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THE LAST SONG

THE LAST SONG

GROUP THEATRE

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動しました。
愛する人、友、家族を守るため、自分の危険をかえりみないところ、涙がとまりませんでした。
劇だけでなく、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの生演奏が素晴らしかった。
アベマリアの、ソロの歌声の素晴らしさに感動しました。
舞台役者というより、歌手かと思うほどでした。CDがあったら買いたいと思いました。

クジカン×キカク

クジカン×キカク

シアターKASSAIイベント部

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/09/08 (月) ~ 2014/09/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

観劇人生に残る想い出の1ページとして胸に刻みました
「役者は舞台準備9時間で実際舞台に立てるのか?」
というこの企画、
舞台制作の段取りを良く知る為には9/8(月)の
「1人の演出家と6人の役者」回を選択すべきだったのでしょうが、
僕は元々舞台観劇で初めて感動させてもらったのは
「脚本」「演出」の素晴らしさだったので、
迷わず「1人の演出家と6人の演出家」回を選択しました。

朝10時に集合した6人の演出家(今回は演者として参加)と
1人の演出家(劇団鈴木区鈴木さん)の7人で、
(前日の役者回よりは簡単と演出家陣自ら言う)
「なんとかコメディ(うわ、感想書く段になって言葉忘れてしまいました)」
※ シチュエーションコメディ、でした・・・
を演じるとの事で、
本当のご挨拶から、読み合わせ、キャスティング、
稽古(台詞からその立ち位置、アクションまで)、
通し稽古、ダメ出し、
そして本番と反省会まで
のべ10:00(稽古)~19:00(本番)~20:40(反省会終了)まで
立ち会わせてもらいましたが、
本当に自分の少ない観劇人生の中で、
単にお芝居を観て勝手な批評をするだけではない、
貴重な、そして重要な時間を過ごさせてもらいました。

この経験はきっと今後の観劇活動にも生きてくると思います。
(特に今回参加された7演出家の作品を観る上で( ´ー`))


ショーケン、まっちゃん、西やん、金子さん、
宮さん、そして社長、10時間以上眺め続けた
この6人の物語は一生忘れられません。
(まあ、刺激物を病人/病院に売るのはどうかしら(´∀`*))



反省会での演者(6演出家)の飲むお酒がほんと
美味しそうだったなあ・・・

次回はぜひ、「観客もお酒アリ」方式にして欲しいです!

ネタバレBOX

16:00過ぎ時点の通し稽古を観た時点では、
「台詞覚えも半分(メンバーそれぞれが8割から4割)、
これは本番もひどい事になるな(本番オンリーの人はちょっとがっかりするかな?)」
と思ってたのですが、
その後、「本番まで1時間あるから一度通せる、上(2階)で練習してこよう」
と消えた演者陣。

そして19:20頃の本番、
まさかのほぼプロンプター(台詞忘れた時教える人)なしで
ミスはあるもののそこはアドリブと台詞の助け合いで
通して短編45分を見事爆笑の渦で終了させていました。

他の人の感想ですが、「本番は5割増しで面白かった」
自分も本当にそう思いました。
制作過程から見ているだけに、ここまでうまくハマるとは・・・
とちょっと不思議な気分でした。

元々アドリブに強い作/演出+役者も務める方々の助け合い&暴走も
ありましたが、全部が全部、本お芝居を面白くする方向に
働いていました。

ほんと、「人を楽しませる」、その仕切り役たる演出家達だからこそ
たった9時間で成し遂げられた事と思いました。


朝のおぼつかない読み合わせからを全部眺めていた自分には、
本編だけでなく、ここまでの過程すら愛してほしい、
そう思える今回のイベントだと思います。

演出家陣は半々で「次もやろう」「次はない」と言い合ってましたが、
この企画自体はぜひ次もまたやって欲しい、
絶対に面白いシリーズになると思いました。


PS.脚本/演出家にして劇団主催の久保田さんが1役者として
  台詞覚えからを苦しんで本番にのぞむのを、
  劇団員春原さんが観ていたのは良かったなあ( ´ー`)
  「鬼」と言われた3時間劇の大家も、
  これからは優しくなるのかしら。。。
きらめく星座

