最新の観てきた!クチコミ一覧

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「廃墟の鯨」

「廃墟の鯨」

椿組

花園神社(東京都)

2014/07/12 (土) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

戦後復興の人間模様の現状
腐っても鯛、されど人間、戦後の日本のヒューマニズムを体感できる素晴らしいアート的なステージを観れて良かったですね(≧∇≦)

宵山の音

宵山の音

真紅組

近鉄アート館(大阪府)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★

真紅組らしいお芝居
近鉄にあんな劇場があるとは。開場時からのもてなし含め、真紅組らしいお芝居でした。
女性陣の艶やかな着物姿、舞は目を楽しませてくれます。
荒っぽい男衆の吉本新喜劇のようなベタなやりとりに苦笑しつつ、京の町に生きたであろう人たちの日々は穏やかで、ときに物騒で。
生き方を貫くこと、目指す理想、誰かを傷つけても。傷ついても。いかなきゃならない。
大事な誰かを守りたいと、強くなりたいと願って。
人の織りなす悲喜交々はいつの時代も変わらないんだなぁと改めて思う。

チケットプレゼントありがとうございました。

ネタバレBOX

チャキチャキの女将さんとおっとりしたご主人がいいコンビ。安定の浅雛さん。ナギの人柄は役者さんによくあっていた。
五郎さん、只者じゃないとは思ったけど。気づかん私は幕末に疎いのか。こちらも安定の大澤さん。

息をひきとった勝治を前に泣き崩れるシーンで、鼓がとても好きになりました。
初演では山本美和子さんが鼓役だと知って、それも観てみたかったなー
鎌塚氏、振り下ろす

鎌塚氏、振り下ろす

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

後味のよいコメディ♪
コメディなのに、親子の関係や政治に関わる人々についてを考えさせられてしまう。
キャストさん全員魅力的だけど、特に片桐さんと広岡さんの堂田夫妻が卑怯なおもしろさ。
三宅さんのアクションはキレッキレ! ともさかさんは可憐♪ ベンガルさんは噛んで真っ赤になって芝居を続けるのがかわいらしくもあり。 玉置さん不憫キャラ。北村さん意外とコメディ向きかも。

わかりやすく後味が爽やかで、観劇初心者にもおすすめな作品♪

ネタバレBOX

中之院公爵の子供部屋でアカシが見つけてしまったマイクとスピーカー。
公爵の父とアカシの父が体の弱いレイジロウを想って作った仕掛け。それに気づいて変わっていくレイジロウがいいなぁ。。

魔女たちのエチュード

魔女たちのエチュード

ライト・トラップ

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2014/07/12 (土) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★

セリフの交感へ
神話の神々をモチーフにしたエチュード、その魅力は伝わった。舞台美術は質素(舞台上に2階段を設けた感じ)であるが、雰囲気は照明効果であろう、耽美的である。また、役者は同じデザイン・朱色彩の衣装を身にまとい、表面的には没個性を貫き、あくまでタイトル・テーマの”エチュード”に沿った感情表現を…好感を持った。
ただし、エチュード…それぞれがメインになった時に発するセリフと他の役者のセリフが共鳴していないような感じがした。セリフは、音声の「交換」ではなく「交感」だと思っていたので、相手への想いを伝えるという点が弱かったように感じたが…思い違いだろうか?
今後も素晴らしい公演を期待しております。

プライム輪舞曲

プライム輪舞曲

クリエイティヴ零-ZERO-

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★

多数決によるダブルエンディングの選択!
配役が個性的で良かったです。
素数(プライム ナンバー)、三種の神器、タイムパラドックス、シュレディンガーの猫などのキーワードの使い方が面白い。
未来を知ることにより、馬券で当てた10億円の行方がきになるエンディングはブラック対ホワイト、会場30対30、役者7対5でブラックになりました。かなり現実に近い結果かな!

