最新の観てきた!クチコミ一覧

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デカレオン伝説

デカレオン伝説

チームホッシーナ

APOCシアター(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

無題983(14-022)
19:30の回(曇)18:48会場着、受付(チケットレス)、19:04開場、階段を上がるとそこでは...ドアが閉まっていたので開けて、開ければ当然スタッフがいて...何事もなかったような目と合うが、お客さんが自分で開けて入るシステムなの?と言いたくなってしまう...ちゃんと準備していたようには思えず。

入って、手前3列、奥2列の対面式、奥の右側は多少見切れるようです(スタッフの方の案内あり)、奥に座ります。左右の高い位置に白いスクリーン、舞台真ん中に小さなテーブルと椅子(2脚)、上手に「ドア(だけ)」、下手にはコートハンガー。

こちらは初めて、当パンをみると3名の役者さん、いろいろな作品に出ていらしたそうで、谷内さんは劇団四季にも。

19:30前説(2階からアナウンス、90分)、19:35開演~21:01終演。2つの思い違いを織り込みながら、絡まってしまった糸を解きほぐしてゆくような展開でした。

これはたまたまなのでしょうが、隣に座った女性の方、観劇中、ガムを噛み続けていて上手を向くとどうしても視界に入って…時々、ごくりと飲み込む(ガムじゃないですよ)音が聞こえてくるのでした。明るい舞台、音楽はなく、客席もシンとしているので気になってしまいました。

ネタバレBOX

「レオン(雑誌)」「レオン(映画)」を混在させているのはなんとなくわかったのですが「映画」の方はビデオで観ただけで殆ど覚えていないのでした(なんで観葉植物かもわからず…)。また、「清掃業者」の社員(町田/マチルダ)、派遣、アルバイトという設定は「ニキータ」の掃除屋にも関係ありそうですがこちらは未見。ベッソンを好きな方ならそんな設定も楽しめそうです。

ジャン・レノは「グラン・ブルー」「GODZILLA」くらいで、ナタリー・ポートマンは「スター・ウォーズ」、ゲイリー・オールドマンは「ダークナイト」あたりを観ました。

もう一つのアルバイト(男)と社員(女)の関係、明らかになるまでかなり引っ張っていましたが、ちょいと長すぎるように感じてしまいましたし、実の姉弟だとわかってからもなかなか仲違いの理由がはっきりせず、そこにある深い溝を埋めてゆくはずの後半の盛り上がりが欠けていました(個人的な感想です)。

場転のときに両サイドのスクリーンに映像がでてくるのですが、「本編とは関係ありません」でした。映像で何をしようとしたのか(ないと困るもの)だったのかわかりませんでした…オープニングのドアを開けて…はよかったです。

せっかくベースをアンプにつないだのにもったいない、たくさん練習したことになっていたのでは?
「Reverse Historica」 リバース・ヒストリカ

「Reverse Historica」 リバース・ヒストリカ

BIG MOUTH CHICKEN

サンモールスタジオ(東京都)

2014/01/30 (木) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

「ゆとり世代」へ対する偏見とコンプレックス






こう記すと、誤解してしまう方もいるが、「演劇のパッケージ」を提供されたように感じた。


戦国時代の織田信長や明智光秀といった武将が憑依という形で現代にタイムスリップする話である。現代人の口からは、「浜田幸一」や「三宅久之」といった故人、果ては「田原総一郎」さえ出てくる。

この舞台は何度も上演され続けた脚本を元に造られているが、特に演出家の意図として、「現代の日本政治」への捨てきれない意欲が見え隠れし、観客も それを期待した。しかし、なぜか政治評論家や政治討論番組のワードが飛び交うだけであり、そこに意味が存在したのか疑問である。


戦国時代の争いから、現代政治の混迷を描くアプローチも有りだっ
たはずだが、それでも今回の まとまった演劇を観ると不必要だったかもしれない。殺陣シーンも、不安なく見届けることができた。
晴天の日の観覧車である。


那珂村たかこが「泣く子も黙る」織田信長を雄々しく演じた姿は本当の憑依だった。日本・インドネシア共同合作映画『キラーズ』(2014年)主演を務めた北村一輝氏は、「野村(主人公の元外資系ビジネスマン)になりきっていた」と述べたが、演じるとは何であるか 洞察させる威厳だった。
沖田桃果の萌え機関車、大門与作のお笑い休憩空間、今若孝浩の肉体スライムは 『リバース・ヒストリカ』の歴史を塗り替える。


