最新の観てきた!クチコミ一覧

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秋のソナタ

秋のソナタ

ぴあ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★

親子の愛憎
母と娘の軋轢を濃厚に描いた2人芝居で、迫真の演技に引き込まれました。

ピアニストの母親が牧師の妻となった娘の所へ訪ねて来て、過去の行いについて激しい言い合いと沈黙が繰り返された後、結局関係は修復せず、母が去って行く物語で、お互いが心情を曝け出す様が印象的でした。

張り出し舞台を3方から客席が囲む形になっていて、舞台中央にテーブルと椅子、その奥に宙吊りにされた窓、上手にドアが設置されたシンプルなセットでしたが、テーブルに掛けられたシーツの形を変えたり、蝋燭の明かりを用いたり、時には客席通路も用いて、空間に単調さがありませんでした。
親子の他にも数名の登場人物がいるのですが、その人物がその場にいる体裁で誰もいない所に向かって話す形で表現されていて、常に母と娘の2人の存在に焦点が当てられていて緊迫感がありました。
ドアを閉める音やグラスを置く音にリヴァーブを掛けたり、心情を表す効果音が随所で使われていましたが、演技だけで十分な見応えがあったので、過剰な音響効果に感じられました。

台詞が無いまま数分間続く冒頭シーンでの満島ひかりさんの立ち振る舞いが美しくて印象に残りました。佐藤オリエさんの強さと弱さが見え隠れする様子が魅力的でした。

阿Q外傳

阿Q外傳

NAT

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

全員ひどい
為政者も大衆も勢いがつくとひどいことをするものです。

ネタバレBOX

お調子者阿Qが、勢いにノセられて行き着くところまで行ってしまった話。

公開処刑が大衆の楽しみだった時代があったのですね。江戸時代の日本もそうだったのかもしれないし、北朝鮮じゃ強制動員もあるのでしょうが、今でも明日は我が身の怖さ半分、楽しみ半分なのかもしれません。文化大革命の頃に見掛けられた罪人を人前に立たせて晒し者にする行為などもその名残なのかもしれません。韓国では今でも犯人が警察に入る前に記念写真を撮られています。芸能人の謝罪会見などもそのような面がありますね。

調子に乗り過ぎて革命軍の名を騙った阿Qが、革命軍の仕業と見せかけた強盗に間違われて処刑される段になっても、大衆は、知り合いたちも含めて誰一人助けようとはしませんでした。なかんずく阿Qが蓄えを譲ると言った、過去に言い寄られたことのある女性ですら、アリバイなどと大げさなものではなく単にそんな大それたことをする人間ではないと一言申し出れば良かったにも拘わらず何もしませんでした。

執行側も彼が無実だということを知っていながら、とりあえず誰かを犯人にする必要があるということで事が進行していく様に、全員人道的にどうなのよと思いましたが、いったん大衆に火がつくと一方向へ向かう勢いを誰も削ぐことができない、そんな時代だったのかなと思いました。

場面転換の際のダンスはお粗末で無意味でした。
「 超高層ノスタルジア」

「 超高層ノスタルジア」

POPlinks

新宿眼科画廊(東京都)

2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★

構成力がすばらしい
断片をコラージュしたような作品世界の組み立て方なのだが、
物語がきちんと立ち上がっていく、その手腕が素晴らしかった(脚本も演出も)。

役者さんたちも個性的でよかった。

ネタバレBOX

SFなので、リアリズムからの意見は意味がないのかもしれないが、
それでも、ラストでツバメちゃんが死ぬというのは、ひっかかった。

そう簡単に人は死なないよな、、、と思ってしまった。

勿論、それほどまでにチドリちゃんをツバメちゃんが愛していたのだというのはわからなくもないが、、、

脚本がご都合主義だという言い方もできるが、
物語に人が死を選ぶほどの心の葛藤が描かれていないのならば、
演出や演技レベルで、その飛躍を埋めることもできたと思う。

いずれにせよ、あのツバメちゃんの死が観客として納得できるものであったら、ここで描かれた作品世界を、私はより深く感じ入ることができたと思う。

と、厳しいことを書きましたが、
構成力のすばらしい脚本、
そのリズム感を活かしたテンポのよい演出、
そして、とても個性的な役者さんたちの演技、
すばらしかったです。
Sagittarius