ネタバレBOX

タイムマシンである金庫のおかげで、未来を知り馬券で10億円を獲ったのだが、予想通り、悲惨な結末になりました。
主人公の不動産会社社員の林修二は存在自体がなくなり、その影響で3人が命を失いました
川で溺れかけていたところを修二に助けてもらった新米社員は溺死。
修二が役者時代に演じた「ROCK MUSICAL スサノオ」の主役スサノオに勇気づけられ、両親をなくしても生きてきたコスプレプレーヤーの兄妹2人も生きていく勇気がなくなり、自殺。
残りは誰のおかげで10億獲得できたのかという問題になり、分配の件で争うことになる。普段は地味な女職員も先輩社員のカバンから馬券を持ち逃げ!
本当に金は人格変えるよなー!怖い!怖い!
フランダースの負け犬

フランダースの負け犬

なかやざき

シアターサンモール(東京都)

2014/07/10 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

愛読書にしたい舞台
気付けば、初日、12日昼、13日昼夜、16日昼夜と観劇していました。
繰り返される場面・台詞。
同じなようで同じではなく。
中屋敷さんらしい言葉の扱い方が、とても好みでした。
演じている役者の若さや精錬されすぎていない点等が、
いい塩梅に、現実味を加味していたように思います。

何度観ても、後半は、ラストに近づくにつれ、
呼吸が浅くなり、胸がえぐられるような気持ちは薄れることなく、
声をあげてしまわないように組んだ手に込めた力のせいで、
拍手もままならない状態になっています。

乱痴気を経た後半の舞台が、どう変わるのか、変わらないのか、
とても楽しみです。

好き嫌いはあるかもしれませんが、
私にとっては、この舞台は、本当に好きな小説のように、
人生において、何度も繰り返し味わいたい、そんな舞台でした。

ユニット「なかやざき」としての第2回公演も楽しみにしています。

太陽2068

太陽2068

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2014/07/07 (月) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

縦横無尽に
いまだかつて見たことのないスタンディングオベーションでしたね。それだけみんなの心を掴んだ!ということでしょう。最後に光が見いだせたことも良かったのかもです。音楽の使い方も良かった。観劇できて良かった。

Get a Life(ご来場ありがとうございました!)

Get a Life(ご来場ありがとうございました!)

613

劇場MOMO(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

他人と寄り添うということ
 シナリオ、演出、演技、効果、どれもバランスの取れた良い舞台である。
(ネタバレ後ほど追記)

ネタバレBOX

  臨床心理士(カウンセラー)、沢村の話である。彼は、現在、オペ担当ナースの奈津と同棲しているが、5年ぶりにかつて勤めていた病院に戻る。出戻りというわけだ。この空白期間、彼は航空会社の人事部で社員の精神面のサポートを行ってきたのだが、病院を離れたのには訳があった。彼の後輩の女性が相談にのってくれと電話をしてきたのだが、のってやらないうちに自殺してしまったのである。それで、自分が相談にのってやらなかったことが原因だと自らを責め、終には病院を去ることになったのだった。戻っても半年間は正規採用ではない。医局長の内籐 亮子が、正式採用の関門として指定したのは、末期癌患者の小峯 悟司、年は、30を少し出た頃か。結婚して6年。妻の慈子は、かいがいしく夫の世話をし、明るく振る舞おうとする姿が哀れを誘う。
プライム輪舞曲

プライム輪舞曲

クリエイティヴ零-ZERO-

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
非常におもしろく、何度みても飽きない舞台でした。

舞台の進行もテンポよく、やっていることが非常にわかりやすく伝わる素晴らしい内容でした。

演者さんの演技がとても素晴らしく、観る人を引き付けるものであり、非常に感動しました。

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★

再演だそうですが・・・・・
テーマを考えると何か時代の節目節目にはブラシュUPして上演するべきでは?とか勝手に思った、あの「03/11」のその後の話です。基本は登場人物の行動が投げかける正解といえるものが無い、問いかけのような感じを受けました。んで、何か一味足りないかなぁ・・・とかも思った。しかし、舞台の完成度は高かった約2時間(予定は1時間50分です)

