グッドモーニング、アイスパーソン
天才劇団バカバッカ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったです
実は劇団名が好みでなくて、気になる劇団だけど見たことはなかったのですが、客演の森田涼花ちゃんに惹かれていきました。
群像劇だからか、最初は話の方向が見えず。中盤、黒い影あたりで集中力が途切れましたが、後半はお話に引き込まれてました。
お酒の場面、もっと短かったらいいのに…。でもこれまでの公演はもっとお遊びの場面が長かったらしいですね。今回が初見でよかったかも。あと所長の家族設定はなくても面白さには変わりない気がしました。
コメディだけど好きな作品です。
作者と演出が優しい方のように思えました。
ミュージカル「ミス・サイゴン」
東宝
帝国劇場(東京都)
2014/07/21 (月) ~ 2014/08/26 (火)公演終了
満足度★★★★
大迫力
エンジニア:市村正親さん、キム:知念里奈さん、クリス:原田優一さんの回を観劇。生オケ、迫力のダンスシーン、役者さん達の熱演及び熱唱、どれをとっても満足できる舞台でした。
追記)市村さんの病状の回復を祈念致します。
ネタバレBOX
話題のヘリコプターシーンも圧巻です。
休憩25分で、2時間40分程。
次回は別のキャスティングでも観てみたいかな。
戦争童話集
関西芸術座
クレオ大阪中央(大阪府)
2014/07/25 (金) ~ 2014/07/26 (土)公演終了
泣けた。
これまでも何度も中学校・高校公演、子ども・おやこ劇場などを中心に何度も巡演されているこの公演。
これからも巡演を続け、戦争を知らない多くの人に伝え続けていって欲しいと思えるいい作品でした。
ネタバレBOX
詳しくはブログに綴りました。http://ameblo.jp/gooharuhide/entry-11900077048.html
隣のオンナは青い
演劇ユニットらぞくま
船場サザンシアター(大阪府)
2014/07/25 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
面白かった。
こうゆうのは、女性が観た方が面白いと思えるのではないでしょうか。
オリジナル曲もこの公演のために用意(CDも販売されていました)し、アイドルユニットが実際に歌うシーンが何度かあったのですが、短すぎるように思いました。
もう少し時間を割いてスポットライトを浴びる表の顔も見せて欲しかったなと思いました。
ネタバレBOX
詳しくはブログに綴りました。http://ameblo.jp/gooharuhide/entry-11900484628.html
0号 -2014-
ゲキバカ
ABCホール (大阪府)
2014/07/25 (金) ~ 2014/07/28 (月)公演終了
ダンスシーンが圧巻
夜が明けたら取り壊される、古びた映画スタジオがこれまで自分が作り出してきた華やかな場面を再現する。そんな回想シーン。時代劇の殺陣もきれいに決まっていたが、なにより「キャバレー」のレビューがすごい。他でも、芝居の中で踊るのはよく見るが、ダンスの精度がまったく違う。プロフェッショナルってこういうんだなあと思う。
物語は平明で、悪人は一人もいでてこない。そういう意味では後味がいい。
おとこたち
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2014/07/03 (木) ~ 2014/07/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
「おとこたち」の「たち」の話
「後で思い出してもらう」っていうのは、いいことかもしれない。
思い出したり、思い出されたり。
老人へ向かってまっしぐらの、来るべき未来も、恐くないかもね。
ネタバレBOX
親のこと、将来の自分のこと、いろいろ見たくないことも含めて突き付けられた。
「突き付けられた」のだが、観ていて、「少し楽になる」可能性があるかもしれない、ということにも気が付いた。
もちろん、未来に必ず訪れることに対する「不安」がすべてなくなることはない。