きらめく星座

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2014/09/08 (月) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

日本の道義
2009年5月以来の『きらめく星座』の観劇でした。

ネタバレBOX

今年6月に観た『てんぷくトリオのコント』では、井上ひさしさんの死後三年が経過し、井上麻矢さんが新たに立ち上げた企画だったことを知りましたが、同時にその中でコントは変えてもいいが芝居は一字一句変えてほしくないとの希望があったことが明らかにされ、その言葉が本当かどうかは知る由もありませんが、本作品はオリジナル版でした。

オデオン堂というレコード店を通じて、戦争を前にした人々の様子が描かれました。昭和15年11月3日(明治節)の場では長男の脱走が明かされ、昭和16年2月11日(紀元節)の場では、長女が傷痍軍人と結婚し非国民の家から美談の家に変わったことと、長男が九州の炭鉱から逃げてきたことが描かれ、昭和16年4月29日(天長節)の場では長男が銚子のイワシ缶詰工場から逃げてきました。休憩を挟んで、昭和16年8月15日(終戦記念日の4年前)の場では長男は上海航路に潜り込んでいて羽振りが良く、昭和16年11月23日(新嘗祭)の場では、長男は山形の農村からボロをまとって戻ってきて、上海航路の日本人乗客には一発旗揚げを狙うやつ、山師、女ったらししかいなく、中国人給仕を平気で殴るのに嫌気が差したと船を降りた経緯を語り、根っからの軍人だった長女の夫もその話を聞いて、蒋介石様々と言う工場経営者と軍のお偉方との会話を思い出し、日本の道義に疑念が生じると失った左手が痛み出すという精神的症状に苦しみます。最後は昭和16年12月7日(開戦前夜)の場で、オデオン堂接収のため父親夫婦は後妻の故郷長崎へ、下宿人は満州で先生に、もう一人の下宿人は音楽学校へ、長女夫婦は夫が病院に入院するため市川へ、長男は国鉄の車掌をしているという状況下で、明日出征するという近隣の青年のために元歌手だった後妻が「青空」を歌い、その後全員で歌い、銘々がそれなりに生きていこうと何となく前向きに見えた直後、防毒マスクをつけた記念写真のような図になり、悲惨な未来を暗示するような形で終わりました。

始まってすぐに長崎という言葉が出て、原爆に遭うことが想定されました。ラスト近くの秋山菜津子さんの「青空」は良かったです。そして、町内会長さんや役所の人に愛想良くしていればという言葉も当たっていたと思われますので結構重たかったです。

レコード店が舞台であり、音楽劇となるのは已むを得ないとは思いますが、こまつ座のピアノを使った音楽劇にも少々飽きてきました。軽妙さが分かりやすさに繋がっているわけでもありません。オリジナルに縛られ過ぎも如何なものかなと思います。しっとりとした描き方、例えば吉田小夏さんの『星の結び目』のような描き方で演出してくれるとまた違った感動が得られるのではないかと思いました。
グレーテルの妹

グレーテルの妹

シアターノーチラス

OFF OFFシアター(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★

少し中途半端かも
結婚をまじかに控えた女性宅に謎の女性が…。
女3人の黒い思惑が透けて見え、そのキッカケを作ったのも謎の女

という設定だから、女性は怖い。芝居は、女性達の思惑・誤解・食い違いによって炙り出される本性・・・、厭らしいブラック・コメディのようで面白かった。
 また別の筋として“家族とは” という恒久的な問いかけも描かれていると思うが、車の両輪のごとく、何時まで経っても“女性の思惑” と “家族とは” が明確な意思をもって交わらず、中途半端な演出になった感がある。