ネタバレBOX

基本は伊勢神宮の近くにある、ゆる~い経営の喫茶店「ホットライン」(昼のランチも20食ぐらいで余る時もあり、朝は7時からのモーニングやってるが弊店はあいまい・・だいたい19時までには閉めてしまう。)で。そこに東日本大震災での原発そばの町から両親と死別して疎開してきた3姉妹と関わる伊勢地元の方々の交流が基本です。(喫茶経営陣が姉妹の親戚です)

上手だなぁと思ったのが折りにつけ入る伊勢の土地の説明でした。
リアル感がよかった(^^)

ただ登場人物(伊勢側)の数がそこそこ多くて、ちょっと理解に時間がかかったかな?放射線・子供・次代の担い手=女性がメインで生活や人の思い→行動が坦々と語られてゆくのがよかったです。飄々とTVゲーム(昔の喫茶店にあったテーブル型→花札ゲームのようで、五光がでて皆で記念写真撮るシーンはホノボノしててよかった(^^)、よく筐体見つけてきたなぁ=ホントに電源入ってるのかしら(^^)を喫茶店にやりにくる常連の畳み屋→蓑田さん。他に、黒づくめで鋭い意見をぶつけてくる作家さんの存在感は大変好みでありました。

キャスト紹介のパンフレットも悪くは無かったが、人物の多さなど考慮すると相関図などにしてくれた方が嬉しいかしら(^。^)?

開始はちょうど震災当日の避難シーンをフラッシュライトや轟音+逃げ惑う人々で再現です=津波に飲み込まれてしまうと、叫んでいた人々が急に無言になり立ちすくんで見てるしか出来ないというシーンは心に残ります。

将来好きな人の子供を生むであろうコトを踏まえての疎開(姉妹という設定が生きます)であったが、取材で再び福島に行ってきた作家甲本(コウモト)氏から次女の婚約者の死亡=遺体確認がとれて、故郷に戻るコトを選んだ真帆の行動も納得はできるものの、これもまた正解の無い回答だよなぁ・・と琴線に触れました。

三女の夏帆には転校先の高校で彼氏らしき人も現れたり、喫茶店のマスター君も震災で延ばした結婚式を5月には執り行う運びとなり。だんだんと明るき兆しがみえますが、物語は丁度1年後の03/11を迎えたところで終劇となります。

チラシのあおりにあった通り。気を遣うことは、無いものとするのか?隠すのか?現実を認めさせるのか?ほんと答えは見えない問いかけだなぁと思えた、心に響く舞台でありました。


DRUM ROCK 琳と凛~美しき日本の姿~

DRUM ROCK 琳と凛~美しき日本の姿~

フジテレビジョン

天王洲 銀河劇場(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

東京公演初日観劇です
同じような太鼓の「鼓童」とかと似たような感じかな?とか思っていたら・・・
違いました→
衣装とか見せ方が派手なエンターティメントであり見応えが凄かったです!

「独自の世界」から進化して衣装は”ジュンコ コシノ”女史になってるし、
博多一風堂(豚骨ラーメン屋さんですが)と提携したりとしてるそうです。

ちなみに初日サプライズでアンコール後に衣装担当の女史も登場なさったです

太鼓の振動が身体に響くので、
その振動が嫌でなければ元気が貰える舞台といえるデス。
毎日の仕事などで疲れた方には元気が貰える舞台かな~
とか勝手に思ったりもした約二時間二幕に15分の休憩付きです。
(ほとんど満席でありました)

ネタバレBOX

開演前は紗幕の前に二つの大きな太鼓が置いてあり、
女性奏者が白い着物に赤い独特の帯で現れて開演の太鼓叩いてスタートです。

アンコールだけに出したフラッグとか、
棒のパフォーマンスとか、
扇子のお兄さんの(エアマスター)のような跳躍とか、
使用している太鼓の端の皮のとこの2つ丸めとか、
とにかく見せる=魅せるという事に
情熱を傾けてるのがホント強く伝わる舞台でありました。

