最新の観てきた!クチコミ一覧

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BINGO

BINGO

Rising Tiptoe

ザ・スズナリ(東京都)

2013/10/29 (火) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★

視覚的な舞台
初日を拝見しました。
スズナリという劇場、舞台美術、照明、音響の総合力でエンタメとして仕上がっていると思います。ただ観劇して気になったのが、役者の能力にばらつきがあること。キャラ重視でおそらく採用しているのか、破綻はないのですが、ちょっとした体の使い方、セリフの言い方、あるいはそれらを総合した「演技力」に疑問符のつくキャストが居ます。出来の良い学生演劇のような雰囲気でした。別組もあるようなので、何とも言えないところなのですが・・。台詞量に両組通して出演しているメインキャストが負けてしまって、棒読み口調なのは残念です。

とはいえ、視覚的に楽しむ作風だと思いますし、細かいことは捨象してとにかく楽しめば良いのではないかと思います。個人的な感想としてはそんなところです。

檻の中にいるのはお前の方/机の上ではこちらが有利/随分と線引きの甘い地図

檻の中にいるのはお前の方/机の上ではこちらが有利/随分と線引きの甘い地図

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

三作品とも観てきました!
一本目を観た段階では話は完結していても作品の全体が見えず
ちょっと混乱してました。

が、二本目三本目と観るうちに他の作品では分からなかった事実が見えてきて、最後まで楽しめました。

三劇場連動といっても、通常一つの劇場で場面転換して進めるのと同じ
という見方もあるようですが、個人的には、それぞれの場所で違った立場の人々が抱える葛藤、想いをしっかりと見せてもらったように感じました

黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/15 (木) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

黄金のコメディフェスティバル2013 千秋楽ぶっ通しスペシャル!!
黄金のコメディフェスティバル2013 千秋楽ぶっ通しスペシャル!!観てきました。
やはり長時間に及ぶ鑑賞は体力勝負
後は待ち時間の有効活用ですね。
今回この長丁場をなぜか一人で鑑賞しに行った私。
いろいろ勉強になりました。

お話は分かるのですが
どこがどれをやったとか
1つ以外全て初見の団体さんだったのでもうごっちゃごちゃ ^^;

いいような 難しいような・・・。

楽しい経験でした。

nora(s)

nora(s)

shelf

アトリエ春風舎(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/10/31 (木)公演終了

満足度★★★★

理解が進む
ノラが独立する理由により説得力がありました。

ネタバレBOX

夫の病気療養のための借金をする際に父親が保証人になる必要が生じたものの、そのとき父親が病気だったこともあって無断で父親の署名を捏造したノラですが、借入目的が正しく、当然保証人になってくれるはずの父に無用な心配を掛けさまいと、むしろ正しい行動をしたと彼女は信じていました。

それが法律違反だとつけ込まれ、夫の態度も法律違反に対処するもので、人道面を主張したノラを擁護するものではありませんでした。

ノラは法律に無知だったことを悟りながらも、人道的に良しと思ったことが法律違反とされた現実に、本当に今の現実が正しいのか、別の法律で覆せるのではないか、もしそういった法律が無ければ人道面を優先した法律を作るべきではないか、それには自ら勉強しなければならないと考えるに至り、可愛い可愛いで済まされていたこれまでと決別するためにも家を出る決心をしました。

家を出る理由がものすごく前向きで、一歩踏み込んでいて、説得力があり理解が進みました。
檻の中にいるのはお前の方/机の上ではこちらが有利/随分と線引きの甘い地図

檻の中にいるのはお前の方/机の上ではこちらが有利/随分と線引きの甘い地図

電動夏子安置システム

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

3回観られました
10/23(水)19:30~ 第28回公演「檻の中にいるのはお前の方」@ BASE THEATER (3劇場連動企画 電動夏子安置システム@シアターグリーン)
10/24(木)19:30~ 第30回公演「随分と線引きの甘い地図」@ BIG TREE THEATER (3劇場連動企画 電動夏子安置システム@シアターグリーン)
10/25(金)19:30~ 第29回公演「机の上ではこちらが有利」@ BOX in BOX THEATER (3劇場連動企画 電動夏子安置システム@シアターグリーン)