ネタバレBOX

結婚を控えた女性宅。
そこに兄夫婦、ウエディングドレスを作ってくれる親友女性とその主人。
そこに謎の女性がスルッと入り込み、とめどのない話を始めた。
そのうち、今度結婚する女性のフィアンセがストーカーだと言い始める。

知り合ったキッカケ、付き合いだした経過、ストーカーされて怖い思いをしている現状を説明する。この闖入者(ちんにゅうしゃ)のごとき謎の女性の言葉に狼狽え、フィアンセに対する疑心暗鬼が生まれる。一方、義姉は自分が年下ということもあり、小姑に家を出て欲しい。親友女性は、夫がかつて主人公と付き合っていたことを知っており、早く結婚してくれないと安心できない。そして、謎の女の目的は・・・分からない。

 一方、認知症を患っていると思われる主人公の父親の存在。街中を散策(その昔は森であったようだが)し、独り言をポツリポツリ。この徘徊のような行動の直接的な意味はなにか。

 結局、フィアンセに問いただすが、ストーカーの認識はなく、自殺しようとした(謎)女性を見守るうちにストーカーと勘違いされたと・・・。ストーカーの被害者と行為者の意識の違い、そして 「許嫁(いいなずけ)を本当に愛しているのか?」という問いに対する答えが 「分からない」 という虚しさ。その分からない感覚が自分にも伝染したのだろうか、実に不思議な公演であった。
少年口伝隊一九四五

少年口伝隊一九四五

劇団天動虫

pit北/区域(東京都)

2014/09/01 (月) ~ 2014/09/02 (火)公演終了

満足度★★★★

朗読劇から…
井上ひさし氏が、新国立劇場研修所の研修生のために書き下ろしたのが「少年口伝隊一九四五」である。

この芝居は朗読劇であるが、今回は女性6名による動きも取り入れた公演に仕上げていた。自分が見た回は、会場が狭いこともあるが満席でトラブル席も使用したと思われる。その観客に応えるため汗を滴り落としながら熱演していたのが印象的である。

なにより自分が感動したのは、若い女優がこの題材を選んだこと。そして、役者を代表してジョニーさんが、
「この舞台のため広島原爆投下の8月6日、長崎原爆投下の8月8日、そして15日も稽古に励み、覚悟をもって公演した」 と述べたことには感動した。

芝居に関してはいくつか・・・

ネタバレBOX

大きくは次の2点が気になった。

第一点は、その衣装である。戦時中であればそれらしい舞台衣装で演じて欲しかった。

第二点は、舞台セットである。大脚立は演出上必要だったと思うが、舞台空間に張り巡らせた三角旗は何を意味するのだろうか。まるで運動会かお祭りの飾り付けのようで違和感があった。

上記のことは、単にビジュアル的なことだけではない。
この台本は、俳優、観客を含め、その舞台空間にいる全ての人に戦争の恐ろしさ、無残さを知らしめる“力”があるのだから、その威力を見せつけて欲しい。
CHANGE

CHANGE

f.tプロデュース

Geki地下Liberty(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★

恋愛シチュエーション
ありそうな恋愛シチュエーションの三様態を別々に描き、微妙に交錯しながら展開する物語。

脚本・演出は藤原珠恵氏で、だからなのか女性の立場・視点による描き方だと思う。そこに登場する女性は精神的に強く、またしたたかである。
しかし、心底は優しくどこか愛らしい。やはり女性演出家の応援メッセージが込められている、そんな印象を受けた。

 さて、公演の舞台セットには驚いた。舞台はBarの店内であるが、その装飾は見事であった。上手がカウンター、中央にテーブルセット、下手は自由空間という配置で、場面状況に応じて利用する場所を変えるが、その演出は妙である。

 そこで繰り広げられる恋愛とは・・・。

ネタバレBOX

オムニバスではないが、ストーリーを整理する上で三話を区別してみた。

1.脚本家の女性と劇団の男優は恋人同士だが、最近その男が劇団の後輩女優と付き合いだし、その女優から言い寄られ二股交際をしている。脚本家の女性はそれに気づき、3人で話し合い(脚本家は別れる覚悟)をし、恋人関係は解消。