イケメン舞台(女性も登場するんですが、肉体美の勝ちかしら(^^;)のせいか、
前列付近などは女性客のリピーターっぽい方々が多いように見受けました。
(リピーターチケットは半額で販売するそうです)

太鼓(浅野太鼓楽器さんの特徴らしいですね2つカールした太鼓の皮の端っこのトコ)は通常のものから鼓のデカイのやら、拍子木に笛など和風ながら多彩な楽器の使用もあり楽しめました→琴が3面出てきたのですが、奏者は全員男性だったりして(^^)ユニークさ、かもしてました~(^。^)

ちなみに谷中さんというスキンヘッドの方の髪の毛(?)が・・・・・ユニークでした♪


どんなことをしてほしいの、ぼくに

どんなことをしてほしいの、ぼくに

HYP39

シアターシャイン(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

表情さん…
観劇してきました!
もーーースゴイです!!
当日パンフレットやチケットまでもが、舞台の小道具?の一つの様です。

一つのテーマに沿って複雑にお話が絡み合っていて、ラストに向かっての裏切りの連続と真実の衝撃…心が…色々考えさせられるお話でした。
是非もっとたくさんの人達に観て頂きたいと思いました。
私も今週のスケジュール調整してもう一度観に行きます!

あと、主宰の表情さん…お身体心配です。
本当の妊婦さんなのにあんな事…気をつけて下さい、頑張って下さい、絶対もう一度観に行きます!

ビタジルダ

ビタジルダ

サモ・アリナンズ

駅前劇場(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

初日観劇
6年経ってもガッツ団!終始ゆる〜い空気に包まれてグダグダも変わる事ないサモアリらしさ満載。小道具やセットも変わらずかわいい。
場内満員、遅れてくる客誘導の合間もあの人達がショートコントで盛り下げるような上げ方も変わらず。
これぞサモアリ、話の筋はあることにはあるけど、まじめに見ると損をするような小学生の教室感覚を久々に思い出し、ゆるゆると楽しかった。
初日、約95分。

プライム輪舞曲

プライム輪舞曲

クリエイティヴ零-ZERO-

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

究極の選択
このくらいのパラレルワールドが丁度いいと思いました。

ネタバレBOX

預かった金庫は単なる金庫ではなく、実は三種の神器の一つである剣を保管するためのものであり、タイムマシンでもあったということから起こる大騒動。

同時期に一人の人間がダブって存在したことによってタイムパラドックスが生じ、この世界や神話などの虚の世界が崩壊するということで、タイムパラドックスを解消するために、①ホワイトな選択として、せっかく競馬で10億円儲けたことをフイにしてまでリセットするか、②ブラックな選択として、ダブって存在した林修司さん演じる不動産屋の社員をそもそも歴史上存在しなかったことにしてみんなで10億円を山分けするかの究極の選択を迫られ、登場人物と観客全員が意思表示をしてエンディングを決めました。

林修司さんのファンが多いせいか、この回はホワイトな結末になりました。

ルドビコ★のパラレルワールド物といえば、 『深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~』が思い出されますが、深沢ハイツ302では金持ちになったかと思えばそんなこと無くなったり、もう作者の勝手でしょと言わんばかりに何でもありのパラレルワールドが延々と繰り返されました。その点本作品はスッキリしていました。

ただ、善良なお客さんが多いことや林修司さんのファンが多いことで、ホワイトな結末ばかりが演じられるようなことになれば少し残念です。最初から10億円を山分けしてウハウハしつつ、何かの拍子にかすかな記憶が蘇り、リセットするというのもありかなと思いましたが、先ずは単純に多数決によって、ブラックな結末である一人約60百万円を手にして大騒ぎする正直バージョンを見てみたいと思いました。
朝日を抱きしめてトゥナイト