いい順番で観ることができたのでとても感謝でございます。
3会場みて、やりたのしめる!まさにその通りと思いました。
観進めるうちに、どんどんパズルがはまっていくような。
お勧めの順番も一応お知らせしてあったらよかったのかなと思いました。
私もし違う順番で観ていたらあまり理解できずに後悔が残ったかもと思いました。

今回も計算されつくした感じの笑える感動できる素敵な媚態をありがとうございました。

パニック+走れメロス(おかげさまで無事に幕を閉じることができました。ご来場に感謝いたします。)

パニック+走れメロス(おかげさまで無事に幕を閉じることができました。ご来場に感謝いたします。)

THEATRE MOMENTS

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

やはりタダでは終わらない
相変わらずまとまる気がしませんが(私の感想が)
今回もとっても素敵な衝撃な作品をありがとうございました。

パニック3度目ですが
やはりどきどきは毎回の事
内容を知っているのでドキドキは下がりますが

走れメロスは予習間違いで
一層楽しめました。
最後暗いままおわってどこに行ってこのもやもやを
払拭したらいい物かと悩みかけていたのですが
そこはやはり!!!ありがとうございました。

と、まとまらないのは相変わらずということで
また次回を楽しみに 日々頑張ります!

ぞめきの消えた夏2013-蝶-

ぞめきの消えた夏2013-蝶-

演劇集団アトリエッジ

シアターサンモール(東京都)

2013/09/18 (水) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

見てよかったと思います
御縁があってチケットを頂き
友達と共に観に行けました。

人によって感じる事は色々かもしれないとおもいました。

引き続きの公演が有るそうなので
みられる方は是非。

殿様と私

殿様と私

文学座

調布市グリーンホール 大ホール(東京都)

2013/12/23 (月) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

満足度★★★

札幌公演を拝見しました。
面白かったです

この世の楽園

この世の楽園

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★

オフホワイト
衣装はオフホワイトで統一、男女(男のほうが横暴)の冷え切った関係が淡々と描続ける。
そこに青年が登場してから、女たちの心の葛藤を、残り少ない歯磨チューブひねり出すように魅せていく。歯磨き粉は搾り出せば少し出てくる、でも手を弱めるともとにもどってしまう。

観終わって少し疲れた。そんな芝居だった。

森のかみさまの話

森のかみさまの話

PMAP

SoapOperaClassics(大阪府)

2013/10/26 (土) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンスと演劇を融合したライブ感溢れるお芝居
オープニングの神様役のV4さん(DACT party)の
縦横無尽に動き回るダンスは圧巻ですね!
同じ人間とは思えない動き!これぞ神業!
あれですっかり惹き込まれてしまった…(^^)

話はベタ過ぎるぐらい分かりやすいですがダンスが盛り込まれているので
それがいいアクセントになって楽しめます♪

他のダンサーの人達も華麗な動きで魅せてくれます♪
セットの鳥居のイラストのタペストリーが切り替わりイイ雰囲気を醸しだしていました♪

ダンスとお芝居がうまく融合された作品♪
それがお洒落な心斎橋のBARという空間でライブ感溢れるお芝居♪
ちょっと大人な気分で愉しめました♪
(もう充分な大人なんですが…(^^;; )

フィガロの結婚

フィガロの結婚

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2013/10/20 (日) ~ 2013/10/29 (火)公演終了

満足度★★★

聞くだけで良い!
歌い手は良いがホモキのこの演出好みの人どのくらいいるのか疑問

ニッポンヲトリモロス

ニッポンヲトリモロス

劇団チャリT企画

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/10/30 (水)公演終了

満足度★★

現体制をおいそれと笑うなかれ
 今から7年後、東京五輪イヤーに都心のホテルで次々起こるアクシデントを現体制が抱える問題点の暗喩として描き、「ああ、これはあれのことかぁ(笑)」と“気づきの笑い”を誘うだけの浅薄な劇。

