パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました! 公演情報 おぼんろ「パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 作品以外の感想を書く苦しさ
    魂と熱の籠ったパフォーマンスに間近で接して、心に何も感じないわけでは無いのですが
    おぼんろを応援したい気持ちと嗜好との溝が埋めきれない事を痛感した舞台でした。
    作品の感想を綴ってはみたものの、個人の嗜好に起因する側面を持った感想は、
    主体性と方針を確立されている劇団に対して「自分の趣味に合わせろ」という不遜な要望と
    受け取られるのも本意でなく公開を躊躇するものでした。
    「趣味に合わないから、おぼんろ作品とはこれっきり」というのも実に惜しく、今後の
    ‘よすが’となるのか、嗜好を離れた作品以外の感想を添えてお茶を濁すとしたく…?

    ネタバレBOX

    毎度終演後、末原主宰からシアターコクーンへの想いを耳にしますが、何故その劇場を、
    どうして目標にされるのかが語られない「一緒に行きましょう」へ常に共感出来ない
    気持ちに包まれて会場を後にします。
    あらゆる情報に目を通せている訳ではないので、実は語り尽くされたことなのかも
    しれませんが全ての参加者へ直接周知させなくては共感出来なくて然りです。

    共感出来ない最大の理由はコクーンの上演作品から一目瞭然です。
    メディア等で著名な出演者の集客力を頼る企画公演が主の商業演劇で、人気・実力を
    育んできた劇団が成長の暁として単独公演を打つ聖地などでは無いからです。
    直近では綾野剛さんや前田敦子さん等の主演作が上演されていますが、前田敦子さんが
    コクーンの舞台を念願叶えて立ったわけでも無いと推察します。
    つまりそんな劇場が、どうして小劇団の聖地となるのか、その精神なりが語られないと
    個人的な見栄か野望にしか窺えません。
    3,672人動員は44公演という凄まじい持久戦(消耗戦)の末、積み上がった誉で、
    地方公演もあり単純比較は出来ない乍ら前作26公演との平均動員数では80人→83人と
    大飛躍は有りませんでした。
    コクーン(座席数747)だと約90%が空席という現実は目標でなく夢です。

    その夢も2万5千人(5万人から半減)という動員を意識されていることからスポット公演では
    ないようですが「良い物語を紡ぎ続ければ集客が増え、いずれ夢に届く」では
    永遠に辿り着かないと思います。
    おぼんろの面々が街を歩いてて、周囲からの視線を浴びたり、更には写真や握手,
    サインを求められることがどのくらいあるでしょうか。
    娯楽のありふれた東京で、しかも演劇が2万5千人を集めるという意味はつまりは
    そういうことで極論、作品の内容は関係無いのです。
    高難度な目標なのに、その方法が他力本願の倍々作戦とは無計画そのもので、
    他意(単に集客効果としての共通モチベーション維持等)があれば別ですが、純粋に
    本気ならば、 自力(実力とは別)の集客力でしかそれは掴めません。
    不本意かもしれませんが、舞台を抑え映像の世界で勝負することも「急がば回れ」なのでしょうが…

    コクーンという目標が疑問なだけで、末原主宰の演劇界における集客現実へ対する
    挑戦姿勢、高橋さんの接客や芝居への深慮などは応援の理由にもなっており、
    作品嗜好の壁は簡単に取り除けませんが、それでも気に掛かる存在であるのは
    真摯な努力の賜物に他なりません。

    見返りなき増税、インフレが進む時代に突入しエンタメは観客の側も選択を迫られる
    支出の分野です。固定客と一部の熱い支持に留まるのか、高額チケット代金を払っても
    中劇場で観たいと大衆に支持される劇団へ飛躍はあるのか。
    これからの取り組みにも注目を続けてゆきたいです。

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    2014/08/03 17:00

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  • 投稿ありがとうございます。
    おぼんろ末原拓馬です。すべての投稿にコメントを返すことができないのですが、フと目にすることができたので、お答えしたくコメントします。

    すごく鋭いご意見伺うことができて嬉しく思います。
    実を言えば、公演一回一回の瞬間動員に関して言えば実のところさほど増えている訳ではなく、今後、動員計画もよく見直していかねばならないと考えているところでもあります。まさしくおっしゃる通り、他力本願でみなさまに助けていただいてここまでくることができたのがむしろ稀で感謝してもし足りないことであると考えています。これからは、広く様々なメディアに向かって露出していくことが必要と言うのは本当にその通りだと考えていて、僕自身、昨年から外部出演や映像の仕事を増やし始めました。それでも、ごく一部の運と実力、それをつかむ努力を積むことができた人間だけが成功をつかむことができる世界だとは承知の上で。

    コクーンについてですが、そうなんですよね・・・。まさしく、小劇団の目指す劇場ではないと考えています。そもそもの発端が、演劇を始めて1年にも満たない頃に「このひとが日本一だ」と言う演出家の公演を観たのが、コクーンだったのです。野田秀樹さんでした。続いて、「ここが一番人気のある劇団だ」と言って連れて行かれたのも、コクーン。これは、ナイロン100℃でした。

    「バイトをしながら演劇を続けて、30代になったらフェイドアウト」と言うのが多くの演劇人生のあり方だ、と先輩方から聞いたとき、自分もそうなること、アマチュアのままで終わることに恐怖を覚えました。なので、一流になる、と言うことの宣言として「シアターコクーンを目指します!」と心に決め、そして怯んで逃げ出さぬように、有言実行すべく、公言したのでした。

    もちろん、まだ演劇界のことさえろくに理解していない頃のことでした。そこから、様々な商業現場も経験し、いろいろと情報をかき集めるにつれ、どう考えても、小劇場の劇団が、「ファンを集めて」シアターコクーンのような劇場に進出することなど極めて前例のないことだと言うことを知りました。遡ってみれば、以前に自分が観た多くの公演も、いわゆる「有名人」が複数人出ていました。それほどに、演劇に観客を動員すると言うことは、難しい時代なのですね。

    ああ、これは、とんでもない宣言をしてしまったぞ、と思う一方で、これは成し遂げられたらものすごいことだぞ、と言う気持ちが勝り、今に至っています。現実はどうあれ、作品や思想、現象に人が集まることこそを、僕は芸術に期待している部分があります。それを、証明したい。

    ものすごく難しいことも理解はしていて。タレントをキャスティングすることなども勧めていただくことが多くなったのですが、作品には世界を変える力があるんだと、青臭い考えですがひたすらに信じたく努力をしてきました。

    これからもっと、もっとよく現実的なことも考えてみます。ご意見いただけて嬉しかったです。

    まだまだ未熟な僕らですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

    2014/08/11 13:32

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