しかし、「恐い」「辛い」と思ってしまう、自分の(あるいは肉親の、親の)未来は、ひょっとしたら「恐くなんてないかも」なんて思えてくる。
考え方ひとつ、と言えば、それまでのことかもしれないのだが。
ハイバイのうまさ、面白さは、自分の経験とは関係ないのに、自分の記憶だとか、それにまつわる感情だとかを引きずり出されるところにある。
「観客」として、舞台のこっち側の安全な場所で、「へへーん」とか「ほう」とか「なるほどねー」とは言ながら見ていられない。
エピソードの1つひとつが、笑いながら痛くなることがあるからだ。
心とか感情とかが、ズキズキしながら、なのに笑ったりもしながら観ている。
『おとこたち』は、「おとこ」の話なので、なおさらそれを感じた。
しかし、「痛い」だけではないし、「笑い話」だけでも、もちろんない。
その中には真実がある。その真実は、観客ごとのものであり、作品によって引っ張り出されたものだ。
見えないふりをしていたことや、気が付かなかったことなどの。
開演前に、携帯がどうとか、飴を食べるときにどうとかの前説が始まる。
そして、いきなり、前説の彼が「山田」になる。
劇場にいて、これからお芝居が始まりますよ、という現実からフィクションであるストーリーへ、シームレスにもっていく。
現実と地続きであるような導入だ。マクラから本題に入る落語というか、こっちが身構える前に物語に入っている。
だから、こちらの現実ともシームレスにつながってくるのかもしれない。
まず、最初のシーンからやられた。
バイトをしている山田かと思っていたら、そうではなかったことを知らされる。
自分の置かれている場所や時間、そして理由を別の何かと取り違えてしまっている人を老人ホームで見かける。
この設定から、この後展開するストーリーは、80代になっている現在の山田の記憶なのではないか、とも思った。
認知症になっても、昔のことはとてもよく覚えていたりするからだ。
もちろん、「記憶」なので、実際とは異なっていることもあるだろう。
よりドラマチックになっていることもある。つまり、そういうお年寄りには、実際の記憶がテレビや小説、あるいは他人の経験談(ドラマ)とない交ぜになってしまうこともあるからだ。
なので、山田たち4人のおとこたちの20代から80代までの行動は、山田の記憶によって、よりドラマチックになっている可能性もあるし、恐ろしいことに、4人のおとこたちは、山田以外の、別の誰かのドラマの登場人物で、彼らが山田の回りには「いなかった」可能性すらあるのだ。
それは横に置いて、彼らの半生(あるいは一生)は、辛いこともある。
しかし、それは面白い。
他人の話だから面白いということもあるが、「昔の話」だから「面白くなっている」とも言える。
いろいろ辛い話も、時間が経てば、「面白エピソードの1つになっていく」というのは、誰しもが体験したことではないだろうか。特に他人事であれば。
「面白い」は「可笑しい」ものもあるが、それだけではなく、「興味深い」という意味合いも含まれる。
それはたぶん「死」でさえ、そうなっていく可能性がある。
この作品のストーリーでは、ツラさの上にさらにツラさが重なったりする。
鈴木の死後わかる息子との関係とか、森田が病気になった妻から名前を呼ばれないこととか、とか、とか。
当事者にとってはツラすぎることだけど、友人ぐらいだと、「そんなことあったねー」って言えるのではないだろうか。「大変だったねー」って。
つまり、後で、その人のことをしみじみと思い出して語ることはできるのではないだろうか。
カラオケボックスのような日常の中で、「そうそう、こんなことあったね」と思い出してくれるのは、いいかもしれない。さらに『おとこたち』のように、「笑え」たりすると、なおいい。
そんなことを考えたら、少しだけ未来は恐くなくなってくる。
観客席で観ていた私(たち)は、誰かが「後で思い出してくれる」ことに気が付いたし、同時に「笑った」私(たち)は、「後で笑ってくれること」に気が付いたのだから。
さらに言えば、山田のように「自分」も誰かのことを「後で思い出すこと」や「後で思い出して笑える」ことに気が付いたのだ。
この先、誰か自分のことを思い出してくれて、さらに笑い話のように語ってくれさえすれば、「救われる」のではないか、と思った。