Sagittarius

演劇集団ザ・ブロードキャストショウ(SABカンパニー)

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2013/10/25 (金) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

シリーズ完結編が気になるSF大作!
前作を観た時にも感じたのですが
この劇団の役者さんはしっかりとした演技をされるので見応えがあります!
中でも若き政治家・新首相役の吉田佳さんはハマり役の熱弁はいいですね
もっと他の劇団でも観てみたい役者さん!
その他の役者さんも上手なのでストーリーにすんなり入り込めます

脚本もシリーズでやっているだけあって設定が面白く
ドールか2種類に分かれている事も話しを深くしています
展開もいい意味で期待を裏切られて最後まで惹きつけられます♪
シリーズで観ていなくてこれが初めての観劇でしたが充分愉しめるSF作品!

前奏曲だけあって続編へ繋げる様な余韻を残して終演~
これは続編が気になるところ‼︎


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
次回の完結編は
2014年4月4日~6日ABCホール!

ピアノレッスン、なう。

ピアノレッスン、なう。

黒鯛プロデュース

サントリーホール ブルーローズ(小ホール)(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

満足度★★★★★

小原 孝氏のピアノ 必聴
 魂に沁み入るようなピアノ演奏と味のあるシナリオ、自然に見える演技、照明、音響などの効果、演出も出しゃばらない心に残る舞台だ。(追記’13.11.1)