朝日を抱きしめてトゥナイト

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

あれ、自分としては・・
別に☆5でも良いような・・。

どうとらえるかは人それぞれだけど、
アニメーションに物語のすべては凝縮されていると自分は想像してみた。

一瞬?十か月?
の朝日を待ち続ける間の夢。

そんなんで良いんじゃないのかなぁ。

まちまち子。待たれていた子。待って待って待ち焦がれていたあなたのおばぁちゃん。

もう死んじゃったけれど、天国であなたのこともっと待っていたと思う。あなたのひいおばぁちゃん。

でも、私たちがみんな死んじゃったら、今度は私たちがあなたの心の一部になるの。まち子。

じゃあ、一人しかいなくても、子どもの心の中には「まち」があるみたいなもんさね。

人の生と死。

待って待たれて、生まれたと思ったら、親たちはもう子どもの心の中。

マトリョーシカみたいなもんかね。

でも、どっちもどっちに含み含まれ。不思議な円環。

シンプルだけど、なかなかない発想で面白いな、と思った。

こういうのは楽しめるかは人それぞれだけど。

ぼくだけの6日間戦争

ぼくだけの6日間戦争

ぽんず単独企画

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★

歌唱力もあって
ラストの演目にはグイグイ引き込まれ、大笑いしました。

ネタバレBOX

オムニバス6編による90分。

せっかく緑色の絨毯を買って喜んだのもつかの間、ツイてない男の話(『断水』 作:大西貴志)や、手品師はタヌキか人間か、好きな女性を巡る嫉妬心から起こるちょっと謎めいたミステリアスな話(『同じ穴の』 作:今城文恵(浮世企画))、夢か現か、簡単に脱出できる脱出ゲームの話(『脱ゲー』 作:ポリープタカシ)、友人に誘われて始めたボランティアのお陰で人生が好転し、就活に成功した学生の話(『Clean up bird』 作:大西貴志)、高校時代の片思いの子と二転三転、結婚できたのに別れたけれど、子どもは成長して今日結婚式を挙げるというトータルでは幸せの方が多いのかなと思われる平凡な男の話(『凡人の一生』 作:竜史(20歳の国))、そしてラストが伝統あるミュージカル研究会の存亡の危機に際して必死に勧誘する高校生の話(『土高ミュー研』 作:池田鉄洋(表現・さわやか))。

ラストが最高でした。それまでは正直言って、善行は報われる的な意外性のないストーリーでしたが、これだけはミュージカル曲に著作権の問題があるからと、意訳したような歌詞を付けて歌うのですが、それが本質を突いていて、しかも歌も上手く最高でした。

オペラ座の怪人では、要するに若い娘とやりたいやりたいと歌い上げ、確かにそういう内容だと大いに賛同しました。アナと雪の女王では、氷室、氷室、冬に降った雪を氷室に入れておくと、夏冷たい的な替え歌でとても面白く、大笑いしました。
永遠の一瞬 -Time Stands Still-

永遠の一瞬 -Time Stands Still-

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2014/07/08 (火) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

切ないラブストーリーとして観るべき芝居
主人公が、戦場のフォトジャーナリストということで、かなり身構えて観てしまいましたが、観終えてみれば、これは男女の切ない恋愛模様を描いた芝居なのだと気づきました。

主人公の職業はあくまでも芝居のお膳立てで、これが他のどんな職業であれ、作者の描きたかったテーマは、同じだったような気がします。

宮田さんの演出は、いつも丁寧なのですが、そのせいで、いつもどこか、作為的な感が否めません。どうしても、登場人物を俯瞰して観てしまって、結局これは芝居なのだと、常に意識させられます。だから、観ていて、究極的に登場人物の意識にのめり込むことができません。良く練られたお芝居だとは思いますが、満足度がマックスにならないのはそのせいだと思いました。

中越さんは、たぶん、初舞台からかなり拝見している女優さんですが、観る度、舞台女優としての劇的な進化を感じて、嬉しくなります。
一方、相手役の瀬川さんは、良くも悪くも、いつも一定の役者力を発揮される男優さんだと認識します。台詞回しが、ある意味自然なのですが、台詞の一部が観客に伝わらないのは、舞台俳優としては、致命的な気がしてしまいます。特に、こういう、一字一句の台詞が重要な芝居においては。

