役の松浦綾さんと北村由紀(夏目恭子)役の土肥真夕菜さん。松浦さんは細かい仕草がしっかりしていて面白い。もっと見たい役者さんだったのに出番があまり多くなかったのが残念。土肥さんは演技自体は若干物足りないが、佇まいが美しい。他の登場人物に対する反応が少し弱いので、そこは今後の課題だと思う。

あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】

あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】

あんかけフラミンゴ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/15 (火)公演終了

満足度★★★

オトコの尻はそんなに見せんでヨロシイ
言葉の上では同じ悩みを持つ女性たちを縦軸と横軸それぞれに据え、ミステリー風味も加えた力作にして意欲作。
その意欲は買うし主題(と思ったもの)もワカる(気がする)が、性表現が微妙。
そこまで露骨に見せずに暗喩などでマイルドに描くこともできるだろうに…てかそれがオトナだろ、と思う一方で、過激で露骨な表現ができるのも今のうちだけだし、という気もする(ただし決して容認・擁護する訳ではない)。
いずれにしても、オトコの尻はそんなに見せんでヨロしい(爆)。(王子小劇場で2演目続けてだしな>オトコの尻(更爆))
また、全体的に重めのトーンでの2時間超はややしんどい上に、男女による違いもあろうが「うん、ワカるワカる」でなく「こういうことなんだろうな」な隔靴掻痒感が免れずで、何だかいろいろ惜しい。
そう言えば前週の20歳の国を観ながら「キスに証を求めるのか?」と思っていたら、こちらでは「子供を愛の証と思っていませんか」だったかの台詞があり、(オトコの尻だけでなく)これも偶然?

とある家族の輪舞曲

とある家族の輪舞曲

劇団ジャムジャムプレイヤーズ

アドリブ小劇場(東京都)

2013/10/24 (木) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★

何となく・・・・・。
ホテルのロビーの舞台セット立派で期待が大きかったのですが、
話に盛り上がりが感じられず、何となく流れて行った感じ。
配役の普通では考えられない仕草、行動にやや閉口。
芝居に入り込めなかった。

呪解伝

呪解伝

はっぴぃはっぴぃどりーみんぐ

明石スタジオ(東京都)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/13 (日)公演終了

満足度★★★★

爽快なアクション活劇
台詞回しや音楽、殺陣の見せ方がアニメや漫画的で、
それが作風にも非常にあっていて雰囲気づくりのうまい作品だと感じました。
特にアクションシーンはスピード感があってとても良かったです。

敵、味方問わずキャラクターが立っていてどのキャラも魅力的。
役者さんともぴったり合っていたと思います。

グッズ販売やアフターイベント、リピーター特典など
本編以外にもいろいろ力を入れていてとても楽しめる公演でした。

ネタバレBOX

秘薬を求めて旅する賢者一行が立ち寄った村で鬼退治をすることに。
単純な完全懲悪もので終わるのではなく、
鬼と賢者の因縁の真相、賢者の弱点≒人間の持つコンプレックスへの気付き
なども描かれていて面白かったです。
私的家族ベスト

私的家族ベスト

元東京バンビ

Geki地下Liberty(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

荒削りですが見応えは十分にあります。
前回から拝見させて頂いていますが、
今回の作品は、チャレンジングな演出が実力派の演技に
裏打ちされていて、大変見応えのある芝居になっていました。

今後シリーズ化してゆくとのことですが、非常に愉しみなユニットです。

三人姉妹

三人姉妹

華のん企画

あうるすぽっと(東京都)

2013/10/24 (木) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

山崎流わかりかた
出演者が常に板の上という演出。
役者も観客も気が抜けない。
もっと舞台を広く使えば良いと思う。
少し肩がこった。

この世の楽園

この世の楽園

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇的な設定であぶり出す本音
気がつくと役者と同じリズムで、息を詰めて成り行きを見守ったり
呼吸も荒く反論したくなったり、相手の言葉にびくっとしたり。
感情移入する登場人物ばかりではないにも関わらず、
客観的に距離を保って観ていることができないほど揺さぶられた。
劇的な設定の中で、あぶり出されたものは普遍的な感情だった。

ネタバレBOX

客席がコの字型に舞台を囲んでいる。
真っ白な丸テーブルが3つ、背もたれの高い椅子も真っ白。
波の音が大きくなって、ここが海辺に近いテラスのような場所だと判る。
ここに3組の男女がやって来る。
暴力的な言葉と態度で彼女を支配したがる男と、怖くて逃げられない女。
入籍はしていないが去って行く彼女を何としても引き留めたい男と、新しい男と逃げた女。
仮面夫婦を演じながら別れようとはしない男と女。
全員白っぽい、ベージュかオフホワイトの衣装で、
逃げた女のみモノトーンのきっぱりした衣装。

女ばかり3人になったところへ謎の青年が現われて言う。
「あんな男、殺してあげますよ」
このチェックのシャツの男は、“自分の好きな正義”に則って
いない方がいい人間を淘汰するのだと演説をぶつ。
そして執拗に「あなたもそれを望んでいますよね?」と迫るのだ。
精神を病んでいるかのようなこのチェックのシャツ男を
初め気味悪く思っていた女たちは、次第に深層心理を掻き出されていく。
じゃあ殺す他に、断ち切る方法はあるだろうか…?