ネタバレBOX

 由緒ある結婚式場の支配人代理と新入社員達は、今月あと1千万以上の売り上げが無ければ、馘首されそうな状態で戦々恐々である。そこへ下見に来た母親。式場スタッフは、ここぞとばかりに売り込みに掛かるが、肝心の花嫁は、披露宴を開く積りが無い。それが、理由で、母親一人で下見に来たのである。母としては、どうしても娘にこの式場で豪華な披露宴を挙げてやりたい理由があった。というのも、彼女の実家は医者で、夫はピアニストだったのだが、両親の説では、ピアノなんか弾く者に碌な奴は居ない。従って結婚など以ての外というものであった。両親の賛同を得ることなく駆け落ち同然で結婚生活に入った母親には、披露宴をする資金も無かった。偶々、駈け落ちの道行きで、この式場で披露宴を挙げているカップルを見た彼女の心に浮かんだのは、こんな豪勢な式を挙げることのできる人々もあるのだ、という感慨であった。
 そんな思いの母親に、式場の支配人代理が、勧めたのは何と3日後のプランであった。それならば「思い切ってサービスさせて頂きます」と言うのだ。無論、彼女には彼女の事情がある。母は、それでも良い、とこの話を受けた。母と支配人代理の話が纏まり掛けた所へ、娘が顔を出した。娘は「内々で食事を摂るぐらいの気持ちだ」と中々譲ろうとしない。まして「3日後では、招くべき客だって間に合わない」と反対する。然し、母は動じない。「自分の兄と、夫、新郎サイドには既に話をしてあり、新郎サイドは親戚のおばあさまを呼ぶ位であとは、道行く人々を呼んで一緒に祝って貰う」と言うのだ。それも、嘗ての自分を思い出してのことである。娘とのやり取りで決定的だったのは、ここには、名器と言われるピアノがあったことだ。母は、そのピアノの前に立ち、一音出してみる。そして、「3日後には、自分が、ピアノを弾く」と言うのだ。だが母にピアノは弾けないと娘は知っている。然し母は「幻の名ピアニストに手ほどきを受け3日で弾いてみせる」と言い切る。これは、解離性健忘症に罹っている母だけに見える名ピアニストが居たのからである。 
 話は飛んで、3日後、婚礼のリハーサル現場である。彼女は3年前に事故で亡くした夫の辛い死を魂の底で認められず解離性健忘症に罹っていたので、彼女が夫だと思い込んでいたのが、実は、彼女の精神科担当医で、兄が、病院勤めをしている関係で面倒を見て貰っていたという事情なども分かっていない所がある。そんな状態のまま、リハーサルで娘も覚えてしまった「スウィートメモリー」を幻のピアニストと連弾していたのだが、発作を起こしパニックに陥ってしまう。兄は「披露宴は中止だ」と叫ぶ。キャンセル料は100%なのだが、パニックを起こした妹のケアは到底無理だ、と判断したのである。因みに、解離性健忘症というのは、辛い経験などと向き合うことを避ける為に、部分的に記憶喪失症状を呈する精神的疾患のことで、封印している記憶が、何らかの契機で思い出されそうになると、思い出したくない規制と心の中で強い葛藤が生じ、その結果、心理的平衡を失いパニックに陥ってしまうのである。今回、その契機となったんのが、娘も好きな標記の曲で、夫との記憶を呼び覚ましそうになったので、パニックを起こしてしまったのである。幸い、今回は、この葛藤を通じ、また、幻の名ピアニストが実は、自分を見守ってくれている亡くなった夫だという謎も解け、以て魂の平衡を取り戻すことにも成功してゆく。
 娘との見解の相違を互いにぶつけ合った結果、娘も本心を話し、妻子もちであった新郎との間にあった諸々の事情や、周囲からの非難・批判への心理的逃亡もあって小じんまり内輪だけの式にしようとしていたことを認め、本当は、きちんと披露宴をして皆から祝福されたい本音も述べ、結婚披露宴を開くことに同意。母の出した案にも賛成したのである。而も、この間に2度離婚経験を持つ兄は、支配人代理と意気投合、W結婚披露宴に発展したのであった。
 客席は階段状になっていないので、舞台は席によって見づらいのだが、音楽が、欠けた空間を埋めてくれる。それほど、素晴らしいピアノである。自分はピアノ曲が大好きなので、或る程度ピアノの生演奏を聴いてきたのだが、タイプは違うものの、辻井 伸行君のピアノを聴いた時と似たようなポテンシャルの高い感動を覚えた。必聴のピアノである。
ウォルター・ミティにさよなら2013

ウォルター・ミティにさよなら2013

TUFF STUFF

相鉄本多劇場(神奈川県)

2013/10/27 (日) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★

志が
 役者陣の演技は悪くないが、シナリオライターの志は低い。それもあってのことだろう。観客にも恵まれていないようだ。殊に小劇場演劇では、客席と舞台が近い為に、互いの想像力による争闘は、より熾烈である。また、そのことが、小劇場演劇の醍醐味でもあるのだ。にも拘わらず、この劇団のシナリオは、想像力を全面的に信じる形になっていない。逆に言えば、観客を嘗めているのである。それが、説明過多に端的に現れてしまった。本当に途中で帰ろうか、と考えた程である。
 逆に、緊迫感のある舞台作りになっている場合には、ダンスなどのパフォーマンスに必然性が感じられず、場違いな印象を受けることが多いのだが、この劇団の場合、最初に底を晒してしまうので却って即物的なダンスパフォーマンスが活きた。
 次は、通常の芝居のように、論理対論理と想像力対想像力をキチンと向かい合わせることで成立するドラマツルギーに挑んで欲しい。

ゲームの名前

ゲームの名前

劇団ショーマ

シアターアプル(東京都)

1996/03/19 (火) ~ 1996/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

殺陣がすごかった
※実際の鑑賞日は1996年です。こりっちさんでは2008年以前の鑑賞日は設定できないようになってるので現在出来る一番古い年代にしました。

ネタバレBOX

で、実際観たのは1996年3月21日。
アクション・殺陣がすごくて、とても展開の早い舞台でした。どうやらこれはアプルジャムという「枠にとらわれることなく、今いちばん旬なパフォーマーが参加するイベント」の一環だったらしい。パフォーミングアーツの謝肉祭というキャッチコピー通り、エンターテイメントとして楽しめました。
「 超高層ノスタルジア」

