ツナガル
セロリの会
「劇」小劇場(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
True Colors
千秋楽ということもあり 一つ一つのシーンがことさら丁寧に演じられていた感じです。
初回は「長さ」がきになったけれども 今日は気になりませんでした。
木綿子の痛みが 切ないほど伝わってきました。
やっぱり好きなシーンは「わーい、わーい」とラストです。
生きている間に会話で親子が理解しあえなかったのが一番辛いことですが、その傷の痛みをそのままに再出発を決意する木綿子に拍手を
最後 の アンサンブル とっても上手くなってた。
ブラボー!
風当り、宵の葉擦れ。
ライトアイ
ACT cafe(大阪府)
2014/08/02 (土) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
職人・坂口修一の芝居
職人の名にふさわしくいろいろできる役者さんだと知ってはいるけれど、無器用でものごとに正面からまっすぐ当たることしかできない武骨な職人の役はほんとにはまる。
女房は三人にそれぞれで印象違うんだろうなあ。他は行けなくて残念。
ネタバレBOX
「バンドエイドの剥離紙には、やさしさが込められています」
RIVER SIDE STORY
STUDIO D2
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
ダンス
ダンスは素人ですが、素人がみてもみゆきさんやくのかたとベリーダンスのかたはとくに素晴らしかったと思います。
楽しかったです。
日ごろのレッスンもきっと楽しいのでしょうね。
RIVER SIDE STORY
STUDIO D2
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
確かにミュージカルです!
失礼ながら、ダンススタジオの公演という事でダンス中心で芝居部分はそこそこかなと思っておりましたが、良い意味で裏切られました。ダンスは勿論、芝居部分も違和感なく、予想以上だったのは歌。確かにミュージカルでした。公演後に分かったのですが、今回はオーディションで各分野から集めたとの事。納得です。確かにそれぞれ得意部分とそうでもない部分があったとは思いますが、(特にダンスシーンは技量の差が出ますね(笑))全体的にまとまっていて、とても楽しめました。
千秋楽を観劇しましたが、最後の主催の挨拶はお人柄が出ていてとても良かったです。
ネタバレBOX
兄弟でなぜ、禁断の愛と歌ったのでしょうか(笑)
ベリーダンスは必見です!
観世会定期能八月
社団法人観世会
【閉館】観世能楽堂【渋谷】(東京都)
2014/08/03 (日) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
ロウソク
上演時間4時間。ほぼ満席。能「花月」50分、狂言「隠狸」30分、休憩30分、能「花筐」80分、休憩15分、仕舞20分、能「鉄輪」50分。附祝言なし。鉄輪はロウソクを使い見所がうす暗くとても雰囲気が出た。場内が静まり返る効果もあり、残響もくっきりと聞こえた。できれば避難誘導灯も消灯すると最後の全消灯で暗闇を堪能できたと思う。
いぶかりぼうや
劣等星人
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2014/08/02 (土) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
チャレンジ感
統合失調症の少年のストーリーでしたが、興味深く観劇しました。現実と、主人公の幻覚・幻聴が交錯されていましたが、上手く交錯していたと思いました。演技力は、もう少しかな?という感じはしましたが、旗揚げ公演で難しいテーマを扱い、チャレンジ精神を感じました。統合失調症や鬱病など、心の病が増えている現代なので、考えさせられ、観て良かったです。タバコを吸うシーンがあるので、受付でマスクを配るという配慮があり、好感が持てる劇団でした。
モヌケノカラ
削除
レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/04 (月)公演終了
満足度★★★★
個性的
5つの短編の中から、3編を上演する舞台で、B・C・Dの回を観ましたが、どれも良かったです。意外な展開、色々な愛の形・・よく出来た脚本だと思いました。役者さん達は、みんな個性的で、その個性を充分に演じていると思いました。蛸谷歩美さんは、本当に少年のように見えました。なので、蛸谷さんが、お姫様みたいな役を演じたら面白そうだと思いました。観てきたコメントしているオヤジ様の観た回では、アイドルを演じ高評価なので、とても気になりました。面白い舞台でした!