2.会社上司と不倫関係にある女性が、後輩社員に上司の動向を聞きながら、上司の離婚を心待ちにする。しかし、その上司の妻が妊娠し別れるつもりがないことを知らされる。Barでの愁嘆場がすごい(因みに上司も妻も登場しない)。

3.九州から上京してきた、男女4人のうち2人は恋人同士。女性は舞台となるBarで働き出すが、実父が病に倒れ、その資金援助のため風俗店へも・・・。その事情を知らない男は友達から風俗話を聞き、別れる決意をし、女性は九州へ帰った。


この話を中心に、Barのママの娘、ママに言い寄る男などが絶妙なタイミングで会話に加わり、面白おかしく、またペーソスある仕上げにしている。

結末だが、脚本家は劇団を辞め、テレビ業界へ転職しバリバリ。 不倫女性は動向を探らせていた後輩男性と結ばれ、懐妊した様子。 九州へ帰っていた女性は、用事があってBarへ姿を現し、そのころ別れた男が売れっ子芸人になり、その声がラジオから流れ・・・。ハッピーエンドの雰囲気である。

これらを見守るママの態度がシニカルだが、ちょっとした仕草、言葉の投げかけが優しい。女性の逞しい生き方、一方、優しさ、寂しさが垣間見える好公演でした。
マナナン・マクリルの羅針盤

マナナン・マクリルの羅針盤

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

群像劇ではない
京都生まれの大阪育ちの劇団が、その大輪を咲かせようと東京・池袋演劇祭に参加した公演である。

実質2時間10分(途中休憩10分)の一人芝居を二日間7公演行うという。自分が観た回の公演時には、観客がお揃いのTシャツを着、客席中央に陣取っていた。
それだけ愛された劇団の公演は見応え十分であった。

ネタバレBOX

18世紀初頭に実在した海賊の海洋冒険浪漫活劇。当日配布のパンフによれば登場人物は10名、それに加えト書き、状況説明など全てを一人で担う。
しかし、その演じ方は一様ではなく、登場人物が想像できるような情感溢れる演技であった。
要所に説明が加えられるからストーリーは分かりやすい。大衆に楽しんでもらう、そんなサービス精神が底流にあるような気がした。

さて、舞台セットは、上手がフリースペース、下手に帆船デッキを模した木組みが置かれている。雰囲気は海洋物語に相応しい。また物語の臨場感を持たせるため、音響・照明などの技術も効果的な役割を果たしていた。大阪公演の舞台は、このシアター風姿花伝より狭かったようである。
それだけ林遊眠さんが動き回る範囲が広くなったということ。
観客にしてみれば迫力ある立ち回りのある活劇が見られたが、役者は大変だったと思う。本来、群像劇であるような内容であるが、一人芝居でもその魅力は十分魅せた。

終演後、観客の見送りに出てきた彼女と話をしたが、その小柄さに驚いた。いかに舞台ではその存在の大きさを見せつけたか。

さて、蛇足になるかもしれないが、次の2点が気になった。
第1に、一人芝居の宿命であるが、途中で声が掠れて心配したこと。
第2に、演出だと思うが、途中で水分、栄養ドリンクを補給するところがあった。帆船ウィーダ号のデッキに腰掛け、手にしたものは・・・観客から「○○ーゼリー」 という“ツッコミ”が入る。林遊眠さんが苦笑していた。
今後、東京公演では仕込み演出は通じなくなるだろう。もう一段高い工夫が必要だと思われる(この場面が偶然であれば杞憂であるが)。
UNKNOWN HOSPITAL

UNKNOWN HOSPITAL

壱劇屋

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2014/08/30 (土) ~ 2014/09/02 (火)公演終了