「 超高層ノスタルジア」

POPlinks

新宿眼科画廊(東京都)

2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

伸びしろはあると思います。
作りたいものを作るんだ!という前向きなエネルギーは伝わってきました。今後の伸びしろに期待したいと思います。

ネタバレBOX

曲の音量×役者の立ち位置×(自分の)座席の位置によって、曲の音量に負けて、聞き取れなかったセリフが多少有り。セリフをちゃんと聞かせるために、もうちょっと曲の音量を落とした方がいいのではないかな?と思いました。
約束

約束

演劇ユニットレッドカンパニー

Geki地下Liberty(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

良い話だった
個人経営の小料理屋が舞台でテーマは家族愛。涙腺の緩い人なら感動して涙を流すかも知れない。
ただ、シナリオにやや不自然なシーンが散見されたのは減点材料。特に出版社の先輩役(名前忘れた)の行動は無理がある。あの行動は一歩間違えれば営業妨害やわいせつ行為で警察沙汰になっても不思議ではない。コメディであればあの程度は何の問題もないが、この作品のテイストにはそぐわなかった。せっかくの良いストーリーなので、こういう部分にも気を配って欲しかった。
役者陣はアイドル系(?)と思われる人もいたが意外と安定した演技だった。とくに良かったのは、本庄千輝役の菊池郁恵さん、神谷葉月役の清水奈都美さん、若い板前役(名前忘れた)の3人。3人とも華のあるタイプではないが、確実な演技でうまく場の空気を作っていたと思う。

ごとり

ごとり

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

芝居後興ざめ!
ラストの挨拶で、観客を空気読めない呼ばわり、
何がハロウィン、仮装だ、ここは日本だ。
洒落のつもりで言ったのだろうが、相手の気持ちを読まないあなたはいかがなものか、あれを聞いて気分が良くなった人がいるだろうか。
言葉を選べないコメント猛省を促す。

巣窟の果て

巣窟の果て

643ノゲッツー

劇場HOPE(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

後半になって加速する
 前半はどうも話の方向性が見えず靄がかかっているような状態でいまいちわからないなと観ていたのですが、後半になってその靄が晴れ始めてからは話が加速がかかったように展開しあっという間に終幕を迎えていたという感じです。話の内容そのものや役者さんの演技、演出はよかったのですが、話の構成全体のバランスがいまいちだったかなという印象が残りました。

ピアノレッスン、なう。

ピアノレッスン、なう。

黒鯛プロデュース

サントリーホール ブルーローズ(小ホール)(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

満足度★★★

サントリーのコンサートホールでのお芝居、
やはり声が反響しすぎたり、散りそうになったりで難しいんだろうな、と感じられた舞台でした。でもこういう制約がある中でのお芝居はとても興味深く、これからのお芝居の可能性を試す、謂わばプロトタイプ的な舞台だったと思う。脚本が甘く、ちょっとご都合主義的な所も感じられたが、まあ、こういうホールでのお芝居なので仕方がないかな・・・。気になったのはやはりピアノの音。連弾の際、いくらなんでも素人臭すぎて、音がキンキン響き、綺麗なハーモニーになっていないのが聞き苦しい。こうしたお芝居では、拙くてもやはり美しい音は必要。また、なんというか、このホールの豪華さに舞台美術が負けている感じがした。ホール入口にたくさん生花が届いていたのに、これを使わなかったのは残念。(こういうの美術に使うのは失礼なんですかね?)客席においても良かったのに。いい香りがしてゴージャスな雰囲気がもっと味わえたと思います。というのは、かつて客席にさりげなくお花が置かれたコンサートに私が行ったことがあるからなんですね。とても素敵でした。だって結婚式場にお花はつきものだもの。

