満足度★★★★★
吉田小夏の世界
頭の中がぐるぐるしていて、まだ整理できていない。エンディングで目頭が熱くなったのは確かだ。
役も性別も入れ替わりながら、7人の役者が演じる ひとりの女 ななこの7歳から77歳までの人生、それを取り巻く人々。舞台装置はたった7脚の椅子。先日、東京芸術劇場という豪華なホールでNODA MAPの"MIWA"(美輪明宏の半生)を観た。主演が宮沢りえ、男女裏キャラは古田新太、恋人役は若手の演技派 瑛太。豪華な配役陣で演じた芝居より、心に響いたのはなんでだろう。
7人の役者が10年ごとに演じ分けていたななこは、声も姿も動きも美しい宮沢りえより存在感を感じた。左高博海が演じた女ななこのケレン味のない素直な爽やかさは、古田新太では絶対に出せない味。聞けば、ようやく訛りを克服したばかりの18歳。平田理奈が演じた恋人役 ナナセ君は瑛太より魅力的だった。宝塚の男役のようなカッコ良さ。ビジュアルも含めて期待大。
基礎訓練を始めたばかりの発展途上の役者でも、これほど魅せる舞台を構成できるとは。吉田小夏の力に感服。彼女のキラキラした清涼感のある舞台大好きです。真っ白は何色にも染まる。確かに。恐れ入りました。Fly me to the moonがオープニングでしたね。そしてエンディングは。楽しみました。