朝日のような夕日をつれて2014
サードステージ
紀伊國屋ホール(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
ついに
【1回目】生で観劇してきました。
オープニング、エンディングともに鳥肌ものでした。
【2回目】やはり進化していた。星4つから5つに変更しました。次は大阪で見ます。
ネタバレBOX
【1回目】素人考えで、勝手に藤井さんが少年かと思ってました。玉置さんは柿喰う客でいい役者さんだと知っていましたが、改めていい役者さんだと思いました。藤井さんはまだちょっと乗り切れていないような気が。
大高さん、小須田さん、やはり91年のころのようなほとばしるエネルギーはありませんでした。しかし50歳になってのこれが朝日なんだろうなと。
自分がこの作品に惹かれるのは、役者のすさまじいエネルギーと、孤独感だったように思う。そういう意味では今回の作品はそれとはまた違うように思う。まだつかみきれていないですが、それでもやはり面白いと感じました。
まだ数回観にいくので、どのように変化していくかも楽しみです。
【2回目】
前回感じた藤井さんへの心配はまったくなくなっていました。いろんな人が言っていることだと思いますが、やはり33年も前に書かれている(もちろん細かい部分はブラッシュアップされているが)ということに驚く。このスピード感。この世界にずっとひたっていたいとも思ってしまう。
それは秘密です。
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
暑かったが行って良かった
得意の社会派脚本に手練れのおふざけを交え、演劇ならではのファンタジーも盛り込まれてとっても面白かった!開演前の選曲は作・演出のチャリTさんと同世代だからか、私にはドンピシャで泣けた。あの頃は無知だった。
ネタバレBOX
死者を演じる俳優が舞台にいるのは演劇の醍醐味。一人ひとりの命や煩悩に敏感になれる。
ベタなギャグも間やつっこみで最終的に笑えるようになっていて、さすがだなと思いました。
The Kaidan アルプス一万尺 Final
劇団 CAT MINT
シアターサンモール(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
夏ならでは!?
怪談だけでなく、心霊写真あり、再現VTRあり、笑いありと、バラエティーに富んでいて楽しかったです!ただ、設定というか、状況からラストの展開が最初からなんとなう感じられてしまったのが少し残念でした。
それは秘密です。
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
初見
なんとも評価しづらい舞台でした
ネタバレBOX
仕方ないのかもしれませんが、(役者による)説明部分が多かったのがちょっと観てて疲れました
また、政治的な部分、これは劇団は社会に訴えたかったのか。それともそういう部分のないただの演劇だったのか。前者だとしたら、そういう部分をチラシなどで前面にだしておいてほしい。個人的には演劇で政治的なものは観たくないので。
部室。
ENBUゼミナール
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2014/08/02 (土) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
イケてない
童貞臭する役者による、イケてない童貞臭する学生時代の話。面白いシーンもあるけど、このモノローグ多用のパターンはちょっとね…。最後に鼻血を出してた彼は大丈夫なのかしら?
アルビノハニー
小西耕一 ひとり芝居
ひつじ座(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/04 (月)公演終了
満足度★★★★
嫉妬心
を扱うお芝居は、珍しいような気がします。
当パンに小西さんの好きだった人への熱い思いが綴られていた。
この感情が人間の内面をえぐるような作品に繋がるのかと思った。
出演者も選りすぐりで魅力的でした。
スタートは軽快で機知に富んだやりとり。後半から一気に緊張感が高まります。次の作品も観たい。
ネタバレBOX
椅子の下のバラバラになったマネキンが暗示的で恐怖を煽っていた。
スノードロップ
みどり人
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/06 (水)公演終了
満足度★★★★
続きが”気になる”
連ドラ風四話完結公演の第一話と第二話を小空間「絵空箱」で上演…。
当日配付の案内には、「”許せない”気持ちを生き方にした人間の復讐劇」とある。ミステリー仕立てのようにいくつかの伏線を張り巡らしている。その張り方がストーリーのほんの少し先…さしずめ懐中電灯で足下の先を照らすような感じで目が離せない。細かいことはあるが、ほぼ素舞台ながら状況説明は十分で、上手い演出だと思う。そして最後にタイトルの意味と公演後半(第三話、第四話)の上演スケジュールの案内へつなげる。
ただ気になることが…。
(ネタバレBOX)
ネタバレBOX
全四話のうち、第一話第二話を上演し、後半二話を12月に上演するという。さて、映像(映画、テレビ等)は、編集という技術でダイジェスト版を放映することが出来るが、芝居ではどう演出するのか興味がある。一話が約60分(一話・二話は長短あるが、途中10分休憩を入れ2時間)とすれば、よほど前半部分を簡潔に説明しないといけない。第三話・第四話だけを観る人にとっては、そのダイジェスト部分が生命線になるであろうから…演出手腕に期待しております。
(P・S)
出張があり、追記が遅くなり申し訳ございません。
パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!