ネタバレBOX

ライオンキングの歌もまずかったなぁ。せっかくのピアノ演奏に水を差した感じ。ライオンキング、かつて芸人さんでものすごくこの歌の上手い人がいたので、つい比べてしまった。あと、ラストのハミングが平凡。これ、劇中で「通行人にも祝ってもらいたい」とかの台詞があったので、客席を通行人に見立てての大合唱になるのかと期待してました。それともあの雰囲気なら、羽織袴のおじさんと支配人が音楽に合わせて見事な踊りを披露するとか、その他の登場人物も楽しげに踊りだすとか、もう少し大人のお洒落感が欲しかった。そういう意味ではお母さんの衣装も残念。あれじゃ大阪の女芸人だよ・・・・。結婚式にこだわる女が自分のドレスにこだわらないはずがない。もっと気合の入ったドレスを用意するはずです。
【本日千秋楽は15時から!!!】『そこで、ガムを噛めィ!! 〜The Baseball comedy! 2013〜』 (※当日券は全ステージ出します!!!)

【本日千秋楽は15時から!!!】『そこで、ガムを噛めィ!! 〜The Baseball comedy! 2013〜』 (※当日券は全ステージ出します!!!)

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

テアトルBONBON(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

面白かった
冒頭部分はテンポが悪く「ハズレかも…」と思ったが、いつの間にかリズムに乗って、終わってみれば面白い公演だった。
ただ、ラストの筋書きがありふれたパターンだったのは残念。
役者さんは少し演技過剰な気もするが、コメディなのでこれぐらいが良いのかもしれない。個人的には看板女優の日高ゆいさんとキャッチャー役の北川竜二さんが良かった。
アフターイベントはグダグダだったが私は好きです。

うちゅうのひと

うちゅうのひと

アンティークス

OFF OFFシアター(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

今日、ラムネ(プルーン味)が食べたくなった
スティーブン•スピルバーグ監督『E.T』(ユニバーサルピクチャーズ)への強いオマージュであることは間違いない。
学校で 一人ぼっち の少年とETが遭遇するのは夜間、自宅のガレージだった。スピルバーグ監督は20周年アニバーサリーに向け、「撮り直し」を行っている。
一つは「子ども達の世界に馴染まない」(スピルバーグ監督 )理由から男性が銃を構えるシーンをカット。もう一つは この遭遇のシーンである。(他にも撮り直しの箇所は存在するが、この二つが重要らしい)

ネタバレBOX

そこで、今井なつこ(柴田和美)とETにあたるさっちゃん(つのだときこ) の遭遇のシーンを考えてみたい。
設定は夜間の自宅リビングだろう。「ケケケ…」の笑い声を響かせる さっちゃん に対し、なつこ は 菓子をあげ、接触を試みる。戸惑いながらも短時間のうち「一緒に寝てもいいよ」と すぐ友達へ。
このシーンを観た時、私は『E.T』の旋律を思い出した。SFファンタジーというか、映画作品のオマージュを通じ、少女と“ET”の絆を描く…。おそらく観客は そのような展開を待ち構えた。
しかし、見事な心象表現で裏切られることになる。

「見えない」点は ずっと疑問だった。少なくとも、さっちゃん を隠すシーンは鉄則だと思ったからである。
隠すシーンがない…。それは すなわち、映画的手法で順を追って描く、またはシチュエーション舞台を放棄したことと等しい。
現れたのは内面世界の「女の一生」である。

「女の一生」の断片は、観客の人生と交わり、何色にも染まる。
今作『うちゅうじん』がミルクだとすれば、観客の人生がイチゴならイチゴミルクになるし、チョコレートならミルクチョコレートになる。
「示唆」を与える1時間50分。

優等生ではない、粗削りの感動も欲しかった。舞踏など挿入すれば、よりファンタジーに充満されたかもしれない。だが、一方で、静かなる余韻も かけがえのない特徴だろう。
この声が製作陣に届くとしたら、『E.T』のみならず、映画『ミスター•ノーバディ』の鑑賞もお勧めする。構成のモチーフが共通だ。
かぞくや

