人生快速
ネコ脱出
「劇」小劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
満足度★★★
人生
この芝居に出てくる人の人生は、一筋縄じゃいかなくて、しかもみんな素直じゃなくて。駅で繰り広げられる人生模様に時に笑い、ジンときました。
ネタバレBOX
サザエさんのコント、周りはとても受けていましたが、私的には本編がせっかくもりあがっていたのでそのままクライマックスに行ってほしかったです。
人生快速
ネコ脱出
「劇」小劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
やっぱり熱かった!!
中盤以降、状況設定も飲み込めて、テンポも良くなってきたら、もう熱い!!
訳分からんコーナーが途中で挿入されるのはご愛嬌。
年の瀬にもってこいの舞台d(^^*)
アクアリウム
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了
満足度★★★
1982年生まれ
凶悪な犯罪を起こす人が多いとイメージされている、1982年生まれの人達の閉塞感が描かれた作品で、基本的にリアリズムな表現でありながら、そこからはみ出していく仕掛けが施されていたのが印象的でした。
6人(+ペット2匹)が共に暮らすシェアハウスに通り魔事件の犯人を追う刑事達が訪れたことをきっかけに住人の人間関係のバランスが崩れ、それぞれ不安や不満等の本性が露になって行く物語で、個人的に好きではないスタイルの演技で始まるので序盤は乗り難かったのですが、中盤からのお互いの不信感が高まる展開に引き込まれました。
物語としての面白さとは別に、刑事2人組のオールドファッションで大仰な演技とシェアハウス住人の淡々とした演技の対比させたり、2匹のペットが人間と普通に会話したりと、演劇のスタイルや虚構性に批評的な眼差しが感じられる趣向が盛り込まれていて興味深かったです。
笑わせようとしていても不発気味だったのが勿体なかったです。
舞台中央の一番手前に客席に背を向ける形でアクアリウムが置かれ、舞台と客席の境界が壁である設定になっていて、登場人物達と観客の間に距離を取り、舞台と客席の間のスペースを世代論でまとめたがる刑事達だけが使うことが出来るという空間構成によって、世代でくくってしまう危うさが表現されている様に感じました。
ゲスト出演者によって演じられる役の登場シーンが壁の素材を上手く活かして不気味な雰囲気を高めていたのが印象に残りました。この役を他のゲスト出演者がどのように演じるのかも興味深く思いました。
治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
とても良かったです。
劇団初見でした。歴史ものは社会が大の苦手だったので嫌煙しがちだったのですが、観に行って本当に良かったです。
別冊付録として年表や語句説明の書かれたものがパンフレットと一緒に置いてあってとてもわかりやすかったです。
出演者の方々の演技が本当に上手くてどんどんストーリーに引き込まれていきました。とくに貞明皇后節子役の松本紀保さんが素晴らしかったです。
ストーリーも余計なものはいっさいなくシンプルでわかりやすいのに深く、気がついたら涙がでていました。とても素晴らしい舞台でした。それ以外言いようがありません。
ファントム・ライセンス
進戯団 夢命クラシックス
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
(^o^)
キャラクターが生き生きしてました。イケメンもカワイイおにゃのこもいっぱいで、目にうれしいお芝居でした。「ごごいろフレーバーT」最高です。次回があるならまた観たいです。
GEKIKON'13「サテン劇」
広島市南区民文化センター
広島市南区民文化センター スタジオ(広島県)
2013/12/19 (木) ~ 2013/12/20 (金)公演終了
満足度★★★★
ほっこり笑えるブレンドの美味しさ。
エゴはなかったですねぇ‥(笑)
でも、これは良いです。
一番最初、4人が舞台の上に揃ってる姿を観た瞬間、
