満足度★★★★
芝居としての面白さに概ね満足
父が脳卒中(?)で倒れたとの報を受け急遽帰省した男が夜明けまでに幻想と現実を往き来して見たものは?な物語、ある男の半生を芯にした家族の物語にして力作。
最初は複数の流れが「千年女優」よろしくモーフィングのようにシームレスに変容して面喰らうも次第にそれらの関係性が見えてくるのが快感で、全てを明らかにした後に訪れる結末にも納得。
関係者のツイートに「泣けた」的なものが多く、実際客席にも涙をぬぐっているお客さんが複数いらしたが、σ(^-^)は(家族ものに弱いのに)ストーリーでは泣けず。がしかしむしろそんな手法?構造?…芝居としての面白さに惹かれて概ね満足。
ただ、2人のソラオの台詞をズラす演出(?)は不揃いの群読とともに聞き取り難いのが残念。
また、プロジェクションマッピングもどきに装置に画像を投影することが何度かあったが、元の画像が小さいだけにデジタルの「ブロック」が見えてしまうのは何だかなぁ。
一方、「さっきのアレがここにつながるのか!」という一般的な伏線とは逆に「あぁ、これがさっきのアレの理由なのか!」という「逆伏線」がいくつかあったのが面白い(ネタバレBOXに具体例)。
さらに、衣装なども含めて野田秀樹風味が漂い、重松清フレーバーも感じられてニヤリ。