満足度★★★★

難解かも
舞台の雰囲気はオドロおどろした感じで掴みは上々だったと思う。
しかし、その後の展開は難しく、混乱してしまった。

また、関西の劇団ということから公演途中で“笑い”をとる場面があったが・・・公演の流れが滞ったように思える。

ネタバレBOX

精神病院での“虚構”または“虚実綯い交ぜ”の世界観を描いたストーリーだろうか。

当日配布パンフから
「『病院』をテーマに劇団員全員でアイデアを出し合い、纏めて、形にしました。・・・そしてエンターテイメント作品へと進化させたつもりです」 
とある。

登場人物が代わる代わる医者、看護師、患者と立場を変え、誰が本当の役柄か分からなくなる。
公演途中で、その立場・役割を整理する“作業”を行った。
この作業こそが”笑い”をとる場面である。あくまで自己申告(思い込みも含め)だが、医師、看護師だと思うものがそれぞれ上手・下手に分かれる、そう幼い頃の遊戯をみているようだ。

“洒落がわからない”、と思われるかもしれないが、最初の掴んだ雰囲気を最後まで大切にして欲しかった。
ブラックジャックによろしく

ブラックジャックによろしく

トウキョウ演劇倶楽部(活動終了)

六行会ホール(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

骨太な熱血ドラマ
研修医が困難を乗り越えながら成長していく熱血ドラマ。

六行会ホールという広い舞台だが、敢えてシンプルなセットにし、その立ち振る舞いには 「動」 「静」 のメリハリを効かせた素晴らしい演出だった。
照明は薄暗く、台詞を言う役者ヘライトを当てることで観客の目を集める。
それゆえ役者の演技の善し悪しが舞台の出来・不出来に直結する。

本公演は、人間の尊厳を内容とした重厚な脚本であるが、それを見事に表現していた。

ネタバレBOX

10年前の医療現場の状況が緊迫感をもって描かれていた。と同時に医療に携わる者の過酷な労働環境に対する痛烈な批判。

フライヤーには、「超一流の永禄大学附属病院の研修医・斉藤英二郎、月収わずか3万8千円。同大学医学部卒業後、3ヶ月で初めて患者を持つ。研修医・斉藤は理想とかけ離れた日本の医療の矛盾に苦悩しつつも、懸命に日々を送る!」 
と書かれているが、さらに大学病院の封建的・閉鎖的な体制への疑問も描き込まれる。

 さて、仮に 「生・死」 に 「勝・負」 という概念を持ち込んでもそれは意味がないことだと思う。人は必ず死ぬから、初めから負けは決まっている。
それでも生きている、生きたいと思う。その思い、願いが十分伝わる芝居である。
書くことは簡単だが、その状況に直面したら・・・。

 結論は決まっている終末医療にどう決着をつけるか、医師という立場だからこそ悩み苦しみ、その先にある苦渋の選択・・・見事に結実させた“緩和ケア科” に感動した。
=侠= 君、逃げたもうことなかれ

=侠= 君、逃げたもうことなかれ

サンハロンシアター

「劇」小劇場(東京都)

2014/09/02 (火) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトル「侠」とは…。
タイトルだけ見たら義理人情の世界かと思わせるが、その想定は良い意味で裏切られた。
話は、デパートのお客様苦情専門部署での出来事だ。

話の展開は違うが、映画 「ミンボーの女」 (1992年公開 伊丹十三監督)とオーバーラップした。さて、反社会的勢力に対する姿勢が厳しくなっている昨今、時代背景・状況も透けて見えて面白かった。

ネタバレBOX

ある地方都市にあるデパートのお客様苦情部署にいる九条室長が主人公。単に苦情に対処すると言っても、一筋縄でいかない内容ばかり。

ここで描かれたパターンは3つ程(接客態度への難癖→賠償要求)(賞味期限切れ→代替品要求)(単なる嫌がらせ→要求?)だが、実際は千差万別であろう。

自分は業種こそ違えど、その部署に在籍したことがある。
『内容は“苦情”だが、部署名は“お客様サービス部”である。自分の(営業・接客)姿勢は正しいのか、その映す鏡が歪んでいては正しい判断が出来ない。その鏡を磨くのがお客様の“声”だ』 という。
理屈はそうかもしれないが、何時間も不平・不満・苦情を言われる現場の人間からしてみれば、きれいごとの教訓など・・・、と当時は思っていた。
そんな思いが脳裏を過ぎり苦笑した。