「あぁ、これは良いなぁ」って思ってしまいましたぁ。
それだけ四人の雰囲気がすこぶる良かった‥‥。
少し粗かったけど、それさえもネタに変えて
楽しませてくれっ!って思ったくらい‥‥。
それが、許される舞台でしょうから。
四人の作・演出家が、他の三人の役者としての良いところ、
また、本人の作・演出だと決して出したがらないところを、
オモシロおかしく引き出してたようにも思います。
これって、当て書き?の面白さ‥‥って事になるのかなぁ…(゜ロ゜)
まったく個性の違う同じ四人での別ヴぁージョンを、また観てみたいです。
ネタバレBOX
藤井さんの作品は三番目くらいの方が良かったかなぁ。
藤井さんの最後の幽霊には笑った。
末武さんのおじいちゃんがツボ。
「カフェ・ド・末武」
定番のツボを得た笑い。
「純喫茶 藤井」
舞台版フィルムノワール
「コーヒーの象」
過去と今を繋ぐ悲しみの空間
「茶房 宮廻」
初作・演出なら出来すぎ‥(笑)
靴下にカミソリ(再演)
メガロザ
タイニイアリス(東京都)
2013/12/17 (火) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
満足度★★★★
おもちゃ箱みたい
19日の15:30の回を見てきました。
酷評もありますが私は面白かったです。
おもちゃ箱みたいで次に何が出てくるのか分からないわくわく感。
ただ、中身がゲテモノだったりクマの着ぐるみを着たエイリアンだったりするだけでアートだけどアートじゃない。演劇だけど演劇じゃない。
好き嫌いはハッキリわかれそうです。
歌やダンスがちょっと長く感じたので(完成度は高かったですが)短く色んな場面で散りばめた方が良かったんじゃないかと思います。
ミキ役の高畑亜美さんの芝居?オーラ?を持っててなんだか目を奪われてしまいました。
ネタバレBOX
言葉遊びが面白くて随所で笑える。
ただ同じ感じでめまぐるしく場面が変わるのでストーリーを把握しようとすると意味が分からない〜!となってしまうのだと思います。
理論的に理解する人よりもノリで見られる人の方が楽しめます。
感性に訴えかける、というかなんでも受け入れられる子供の方が面白く感じるのではないかな。
りんごのくだりも怒る人はいると思うけど、見方を変えたら同調する人もいる。最後の目黒さんのコンテンポラリーでもないニュージャンルっぽいダンスも美しかった。
ちょっと長かったけど。
ミキの言葉で「忘れたいよ。人は忘れて生きていく…」みたいな台詞に泣いてしまった。
ミキが欲しがってた切れないカミソリはもう切りたくないって思いからじゃないのかななんて思いました。
マクベス Macbeth
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/12/08 (日) ~ 2013/12/29 (日)公演終了
満足度★★★★
遊び心
観客参加型。これが演劇空間をつくることなのか!ときかれたら違うと思うけど。遊び心満載で、ドリフの全員集合かよ!的な突っ込みもしたくなりました。でもね面白かった。自分も参加するんだと思うとドキドキしました。
KUDAN ~この地球(ほし)の汚れた片隅で生まれた命~☆無事終演致しました。ご来場ありがとうございました!☆
TOKYOハンバーグ
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
新たな舞台に感動!
オープニングから心を掴まれてラストまで一瞬とも目が離せなかった。ただ生きたいと願う牛達、勝手な都合で処分しようとする人間、牛達の心情を歌と踊りで表現、圧巻だった。ラストは涙なくしては見れなかった。この難しい内容を見事に舞台でやりきった素晴らしい劇団、次はどんなのをみせてもらえるか楽しみ。
治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
逃げない
天皇という運命から最後まで「逃げなかった」大正天皇、彼を支える皇后節子、そして有栖川宮はじめとする周りの人々に、大いに泣かされ、考えさせられました。