かぞくや

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2013/10/22 (火) ~ 2013/10/31 (木)公演終了

満足度★★★★★

琴線に触れる、という言葉がありますが、
正にそんな舞台でした。私はコメディというより、世話物として見ました。レッツ・キッスのあたりから涙が止まらなかったなぁ。それは、昭和を反映した時代感のせいだったり、体温を感じさせる確かな演技のせいだったりするのだけれど、やはり現代の世相がこの脚本が書かれた頃より遥かに、孤独ということを実感させるせいだと思う。スーパーやコンビニにあふれるお弁当や総菜。長いことかかってそれを選んでいくお年寄りたち。昔は忙しい主婦が夕食のもう一品の足しに買った物だ。でも今は違う。みんながそれを知っているけれど、そして利用しているけれど、そこにある孤独には触れないようにしている。暖かなラストだが、そういう意味では鋭い視点で描かれた脚本だと思います。平日のマチネに予備の椅子が出るほどの盛況。だるま座すごすぎ。

ネタバレBOX

スカジャンの衣装が良かったなぁ。若い劇団員の人も育ってきていて、見応えありました。小道具が冴えてる!笑えました。
威風堂々

威風堂々

超人気族

枝光本町商店街アイアンシアター(福岡県)

2013/09/27 (金) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★

状況設定はおもしろいのに
着想と状況設定はおもしろいのに、うまく構成できていなくて、演出も演技も十分に練り上げられていないために、時に“ウ!”というところはあっても、全体としては平板で雑駁な舞台になってしまっていた。

詳細は、演劇感想サイト「福岡演劇の今」 http://f-e-now.ciao.jp/ に書いています。

【本日千秋楽は15時から!!!】『そこで、ガムを噛めィ!! 〜The Baseball comedy! 2013〜』 (※当日券は全ステージ出します!!!)

【本日千秋楽は15時から!!!】『そこで、ガムを噛めィ!! 〜The Baseball comedy! 2013〜』 (※当日券は全ステージ出します!!!)

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

テアトルBONBON(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

爽やかコメディ
頑張れベアーズ的なダメダメ球団。監督のために奮闘するお話。劇団名は何度も聞いたことがありましたが、初めて観ました。セットがグラウンドに変化する様子は見ているだけで楽しい。試合中のダンスも躍動感がある。ピッチャーの日高さんの姿は、「野球狂の詩」の水原勇気ばりにカッコいい。前半はキャプテンの北川さんと新人の跳川さんがいい。後半は、日高さんマネージャーの石田さん、村田さん、中村さんの動きに目がいく。1時間50分と長めだが、後半は一気に進み飽きさせない。
客席が空いててもったいない。

ネタバレBOX

「うんこって言う奴がうんこなんだよ」という台詞が耳に残った。
日高さんは、性転換した男の設定だが、ちょっと違和感。
スマイール

スマイール

smokers

ザ・ポケット(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑い声の絶えない舞台
ホラーでもスプラッターでもない幽霊との生活の話。
笑いっぱなしです。

ピアノレッスン、なう。

ピアノレッスン、なう。

黒鯛プロデュース

サントリーホール ブルーローズ(小ホール)(東京都)

2013/10/30 (水) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

うーん…(-"-;)
チケットプレゼントで観劇。5分遅れで開演。
客席に高さの違いがなく、椅子は皆同じなので最後列はなかなか見づらい。

何が見せたいのか、伝えたいのか、よく分からない。
ピアノ演奏なの?お笑いなの?ミュージカルなの?演劇なの?