ネタバレBOX

 たとえば、館内の随所で起こる謎の水漏れは原発汚染水漏れの暗喩、悩ましい事態が起きると支配人が腹をくだしてトイレにこもるのは宰相の持病の暗喩、という具合。
 しかし、こういうことをあげつらって現体制を笑おうとするのはいかがなものかと思う。
 思い返すに、この劇が笑いの対象にしていたのは原発事故と宰相の持病、そのタカ派志向くらいのもので、それも情けない話。TPP、特定秘密保護法案、改憲など切り込める対象は他にもいくらだってあるはずで、それらも採り上げていれば1時間で終幕というみっともない事態にはならずに済んだはずだ。
 その前にそもそも、笑って済まされないことを数々為そうとしている現体制をそうおいそれと笑っていいものなのだろうか?
「笑って許す」という言葉があるくらいで、笑うことは許すことにつながる。が、現政権が為そうとしていることは国家の私物化とも言うべき度しがたいことであり、笑って許すことなど到底まかりならない。
 ならば、作られるべきは以下のようなコメディだ。
 体制を担う面々に見せて“連中が笑うような”劇、そしてその笑顔がやがて凍てつくような劇である。
 たとえば、そのおぞましさをいくらか強調しながらも現体制の醜悪な姿を鏡に写すごとく極力忠実に写し出し、恐さ余って笑うしかないような劇。むろん、連中だって顔を引きつらせながら笑う。
 そうでなければ、現体制が準備している政策がもれなく失敗して目も当てられないような惨状を呈している未来の日本、ひいては地球が舞台のブラックコメディ。
 それくらいのものを作らなければ現体制は己の愚に気づくまい。

 この政権は本当にヤバい。。
 そんな切迫した思いがこの劇からは残念ながら伝わってこなかった。
 松井周×文学座による傑作『未来を忘れる』のほうが危機意識に満ち、体制批判演劇としてもずっと上をいっている。
ニッポンヲトリモロス

ニッポンヲトリモロス

劇団チャリT企画

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/10/30 (水)公演終了

満足度★★★★

どこからトリモロスのか? アメリカからでしょ!
安倍が秘密保護法で最初に隠すのが、F1事故後のケアについてだろう。TPP関連では遺伝子操作作物の件、関税関係の秘密協定等々。日米の更なる軍事的協定に関しても秘密指定を益々増やしてゆくであろうことは、目に見えている。何故なら、アメリカの戦略・戦術下に置かれる自衛隊の実態を国民の目に触れさせない為である。秘密保護法と関連して共謀罪成立を目指すこともほぼ間違いない。治安維持法を目指しているのであるから、必然と言わねばならない。日本語の発音も碌にできない奴が、日本のトップに君臨し好き放題をやっている。我らは、革命権を持たねばなるまい。こんな植民地で人間らしく生きる為には、それなしに民主主義などあり得ないからである。
 また、アジアに位置する日本が、近隣アジア諸国とぶつかり合えば、得するのは誰か明らかだろう。ユーラシア大陸の西にイスラエルを、大陸の東の涯と目と鼻の先に日本を持つアメリカは、この広大なエリアに存する2つの大国、中国ととロシアに睨みを効かすことが可能なのである。従って、トモダチ作戦で、アメリカが守りたかった、第1の物は、三沢基地だろう。ここに、エシュロンのアンテナが設置されていることぐらい誰でも知っている。因みに、エシュロンをアメリカ他加盟5カ国が正式に認めている訳ではない。スパイしているのを自分達で認める訳が無かろう。本は米英の秘密協定であったが、現在ではカナダ、オーストラリア、それにニュージーランドが加わっての5カ国。それだけでは世界中の情報を盗むのに弱さが在るので、日本という植民地にも基地を置いているわけである。他にも、無論、基地の置かれている国はあるが、大体察しはつこう。
 こういった客観情勢すら知ることが難しくなるのが、秘密保護法なのだ。それを知ろうとすれば、共謀罪で縛る。ここまでくれば、治安維持法は成立したも同然。而も、国民の大多数は、この事態の深刻さに気付いてすらいない。ホントみむめもだね。
 さて、今作では、以上のようなことに触れている訳ではない。