登場人物全員に芯があり揺らぎがないので、全ての人物に好感をもてました。どの立場もとてもよくわかる。脚本素晴らしいです。
描かれる三代の天皇が事実とは思わない(そう思わせそうなところには恐れも感じる)けれど、フィクションして『天皇とは何か』を見る者に問いかける優れた芝居だったと思います。
また、ひとりの人間として『いかに生きるか』ということにも答え(suggestion?)をもらった気がします。
西尾さんは「熱狂」の時からファンですが、今回も、とてもとても良かったです。(言葉が見つかりません)
そして、他の役者の皆さんも、みんな「その役そのもの」に見えました。
明治天皇も、昭和天皇も、大隈重信も。
中でも松本紀保さん演じる皇后節子の品格と優美さ、皇室の女性そのものでした。声、表情、立ち姿、全てが洗練されていました。紅一点、芝居の要。
上手く言えないのですが、心うたれました。感動しました。
良いお芝居をありがとうございます。
ネタバレBOX
大正天皇と四竃の軍艦行進曲の場面では、涙だけじゃなく鼻水まで出ました。ほぼ号泣です。岡本さんの歌、素晴らしかったです。
最後の君が代と天皇陛下万歳!では鳥肌が立ちました。「熱狂」のラストと近い気持ちで。
大隈重信が大正天皇に言った「自分で作った神棚を拝む者はいない」の話は興味深かったです。あれは元ネタがあるのでしょうか。
今、書きながら松方弘樹の名台詞「神輿が勝手に歩けるいうなら歩いてみいや」を思い出しました。←絶対違う(爆)
すみません。最後の一文はふざけましたが、本当に良い芝居でした。
ストレンジ・ジャーニー
サムゴーギャットモンテイプ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
人生はストレンジ・ジャーニー
題名が英語の理由が分かりました。
ネタバレBOX
おばあちゃんが亡くなって田舎に帰ったときのことを思い出しているって感じの話。
お姉ちゃんは英語ばっかりしゃべっているし、おじいちゃんはお昼過ぎの時代劇の再放送に出て来るお侍と親しくなっているし、でもこれは傍から見るとボケたようにしか見えないのが可哀想。
海外勤務の多かったお父さんにはタイに若い愛人がいるのが分かって、お母さんはお父さんときちんと話し合って離婚を決めそうになったけど、おじいちゃんがお侍と一緒に出掛けてしまったために、人はこれを徘徊と呼ぶのですが、そんな騒動に紛れて離婚話はウヤムヤになってしまったのでしたみたいな。
お姉ちゃんは本当に英語ばかりだし、本物のお侍は出て来るし、斬新でした。
それにしても、オリンピックもあるし、英会話ぐらいできないとお芝居が観られない時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。
いいこともあれば悪いこともあるとお母さんが言う人生。長男の人生の切り売りみたいなお芝居、面白かったですが次回が大変だと思いました。
治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
なぜ今「大正天皇」か
文句無しに今年のベスト3に入る作品。
大正天皇の皇后を狂言回しに3代の天皇が描かれる構成、
厳選された台詞、例によって役が憑依したかのような隙の無い演技、
大きな世界観を持ちながら繊細な感情を丁寧に掬う演出、全てが素晴らしい。
なぜ今「大正天皇」なのかと思っていたが、その答えがあまりに鮮やかに示されて
自分の知識の無さに打ちのめされつつ劇場を後にした。
登場人物一人ひとりの誠実さや無念さが押し寄せて、まだ冷静になれない。
政治的なことより、大正天皇という人物に寄り添ってみたいという
何か作者の温かい気持ちが作品にあふれているのを感じる。
ネタバレBOX
劇場に入ると踏んでいいのかどうか一瞬ためらうような
赤いじゅうたんがひとすじ敷かれており、
その先は舞台下手側、3段ほど上がった所にしつらえた玉座に続いている。
ドレープを寄せた厚いカーテンが下がるだけのシンプルな舞台。
厳かな光に玉座が浮び上る。
冒頭ここに座るのは明治天皇(谷仲恵輔)である。
天皇は畏怖されるべき存在で人情など不要、と説く明治天皇にとって