何から救われるのかはわからないが、少なくとも、「思い出してくれる人」「笑ってくれる人」がいることが想像できれば、「死」も「老い」も多少は恐くはないような気がする。
たとえ想像の記憶だとしても、思い出せるものがあるのもいい。楽しいから。
絶対に「老い」や「死」はやって来る。
だからと言ってそれ対しては何もできない。
だったら、誰かに思い出してもらうなんていうのは、素敵ではないだろうか。
できれば、笑いながら、誰かと語り合ってもらうなんて最高だ。
「認知症」で記憶が曖昧になり、いろいろ忘れてしまったり、「死」で存在自体が消えてしまったりと、「消失」が「恐さ」につながっているのではないだろうか。
まったく存在しなくなってしまうことへの恐怖だ。
それが、誰かが思い出してくれて、笑ってくれて、ときには語り合ってくれるということや、事実であろうがなかろうが、思い出すことがあったりすることで、その恐怖への軽減につながる感じがしたのだ。
このストーリーの「肝」は「おとちこたち」の「たち」であろう。
山田にとって、ひょっとしたら偽りの記憶の中にいる「たち」なのかもしれないが、「たち」がいることで、それでも彼は救われている。
思い出してもらえる友人たちと同様に、彼らを思い出している自分も、それによって救われている。山田は楽しそうだからね。
大学に入る前からの長い友人たちがいることは、甘いメルヘンかもしれない。
「友だちって、やっぱ、大切なんだなー」って思ってもいい。
しかし、年齢を経るごとに、「死」を迎え、自然と友人は減っていく。
だから、山田にとって、森田という存在は黄金の存在だ。
『て』は家族だったが、『おとこたち』は友人の話だ。
「最後は1人」などと悲壮感に包まれて思いながらも、やはり「社会」は人間関係で成り立っている。1人ではない。We are not alone なのだ。
友人や家族とは、しょっちゅう顔を合わせる必要もないし、すべてをわかり合える必要もないのだが、「つながっている」という感覚はとても大切なのだ、ということをこの2作は告げている。
もちろんそんなことわかっているし、ハイバイに言われなくてもそうしたいと、誰もが思っている。ただし、その距離感はとても難しい。
しかし、家族や友人との関係は、「後で思い出してもらえる」「後で思い出して笑ってくれる」あるいは「後で思い出してあげる」「後で思い出して笑ってあげる」ということが、結局、大事であると思うと、少し簡単に思えてくる。複雑に対人距離感を計り、微妙な動きをする必要もない。
家族や友人にかかわらず、つながっている(いた)人のことを、後で思い出し、ときには笑ってあげればいいし、自分がそうしてもらえる人であればいいのだから。
これが、「恐くなくなること」の極意ではないだろうか、なーんて思ったりして。
最初のカラオケで、いきなりチャゲアスの曲が流れた。
「あ、チャゲアスね」と思ったのだが、全体のストーリーと考え合わせると、ちょっと切なくなってくる。
まあ、うーんと深読みすれば、行ってしまったアスカに、逝ってしまった友人たちのことや、残されたチャゲと自分のこととかをダブらせたりして……それはないか、ないね。
ラストのシーンは特にグッときた。
相当、丁寧にリサーチしているのではないだろうか。
冒頭でも書いたが、認知症の人は、自分の記憶と他人の記憶(あるいはテレビなどのドラマ)が混在してしまうことがある。
サラリーマンだった人が「自分は農家だった」と語ったりするように。
でも山田は楽しそうに語っているよね、そこがいいんだ。
また、山田が介護の人たちに連れられて自分の部屋戻る姿には、老人ホームに面会に行った後に、そこに置いて帰るときのような、うしろめたさや切なさを感じた。
「恐くない」と言いながらも、実はこれが一番、辛く恐いシーンなのだ。
これを、乗り越えるときに本当の「恐くない」という気持ちが出てくるのだろう。
でも、「思い出して」もらえれば「大丈夫」だ。「思い出しながら」生きていけば「大丈夫」だ。
出て来る役者さんは、みんな好き。
十周年記念コンサート「Thanksgiving!!」
ミュージカルグループMono-Musica