私たちは、「昔の人」を特殊なレンズを通してしか観察していない。もし、「自分の祖先」を思い浮かべれば、その人物像も変化する。
横田庄一さんはブラウン管を観て名言を残しただろうか。「あれ、中に人がいるぞ!」と。
織田信長も、きっと、一日経過すればスマートフォンを使いこなし、減税の訴えをYouTubeに投稿。
そして二日後には、政治を諦め、名古屋市内のアイススケート場を滑っていることだろう。










やみらみっちゃ

やみらみっちゃ

熱帯

駅前劇場(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

二葉亭四迷について教えられました
二葉亭四迷の波瀾万丈?の人生を描いた芝居でした。

視点がね。外側からの視点で。二葉亭四迷がどうした、こうしたが、描かれるわけだけど、視点が外側で、内側からのじゃないような気が。
だから盛り沢山なんだけど、芝居としてみると、物足りないような気も。正直なところ。

いや、でも、すごく面白かったです。

けんかとにおい

けんかとにおい

劇団ジュークスペース

ザ・ポケット(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

関西弁ならでは
5年ぶりの公演なんですか!私は恥ずかしながら初見で、ふとしたことから観ようと思ったので、なんだか縁を感じます。ですから今までのジュークスペースさんは知りませんので、自信を持って、ああ~面白かった!と言えます。「けんかとにおい」というタイトルは見終わると、よけいすてきなタイトルに思えます。家族がみなホンネでどつきあうか、どつき合えるかといえばそうではなく、激しくぶつかり合いながらもにらみ合いながらも添うてきた夫婦、親子、友人。

これ、大阪のいいとこをまんまドラマにしたんじゃないかって、イナカモンの私は考えます。私はテレビや小説での大阪しかしりません。でも私が憧れている大阪そのものの舞台でした。

お互いぶつかりあったあとで、相手じゃなく自分に向かってこぶし固めて「このアホ!」それを繰り返してるその時々の顔に、しんみりしました。

けんかはねえ、相手も痛いけど、言葉のこぶし突き上げた自分はもっと痛い。

でも、そんなけんか、私はなかなかできないなあ。しんみりしながら羨ましくなりました。

REizeNT~霊前って...~

REizeNT~霊前って...~

junkiesista×junkiebros.

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

役者度が上がった!
ダンサーの方たちによるミュージカルですが、以前に比べて格段に役者度がアップしたなぁという感じです。敢えてダンスシーンは少なくして、「コントがやりたい~」というのが伝わってくる舞台でした。平日のマチネで満員の入り。これはキレキレのダンスを期待しての入りなのか、役者、ミュージカルを期待しての入りなのかは判然としませんが、明らかに役者を期待してのファンも増えてきていると思います!

30才になった少年A

30才になった少年A

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2014/01/09 (木) ~ 2014/01/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

芝居の力
前回もよかったが、今回もよかった。
前作を見た劇場関係者?の方が、再演の声かけをしてくれての再演の運びとなった、という話を聞いた。
いい芝居を作るとちゃんと評価されるという当たり前のようでなかなかないことだと思う。
極端な言い方をすると「小劇場の神話」がひとつ増えた、ともいえるんじゃないか。

前回の役者さんたちもとてもよかったけど、今回もしっかり伝わってくる芝居をしてくれた。

いろいろな感想があふれてしまって、「観てきた!」を書くまでえらく時間がかかってしまった。
感じたことを言語化するのがうまくできないので、よい作品を作ったスタッフや役者さんたちにうまく伝えられないのはちょっと悔しい。

やっぱり、意識を触発される芝居(映画でもいいんだが)はいつまでも心に残るなあ。

ネタバレBOX

前作と比較して大きく違ったと思われるのは、主人公は感情の高ぶりやすい気質のままだったこと、宗教的要素が含まれていること。
(登場人物も増えてるし、設定も多少変わっているしで、ほかにもあるのだが、私が印象的だったのはこの二点である)