おぼんろ
ワーサルシアター(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了
作品以外の感想を書く苦しさ
魂と熱の籠ったパフォーマンスに間近で接して、心に何も感じないわけでは無いのですが
おぼんろを応援したい気持ちと嗜好との溝が埋めきれない事を痛感した舞台でした。
作品の感想を綴ってはみたものの、個人の嗜好に起因する側面を持った感想は、
主体性と方針を確立されている劇団に対して「自分の趣味に合わせろ」という不遜な要望と
受け取られるのも本意でなく公開を躊躇するものでした。
「趣味に合わないから、おぼんろ作品とはこれっきり」というのも実に惜しく、今後の
‘よすが’となるのか、嗜好を離れた作品以外の感想を添えてお茶を濁すとしたく…?
ネタバレBOX
毎度終演後、末原主宰からシアターコクーンへの想いを耳にしますが、何故その劇場を、
どうして目標にされるのかが語られない「一緒に行きましょう」へ常に共感出来ない
気持ちに包まれて会場を後にします。
あらゆる情報に目を通せている訳ではないので、実は語り尽くされたことなのかも
しれませんが全ての参加者へ直接周知させなくては共感出来なくて然りです。
共感出来ない最大の理由はコクーンの上演作品から一目瞭然です。
メディア等で著名な出演者の集客力を頼る企画公演が主の商業演劇で、人気・実力を
育んできた劇団が成長の暁として単独公演を打つ聖地などでは無いからです。
直近では綾野剛さんや前田敦子さん等の主演作が上演されていますが、前田敦子さんが
コクーンの舞台を念願叶えて立ったわけでも無いと推察します。
つまりそんな劇場が、どうして小劇団の聖地となるのか、その精神なりが語られないと
個人的な見栄か野望にしか窺えません。
3,672人動員は44公演という凄まじい持久戦(消耗戦)の末、積み上がった誉で、
地方公演もあり単純比較は出来ない乍ら前作26公演との平均動員数では80人→83人と
大飛躍は有りませんでした。
コクーン(座席数747)だと約90%が空席という現実は目標でなく夢です。
その夢も2万5千人(5万人から半減)という動員を意識されていることからスポット公演では
ないようですが「良い物語を紡ぎ続ければ集客が増え、いずれ夢に届く」では
永遠に辿り着かないと思います。
おぼんろの面々が街を歩いてて、周囲からの視線を浴びたり、更には写真や握手,
サインを求められることがどのくらいあるでしょうか。
娯楽のありふれた東京で、しかも演劇が2万5千人を集めるという意味はつまりは
そういうことで極論、作品の内容は関係無いのです。
高難度な目標なのに、その方法が他力本願の倍々作戦とは無計画そのもので、
他意(単に集客効果としての共通モチベーション維持等)があれば別ですが、純粋に
本気ならば、 自力(実力とは別)の集客力でしかそれは掴めません。
不本意かもしれませんが、舞台を抑え映像の世界で勝負することも「急がば回れ」なのでしょうが…
コクーンという目標が疑問なだけで、末原主宰の演劇界における集客現実へ対する
挑戦姿勢、高橋さんの接客や芝居への深慮などは応援の理由にもなっており、
作品嗜好の壁は簡単に取り除けませんが、それでも気に掛かる存在であるのは
真摯な努力の賜物に他なりません。
見返りなき増税、インフレが進む時代に突入しエンタメは観客の側も選択を迫られる
支出の分野です。固定客と一部の熱い支持に留まるのか、高額チケット代金を払っても
中劇場で観たいと大衆に支持される劇団へ飛躍はあるのか。
これからの取り組みにも注目を続けてゆきたいです。
一二人の怒れる男
東北えびす
座・高円寺1(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
引き込まれました。
劇場の座席も工夫してありとても臨場感がありました。2時間が短く感じるほどでした。好きな芝居でした。
青空と複雑
ブルドッキングヘッドロック
ザ・スズナリ(東京都)
2014/07/30 (水) ~ 2014/08/06 (水)公演終了
満足度★
残念な舞台でした。
前作、おい、キミ失格!が良かっただけに、期待してたんですが、ガッカリです。
音楽劇という割りには、曲数少ないし、生演奏の割りに、パンチが無い。生演奏のメリットゼロでした。
ストーリーにも感情移入出来なかったし、アラも多かった。
ツジツマが合わない所もあったし。
大根のひと、いたし
あと、小屋が暑過ぎ!
