CHANGE 公演情報 f.tプロデュース「CHANGE」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    恋愛シチュエーション
    ありそうな恋愛シチュエーションの三様態を別々に描き、微妙に交錯しながら展開する物語。

    脚本・演出は藤原珠恵氏で、だからなのか女性の立場・視点による描き方だと思う。そこに登場する女性は精神的に強く、またしたたかである。
    しかし、心底は優しくどこか愛らしい。やはり女性演出家の応援メッセージが込められている、そんな印象を受けた。

     さて、公演の舞台セットには驚いた。舞台はBarの店内であるが、その装飾は見事であった。上手がカウンター、中央にテーブルセット、下手は自由空間という配置で、場面状況に応じて利用する場所を変えるが、その演出は妙である。

     そこで繰り広げられる恋愛とは・・・。

    ネタバレBOX

    オムニバスではないが、ストーリーを整理する上で三話を区別してみた。

    1.脚本家の女性と劇団の男優は恋人同士だが、最近その男が劇団の後輩女優と付き合いだし、その女優から言い寄られ二股交際をしている。脚本家の女性はそれに気づき、3人で話し合い(脚本家は別れる覚悟)をし、恋人関係は解消。

    2.会社上司と不倫関係にある女性が、後輩社員に上司の動向を聞きながら、上司の離婚を心待ちにする。しかし、その上司の妻が妊娠し別れるつもりがないことを知らされる。Barでの愁嘆場がすごい(因みに上司も妻も登場しない)。

    3.九州から上京してきた、男女4人のうち2人は恋人同士。女性は舞台となるBarで働き出すが、実父が病に倒れ、その資金援助のため風俗店へも・・・。その事情を知らない男は友達から風俗話を聞き、別れる決意をし、女性は九州へ帰った。


    この話を中心に、Barのママの娘、ママに言い寄る男などが絶妙なタイミングで会話に加わり、面白おかしく、またペーソスある仕上げにしている。

    結末だが、脚本家は劇団を辞め、テレビ業界へ転職しバリバリ。 不倫女性は動向を探らせていた後輩男性と結ばれ、懐妊した様子。 九州へ帰っていた女性は、用事があってBarへ姿を現し、そのころ別れた男が売れっ子芸人になり、その声がラジオから流れ・・・。ハッピーエンドの雰囲気である。

    これらを見守るママの態度がシニカルだが、ちょっとした仕草、言葉の投げかけが優しい。女性の逞しい生き方、一方、優しさ、寂しさが垣間見える好公演でした。

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    2014/09/09 19:29

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