主人公が高ぶりやすい気質だった点で、再犯の可能性が見え隠れしてしまうので、見る側の気持ちはさらに複雑になってしまった。
前作だと「過去の罪は関係者はともかくただ、周りにいる人はスルーしていいんじゃないか」と思えたのだけど。
どっちがいい、とは言えないけど、私としてはさらに悩みの種が増えてしまった。

ラストの「歓喜の歌」の使い方はよかったと思う。
私はこの歌を聞くことでキリストは罪を許すために生まれ十字架にかけられたことを思い出した。
許すことの是非は一概に言えないけど罪を裁くのは隣人がせんでもいいんじゃないか、と思った。
私は身内を犯罪によって傷つけられた経験があるので、犯罪者に対して寛容になるのは難しいが、それでも多分私は石を投げることはしないと思う。
ろりえの鬼

ろりえの鬼

ろりえ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/02/03 (月)公演終了

イメージと違った
今回初めて観劇する劇団さん。
開場後、会場の中に入ると、舞台上には不気味な形の「モノ」や大きな目玉がギョロリ。
客入れBGMとして液体が沸騰するような音が続き、時折子供の声でかくれんぼなどの歌声が入る。
舞台の造りは工夫している。舞台上手側の奈落、奥の扉をエレベーターやアパートの扉に見立てるなど。その時々の照明の使い方も良い。

ネタバレBOX

「鬼」って、若い方々が強調の意味で使う「オニ」だったんですね。
そう私は理解したのだが、そうしたら、舞台上のグロテスクなモノたちや客入れBGMって何だったのかと問いたい。そこにあるのは目玉でなくても良かったはずだ。
鬼ってタイトルにしちゃったから、でも脚本上がってみたら全然鬼っぽくなくて、ちょっとでも鬼らしさを残しておかないといけないかな、みたいな感じがして、がっかり。

嵐ネタや、寺山修司ネタは、これが前評判の「ろりえらしさ」なのかな?あのツッコミにあれだけの観客が笑った所をみると、やはり観客は演劇ファンが多いとみえる。
もちろん私も笑わせて頂けた。

過去と現在を行ったりきたりしながら物語は進む。
しかし、混乱はしない。

娘が母を殴ったことが原因で、母が娘のことだけをすっぽり忘れてしまったことは、娘にとって成長できる良い機会だったのかもしれない。
でも、うーん(-_- )……ちょっと有り得ない設定が多すぎて、入り込めなかったかな。
上田ダイゴ×泉寛介(baghdad cafe')トークライブ

上田ダイゴ×泉寛介(baghdad cafe')トークライブ

上田ダイゴトークライブ

ク・ビレ邸(大阪府)

2014/01/28 (火) ~ 2014/01/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

爆笑!!
普段の泉さんを知らない人は、バグのイメージだけでいらっしゃった方が、もしkたとしたら、とんでもない衝撃が走ったことでしょう。
いや~、おもしろかった!!
正直、相方をとっかえひっかえしてきたこのトークライブシリーズ中、今井さんに次ぐおもしろさ!
この人、作演なんですけどねぇ、芸人顔負けな腕前やった(笑)

各方面から期待をされ・・・いや、恐れられていた、ぶっこみトークはいっさいなし。
エロトークも、ごくごく、ごくごく、薄く控えめ。
主に、自身の身を切り笑いをとる、笑いとしては正統派。
しつこいようですが、作演とは思えない、サラリーマンとは思えない、笑いへの貪欲さがサイコーでした☆

次回の相方は、二朗松田さん。
次も楽しみだ!!

ネタバレBOX

泉さんのパブリックイメージとしましては、基本やはりエロ、変態が挙げられる。
いや、これも一部地域のことでか(笑)
わたし個人のイメージとしましては、とかく居心地の良い人、とても頭が良くて話しやすい人。
今回のトークライブで、そこに、思った以上に適当、思った以上に天然、という印象が加わりました(笑)

このライブで確立した持ちネタ、「山根」。
隣に山根となる人がいないと成り立たないという弱点があるので、その山根の役割は主にバグ3代目主宰が負うことになるのでしょうね☆
地獄篇 ―賽の河原―

地獄篇 ―賽の河原―

鬼の居ぬ間に

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/01/23 (木) ~ 2014/01/27 (月)公演終了