Studio K(東京都)
2014/07/26 (土) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
質の高さと美しさが楽しめる
Mono-misicaの10周年記念コンサートなので、これまでのレパートリーから選んだ曲が披露された。キャストが女性だけの劇団なので、大方は、甘えがあるのではないか、と先入観を持つかも知れないが、杞憂である。歌の上手さ、確かさ、ハーモニー、声音自体の美しさと共に振付やフォーメーションの美しさにも極めて敏感だし、衣裳や着こなし、配色にも神経が行き届いている。ミュージカル劇団としての、質の高さが際立っている原因は、自らの立ち位置、作品との格闘を通して、自己批評がキチンとできている証拠だろう。こういう劇団に甘えはない。
ネタバレBOX
公演は2パートに分かれ、間に15分の休憩が入る。各演目の間、メンバーが交代でMCに入って繋いでくれるのも、10周年記念公演らしく自然で良い。更に。伴奏は、グランドピアノを使った生演奏なので、ピアノ大好きな自分としては、大変嬉しかった。作品の多くは、古典や歴史、小説、物語などを独自にアレンジして作られたものだが、今回は、コンサート形式なので、歌と振付がメインである。無論、アウトラインの説明はあるので、オリジナルの舞台をある程度想像しながら楽しむことができるし、歌われている歌詞で本質は掴むことができる。Clown’s Clownで始まったコンサートは、第七回公演の「墓掘り男と六本の煙草」、第五回公演「如月の砦」に移り、過去作品レアコーナーでは旗揚げ公演「月の鳴く音~Dr.Jekyll and Mr.Hyde~」から“月の鳴く音”次に「砂漠の花~Le Petit Prince~」から“砂漠の花”パート1のラストは、第六回公演「夜明けの風」だ。名を上げた各公演から数曲ずつが歌われる。
第二部は、第四回公演「十六夜の桜」、第八回公演「花廻りの鬼‐魍魎薬師白夜奇譚‐」と進んだ後、2回目のレアコーナーでは「虎落の笛」から“夜の森の虎”、“白い獣”が歌われる。そして前作、第九回公演「アルバローザの花嫁」で本編は終了だが、これでは名残惜しい。大丈夫、最後にExtra Stageが用意されている。このパートは日替わりのようなので、歌われる曲は、実際に出掛けて確かめて欲しい。
因みに、今回、行けなかったファンは、12月26日~28日迄、新作を六行会ホールで上演するそうだから、実際に出掛ける前には、再度、御自分で確認の上、出掛けて頂きたい。初めてコメディータッチの作品になるとか。
ところで、この劇団、最初に上演した作品は「ジキル博士とハイド氏」をベースにしたものだが、無論、デュアリズムを問題とした作品だ。デュアリズムとは、善と悪とか、精神と身体とか、何かを論ずる時に、二つの独立した概念によって世界を解釈する考え方だ。近代哲学ではデカルトがその第一人者であるが、人間存在をも二分化してしまい、この論理ではアウフヘーベン出来ないという問題がある。だが、物事を一面的に眺めるという弊害から、この劇団は脱している。例えば、この作品の中でハイドによって救われた娼婦によって歌われる歌の歌詞は、深い悲哀に包まれている。これは、彼女が命の恩人と思い定めたのがジキル氏であったことから生ずる齟齬が、恐らくこの作品を単なる二元論で論じうる作品にはしていないからだ。他の作品も、あやかしと人、あやかしの棟梁の美しい人食い鬼、これらを束ねる者などと人の関係を描いていたり、と単調でない所が良い。それが、悲恋に終わるにせよ、恋の成就が示されるにせよ、まこと、女性の劇団らしく、恋と命を作品化した舞台は、美しく見応えあるものになっている。
四人目の黒子
弘前劇場
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2014/07/25 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
黒子という「共同作業」に 私たちは確信的盲点を読む
「津軽選挙」を初めて聴く。ネットのニュース・サイトが信源であった。