ネタバレBOX

 舞台は2020年、東京オリンピック直前のザ・ホテルジャパンのロビーだ。天井からは、水滴が当たる音が聞こえてくる。オリンピック直前で予約がたくさん入っているというのに、既に4回も修理させた水道がまたしても漏れているようなのだ。こんな状態では、客を入れてもクレームに悩まされ、信用を落とすことは目に見えている。早速、再度、水道屋を呼びつけるが、水道屋が工事をしている最中にも事態はどんどん悪化して行く。おまけに民族主義者が、外国人狩りをしようとホテルに押し掛けてくる始末。その上、誰も対応していないのに、おかしなことにいつの間にか4号室には、居留守 菅駄流という名の客が、5日前から宿泊していることになっており、先ほどまでなかったハズの記帳もされている。4号室の周囲の部屋では温度も上がっていると言う従業員もおり、別のスタッフも同道して2度も確認するが、他のスタッフは、特段の異常はない、と見解が分かれる。
 水漏れは更に激しく広範囲に広がり、最早収束の兆しさえ見えない。一方、外交の失敗によって、中国がオリンピックをボイコット、ホテルの予約客は4号室を除いて、電話で問い合わせがあっただけ、大半は中国人客なのである。だが、オリンピックをボイコットした中国から客が来てくれるのか、飛行機が飛ぶのかという心配もある。追い打ちを掛けるように国内では地震、火山の爆発、津波等によって作り掛けた競技場などの施設が大打撃を蒙りあと3日後に迫った開会式に間に合うとは到底思えない状況である。水漏れは益々酷く、4号室には異常が起こっていると思われ、スタッフが確認に赴く。外国人狩りをやっている組織の総長も渦中に飛び込むが、皆ほうほうの体で逃げ戻ってくる。その後ろからは、白い煙が、まるで人々を追い掛けるように迫っている。その濛々たる煙の中からぬっと現れたのは防護服で完全にガードした原発作業員、つまり白煙と見えたものは、放射性核種を含んだ排気だったのである。
 現在の推進派の主張通り原発を稼働し続ければ不可避的に起こるであろう第2の致命的核事故、それを言葉も満足に発音できないこの国のトップが推進しているグロテスクな事実。それらをおちょくりつつブラックに表現。ヘイトクライムを犯す単細胞連中をもその射程に収めつつ、今作が本当に撃っているのは、このような流れに知らんぷりを決め込んだ、沈黙の共犯者、我々自身である。
 実際、取り戻すのだとしたら、アジアの国である日本は、アメリカからこそ、取り戻さねばなるまい。
a new musical『SONG WRITERS』

a new musical『SONG WRITERS』

東宝

シアタークリエ(東京都)

2013/10/05 (土) ~ 2013/10/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

見事なオリジナルミュージカル誕生に、賛辞を!
もう、心底驚きました。

まさか、こんな素敵な舞台に巡り合えるなんて!

ただ、中川さんの歌唱と、岸谷さんの演出に、興味があって、ぶらっと行ってみただけだったのです。

ところが、会場の空気が違いました。本当に、観たいファンで埋め尽くされた客席の温たかい空気!きっと何度もリピートされているんでしょう!

だって、特にどなたのファンというわけでもない私でさえ、この舞台なら、連日通い詰めたくなりますもの。 

開幕してすぐに、これは素晴らしい舞台だという予感がしました。
終わる頃は、何故か、無性に涙が出ました。笑って、泣いて、日本にも、こういう演劇愛でステージ作りをしている方々が残っていることに、感謝しました。

久しぶりに、関係者の皆様に「ありがとう!」と言いたい舞台でした。

本気で、これを、ブロードウエイに、逆輸出してほしいとさえ思います。

日本のオリジナルミュージカルで、たぶん、最高の出来栄えだと確信します。
帰り道、口ずさめるオリジナル作品は、これまで、皆無でしたもの。

中川さんの歌声が壁に反響して、木霊のように時間差で聞こえたり、屋良さんの噂通りのダンスの技に魅了されたり、嬉しそうなコングさんの演技に、こちらまで、心がほっこりしたり、これ程、気持が清々しくなる舞台も久々でした。

とにかく、キャスト、スタッフ、全ての方に、称賛を惜しみたくない、素敵な素敵な作品でした。

ネタバレBOX

歌、楽曲、ダンス、ストーリー、構成、キャスト、どの方面から、考察しても、大変なクオリテイのステージで、とにかく、最高でした。

さりげなく、社会批判も籠められているし、いろいろな映画やミュージカルのパロディの挿入も、お見事なセンス。

悪事を働く人間も、最初からの悪人ではなく、戦争が彼をそういう人間にしてしまっただけで、本当は、心からの音楽好き人間で、仲間との時間の共有を楽しんでいたとか、登場人物の造型にも深みがあって、人間関係の描写にしても、愛が底辺に流れていて、感動しました。