満足度★★★★

雰囲気に圧巻
最初から最後まで徹底して不気味で暗くて重くて怖い雰囲気に圧巻されました。
同じ間取りの部屋、という設定で舞台上を一部屋にも二部屋にも見せる演出は良かったです。
ただ、怒鳴り声を上げる場面が多かったのが気になりました。

ネタバレBOX

最後、我が子を取られまいと泣き声を出さぬよう口を塞いだりと必死なのは分かりますが、赤ちゃんを叩きますでしょうか…ほんの一瞬の出来事ですが、最後の大事な場面だけに気になってしまいました。
それ後、殺されるのをただ見てるだけの棒立ちにも違和感がありました。
黎明浪漫譚-れいめいロマンティック-

黎明浪漫譚-れいめいロマンティック-

エムキチビート

吉祥寺シアター(東京都)

2014/01/07 (火) ~ 2014/01/12 (日)公演終了

満足度★★★★

芝居としての面白さに概ね満足
父が脳卒中(?)で倒れたとの報を受け急遽帰省した男が夜明けまでに幻想と現実を往き来して見たものは?な物語、ある男の半生を芯にした家族の物語にして力作。
最初は複数の流れが「千年女優」よろしくモーフィングのようにシームレスに変容して面喰らうも次第にそれらの関係性が見えてくるのが快感で、全てを明らかにした後に訪れる結末にも納得。
関係者のツイートに「泣けた」的なものが多く、実際客席にも涙をぬぐっているお客さんが複数いらしたが、σ(^-^)は(家族ものに弱いのに)ストーリーでは泣けず。がしかしむしろそんな手法?構造?…芝居としての面白さに惹かれて概ね満足。
ただ、2人のソラオの台詞をズラす演出(?)は不揃いの群読とともに聞き取り難いのが残念。
また、プロジェクションマッピングもどきに装置に画像を投影することが何度かあったが、元の画像が小さいだけにデジタルの「ブロック」が見えてしまうのは何だかなぁ。
一方、「さっきのアレがここにつながるのか!」という一般的な伏線とは逆に「あぁ、これがさっきのアレの理由なのか!」という「逆伏線」がいくつかあったのが面白い(ネタバレBOXに具体例)。
さらに、衣装なども含めて野田秀樹風味が漂い、重松清フレーバーも感じられてニヤリ。

ネタバレBOX

「逆伏線」の例
1)工場長がチャーリーと名乗ったことに対して「チャーリーは主人公の名であり工場長ではない」と突っ込まれるが、後でソラオが「チャーリー“の”チョコレート工場」と覚え間違っていた
2)序盤でソラオが仲間に「コイバナもした仲じゃないか」的なことを言ってキョトンとされるが、後半の若きソラオのシーンでコイバナをしている
初春歌舞伎公演「三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)」

初春歌舞伎公演「三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)」

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2014/01/03 (金) ~ 2014/01/27 (月)公演終了

満足度★★★★

復活通し狂言の意義を感じさせた力作
国立も正月らしい繭玉が飾られ、華やいだ初春公演。

国立劇場の文芸研究会による復活通し狂言はいつも楽しみだが本年は午年にちなみ、面白い作品がかかった。

辰岡万作という狂言作者も私は「馬切」以外知らなかった。

現代の新作歌舞伎ではなく、こういう作品を掘り起こし脚本を研究するのは、一から新作を作るのと同じ労力がいるが国立劇場だからこそできる大事な仕事。
橋下大阪市長などは、そういう点を理解していないのが歯がゆい。