青森県津軽市における公職選挙ならびに団体選挙で「札束」が飛び交う歴史が存在するらしく、それを土着性から説明したコピーだ。
「旧蝦夷地」を開拓した列島の端っこ、津軽。「よそ者」が力を有す背景が「津軽選挙」だというのだ。
たしかに、青森県は「東北エナジー」より、中央との繋がりがある新興県の印象が強い。寺山修司に代表される青森文化人は都会派だ。
海峡を隔てた北海道についても考えたい。ホワイト・フロンティア・北海道をユネスコ世界文化遺産に登録することは他の46都府県に比べ選考が厳しい。なぜなら、ロシアにとってのシベリアのごとく、そこは、南樺太まで延長する日本の開拓地だったからだ。つい15年前まで「北海道開発庁」が内閣府外局に設置されていたのも人間の手の付かぬインフラ整備途上であったことを裏付ける。
青森県は行政上、他の45府県と平等の広域行政体だが、 いわば北海道クラスの「中央従属県」だ。「札束」を頂とする「津軽選挙」が、「補助金漬け」の核廃棄物貯蔵施設建設に1%の影響もないわけない。
舞台『四人目の黒子』は東北劇団・「弘前劇場」が地元、東京、札幌をツアーする渾身作だ。
地方劇団の楽屋に「青森弁」が飛ぶ。“日常感”と「東アジア戦争の空気」が暗澹に合同していく。
戯曲段階では「良作」だったろう。ただし、実際に舞台化すれば、台詞の単調さとニヒリズムの「臭さ」は強烈である。「四人目の黒子」こと演出家「イヌカイ」が劇団員の証言により「立体視」されるが、それが付箋とはならず、「戦争の空気」を主題としているように思える。
ネタバレBOX
弘前劇場の若手俳優が「新人役」だ。他の役者が「関係」を完結しているなか、初心者俳優ならではの「ドキマギ」が、金魚鉢に新しい金魚を投入したような観察効果をもたらす。
『ギア-GEAR-』Ver.3.70
ギア公演事務局
ギア専用劇場(京都府)
2013/11/01 (金) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★
ギア
正直な感想を書くと、ひとつひとつのパフォーマンス時間が短いように思えた。もう一歩上、今まで見たことない、を期待してしまっていました。
子供さんと一緒に見に行くのにはちょうど良いのかも。
カウラの班長会議 side A
燐光群
ウィルあいち(愛知県女性総合センター) ウィルホール(愛知県)
2014/07/25 (金) ~ 2014/07/25 (金)公演終了
満足度★★★
時空をオーバーラップさせた演出が良い
劇中劇とそれを作る人たちの物語が時間・空間的にオーバーラップしながら話が進む演出が面白く、純粋に演劇の手法として高レベルに楽しめましたし、役者さんたちの演技の質も高かったと思います。しかし、本筋から外れると思われる主義主張が垣間見えてうんざりした点があり、その分、評価下げました。
猫のサロン~家族のはなし~
猫の会
ひつじ座(東京都)
2014/07/17 (木) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★
クツシタの夜
面白かったです。大家さん、味がありましたね。
五反田の夜
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2014/07/22 (火) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★
win-win-win
面白い。105分。
ネタバレBOX
大山雄史…絆の会所属。女性3人にほっとかれて拗ねる。
後藤飛鳥…前田司郎の姉。絆の会所属。西田の独裁に反発し、絆プロジェクトを立ち上げるも上手くいかず、西田と若いする。
中川幸子…絆の会所属。西田の独裁に嫌気がさすも、後藤も独裁者となり西田に助けを求める。
西田麻耶…絆の会のリーダー。ナチュラルに破天荒。肉飛ばし大会で優勝する。
宮部純子…前田の勤め先の娘。前田と付かず離れずな関係。
望月志津子…後藤の元同僚。マルエツ事変を起こす。西田の夫と浮気して西田に前歯を折られる。
前田司郎…後藤の弟。宮部と3D映画デートするもハイタッチして終わる。
西田の夫(山田)…人形。暴力的だけど、西田はハマってる。ドラッグ的なものの個人輸入事業を立ち上げる。