舞台構成も、素晴らしく、最初の場面が、後半で、繰り返される挿入箇所の選定に、森さんの熟練の技を見ました。

一生、記憶に残る舞台になりそうです。
【韓国】劇団ヨハンジャ『ペール・ギュント』

【韓国】劇団ヨハンジャ『ペール・ギュント』

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 中劇場(東京都)

2013/10/26 (土) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

アイデンティファイするということ
 アイデンティティーの探究と魂の救済を巡る物語。原作は、イプセンだ。但し、自分は無新論者なので、宗教的な死、救済、恐怖などは、総て宇宙の中に在る己の卑小を自覚した時の余りの恐ろしさに律然としたヒトが、その実存的虚無感から逃れる為に編み出した単なる方便に過ぎないと思ってはいるが。そう言ってしまっては身も蓋も無いから、少し、今作の内容を追いながら作家の想像力に付き合うとしよう。

ネタバレBOX

 先ず、ペール・ギュントは父譲りの大法螺吹き、大酒飲みのロクデナシとして登場する。母はできの悪い息子を嘆いてみせるが、見捨てているどころか、大変愛している。その母の愛にくるまれ、保護され乍ら、ギュントは皇帝になると公言し城を持つと嘯く。
 彼の望みは女性を通してやってくる。長者の娘に惚れられる。王女と結婚する等々だ。だが、彼は、本当に自分が愛する女性と故郷で出会い、彼女との間に純粋な愛を育みながら、自分探しの旅に出、武器の密売や人身売買でしこたま儲け、大金持ちの成功者になる。が、その財産を狙った若い女に数々の貢物を与えるなどという愚行もし、終には、地獄落ちがほぼ確実ということになる。唯一、救いの可能性は、彼の純愛にあった。出された謎に故郷の彼女がどう答えるか。その答え如何で彼は救われる。彼女は答える。彼の不在の間、ずっと彼女は彼を夢見、愛し続けたと。
 この答えが契機となって、彼は、新生を経験する。ギュントを演じた俳優が全裸になるのは、生まれ変わりを意味しよう。舞台上に設えられたアクリル製の直方体に入って胎児のような姿勢を取るのはその為だ。この直方体は子宮である。その際、先にダヴィンチの円の中の人間のように体を広げてから、小さく縮こまるのは、生まれ変わりの時間的逆転を意味すると解釈した。
 然し乍ら、今作のギュントでは、イマイチ主人公への収束感に欠ける点があるようだ。イプセンの原作を読んでいないので原作でどう描かれているかは分からないが、この舞台では、ギュントが自分自身を自分自身で客体化することは無論できていない。それが、できないから、様々な愚行を含めて、精神的にも空間的にも彷徨うわけだが、実は、彼はいつも孤独である。それは、己を己自身で客体化することはできないという事実に気付くことのできる地平に迄達していないからである。彼は、夢か現か分からぬ中で死に、神と話し故郷へ戻る。そして、置き去りにして来た恋人に逢うわけだ。恋人という他者と会って初めて自己を客体化し得たのである。この当たり前のことが、当たり前のこととして認識できない過程が矢張り長すぎるので、収束される感覚が遠のいているのだろう。
 また、大作主義的な作りは小劇場演劇を見慣れている自分には、やや冗長に感じられたが、舞台美術や照明、音響の用い方は流石に力量を感じさせる。殊に舞台奥に鏡のように設えられた巨大な反射板と床に敷き詰められた砂の効果は見事で、観客をハッとさせるようなシーンが何度もあった。韓国の劇団なので、役者の演技の上手さは無論のことだが、かなり大きな舞台で存在感を押し出すことに意を用いている点でも、出吐けのタイミング、動きの良さにもリズム感があって良い。惜しむらくは、翻訳が本当に直訳で文章が長いので、舞台上の演技をゆっくり楽しめなかった。もう少し意訳しても良かったのではないだろうか? また、字幕の位置が、上手の端一か所というのも観ずらい原因の一つであった。
砂の楽園

砂の楽園

遊園地再生事業団

ザ・スズナリ(東京都)