尾上菊五郎を座頭に、中村時蔵が立女形、若女形と二枚目を兼ねる菊之助、二役の尾上松緑、坂東彦三郎はじめ山崎屋や橘屋など羽左衛門のところの三兄弟と息子たちがそろう。

伸び盛りの尾上松也の若衆ぶりもみずみずしい。

今回は五幕物にまとめてあるが、原作は8幕もあり、お家騒動も今回は二派対立だが、原作は三派対立だという。

江戸時代の芝居の筋は本当に複雑だったのだなぁと感心する。

現代では江戸時代の通し狂言を原作に近い形で堪能するのはまず不可能である。

そう思うと、少しさびしい。

本作は文楽でも上演できる作品ではないかと思う。

せっかくの暗転からの幕開きに隣の中高年男性がぎりぎりに着座してメールチェックをやめず、明かりが気になっていらいらした。

おまけに幕切れの手ぬぐい撒きでは、私の靴の上に落ちた手ぬぐいを体当たりでぶんどる。

こういう無粋で行儀の悪い自分勝手な客が近頃増えてきてうんざりする。



ネタバレBOX

幕開きがまるで天竺徳兵衛や国姓爺合戦みたいに異国高麗の浜辺。

菊之助は、高麗の照菊皇女と立ち役の大工与四郎を替わるが、照菊が、やつしのやとな、使者の菊の前や傾城に化けるので女形だけでも4変化。菊五郎一座のこの正月公演が毎年いろいろ冒険できるのも、菊之助の存在が大きい。

菊五郎の信孝は松平長七郎の見立てだが、鷹揚な若殿ぶりがこの人らしい。

馬切の立ち回りは菊五郎劇団らしく楽しませる。

松緑は実悪の勝重と双子の弟で実直な田郎助と正反対の二役を替わる。

時代物の台詞がこの人の課題だが、時蔵を女房役にしてもつり合いがとれる役者になってきた。

新作(かきもの)にせよ、古典にせよ、世話物のほうが似合う気がする。

時蔵は武家の女房の性根を見せる浅葱の石持の衣装になってからがいい。

亀三郎が敵役を手堅く演じられるようになり成長した。

釣り天井の仕掛けや、二階を使った二人腹切りなど趣向を凝らした舞台装置で楽しませる。

しばらく見なかった市村竹松は学業に専念したそうで昨年大学卒業して舞台復帰したとか。この年頃だったころの父親の萬次郎そっくりで驚いた。

萬次郎は町内の女房おしげで昔の菊次郎のような役どころをやるようになった。

権十郎が今年還暦で、私と誕生日が近く、お互い20になったばかりのときに話したあれからもう40年がたったのかと感慨深い。

本当は萬次郎が大学に行きたかったが、羽左衛門の意をくんで断念したと権十郎から聞いたが、竹松君はお父さんの果たせなかった大学生活を送れたのだなぁと思ったりして、役者と一緒に年を取るのも歌舞伎の楽しさかもしれない。




けんかとにおい

けんかとにおい

劇団ジュークスペース

ザ・ポケット(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

昭和テイスト
特段新しくもなく普通、何も変わらずでした。

ネタバレBOX

妻を亡くし、ボーッとしてきた父親を引き取ろうと、実家の引越し準備を始める娘一家ですが、そこには思惑があってという話。

引越し準備の過程でキーアイテムが出て来ると、それにまつわる過去のエピソードが披瀝されるという感じで進行。

武藤晃子さんが今の大人時代と子供の頃を演じ分けて、美味しいところを持っていった感がありました。

夫婦喧嘩の外観で、家庭の深刻度を察した娘の長男はお見事でした。

エピソードを思い出すに連れ、思い出の詰まった家であることが再認識され、いったんは父親の了解を得られたものの、実家を売っ払って夫の会社の運転資金に充てるという娘の目論見は外れました。

その代わりとして、母親がへそくっていた通帳を貸してもらうことになりました。何百万円もあるのかと思いましたが、数十万円程度だったでしょうか。結局は、気持ちだけ受け取って夫婦二人で頑張らなきゃねというようなラストシーンで終わりましたが、資金繰りの逼迫感はその程度で済むようなものではなかったはずです。何も解決されないまま、解決された風に終わらせるのは欺瞞で無責任だと思いました。

ところで、題名のにおいがおならの臭いとは。年寄りのおならはそんなに臭くはないと思うのですが。
女装、男装、冬支度

女装、男装、冬支度

FUKAIPRODUCE羽衣

座・高円寺1(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

羽衣の【女装、男装、冬支度】を観劇。

既に3回ほど紹介しているので今更なのだが、妙ージカルと言われているアングラミュージカルを行う劇団である。

今作は劇場の大きさを生かし、得意のミュージカルのオンパレードで攻めてきた。それも墓場から死体が生き返り、ゾンビミュージカルの始まりである。
だたそれも始まりだけで、それ以降は大傑作の【サロメVSヨナカーン】同様、複数のカップル達の愛液タラタラの愛憎劇である。
毎作ながら大した物語もなく、不倫のカップル、少年少女の恋、キャバ嬢と客、若い恋人などのひとときの出会いと別れを切なく、そして大事な性の営みをも描いているので、見事なまでに登場人物たちの心情に観客は落ちてしまい、涙してしまうのである。
この劇団の表現パターンは毎作事に変わらないのだが、やはり男女の関係性の奥深さに追及しつつ、それをミュージカルに仕立てる辺りは抜群だ。
でも相変わらず下手な構成力と力技、そしてラストの終わり方もさっぱりだが、それすらも許せてしまうほど実力ある劇団だ。