冒頭から支配男(井上幸太郎)と彼女(とやまあゆみ)のやりとりに釘付け。
彼女を小突きながらスマホを向けて動画だか何だかを撮り続ける男。
時に恫喝し、髪を掴んで引きずり回すその様がこの上なく不気味で怖い。
殺す以外に方法があるか、という心理に説得力を与える。
とやまあゆみさんがとてもきれいなので、ますます共感してしまう。
井上幸太郎さんの目つきと”間”が本当に怖ろしく、
この方の他の芝居も観てみたいと思った。

勝手に殺せばいいのに チェックの男は何故女たちの同意を求めるのか。
ホテルの自分の部屋に監禁した3人の男を殺すのは簡単なはずなのに
自分の正義を理解できない女たちにイライラしながら
思いこみと身勝手な論理を滔々と展開して同意を求める男の目的は何なのか。

その疑問は解けないまま 少しずつ変化している女たちの言動の方に興味は移っていく。
支配男が自分のスマホを地面に叩きつけて壊し、
「お前の携帯出せよ。携帯、携帯、携帯、携帯…」とゆっくりだがだんだん声が大きくなる中
バッグから取り出した携帯を男と同じくらい大きな音を立ててたたきつける彼女。
この緊迫感と爆発するような叩きつける音が、劇場の空気をつん裂いて素晴らしい。
3人の中で一番明確に「殺す以外に彼から逃れる術は無いんです」と言っていた彼女だ。
このあとこの二人の関係はどうなるのだろう。
もう以前と同じ力関係は保てないような気がする。

仮面夫婦の女を演じた佐々木なふみさん、支配男に足蹴にされて地面に転がったあと
振り向きもしない夫を見やりながら離れた椅子に座るところ、
しばらくしてこちらを向いた時、スカートに涙が一粒こぼれたのが見えた。
まっとうで常識的でクールなキャラを通していたが
不意に、内に張りつめていた深い絶望感が露呈したようで胸を衝かれた。
緊張感を維持する厳しさが見事だった。

謎の男役の酒巻誉洋さん、犯罪者と宗教家が合体したような
“ オリジナルな正義”を振りかざす超ウザい男が上手い。
同じようなことを、何度も言葉を変えて説得を試みるのだが
飽きることなく聞いていられるのは台詞に強靭な意志と変化があるから。
しかしヤな奴だな、この男は(笑)

──本当は殺してやりたい

という本音を一度白日の下に晒してしまったからには、もう元には戻れない。
謎の男は、女たちの舌先から細い糸をつまんで
内蔵深くしまいこんでいた本音をずるずると引きずり出して見せた。
舞台は、主導権が少しバランスを崩したところで唐突に終わる。

人に頼まなくても自分で殺せばいいんだ…
その気になればいつでも殺せる…
忘れてしまえば殺したも同然…

相変わらずの男たちに比べて、どこか強度を増したような女たちが面白い。
謎の男は、女たちの未来を確実に変えたのだ。
支線ガード下・始発

支線ガード下・始発

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

早めに行くべし サプライズあり
 若手の伸長著しい、芝居屋の新作。然し、良い劇団というのは、本当に若手をキチンと育てる。早目に行くべし。開場10分後辺りから、サプライズがある。無論、本編は、キチンとした作りの世話物だ。(追記2013.10.26)