ネタバレBOX

戦場のフォトジャーナリストの女性と、彼女に常に同行していた、恋人のノンフィクションライターの恋愛模様。

一幕では、サラは、取材先で負傷して、命からがら、帰国して来るところから、始まります。恋人のジェィムスは、サラほどには神経が図太くなくて、戦場の悲惨さに耐えられず、先に帰国して、オカルト映画の脚本作りに勤しんでいるようです。そんな彼を観るサラの目は時に批判的ですが、長い間、コンビを組んで来た彼に対して、サラは複雑な女心を覗かせたりもします。

一幕ラストでは、怪我をしたサラを慈しむように、二人が再び、心も体も結ばれるシーン。ここで、私は、この芝居は、恋愛ものなのだと、ようやく気づかされました。

二幕冒頭は、ジェイムスが、戦場ものの芝居を観劇しての感想を述べる場面から始まります。この彼の痛烈な感想が一々耳に痛かったのは私だけでしょうか?戦場ものの芝居を観て、疑似体験をした気になって悦に入って帰宅する観客の一人が、まさに、今の自分に重なって、心が重くなりました。

連日、終わることのない戦闘が、どこかで繰り返されて、幼気な子供達や、非力な人間の命が露と消えて行くのに、何もできない自分。ジェィムスの無力感は、私にとっても他人事ではなく、だから、登場人物の中で、彼の意識に一番共感してしまう自分を疎ましく感じてしまいそうでした。

戦場で、悲惨な民衆にカメラを向けることに、時として、迷いや、逡巡を感じることもあるサラは、でも、自分の持ち場は、戦場のジャーナリストのみという自負に支えられて生きています。

二人は、お互いに、相手への愛情を自覚しながらも、一緒に生きられないと悟る時を迎えます。二人の間の隙間風の理由として、サラの通訳だった現地男性との情事も、色濃く反映していました。
その男性タリクは、既に亡くなっているのですが、ジェイムスにとっては、未だに彼は心の中で存在していて、だからこそ、取材ルポに、タリクの存在を消し去ってしまいます。サラには、逆にこのことが、ジェイムスとの別離を決意させるきっかけになるようです。

別れを決意した二人は、今後、親友として、関係を続けて行くのでしょう。
一度は存在を消したタリクを、出版に漕ぎつけた写真集で、再び復活させるのは、ジェイムスのサラへの精いっぱいのはなむけだったのだと思います。

相手を嫌いになったわけではないのに、止む無く別れを選択したことがある経験から、二人が最後に固く抱擁するシーンは、胸に応えました。
個人的好みから言えば、ここで幕にしてほしかったと思います。

せっかく、積み上げて来た芝居が、最後の最後のわざとらしいサラの所作を見せることで台無しにしてしまった気がしました。中越さんが、戦場のフォトジャーナリストがカメラを構える演技を体現できるまでには残念ながら、まだ無理がありましたから。
おうちに帰るまでが遠足です

おうちに帰るまでが遠足です

アリスインプロジェクト

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽
主役の方々以外にも、圧倒的な存在感のある人、一人五役の人、影のお芝居でその心の内までも表現・演技される人、初舞台とは思えない演技をする人。
そして、個々がまとまり、全体としても、素晴らしいものに。
また、観たい、そんな舞台でした。

おうちに帰るまでが遠足です

おうちに帰るまでが遠足です

アリスインプロジェクト

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

月組4公演目
主人公たちだけではなく、周りを固める方々、各々の役者さんが、いい味をだしていた。
初日から、皆、成長していた。

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

駅前劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

結果
千秋楽に観劇。もはやPMC野郎は小劇場に収まり切れない。連日満員の盛況は実力に見合った結果なのだろう。
あらん限りの要素を詰め込み、笑いと涙の両方を追求し、これだけの作品に作り上げられる吹原氏の手腕。それに応える役者陣。PMC野郎の天下は当分続きそうである。

ネタバレBOX

ゴルバチョフの最期がややわかりにくかったのが唯一の惜しい点。(シヅ子をかばって爆弾をくらった、とかならわかりやすかった)

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