前に見た「五反田の朝焼け」の改訂版かな。単純に笑える。ボランティア団体というものをある側面でスパっと切り取って、自然に可笑しなキャラで味付けして提示してくれる。
西田のフルスロットルな演技が好感触。後藤が絆の会を乗っ取ったことに対して怒りを発するシーンの安直な照明効果が絶妙。
祭で金くださいでwin×3になれるってとこが、いい感じの皮肉だなと。
四人目の黒子
弘前劇場
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2014/07/25 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★
忍び寄る戦争の予感
表面的には劇団の日常を描きながら、メタファーが散りばめられていて、考えさせられる作品でした。
日中韓共同製作公演のツアーを終えて地元で公演中の地方の劇団という実際の弘前劇場自体を思わせる設定で、スタッフ楽屋で交される程良くユーモアがある淡々とした会話のやりとりの内に、高齢化社会や中国・韓国との関係といった社会的な不安が浮かび上がる物語でした。
登場人物としての黒子とは別に、登場人物達には見えていない設定の黒子達が所々で現れて佇んだりうろついたりする姿が、政治的な諸問題を見えているのに見えなていない事として着々と戦争へ向けて事態が進んでいることを示唆している様で不気味でした。
小道具として用いられたギターに反戦運動のフォークギターのイメージと楽器→道具→武器のイメージが重ね合わされていたのが印象的でした。
終盤で引用されたアルチュール・ランボーが戦死した若者を描いた詩『谷間に眠る者』は、テーマには則していたものの、唐突な感じがありました。
リアルに作られた楽屋のセットの中で中央のテーブルだけがいびつな形でかつ縁が赤くて、そこだけ非現実的な表現となっていましたが、その意図が掴めず違和感のみが残りました。
考えさせられる内容で見応えがありましたが、公式サイトに書かれていたあらすじとは異なる話となっていたのが少々残念に思いました。
窓に映るエレジー
ジョンソン&ジャクソン
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/06 (水)公演終了
満足度★★★
くだらないのにジーンとくるのはなぜw?
笑い控えめなのにくだらなさとゆったり感がベストナンセンス。
男と女のおふざけ加減、成志先輩の存在の揺るぎなさ、哀歌とはこういう事なのな。毎度の事ながら成志さん池谷さん村岡さんの歌上手!大倉バンドマンも必見。
この手の芝居に感想や説明する行為は野暮なのかもしれないけど、くだらないけど最終的にジーンときて面白かった。でも、ちょっと長かったかな。約2時間。
MUNI「ハローグッバイ」
セッションハウス
神楽坂セッションハウス(東京都)
2014/07/26 (土) ~ 2014/07/26 (土)公演終了
満足度★★★★
白い輪廻
上演時間80分。白い垂れ幕がかかっていて、衣装は最後には純白になり、振り付けが一巡。若い体力を活かした振付。出演者にきゃっちぼーるずを発見、卒業後も活躍していることを知ってうれしい。
それは秘密です。
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
それが大事
面白い。115分。
ネタバレBOX
売れない芸人・圭(松本大卒)が警察に突如逮捕される。芸人トリオの二人とマネージャー(岡田一博)、同居人の彼女・彩香(志水衿子)、ケンの彼氏というショウタ(熊野善啓)らは、なぜ圭が捕まったのか、O1グランプリに出られるのかと
気が気でない。一方、圭は警察の取調べに対してチケット転売や口座売買の自白をするが…。
話的には、圭の弟の健が、自衛隊として派遣され非戦闘地域で後方支援を行うも武装集団に襲撃された際に見境をなくし、同僚らも銃殺してしまったという背景が明かされ、自衛隊派遣の秘密を暴露しようとしたあおりで圭が捕まったことがわかる。健が銃殺した中にショウタという同僚(野々村の夫)がいて、その幽霊が現れたというのはおまけのようなものか。
けっこう笑える。マネージャー役の岡田が色々上手い。