ネタバレBOX

 ガード下には人生がある。舞台設定はガード下に店を出す人々の共有スペース。丁度、ヨーロッパのアパートの中庭のように、広場脇に住居がある。今は、看板だけでヤクザとしてのシノギはない親分、村井が、前科者の行き場所が無いのを不憫に思い、自分のつてで飲食店などで働けるように手配した縁で、集まる者は皆家族同然の心安さで暮らしている。実際、一度、犯罪を犯した者は、その事情を斟酌されることも無く、只、犯罪を犯したことがあるという理由だけで、社会からはじき出されてしまうのが現実だろう。そのような行き場を失くした人々の避難所でもあるのだ。開演前に「アヴェマリア」が生の声で聞けるが、当然、この作品のテーマと通底している。
 さて、この広場で、今夜、村井の食堂のおかみ、良子への100度目の告白が行われる。集まるのは世話役、吉崎、親分の若衆(高倉、篠原、天津)かつて食堂で働いていて、今は結婚して長距離トラックのドライバーをしている竜子 現役の食堂従業員、保護司等々。100度目告白とは、言う迄もなく、小野小町の故事を下敷きにしている。言い寄る男(深草少将)に百夜通ったら、その時は云々というあれである。結局、この恋は最後の晩、少将が凍死して実らず、その後、小町は、生涯特定の男とは付き合わなかったと言われる。この辺り、三島 由紀夫の「卒塔婆 小町」、太田 省吾の「小町風伝」等にも援用されているので、演劇ファンならずとも、ピンとこよう。理屈はさておき、満願成就か否か、賽に細工はできても、女心に細工はできない。まして、おかみと親分は、兄弟同様に育ち、関係が近過ぎて、親分を異性とは感じていないのが正直な所と下馬評は言う。こと、惚れた女となるとからっきし意気地なしになってしまう、恥ずかしがり屋の親分、緊張に言葉もしどろもどろである。だが、口説き文句はとても素敵だ。
 ところで、こんなハレの日、よりによって隣町で強盗を働いた犯人が、この広場に隠れた。警察の張った手配網から逃れようと隅にあった段ボールに身を隠してそのまま、眠ってしまったのだ。それとも知らぬ一行、着替えを済ませて、座席も整え、百度目告白のリハーサルも終えて、いざ本番である。皆が、おかみに声を掛ける。親分が花束と共に愛の告白をする。下馬評通り、おかみは、断るつもりで居た。然し、答えを迫られた時に、見た皆の顔から、自分が、この若者達の母親になってやらなければ、と考え、申し込みを受けた。大喜びがひとまず収まると、片付けもしなければならない。それで、段ボールの捨てて在る場所へ行ってみると、何だか音がする。酔っ払いが段ボールを被って寝ていると判断した皆が、上に被せた段ボールを取り除くと、中から人が飛び出してきた。だが、それは強盗犯でピストルを持ち、高倉の彼女、美沙を人質に抵抗する。
 彼は、親の敷いたレールの上を懸命に走った。一流大学を出て、一流企業に就職した。上司の言うことは何でも聞いた、結果、失敗プロジェクトの責任を負わされ馘首された。だが、親にとっては自慢の息子、会社に行っている振りをし続けた。だが、給料日に振り込みがなければ、会社に行っていないことが、ばれてしまう。それで、郵便局強盗に走ったのだ。彼には人間関係を築くことができなかった。会社でも変人扱いされていた。
 これらの告白に高倉は、居場所の無かった自分の荒れていた時期を重ね、いきり立つ皆を押さえ、どうすべきかを協議する。とどのつまり、警察に通報してしまえば、自分達が、強盗犯を捕まえたと世間ははやし立てる。折角、静かで真っ当な暮らしを手に入れたのに今更、世間の耳目をそば立たせたくない。そこで、自首を勧めることにしたが、犯人は、中々、決心がつかない。そこへ巡回中の警官がやって来て手配写真を見せ「見掛けなかったか、注意をするように」と言ってゆく。その時、警官自身が犯人を見て、犯人ではないか? と疑うのであるが、高倉が、一芝居打ち、難を逃れる。頭を叩いて「てめえが良く似ているから、こんなことになるんだ」とばかりにやったのだ。これは、歌舞伎の「勧進帳」を思わせる。犯人も漸く、庇ってくれた人々が自分などより遥かに苦労人であり、それ故に優しく接してくれたことに気付く。そして、自分が、最早、独りではないらしいことにも。それは、警官の点数稼ぎにさせないよう、天津達が隣町の交番近くまで付き添うことになったことにも現れている。出掛けに「行く所が無かったら、ここに来い」と声を掛ける高倉の言葉が温かい。
MIWA

MIWA

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★


あっ、そうなのか。観劇後しばらく呆然とし反芻し楽しむことができる。そんな深イイ作品でした。アンサンブルの使い方もホントNODA・MAPならではな、美術・衣装・メイクも面白かった。

ネタバレBOX

ラストは本物の美輪明宏さんが歌ってた!!(と思いました)。りえちゃんと古田さんを一人にしたのもすごいよなぁ。池田さんはひとりで何役もだし(笑)そこらへんのバランスも楽しめるんですよね。何がホントのことなのか?なんてまったく必要ない!!ひとつの作品として演劇を観る楽しさ堪能しました。

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