1996/03/20 (水) ~ 1996/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

無意味の向うに美が立ち上がる
 ラジカルガジベリビンバシステム『亜熱帯の人』の一挿話を原形とする“砂漠監視隊”シリーズは、砂漠の監視という閑職に就かされた者たちが暇にあかして間抜けなことをし続けるお話で、エッセイなどで“人間の間抜けな側面”に光を当て続けてきた宮沢章夫という作家の資質が遺憾なく発揮された、その代表作と言っても過言ではない作品群。ナンセンスでバカバカしいだけでなく、本物の砂を用いて表現された「砂漠」で男たちが無為な行為に興じる様には頽廃的な美しさがあって、その“美”にもいたく惹かれたことを覚えている。
 本作『砂の楽園』では、役者として出演した小玉和文がラストシーンでトランペットを演奏。朗々としていながらどこかもの哀しいその調べと、優雅に、泰然とペットを吹き鳴らす小玉さんの雄姿はいまだ忘れがたい。

ウォルター・ミティにさよなら2013

ウォルター・ミティにさよなら2013

TUFF STUFF

相鉄本多劇場(神奈川県)

2013/10/27 (日) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

(^o^)
Wチーム、レイコ役の椙山聡美ちゃんと、芹沢博士役の伊藤風喜クンの千秋楽でした。レイコがかわいくてかわいくて、そこばかり見ちゃいました。アフタートークも楽しかったです。

島津の疾風

島津の疾風

シアターキューブリック

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2013/10/19 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

走る!関ヶ原
チャンバラ無し、カツラ無しの時代劇。衣装もなんかパンクっぽい。
舞台にはセットも何もなかった。
セリフは全編薩摩弁。やや聞き取れない。物語も背景がよく分からず、ただただ走っているのを眺めていただけという。役者さん達は凄い演技をしているんですけどね。
若い女性客が多く、面白かったという意見が大勢だったようだけど。
斬新すぎたなあ、自分には。
ワークインプログレス公演と銘うっていて、来週の鹿児島公演にむけて完成度を上げるための、客席を交えた座談会付き。薩摩弁が分かりにくいとか、物語背景が分らないとか意見が出たが、余分な説明を加えたり、テンボを落としたら、鹿児島では冗長になるという意見もあった。もっともだが、僕らには不親切。難しいですね。

ネタバレBOX

ある言葉が女性が使う言葉で、、男性が使うのは変との指摘もあった。
それに対する作者の回答が、「調べてみます。本番では台詞が変わるか、あるいはキャラが変わるかもしれません。』というウィットにとんだ答え。
方言って難しい。
そして、感想が座談会のものばかりですみません。
注目していた谷口礼子さんを観に行ったら、舞台があまりにも斬新なものだったので、言葉がありません。
砂の楽園

砂の楽園

遊園地再生事業団

ザ・スズナリ(東京都)

1996/03/20 (水) ~ 1996/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

砂漠の話
※実際の鑑賞日は1996年です。こりっちさんでは2008年以前の鑑賞日は設定できないようになってるので現在出来る一番古い年代にしました。

ネタバレBOX

で、実際観たのは1996年3月20日。
正確には砂漠を監視する人たちの話。で、砂漠で何か事件が起こるのかというと、勿論何も起こらない。暇だよね、仕事として。とは思うものの仕事をやめるでもなく。結構淡々と監視が続いていく。実際自分がこの仕事やったら仕事中にゲームとかやっちゃいそう。多分何も問題無いだろうし。この持て余された時間(実際は仕事中だが)をどうかしようとする人たちにちょっと共感しました。
The Absence of the City

The Absence of the City

冨士山アネット

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/10/29 (火) ~ 2013/10/30 (水)公演終了

無題875(13-314)
19:30の回(曇)。地階へ下り18:31受付(整理番号 あり/なし、があるようです)、当初は19:00開場予定のところ19:15に変更、19:02ロビー開場となり、結局、開場は19:25(整理番号なし→あり、の順に中へ、19:32前説(アナウンス)に続いて開演~21:01終演、アフタートーク21:07~21:23。正面奥に大きなスクリーン、やや上手に「ドア」、床には大小の雑貨...自転車、ポリバケツ、ヘルメット、キャリーケース、ペットボトル、大きなじょうろ、ぬいぐるみ、扇風機、PC...その周辺を四角く照明が囲んで、上には電球。

富士山アネットは3作目、家族の証明(2011/5)、八(2012/1)。かなり繰り返しが多く、そこはちょっと苦手。ダンスを探す..ということでしたが、なかなかイメージしにくかったです。

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