純粋で優しい大正天皇は“資質が及ばない、その次の天皇までのつなぎ”と映る。
大正天皇(西尾友樹)の進取の気性を愛し、彼を支える有栖川宮(菊池豪)、
四竈(岡本篤)、首相の原敬(青木柳葉魚)たち。
そして皇后節子(松本紀保)は最後まで彼を敬い、寄り添う。
しかし時の政治家牧野(金成均)、大隈(佐瀬弘幸)らは大正天皇の能力を認めながらも、
今この国に必要なのは先帝、明治天皇が唱えた天皇像だという考えに傾いていく。
そして生来病弱だった大正天皇が脳病を患ったのを機に一気にその動きは加速、
大正天皇の意思を無視して皇太子ヒロヒト(浅井伸治)が
摂政(天皇に成り変わって公務を取り行う役職)となることを強行する。
やがて時代は「殖産興業」「富国強兵」という
明治のスローガンが復活したかのように転がり始める…。
「治天ノ君」がフィクションであることを踏まえながらも
史実の行間をよくぞここまで豊かに創造したと感嘆する。
誰ひとりとして無駄な台詞はなく、責任ある立場とそれ相応の複雑な心理を抱えている。
中でも大正天皇の何と魅力的な人間像だろう。
結婚の際、皇后節子に「仲の良い夫婦とはどのようなものか」と問い
「一緒に笑い、一緒に泣き、一緒に怒る」ものと聞いてその通りにしようと答える。
大正天皇が明治天皇に向かって言う
「わたくしは不詳の息子でありますが、たゆまず努力します」
という言葉は「父と呼ぶな」と言われて育った孤独な人生そのものだ。
奢らず人に教えを請い、素直に人の意見に耳を傾ける大正天皇は
現在の“新しい皇室”を先取りするかのような人物として描かれている。
一握りの閣僚が「自分が泥をかぶっても大日本帝国を導かねばならぬ」などと言うのが
“臣民”にとっていい迷惑であったことは、歴史の結果を見れば明らかだ。
時代の流れと閣僚たちの思惑に翻弄された47年の生涯は
あまりに口惜しく無念の連続であり、それが病の元凶だったのではないかとさえ思う。
その大正天皇を側で見守り続けた皇后節子が、地の文を語るというかたちが秀逸。
節子による「~だった。~なのだ。~であった。」という書き言葉の語りが
硬質な物語に相応しく、冷静に状況を見つめていた彼女のスタンスにも合っている。
摂政となり、さらに喪中にも関わらず明治60年祭を催して
急ぎ“大正時代”を消去しようとする息子ヒロヒトに節子が語りかける。
「あなたは父上を二度葬るおつもりですか」と。
実際の死と、歴史上の死とをめぐる、決定的な親子の決別の場面だ。
決して激せず、常に美しいことばと発音で優雅に話すこの賢明な皇后を演じる
松本紀保さん、単語の最後の響きにまで神経の行き届いた発音と
生来の気品あるたたずまいが素晴らしく、舞台全体をけん引する。
大正天皇を演じた西尾友樹さん、脳病(多分脳いっ血の後遺症とも言われる)を
患ってのちの言語の障害など、難しい表現が痛々しいほど上手い。
皇后との会話など初々しい場面も素晴らしく、のちの悲劇的展開が一層哀しく際立つ。
己を知りつつさだめを受け入れてひたむきに努力する、日本一孤独な男が素晴らしい。
後に侍従として仕えた四竈を演じた岡本篤さん、“誠実”と言う言葉が似合いすぎ。
不自由な口で軍歌を歌う大正天皇に合わせて歌うところ、思い出しても涙がこぼれる。
これほど万感の思いがこもったお辞儀を、久しぶりに見た気がする。
明治天皇役の谷仲恵輔さん、これまで拝見したどの舞台よりも(と言っても4~5回だけど)
その声がコントロールされ、役と台詞に活かされていたと思う。
あの時代を象徴する素晴らしい明治天皇だった。
立ち姿、お辞儀をはじめ全ての人の所作が美しく、重厚な舞台だった。
「現人神」だの「天皇機関説」だの「象徴」だのと様々に言われて来たが
結局はその時々よって“利用法”が変わってきたということなのだろう。
現人神をも利用して国を動かす、げに政治家とは怖ろしく野蛮な人種だ。
「アベノミクス」とか言ってケムに巻かれていると、いつのまにか
「ウミノモクズ」となってしまいそうな気がする。
くり返す歴史の辻に立って、演劇の力というものを考える時
必ず思い出す1本になるであろう舞台だった。
制作に関わる全ての人々に感謝と敬意を表したいと思う。
ありがとうございました。