公演は苦情を切り口にしながら、人間との関わり、人材教育の厳しさなど、実に示唆に富む内容で好感が持てた。

今後の公演にも期待しております。
蜘蛛女のキス

蜘蛛女のキス

パンダの爪

不思議地底窟 青の奇蹟(東京都)

2014/08/31 (日) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

濃密な会話劇
ブエノスアイレスの刑務所に収監されている囚人の会話劇。

基本的には二人芝居で、ストーリーテラーの役割が二人、さらに場面転換と思われる時に出てくる歌い手1名、計5名でストーリーを紡ぐ。上演時間は休憩10分を挟み4時間という長編である。

 また、「不思議地底窟 青の奇蹟」 という劇場は初めてで、地下なのにさらに暗幕で囲っている。地上に出るドアは両開きの綴蓋(とじぶた)で、正に監獄のイメージ・雰囲気だった。

 自分はこの作品を映画(同名、1985年制作)で見たが、その意義深さを感じるには、まだ若すぎたかもしれない。

ネタバレBOX

自分の暮らしと政治を切り離し、未成年との性行為に及んだ罪で収監された、ゲイのモリーナ。一方、過激な反政府思想を持ちゲリラ団に加わり、反政府運動を行った咎で収監されているバレンティン。

堅く言えば、思想・信条が異なる二人が同房で過ごす日々。
その環境は、かたいベッド、粗末な食事、そして不衛生な衣服と劣悪なものばかり。
そんな状況下においてモリーナが好きな映画の話をバレンティンに聞かせ、いつの間にか交情を結ぶ。
この濃密な会話にこそ、当時のアルゼンチンの国情が見て取れる。

そして、実はバレンティンの所属するゲリラ団壊滅を図るため、刑務所長に買収されたモリーナの仕掛け。
こちらは人間の暗部を鋭く抉り・・・、監獄という小窓を通して“人間とは”、“国政とは”という極めて高次元の課題を取り上げていると思う。逆に底辺で蠢く人間だからこそ、その厭らしさが分かるのかもしれない。

今後の公演にも期待しております。
蜘蛛女のキス

蜘蛛女のキス

パンダの爪

不思議地底窟 青の奇蹟(東京都)

2014/08/31 (日) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1243(14-282)
12:30の回(晴)。11:50受付、12:02開場(靴は脱ぎます)、入ってすぐ幕が張ってあり、左側の狭い通路を奥へ。3〜4段目が客席で舞台を見下ろすカタチになります。BGMは壮大なクラシック曲、12:27前説(アナウンス)、12:31開演〜14:07、休憩、14:16〜16:19終演。

上演時間「4時間強」、会場は「青の奇蹟」、2ステのみ…に惹かれて観に来ました。原作(1979):M.ブレイグ著があること、映画(1985)にもなっていることは後で知りました。

長丁場なので、厚めのクッション、動きやすい座席幅。正面、左右に部屋(監房)、カーテンが引かれ会話の大半で二人(モリーナとヴァレンティン)の姿は見えません。その手前、左右に分かれて男女、リーディング。

4時間…大丈夫かと思いましたが、監房の様子、微妙な二人の距離感、面白く観劇できました。非常に狭い舞台でしたが、それが生の人間の体温を感じるちょうど良い間隔だったようです。

Unbreakable-アンブレイカブル

Unbreakable-アンブレイカブル

演劇レーベルBo″-tanz

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

リピート
今回は開場時間ちょい前に来て、前から4列目ど真ん中の席をゲット(前回は最前列の端の方)。
リピート観劇してきました。

初回の時には台詞を言っている役者さんを必死に追っている(視野狭い)状態でしたが、今回は心に少し余裕がある分落ち着いて観られたこと、座席も舞台全体が見渡せたこともあり、より一層楽しめました。
台詞を言わない時にもメインの役者さんが喋ってる傍らで他の方々が演じていることに気付いたりも。
リピートしてよかったです。

ネタバレBOX

早坂さんの一人芝居、初回と全く違うネタでびっくりしました、、、
何パターンあるのか、大変気になります。


止まらない子供たちが轢かれてゆく

止まらない子供たちが轢かれてゆく

Cui?