あれじゃ、熱中症になるよ。
団扇使ってたひと、多かったしね。
とにかく、次に期待。
祀(MATSURI)
劇団め組
吉祥寺シアター(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
吉祥天と福禄寿
何れにせよ、吉祥寺の起こりとされる明暦の大火を幕府の仕業として描いた物語である。
ネタバレBOX
リーフレットの説明に在る通り吉祥寺の縁起に関する物語だが、増え続ける江戸住民に手を焼いた幕府は材木商人とも結託して、江戸の町に火を放った。付け火は、死罪で購う重大犯罪であるが、権力者がそれを為す場合は、無論“お咎めなし”は万国共通の事実である。物語は、此処までの深読みはしていない。然し、我ら観客は、ここ迄は最低、推し測るべきである。
ところで、今日は、このような視点からは、論じない。寧ろ、劇場のサイズや構造と演劇について論じたいのである。
観客の達ばから、自分は、この吉祥寺シアターは好みである。何といっても、段差を充分とってある客席の何処に座っても、舞台が見やすい。前の観客の頭部などによる観切れが無い。音響や、照明の設備が充実している。サイズの大きさも手頃だし、前後左右の比率が適度で舞台に集中しやすい等々である。今回、演出を担当している演出家は、この辺りの事を良く弁え、実に効果的に、音響(吉祥天の吹く横笛の空気を切り裂く音によって観客に空間を感じさせる方法及びD.J.の作り出す横笛程の緊張感のない音響によって別の空間を醸成する技術)と舞台上の舞いで、劇の視覚的効果を高め、上手に自然に観客に見せてくれた。キャパ100前後の小劇場で観る芝居は、観客がその想像力によって参加できるような演出をすれば、必要充分だろうし、それ以上であれば、作品によっては、過重な演出になってしまう可能性がある。然し、中規模以上の劇場になれば、見せる芝居作りを心掛けなければなるまい。その意味で、舞いと音響を巧みに用い、森を動かしたりすることで摩訶不思議な神々のすまいを表現する等の工夫が凝らされていた他、衣裳、舞台美術なども過不足のない良いできであった。
無論、この演出に出演した役者達がキチンと応えていた点も評価できる。
仁義なきタイタス・アンドロニカス
株式会社トゥービー
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/08/02 (土) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★★
げに凄まじき
残虐な復讐劇は古典でのみ楽しみたいものです。
ネタバレBOX
ローマの将軍タイタス・アンドロニカスが捕虜として連れてきたゴート人の女王タモーラ一族の内、長男を戦死した我が子への生贄にしたばっかりに、恨みの連鎖が次々と続き、最後はタイタス・アンドロニカスの長男とタイタス・アンドロニカスの弟だけが生き残るだけの凄まじさ。
まさか、自分が皇位に就くように推挙されていたのをわざわざ遠慮して譲ってあげたのに、新しい皇帝がタモーラに一目惚れして妃にしてしまうとは、全てはここから始まりました。
最後は、タイタス・アンドロニカスが皇帝と妃の前でかつて彼女の二人の息子に陵辱された娘ラヴィニアを古典になぞらえて殺した後、タモーラに彼女の息子たちの肉と骨を食らわせ殺害しました。タイタス・アンドロニカスが皇帝に刺されると、タイタス・アンドロニカスの息子が皇帝を殺し、ようやく終わりました。まさに仁義なき闘いでした。