カルネ・ウァレ
朋澤精肉店
d-倉庫(東京都)
2013/12/19 (木) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
満足度★★★★
カーニバルの本義
カルネ・ウァレの原初的な形態の持つ始原の人間の持つカオスを舞台化して見せた。その表象の形に衝撃的なシーンを含む、興味深い公演であった。(追記2014.1.1)
ネタバレBOX
先ずは祭壇のように設えられた舞台に先生と名付けられた者が目隠しをされ後ろ手に縛られた姿で導かれ、その内包を知る由もない女性徒達の前で己の哲学を述べた後、犠牲の羊よろしく寄って集って刺され死ぬ。ここで重要なことは死と哲学が接していることである。また、意味する所が未だ分からないにせよ生徒達は哲学の産まれてくる場所即ち死を臨む場所に居たことだ。彼女達の過ちは、見ていた者総てが殺戮に参加してしまったことだ。この間違いが後の総ての錯誤・錯乱に通じて行く。結果、異相の者を呼び込み終には、安定層に在った己の世界を混沌層に投げ込んでしまうのだ。以降、この混沌層が世界を呑む。その「形」は奇妙で各々は混沌の中に定規を置こうともがく。もがけばもがくほど深みに嵌ってゆく。丁度、蟻地獄に落ちた蟻そのものだ。そして深みに嵌れば嵌る程、彼女らは、定規によって自らをも他者をも縛ろうとするのである。そして自らの欠点より他者のアラの方がよく目につくものだ。状況は混沌そのものであるのに、状況を無視して各自が其々他人のアラを見付けることによって他者を否定してゆく。一方の極にあるのは無限の自己保存本能である。従って理屈は以下のようになる。自己保存本能によって生きようとする自分は正しく、他者には悪いことしか見ない。こうなれば後はもう狩る者だけが存在する。こうして人々は一人一人が他者を血祭りにあげる存在として機能してゆく、一切の状況を顧慮することもなく何故他者を狩るのかも問わず。
興味深いのは、世の中が乱れるとファシズムの温床になり、ファシズムが蔓延すると規制が強くなる。その規制によって人々は、理性の保ってきた安定や平和を自ら壊して、喜々として戦いに赴くという歴史的事実である。カルネ ウァレの原初の形が生まれたのは遥かな昔だが、ヒトに進歩はあったのだろうか? 人類等という総称を簡単に用い得るほど、人々は互いに手を繋いでいるのだろうか? このように問い掛けた時、この作品が持つ黝いユーモアが働きだす。
治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
自分のありかたを求め続けた者の姿
人物設定がやや単純化されている感はあるものの、己の定めから逃げず天皇としてのあるべき自分のありようを常に真摯に求め続けることに努めた大正天皇をはじめとして登場人物たちが皆独自の思いや考えを持ち自身と向き合うひたむきな姿が印象に残る、情緒性に溢れると同時に格調の高さもうかがえる舞台作品だったと思います。
ネタバレBOX
劇場入り口から中央の玉座へ対角線的にあつらえられた通路は、もちろん役者さんの登退場口にもなっていて演出上も非常に効果的に使われているのですが、それだけでなく、登場人物たちの人生も含めたさまざまなことの道のりを象徴的にあらわしているようにも感じられとても印象的でした。
ライク ドロシー
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2013/11/08 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★
長澤まさみ の魅力、高橋一生の新境地キャラクターのおとぎ話。
「ライクドロシー」ということでオズの魔法使いをヒントに
発想した、おとぎ話。
ドロシー長澤まさみ、かかし高橋一生、ブリキ片桐仁、
ライオン塚地武雅ですね。
ドロシーの3人に対する上からの態度や命令口調が可愛らしくて、
もっと見たかった。
そして、他の芝居では、知性派にまわることが多い高橋一生さんが
疑うことを全く知らない自動車好きのお人よし、という
新境地のキャラクターが、柔らくて、実に味があってよかった!