アトリエ春風舎(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★

むむむ…
なかなかにカオスで病んでる感じがした。照明と映像は好きだった。ことばなのか立ち方なのか、終始どこか効果的ではない違和感を感じた。納得はしきれないけど嫌いになれない作品。面白いという類の作品ではなかったが、観て良かった。芝村薫さんが印象的。

夢十夜を遊ぶ夜 第1弾 鳥山フキが「夢十夜」を好きにする

夢十夜を遊ぶ夜 第1弾 鳥山フキが「夢十夜」を好きにする

Produce lab 89

音楽実験室 新世界(東京都)

2014/09/08 (月) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

22時回が嬉しい
ほぼワワフラミンゴ。
ワワフラミンゴは演劇祭の時に一度観ていて、あの独特な感じをまた観たいと思っていました。

とは言え企画もののリーディングで、らしさってそんな出せないかな?
とか思っていましたが。

いや、面白かった!

間違いなく期待した空気感があって堪能出来ました。


ちなみに当日飛び入りで22時00分開演の回に行きました。
仕事終わりにふらりと観劇、好きなんです。

ネタバレBOX

リーディングなんだけど、間に芝居も入っていて、期待していたシュールな笑いが満載でした(よく分からないのですが、こういうのこそシュールでないかと)
繰り返しを間とか使って笑いに変えていて、繰り返しをうまく観せれるところは間違いなく面白い気がする。

そして後からジワジワ思い出すんですよね。
そういや何か踊っていたなーとかヽ('ー`)ノ


ああ、楽しい夜でした!
夢の様に過ぎていきましたヽ('ー`)ノ
どん底

どん底

「クリスマス特別企画」

MOVE FACTORY(大阪府)

2014/08/29 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

☆★小さな空間での濃密な会話劇★☆
お互い同じ夢を追いかける男と女!
二人の才能の違いによって憧れや嫉妬が交錯する人間の葛藤を描いている
小さな小屋での会話中心のお芝居♪
それを役者さんが自然な演技で魅せるので最後まで展開が気になり惹き込まれていきます!
最後は普通に終わるのかなぁと思いましたがまさかの? 展開‼︎
途中ですんなり終わらない雰囲気は感じてました…(^^;;

小さな空間だから役者さんの声は響くので聞き取りやすい
その分、役者さんの演技も近くに感じる
そんな小さな劇場での濃密な会話劇!

☆印象に残った役者さん
自然で落ち着いた演技が印象的な黒住尚生さん

☆印象的なシーン
どんでん返しのラストシーン!
役者さんの会話も良かった!

ボンゴレロッソ

ボンゴレロッソ

A.R.P

サンモールスタジオ(東京都)

2014/08/12 (火) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

わかりやすい贔屓
中村涼子を観に行った。
配役が素晴らしい☆5


これじゃこの場にそぐわないので少し頑張ってみる。
今更感でいっぱいだが…記憶の捏造が無いことを祈りつつ書く。


登場人物は16人。
舞台は100分。
この人数をわちゃわちゃさせて、全員の印象が残る構成になっていたのは凄いことだと思う。
1人6分で自己紹介されても絶対覚えられないが
•誤魔化し上手な彼女
•バッキャロ〜め!一人芝居
•旦那のT履きギター
•一片の悔いなしコーラス
•言い過ぎベース先生
•言われ過ぎ虚ろ目チータードラマー母
•ゲス
•バツ3バブル
•やべぇ!眠い!石炭
•クレー射撃は麻薬のレスラー
•車幅オーバー縄文杉
•ノルマがキツくてテルミン演奏
•ふんっ!恐怖のむこう側見せてやんよ
•すごく安い満喫暮らし?黙示録優等生
•ナレーションカイジ
•ゴミみたいな人生な恋の狂戦士(バーサーカー)しもっち
何とか全員出た?くらいキョーレツなキャラ達だった。