ターゲットは年齢高めの方々なのかしら。
よく笑ってくれる客達でしたが、私には全然笑えず。
笑いを取りにいってるなー…というのが分かりすぎて、でもそれが残念なものが多くて。
サントリーホールで公演するにはサントリーにこんなに媚びを売らなければならんのか、とも思ってしまう。

脚本にも全く感情移入できず。
物語が動くポイントが、いつも唐突過ぎる。
入り込めないから、多分笑いもできないし泣けもしないのだと思う。
私はお芝居見てボロ泣きするタイプなのだが、今回は…。
95分の芝居だったのだが、半分くらいから帰りたくて仕方がなかった。救いだったのは事前に公演時間が知れた(ゴールが分かっている)ことか。

ただ、ピアノ演奏は素晴らしかった。
初回の演奏が始まった途端に客を黙らせた。
ピアノの練習シーンは面白い。
子供向けのピアノ教室だと、こんな感じに教えてるのかな、と想像できる。
私もピアノは弾けないが、こんな教室なら今からでも通いたい。

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★

太陽とサヨナラ
詩的な感じで言葉の並べ方とかキレイでした。役者さん達が並んで順々に詩を綴っていくのも雰囲気があって良かったです。舞台転換の際に机を滑らせたり、イスに乗って移動したりするのは飽きなくていいと思いました。観終わった後、ストーリーが良く理解できなかったなあと思ったのですが、アフタートークを聞いてなるほどと思いました。ネタバレにて。

ネタバレBOX

作者の広田さんがシンプルでわかり易い話だと思っていると、かぐや姫をモチーフに「太陽が地上に来て帰る話」だとおっしゃっているのを聞いて、なるほどと思いました。私は太陽が地上に来て帰るという事しかわからなかったので、良くわからないと思ったのですが、それで良かったのだと。
自然と劇に対して付加価値を求めてしまっていた事にきづかされました。その劇を見て感動して涙がでるとか、面白くて爆笑するとか、前向きな話で元気をもらったりとか、心が揺さぶられるような感情が動く何かを劇を見ることによって得たいと無意識に思っていたんだなあと。だから「太陽が地上に来て帰る話」の中で感情が動くような何かを探していちいち深く考えて観ていたけど、それがあまりにも断片過ぎて欠片を拾い集めても結局良くわからなかったのです。
今回観ていて感じたのは壁を一枚隔てて観ているような感覚でした。一緒になって物語のキャラクターに感情移入して、その世界にどっぷり浸かって観るのではなく、ただ眺めているだけな感じ。それが嫌かっていったら嫌じゃないのが不思議だけど。舞台の雰囲気がとってもステキで、観せ方も上手いし役者さんたちも実力のある方ばかりだったからかもしれません。
私の好みとしてはわかりやすい舞台が好きなんですがそれだと広田さんらしくないのかもしれませんね。(今回の2本以外拝見していないので憶測ですが)
でも、もう少し情報があっても良かったのかなと。
シャイとテルの気持ちの変化が伝わってきませんでした。シャイの探し物はテルのあの一言だったとしたら説得力にかけるのではないかと思いました。シャイがきてからもテルは2階で本を読んでいたし、シャイは床に寝転がっていて、もう少し二人のふれあいなどがあっても良かったのではないか。クシナダがテルに歩み寄ってるのはわかったのだけど、肝心のテルは最後まで感情がみえないのでそこを丁寧に描いて欲しかったです。
クシナダが手紙を出すシーンがあるので、ラスト手紙が届いた時にその返事かなと思いましたが違いました。内容はテルがシャイに宛てたような内容なのに読んでいるのはクシナダとタイオンなのでテルが書いたというのは私の憶測なのですが。全体を通して直接的な表現よりもふんわりした、色んな捉え方のできる演出が多かったのも良くわからないと感じた理由の一つだと思います。一から十まで説明する必要はないけど客に想像させるにはその材料が足りなかったかなと。

長くなってしまいましたが、アフタートークより、海は沖縄や海外の澄んだ水を見れば大人でも感動するし、毎日乗っている自転車だって良く晴れた朝に澄んだ空気の中、風を切って走るだけで嬉しくなるものだと思います。私は感動出来なくなる程演劇を観ている訳ではないけど、何千回と観ている人だって感動する劇は必ずあると思うので、広田さんの劇の雰囲気を崩さずなおかつわかりやすく感情が動かされるような作品を観てみたいと思いました。

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