シダの群れ 第三弾 港の女歌手編
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/11/06 (水) ~ 2013/11/30 (土)公演終了
満足度★★★
シリーズ第3弾!キョン2やさぐれ女歌手,吹越満の小物感もうまい
阿部サダヲ主演やくざシリーズ第3弾!(第2弾は見逃した)
キョン2の場末の女歌手のやさぐれ感と儚い希望が切なくて。
小林薫のやくざ役は、あまりに自然。(あまちゃんコンビやね)
吹越さんの「小物感」は、さすがにうまい。
いっつも思うのですが、やくざの扮装をしたパンフの
岩松さんが一番ハマってる
わかったようなわからないような組の話を背景に、
疑心暗鬼の探り合いが続く中で、突然放たれる拳銃が
効果的。
ネタバレBOX
カーテンコールのあと、全員が、舞台となったバーで
生演奏を聞きながらくつろいでいて、その何人かが踊る
…その雰囲気が本作のキモだったような感じがします。
(ただブレイクダンス?クルクルは違うような気もするが…)
治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
現代の時代状況への強烈な問いかけ!多くの人に観て欲しい作品。
現在の社会状況に、この作品の問いかける意味は大きい。
現首相は「美しい国」「日本を取り戻す」と声高に叫んでいるが、
そこでイメージされているのは、「強い日本」のイメージ。
まさに戦前「明治の日本」であり、「昭和の日本」の姿だ。
その間に挟まれた大正時代。
それは、大正デモクラシーや大正ロマンに代表されるように、
ほんの一時自由が花咲きかけた時代だった。
その時代の天皇の話。
作品から、大正天皇が、大正時代が、歴史から消され、忘れられた理由が見えてくる。
「取り戻す」べきは、明治や昭和の「強い日本」ではなく、弱くても自由な大正の気風なのではないか。
作品のラストでは、目の前の芝居が、今現在の社会状況とぴたりと重なって見えた。
私は作り事の芝居を観ているのではなかった。社会の中で自分が置かれている状況そのものを自覚させられていたのだ。こんな感覚を覚えた舞台は初めてだ。
ブレヒトのような演出(異化効果など)がなされていた訳ではないが、ブレヒトが叙事的演劇として観客に感じさせたかったものは、私がこの作品のラストで感じたものなのだろう。
理屈では分かっていたが、初めてそれを体感した。
*箇条書きのように書きなぐっているので、後日整える予定。
ネタバレBOX
私は大正天皇についての知識がないので、
大正天皇がこの物語のような人物だったのかどうかは検証できない。
ただ、観客の姿勢としては、大正天皇が本当に善人だったのか、大正という時代が本当に自由なだけだったのかなど、この作品で描かれているものを史実としては信じ込まないという留意は必要だろう。
視点を変えて歴史を見れば、明治から昭和へと続く発展過程の一段階として大正を捉えることも当然できるのだから。
それでも、そもそもこれは創作物語でり、事実がどうであったかよりも、
この作品で劇団チョコレートケーキが問いかけようとしている内容にこそ意味がある。
これは、過去を扱いつつも、現在を問うている作品なのだ。
この物語の中で、天皇は、体が弱いが、自由を愛し、権威を振りかざすことのない、心優しい人物として描かれる。
それは、強さと威厳を誇る父:明治天皇や、父と同じ資質を持つ息子:昭和天皇とは全く異なる資質のものだった。物語の中では、その天皇の資質が、施政にも影響し、大正時代の自由な気風を作り出したとなっている。
だが、それは天皇の威厳を損なうものにもなりかねない。天皇は臣民には手の届かない神であり、人間であってはいけないのだ。
それでも、原敬などは、その大正天皇の人間性に大いに敬意を持つ。
牧野伸顕も初めはその人間性に惹かれたものの、第一次大戦で多くの国が欧米列強に力で征服させられていった様を見て、日本も強くならねばならない。「自由より力を」という気持ちになっていく。ちょうどその時期に、大正天皇に脳の病気が発症する。そして症状はどんどん悪化し、もはや天皇の威厳は保たれないと牧野は判断し、皇太子裕仁を摂政(実質上の統治者)にしようと考える。だが、大正天皇は承知しない。牧野は皇太子と組んで、大正天皇の脳の病気のことを新聞に発表する。それも、幼少期より脳の病気を患っていたということにし、歴史までおも書き替えてしまう。それは国民の記憶を書き替えることでもある。最終的には、皇太子が「父である大正天皇は摂政になるということを許可した」と言い張り、母皇后から「本当にそれでいいのですね」と釘をさされるも、「それでいいもなにも、陛下が許可したことだ」と言い、摂政に就任する(1921年11月25日)。