あらすじ
元女子校生徒が30歳の節目の同窓会に集う。
優等生が先生の誕生日に合わせて開催するも、中心にいるのは恋の狂戦士しもっち。
(ナレーションカイジ曰くズベ公。)
過去にしもっちから数々のトラウマを植え付けられた先生は、あまりの恐怖で大それた仮病(脳卒中からの記憶喪失)を装い逃走してしまう。
しかし先生は良い先生過ぎたため、生徒達は先生の仮病を心から心配してしまう。
奇蹟を起こしてやる!と息巻いて当時の思い出であるバンドを再結成するドタバタ劇。

本筋は人生につまずいた優等生が黙示録カイジ(パチンコ)にハマり身を崩す。最後に皆に会ってから死のうとするも、皆のパワーと先生のメッセージが伝わって、元気になるってお話。


遠近様々な射程で回収される仕込みギャグが見事。
「○○でゲス」なんて、油断した頃に出てくるから笑わずにはいられなかった。

欲を言えば
客の笑いでセリフが消されてたのがもったいなかったなと。
とは言え、しもっちの演技でセリフ飛ばさず演じ切ってるんだから十分凄いよねぇ。
なんだ、結局ズベ公が全て悪いのか。

Unbreakable-アンブレイカブル

Unbreakable-アンブレイカブル

演劇レーベルBo″-tanz

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/09 (火)公演終了

満足度★★★★

面白かったです。
小劇場で初めて観ましたが、とても楽しめました。コメディ要素も強く、個人的には大好きです。
ただパイプ椅子が硬く、後半はおしりの痛みで集中出来ませんでした。次回は座布団を持っていこうと思います。

蕎麦屋の兄妹

蕎麦屋の兄妹

あひるなんちゃら

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

面白い
あひるなんちゃらのお芝居は、一度観たら病みつきになります。
大笑いではないけど、最後までクスクス笑いしてしまいました。
関村さんのバレーボールシーンは笑えます。
前回に引き続き出演の森かなみさんの声は耳に残りました。
味わい堂々の宮本さんも前回に引き続きでしたが、素晴らしかったです。さすがです。
客席はゆったり、上演時間も70分間と長くないのもオススメです。

ロボ・ロボ

ロボ・ロボ

キティエンターテインメント

サンシャイン劇場(東京都)

2014/08/29 (金) ~ 2014/09/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

ロボット達の揺れ動く感情の悲哀
3度拝見しました。
ひとえに、とても切なく深く深く突き刺さる素晴らしい内容の舞台でした。

観劇前から「感情を持たない」ロボット達の感情の揺れ動き、それによる悲哀がどんな形になるのか?楽しみにしていたが
自分のはるか上をいく凄く深い伏線がほんとにもう…

この舞台の見どころロボットマイムをじっくり観るにはもちろん、前列なんだけどもこれはほどほどな後ろめで観るほうが泣ける舞台かなと思いました。
位置により立ち位置被ってしまって見えない部分があったり、全体観るほうが良いなと個人的に思いました。

みんな凄い細かいマイムで同じ仕草でも顔を上げ見据える視点、角度等それぞれ特長がすごく表現されていて素晴らしかったです。
顔や視線上向きで常に中腰みたいな繊細なドクター
あれ実は一番地味に誰より疲れるんじゃないかと思った。

冒頭から何度か出てくるとある台詞
これが始まる花と一言出るだけでぶわっと涙が溢れてくるこのセリフを感情を持たない(はず)ロボットが度々言う刹那さ…

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