第20回BeSeTo演劇祭参加
第20回BeSeTo演劇祭参加
実演鑑賞
アトリエ春風舎(東京都)
2013/11/04 (月) ~ 2013/11/10 (日) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://www.jyuuryoku-note.com/
期間 | 2013/11/04 (月) ~ 2013/11/10 (日) |
---|---|
劇場 | アトリエ春風舎 |
出演 | 瀧腰教寛、立本雄一郎、平井光子、邸木夕佳 |
脚本 | 原作:夏目漱石『三四郎』ほか、脚本:市川タロ(劇作家・「デ」代表) |
演出 | 鹿島将介 |
料金(1枚あたり) |
2,300円 ~ 3,000円 【発売日】 一般前売:2,600円 一般当日:3,000円 学生(前売り、当日共 要学生証):2,300円 ※日時指定・整理番号付・全席自由席 チケット取り扱い: 重力/NoteのWeb予約フォームにご記入ください。 左記の ”チケット取扱いー重力/Note” をクリックしていただくと、予約フォームが表示されます。 (劇団HPにも、チケット予約フォームを記載しております。) もしくはお電話(080ー3750ー1069)で承ります。 なお、BeSeTo演劇祭の全演目をご覧いただけるパスも枚数限定でご用意しております。 料金: BeSeTo全演目パス 16,000円(先行割引は終了しました。要予約) チケット取り扱い:Confetti お問合わせ:BeSeTo演劇祭実行委員会(beseto2013@gmail.com) ※客席数の都合により、BeSeTo全演目パスでの観劇は各ステージにおいて限りがあります。全演目パスでの観劇希望の方はお早めにご予約ください。 ※今回はこりっちのチケット予約システムを使用しておりません。 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 11月4日(月)19:30 11月5日(火)19:30 ★ 11月6日(水)15:00 ★ 11月7日(木)19:30 ★ 11月8日(金)15:00/19:30 ★ 11月9日(土)13:00/17:00 11月10日(日)15:00 ※★の回はポストトークを予定しております。詳細は後日お知らせいたします。 |
説明 | 重力/Noteでは、去年から創作を通じて「《神》と《人間》」「《国家》と《個人》」「《わたしたち》と《わたし》」といった題材に向き合ってきました。ここには通奏低音として《近代化》の問題があります。今回、夏目漱石のテクストを取り組むにあたり、『吾輩は猫である』における有名なフレーズ――「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。」に対して、「吾輩は《日本人》である。名前はまだない」と置き換えて展開していくことで、近代化を経ても未だ名づけられていないものや感覚、そして《日本人》自らのアイデンティティを思考する《場》としての演劇を上演します。 —カブトと《平凡》の居心地ー もう随分前になってしまったけれど、お札の肖像にあわせてカブトに折り紙するのが流行っていたことがあった。稽古場でも、流行に付き合いのいい女優が器用な手つきでテキパキと折りたたみ、あっという間にカブト姿の漱石を作ってくれたのだが、どこかキョトンとした眼差しのその姿は、背広やネクタイとのアンバランスさとあいまって、いかにも居心地の悪そうな感じだった。それでいながら、妙に納得するものがあったのを覚えている。 書き記した言葉に触れてもらうことを本分とするのが作家だとすると、漱石と私たちのあいだには、他の作家たちとは大きく事情が異なるものがあるように思う。日本で生きていくなかで、「必ず読む機会を用意されている作家」という意味では、長らく国語の授業の中で取りあげられてきた漱石は、誰もが一度は読む作家だった。また日常生活において、最も取引される銀行券の肖像としても強い印象を残しているということからも、私たちが毎日顔をつきあわせてきた作家と言ってもいいのかもしれない。 寺山修司が噂話によって実像が拡散していった作家だとすると、漱石は教育や通貨といったシステムによって実像が空洞化されてきた作家じゃないだろうか。フェルナンド・ペソアも母国ポルトガルで同じ憂目にあっているが、作家にとっての死後の栄光というものには、マスコット化されて愛でられる一方、その精神が宿っている言葉それ自体からは人々が遠ざかっていくという皮肉が伴われるらしい。ここには《国家》と《個人》、それらを仲介している《社会》との結びつきをめぐる皮肉なドラマがある。 それにしても私たちは、一体何を漱石という存在に依託してきたのだろうか。最近では教科書から外れることもあるようで、漱石が千円札であった記憶も次第に遠のいてきた。近代以降の日本人が、常に漱石の言葉を傍らに置き続けた意味について、そろそろ考えてみたいと思っている。《平凡》と感じるくらいの距離感にあるものほど、最も根深い問いを抱え込んでいるはず。出る杭を打ってきた日本においては、尚更。 鹿島 将介 <夏目漱石 Souseki Natsume 1867〜1916> 日本の小説家・評論家・英文学者。江戸・牛込馬場下横町出身。本名は金之助、俳号を愚陀仏とした。名主として知られた夏目家に生まれるもすぐに里子に出され、姉に連れ戻されたものの塩原家に養子に出される。養父母の離婚により9歳から夏目家で育つことになるが、復籍したのは21歳だった。帝国大学英文科を卒業後、松山や熊本での教員生活を経て33歳の時にイギリスへ官費留学。しばらくして神経衰弱になるとともに下宿を転々とし、「漱石発狂か」と噂されるなか帰国。小泉八雲の後任として東京帝大で教鞭を取るも不評。同時期に勤めた第一高等学校では、漱石に叱責を受けた数日後に華厳の滝で自殺する生徒がいたりと、再び神経衰弱に陥る。高浜虚子の勧めで精神の治療がてら『吾輩は猫である』を執筆。続く作品群も好評を得たことで一躍人気作家へ。1907年には教授職を断って朝日新聞社専属の作家になった。「修善寺の大患」以降は、死を意識するようになる。一方で多くの門下生を世話し、彼らを意識して書かれた作品も多い。活動期間は約10年間、日本語が近代化されていくプロセスを体現した。代表作に『坊っちゃん』『三四郎』『こゝろ』、絶筆に『明暗』など。旧千円札に肖像があったのは記憶に新しい。 |
その他注意事項 | ※上演時間 75分(予定) ※英語案内付き ※受付開始は開演の30分前、開場は15分前を予定しております ※未就学児童はご入場いただけません。 |
スタッフ | 原作:夏目漱石『三四郎』ほか 戯曲:市川タロ(劇作家・『デ』代表) 構成・演出:鹿島将介 舞台美術:深代 満久 衣裳:富永 美夏 演出助手:永井 彩子 照明:安藤 直美 宣伝美術:青木 祐輔 ドラマトウルグ:佐々木 琢 制作:本多 萌恵 共催:第20回BeSeTo演劇祭実行委員会 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 後援:新宿区 協力:夏山オフィス アトリエ春風舎 主催:重力/Note |
もっと読む