その数年後(1926年12月25日)、大正天皇が崩御する。崩御から半年も経たない内に、本来ならば喪に服しているべきなのにも拘わらず、明治60年祭(←正式名称不明)を行う。意図的に大正天皇、大正時代の記憶を消し、明治の「強さ」を昭和で復活させようとしている。(顕著な例は、1927年11月3日に、明治天皇誕生日が明治節として祭日に復帰。その一方で、大正天皇誕生日は平日に。)明治60年祭の直前、昭和天皇裕仁の前に現れた母(元皇后)は「大正天皇を二度殺すことになるのですよ」というようなことを言う。それは、一度生命が死した者を歴史からも抹消するという意味なのか、嘘を付いて摂政になったことを一度目の殺しとし、歴史から葬ることを二度目の殺しと考えているのか、、、いずれにせよ、「歴史からも父を葬り、父や母とは全く違う道を歩むので良いのですね?」という問いかけである。
これは、物語内で昭和天皇が問われていることであるとともに、現代日本社会が(つまり、観客が)、「優しさや自由を捨てて、強い国を本当に目指すのですね」と問われているようにも感じられる。
ラストシーンは、昭和天皇が、大正時代を葬り、昭和時代を踏み出すシーンで終わる。
このシーンが、私には今現在の社会と重なって見えた。単に重なったというだけではない。
舞台を観ながら、昭和天皇の姿を観ながら、自分の置かれている社会状況について考えていた。
「本当に、自由を捨てて、強い国になろうとするのか、この国は?」と。
その入口に、もう私は、私たちは立たされてしまっているのだと。
戦慄を覚えた。
舞台作品を観て、こんな感覚に襲われたのは初めてだ。素晴らしかった。
この時代にこそ必要な表現だ。
他にも印象的だったシーンを書く。
劇中、大隈重信は大正天皇との会話で、「なぜ明治維新が天皇を担ぎ出したかと言えば、欧米から日本を守るため、幕府に代わって日本を統率するには、臣民の誰もが崇める神棚が必要だったからだ。その手段として天皇を利用した。だが、時代が経て天皇を崇めるのが当然という世代の政治家が現れると、天皇を崇めることが目的となり、手段と目的が反転してしまう。つまり、国を統治するために、神棚としての天皇が必要だったのに、天皇制を崇め守ることが目的となり、そのために国民が犠牲になる。」という趣旨のことを言う。まさしくそのように歴史は進んだ。
役者さんたちも本当に素晴らしかった。全員素晴らしいのだが、
特に松本紀保さん(貞明皇后節子役)は、淡々とした演技で、最初はそれほど印象的ではなかったのだが、芝居の最後には、その存在感に圧倒されていた。彼女の静かな振る舞いと、穏やかでありながら、強い信念を持った問いかけが、芝居全体を支配していた。大正天皇を支えた妻であると同時に、芝居を底辺で支えていた演技であり、彼女の言葉こそが、最終的には観客への問いかけにもなっていた。驚くべきことだ。
また、いつも思うが、チョコレートケーキの劇団員、西尾友樹さん、浅井伸治さん、岡本篤さんは特に良い。
西尾さんはヒトラーを演じた時も思ったが、繊細な人物を演じる時の揺らぎのようなものが絶妙だ。
基本的には絶賛なのだが、一つだけもったいないと思ったのは、皇后節子と昭和天皇が話をする時の二人が、親子に見えなかったということ。<『治天ノ君』関連年表>には「節子、昭和天皇裕仁を出産」とあるので、実の親子のようだ。だが、そう見えなかった。史実としても、二人には確執があったようだが、いくらいがみ合っていても、母と子の関係は、愛情であれ、憎悪であれ、もう少し情が見え隠れするような気がする。それが感じられなかったのはもったいなかった。
そうは言っても、作品全体としては、本当に素晴らしかったです。
ありがとうございました。
ファントム・ライセンス
進戯団 夢命クラシックス
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
お初観劇
お初です。動けるメンバーがいることは知っていたが、切れのイイ動きがたっぷりで、殺陣好きとしては嬉しい限り!!会話もテンポ良く、遊び心満載!!多少の荒はあったが、活きのイイ出演者がいっぱい。リラックスして楽しめる作品。次回作もぜひ!!
灰色の蝶
株式会社Legs&Loins
Geki地下Liberty(東京都)
2013/12/17 (火) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
切な痛い
舞台装置が印象的。照明もドラマチックにインパクトを与える。一場にあれだけの人数を使い、それでも飽きさせない。演出の腕の良さを感じた。内容としては一児の母として“切な痛い”。こどもにこんな思いをさせてはいけない。痛みを感じつつ、ラストシーン。終わりではなく、更に続くことにまたまた切な痛い気持ちになった。
サムライカウボーイ
A☆ct Stage
テアトルBONBON(東京都)
2013/12/19 (木) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
満足度★★★
ピストルと日本刀とIT技術で闘う!
エンターテイメントな作品で、理屈抜きで楽しめます! 6時30分スタートで上演時間も出演者も多めの舞台でした。
黒田さんは8割がた出ずっぱりでしたが、なかなか舞台栄えのする容姿の女優さんで本日熱演されてました。適役な印象でした。