作品以外の感想を書く苦しさ魂と熱の籠ったパフォーマンスに間近で接して、心に何も感じないわけでは無いのですがおぼんろを応援したい気持ちと嗜好との溝が埋めきれない事を痛感した舞台でした。作品の感想を綴ってはみたものの、個人の嗜好に起因する側面を持った感想は、主体性と方針を確立されている劇団に対して「自分の趣味に合わせろ」という不遜な要望と受け取られるのも本意でなく公開を躊躇するものでした。「趣味に合わないから、おぼんろ作品とはこれっきり」というのも実に惜しく、今後の‘よすが’となるのか、嗜好を離れた作品以外の感想を添えてお茶を濁すとしたく…?
ネタバレBOX
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2014/08/03 17:00
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2014/08/11 13:32
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おぼんろ末原拓馬です。すべての投稿にコメントを返すことができないのですが、フと目にすることができたので、お答えしたくコメントします。
すごく鋭いご意見伺うことができて嬉しく思います。
実を言えば、公演一回一回の瞬間動員に関して言えば実のところさほど増えている訳ではなく、今後、動員計画もよく見直していかねばならないと考えているところでもあります。まさしくおっしゃる通り、他力本願でみなさまに助けていただいてここまでくることができたのがむしろ稀で感謝してもし足りないことであると考えています。これからは、広く様々なメディアに向かって露出していくことが必要と言うのは本当にその通りだと考えていて、僕自身、昨年から外部出演や映像の仕事を増やし始めました。それでも、ごく一部の運と実力、それをつかむ努力を積むことができた人間だけが成功をつかむことができる世界だとは承知の上で。
コクーンについてですが、そうなんですよね・・・。まさしく、小劇団の目指す劇場ではないと考えています。そもそもの発端が、演劇を始めて1年にも満たない頃に「このひとが日本一だ」と言う演出家の公演を観たのが、コクーンだったのです。野田秀樹さんでした。続いて、「ここが一番人気のある劇団だ」と言って連れて行かれたのも、コクーン。これは、ナイロン100℃でした。
「バイトをしながら演劇を続けて、30代になったらフェイドアウト」と言うのが多くの演劇人生のあり方だ、と先輩方から聞いたとき、自分もそうなること、アマチュアのままで終わることに恐怖を覚えました。なので、一流になる、と言うことの宣言として「シアターコクーンを目指します!」と心に決め、そして怯んで逃げ出さぬように、有言実行すべく、公言したのでした。
もちろん、まだ演劇界のことさえろくに理解していない頃のことでした。そこから、様々な商業現場も経験し、いろいろと情報をかき集めるにつれ、どう考えても、小劇場の劇団が、「ファンを集めて」シアターコクーンのような劇場に進出することなど極めて前例のないことだと言うことを知りました。遡ってみれば、以前に自分が観た多くの公演も、いわゆる「有名人」が複数人出ていました。それほどに、演劇に観客を動員すると言うことは、難しい時代なのですね。
ああ、これは、とんでもない宣言をしてしまったぞ、と思う一方で、これは成し遂げられたらものすごいことだぞ、と言う気持ちが勝り、今に至っています。現実はどうあれ、作品や思想、現象に人が集まることこそを、僕は芸術に期待している部分があります。それを、証明したい。
ものすごく難しいことも理解はしていて。タレントをキャスティングすることなども勧めていただくことが多くなったのですが、作品には世界を変える力があるんだと、青臭い考えですがひたすらに信じたく努力をしてきました。
これからもっと、もっとよく現実的なことも考えてみます。ご意見いただけて嬉しかったです。
まだまだ未熟な僕らですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。