お勧めである。
FLY ME TO THE DREAM 〜夢の欠片の向こう側〜

FLY ME TO THE DREAM 〜夢の欠片の向こう側〜

Succeed Project

六行会ホール(東京都)

2014/01/24 (金) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

よかった!
私はミュージカル好きなので、こういう先が見えてる話もそれでも喜びはある。
大事なのはキャスト皆さんが活き活きしているかどうか。
うん、素敵でした。
特にりんたろうさん、なんて格好良いの!?!?恋しました。
草笛先生、歌が素敵。舞台に現れると一気に締まる!!
ダンスの白い長パンツの女性、、惚れ惚れするほどのダンス力でした。
どうもありがとう!!

有頂天家族

有頂天家族

アトリエ・ダンカン

本多劇場(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

若さ溢れるスピード感
森見登美彦原作、松村武演出の音楽劇。

若くて気力も体力もみなぎる俳優たちを、脂ののったベテラン勢が支え、さらに重くなりすぎない超ベテランという構成で、エネルギー溢れ、スピード感のある、楽しい舞台を見せてくれた

ネタバレBOX

カムカムミニキーナの松村武さんが演出しているので、カムカムミニキーナ的な印象が強い。
すなわち、台詞が早くて膨大だ。

いわゆる「地の文」まで全部読むという方法で、役者はフル回転する。
若い役者とベテランが見事にそれをこなすので、もの凄いスピード感がある。

息抜きする場所がないぐらいに疾走する。

原作もアニメも見てないのだが、キャラクターがとてもはっきりしていてわかりやすい。
「化ける」という設定もあるため、同じ登場人物を別の俳優(しかも男女も違っていたりして)が演じたりするのだが、その切り替えがスピーディなのだが、演出のうまさか、とてもわかりやすい。

主人公が女性(女優)に化けて、そのときの心境を、もとの主人公(男優)が語る、なんていう方法もうまいし、楽しい。

主人公たちは、タヌキであるのだが、タヌキはバジリコFバジオの木下実香さんこと、KINO4TAさんの手によるものである。
なので、少々アクが強い。だからとてもこの舞台に合うのだ。
それぐらいの強烈さがないと、この、いろいろたっぷりな舞台では埋もれてしまうからだ。

全体的に若さがまぶしい。
溌剌としていて気持ちがいい。
やる気が漲っているようだ。

主人公を演じた武田航平さんは、膨大な台詞をこなし、最後までポテンシャルが落ちることなく、がんばっていた。それが爽やかだった。

女優陣がとてもいいのだ。
元タカラジェンヌの樹里咲穂さんの身のこなしはさすが。
佐藤美貴さんの怪しい美しさもいい。
そして、何より、新垣里沙さんがキュートで、身体のキレがよく、歌もいいし台詞もよく通る。
あとで知ったのだが、元モーニング娘。のメンバーだという。
こんな素晴らしい子がいたのかと、驚いた。
このまま舞台に出続けてほしいものだ。

さらに、小手伸也さん、小林至さん(双数姉妹)、成清正紀さん(KAKUTA)の3人の、脂ののったベテラン勢がうまいのだ。
数多くの役を瞬時にこなし、黒子までも、汗だくでフル稼動していく。
役の切り替えのうまさ、それぞれの役割の確かさで、若い俳優たちを支えていた。
彼らがいなければ、この舞台のスピード感は出なかったと思う。

もちろん、久保酎吉さんも確かな演技で舞台を締めていた。超ベテランなのだが、あまり重くなりすぎず、いい塩梅の軽やかさだった。

若くて気力も体力もみなぎる俳優たちを、脂ののったベテラン勢が支え、さらに重くなりすぎない超ベテランという構成で、エネルギー溢れ、スピード感のある、楽しい舞台を見せてくれた。