秘密保護法と自衛隊派遣のからめ方は○。生きている人間(一般庶民)とそうした社会的事象とがもう一層深いとこで絡まっているとなおよいかな。
チラシデザインはとても面白い。
窓に映るエレジー
ジョンソン&ジャクソン
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/06 (水)公演終了
満足度★★★★
ブルー&スカイ×商業演劇
ブルー&スカイ作品を観るのは昨年こまばアゴラ劇場で上演された『音楽家のベートーベン』以来。
『ベートーベン』より会場がずっと大きく、役者陣も豪華なこの作品は『ベートーベン』よりエンタメ色、商業演劇色が強く、それに伴い、エンタメ劇らしい力強くメリハリの利いた演技が幅を利かせていましたが、ブルー&スカイと大倉孝二の共作による脚本だけは大衆迎合的でなく不条理な笑いに徹していて、その点、とても好感が持てました。
とはいえ、じわじわ、ひたひたと徐々に迫ってくるようなブルー&スカイ流のユーモアには抑えた演技がやはり似つかわしい。
この思いは最後まで拭えませんでした。
ネタバレBOX
高層マンション暮らしの夢を倹約によって叶えた女が窓からの絶景を自慢しすぎて周囲から嫌われるエピソードがツボでした。
その絶景をポストカードにして売り出すとか、よくもそんな発想が出てくるもんだと感心。
飴屋法水『教室』
吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会
SNAC(東京都)
2014/07/25 (金) ~ 2014/08/02 (土)公演終了
満足度★★★★★
飴屋法水渾身の「授業」
飴屋法水とそのパートナー、そして2人の間にできた小1くらいの娘。
そんな飴屋一家が飴屋一家自体を演じ、人類全般、生物全般を視野に収めつつ一家の来歴を説いていく“飴屋流ヒト学講義”といった趣のセミドキュメント的公演。
この素晴らしさを一体どう伝えればいいだろう?
父、母、娘それぞれの独白と家族間の対話によって説かれていく、飴屋家ならびにそれをくるみ込む人類全般、生物全般のヒストリーは、平易なのに力強い言葉の数々とそれに随伴する音響の奇蹟的なコラボによってズシンと胸に突き刺さり、一時間強にわたって私を放心させ続けた。
そして、シャッター全開の会場側面から見えた夏の下町の美しかったこと。
さらに、たびたび外にまで躍り出て夏の白光のなか遊び、演じる飴屋一家の美しかったこと。
演劇作品の一部と化した町並みが普段歩く町並みとは相貌を異にし、ここまで美しく見えるのは一体どういうわけなのか!?
飴屋一家の放つ光は私の人生をも照らし出し、少なくとも本作を観ている一時間強の間、私は散文的で取るに足りないこの私のこの人生というものが愛おしくて愛おしくてたまらなくなり、必ずや来るこの生の終わりを思ってやりきれない気持ちになったのだ。
ネタバレBOX
3人きりの出演者のうち誰かに最優秀俳優賞を上げるとするなら、やっぱり娘さん。
可愛い上に、与えられた役割をきちんとこなしていた。
それにしても、いちおう段取りに従っているはずなのに、演じている感じがまるでしないのは一体どういうわけなのか?
彼女の自然すぎる演技、というより振舞いが、本作の持つドキュメント性をより強めていたのは間違いのないところだろう。
十周年記念コンサート「Thanksgiving!!」
ミュージカルグループMono-Musica
Studio K(東京都)
2014/07/26 (土) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
とても素晴らしいステージでした。お客様の愛に包まれた会場で華を咲かせるメンバーが輝いていて暖かい気持ちになりました★
おどり良ければ全てよし
まさおか式
STスポット(神奈川県)
2014/07/26 (土) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★
祝旗揚げ
上演時間60分。ほぼ満席。政岡さんは出演なし。旗揚げにしては力みが感じられず自然体だった。余興を組み込まずにダンスらしいダンスで、心の底にあるものに触れる表現だった。