恨みの連鎖は断つというのが井上ひさし先生の作品を観たものとしての立場です。先祖返り的な猟奇殺人事件も懲りごりです。残忍な復讐劇は時折歌舞伎や古典劇でのみ楽しみたいと思います。
Vol.1『BGS~バックグラウンドストーリー~』
ド・M(マリーシア)野郎の宴
Geki地下Liberty(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
主張が内向きで弱い
劇団員、全員男、ゲイ在り、腐れ縁在り! 等々、小劇場で公演を打っている劇団の本公演中、舞台袖、楽屋での話である。
ネタバレBOX
どういうわけか、この本公演前から、アタッシュケースに仕込まれた爆弾騒ぎが起こっていた。この事件、最初の爆発が、おばあちゃんの原宿、巣鴨で有名な西巣鴨で起こったことから西巣鴨ボマー事件として有名になった。その後も、あちこちで同タイプの爆発事件があったばかりか、何と、この劇団に所属する淡路島出身メンバー、福留の隣室で爆発が起き、ニュースで報道されたばかりであった。そんな折も折、楽屋では、劇団創立メンバー、ポンコツ役者、田端と編集者の服部、制作等担当の淀橋らが、雑談をしている。田端の不満は、「何故、自分には、短い科白しかないのか?」である。服部は、唯一、この劇団で本職のシナリオライターだけで喰っていける、主宰者の大木に原稿を貰うことだ。淀橋は、公演終了後の打ち上げ手配などをやりながら、皆の舞台に気を配っている。ところで、作・演出の大木と田端は、小・中・高と同期で、小さな頃は、双子の兄弟のような仲良しであった。田端は、高校で地区大会決勝迄駒を進めた立役者。キャッチャーで4番、時にはピッチャーも務めた程の選手で1年で既にレギュラーであった。綽名をドカ弁と言う。一方、大木は、サッカー部キャプテン、全国大会出場を果たしていて、特技は、視野が矢鱈に広いこと、耳の辺りで本を開いて読んで見せる。ホントに見えないのは、真後ろだけとの噂があるほどだ。だが、二人は、ある時から、事あるごとにぶつかるようになる。原因は、女である。で、現在の其々の彼女は、互いの元カノという交錯した関係である。彼らと最も、付き合いが古いのが、主役の片瀬である。その片瀬は殆ど出ずっぱりで、楽屋に戻るのは、水分補給程度なのだが、彼のペットボトルを狙っている男がいる、ゲイの矢部坂である。矢部坂は、片瀬がラッパ飲みしたペットボトルと自分がラッパ飲みしたペットボトルを交換し、間接キスをすることに執念を燃やしている。この他、舞台監督兼演出助手でプロレス狂の天本が居るが、本番中は、楽屋では静かにしていることが常識なのと、プロレスラーが試合終了後、何らかのアピールをした後、マイクを投げ捨てる動作に重ねて、楽屋内では常にメモ帳にメモって対話をするのだが、その時、マイクをプロレスラーが投げ捨てるようにメモ帳を投げるのが癖である。
これら、やや濃い目のキャラクターと西巣鴨ボマーとの関係や如何に? ボマーの狙いは? はたまた、矢部坂の恋の結末は? そして彼らは無事公演を終えることが出来るのか? それらの謎解きは劇場で。
ところで、矢張り何となく内向きである。演劇は社会を映す鏡でもあるはず。外界を、殊に、この国の歪みが、各々のキャラにもっと反映するような作りを目指して欲しい。同じ楽屋物でも、清水 邦夫の「楽屋」が優れているのは、そこに、役者のエゴやプライド、自意識の深刻さが、本質として描かれ、普遍性を獲得していると、観る者、読む者総てに感じさせるからだ。個別的でありながら、普遍的であるような作品を目指すことが、表現する者の心がけの要の一つだと言うことを肝に銘じて欲しい。