音楽劇としていて、歌は全部で7曲ぐらい。
どの歌も観客にきちんと届きとてもよかったので、もっと多くてもいいかなというところもある。

タクシーのシーンなど、細かいところを、あえて「人力」で演じさせる演出が、とても演劇っぽくて、いいな、と思った。
役者は大変だと思うが、これがあるから、さらに味わいや奥行きが出たのではないだろうか。

私の行った回は劇場の後ろのほうに空席が目立っていた。
もったいないな、と思った。
劇読み!Vol.5   ご来場ありがとうございました。

劇読み!Vol.5 ご来場ありがとうございました。

劇団劇作家

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/01/22 (水) ~ 2014/01/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

五臓六腑色懺悔を拝見
 何より発想が奇想天外で見事なシナリオ。展開も面白ければ、結末も古代の神話に近いような骨太で普遍性に繋がる物語。(追記2014.1.30)

ネタバレBOX

 演劇は役者の身体を通して表現するが、この作品のテーマが、臓器に依って劇化されている点に注目したい。それも各臓器に一人の役者があてがわれ、恰も独立してでもいるかのような動きを見せるのだ、が各臓器は一人の人間の各々の臓器であり、それが、いがみ合うことによって、この臓器の主である男は昏倒し続けているのである。この諧謔が何とも言えない。殆ど漫画のようなこの諧謔は、然し乍ら、決して諧謔たるに留まらない。その対立が二項を為しているが為に、解決には弁証法が有効である。
 その弁証法を行使するのが、性に己を見失い、夜鷹をして息子を捨てた母である点に、この物語の真骨頂がある。何故なら、非論理の神話・古代的世界を今もその底流に潜ませるこの文化エリアで弁証法を用いる為には、その主体たるべき者は没主体化しなければならないからである。今、彼女の居る所は冥界、主体は朧である。そして、朧に到達する為に曖昧な世界を流離う必要があったのだ。その典型が、色である。一方、色は空に繋がる。色即是空である。更に空が、臓腑を経巡ることに由って経緯の何をも捨て去ることなく腑に落ちたのである。
ご来場ありがとうございました♪~不思議なラヴ・ストーリー

ご来場ありがとうございました♪~不思議なラヴ・ストーリー

ミュージカル座

シアターサンモール(東京都)

2014/01/23 (木) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
やっぱりガーシュウィン・ナンバーは実にいい。前世はコロンブスに、リンカーンに、ガーシュウィンって、ストーリーは噴飯ものであるが、そこはミュージカル、楽しければいいもんね。

世迷言

世迷言

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

(祝)初日!!
いよいよ始まりました!
『無差別』以来で楽しみでした。
ワクワクドキドキの初日。
【色・音・影】
『嗚呼、柿喰う客だわ。』
客電が落ちた瞬間から『柿』独特の世界へ一瞬にして引き込まれます!
難しいかな?と予想していましたがいえいえ。
観終えた後、
何故だか優しい気持ちになれたのは不思議な現象です。
観て損は無し!
さて。
明日はどうなるやら。
乱痴気はいったい!
ワクワクは募ります。

「塔/明るい夜」お蔭さまで連日の満席ありがとうございました。良い再スタートを切ることが出来ました。

「塔/明るい夜」お蔭さまで連日の満席ありがとうございました。良い再スタートを切ることが出来ました。

楽園王

タイニイアリス(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

面白くは感じたが
「塔」
ラストまで来てなんとなくわかった、見えた感じだった。(合う部分があったりなかったりな感じ)
「明るい夜」
どっちがどっちなのか、それとも両方?と思わせながら、不思議な感じで進んでいった。

なかなかには面白かったが、ちょっとわかりにくかったかな。

Fairy Floss

Fairy Floss

私立ルドビコ女学院

上野ストアハウス(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★

見せ方は変わらず
一部、二部構成で間にHRが入る見せ方は変わらずでした。一部はキャラの紹介的なのもあるからかもしれないが、少し話のテンポが悪いように感じた。
二部はそこら辺も落ち着いていたからか、物語をじっくり見てる感がありよかった。
タイムリープという形で、過去のある時点に戻れる設定があり、戻った相手は全てを忘れるようなこと言ってたのに、忘れてないような気がしたのだが、気のせいなのかな?

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