最新の観てきた!クチコミ一覧

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三文オペラ

三文オペラ

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★

楽しいけれど、深みに欠ける
「三文オペラ」は過去に何回か拝見している作品ですが、今回のキャストが一番好みでした。

ただ、主役のメッキース役の池内さんは、見栄えはバッチリですが、まだ男の色気が足りないと思いました。

山路、あめくみちこコンビのピーチャム夫妻は最高!そのまま、レミゼのテナルディエ夫妻や、「オリバー」のスリの元締め役などもおつとめ頂きたい雰囲気でした。

いつも、拝見する度、うまいなあ!とため息が出るソニンさんは、今回も、大活躍で、舞台を活気づかせます。大塚ちひろさんとの丁々発止のやりとりは愉快でした。

当時の社会情勢の不条理さなどを、暗く感じさせる舞台運びではなく、実力派の舞台俳優陣の競演を単に楽しむという観点からなら、大満足の舞台でした。

ネタバレBOX

おかやまはじめさん、原慎一郎さん、亀田さんなど、脇にうまい役者さんが大勢いらして、それだけで、胸のすく思いがしました。

期待の伊藤さんは、警官役で、目立たなかったのが残念。娼婦役の小見さん、美しく見栄えが良くて、存在感がありました。枝元さんも、いい味!

宮田さんの演出は、ちょっとお行儀が良すぎたかも。もう少し、猥雑な退廃感があれば、時代の空気が色濃く漂った気がします。

東宝の王道ミュージカルと違って、登場人物の肉声の伝わる歌唱は、作品とマッチして、楽しめました。
ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

劇団与太組

小劇場 楽園(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

お客様の声(アンケートより)
第6回公演『ホラフキ 〜あなたの職場幸せにします〜』のアンケートより、お客様の声です。
いつも、本当にありがとうございます。

◆偶然立ち寄った先にあったので入って見ましたが、とても良かったです。仕事では常に2割りの人のことを考えながらいるので、すっきりした気持ちです。

◆母と2人でぶらりと入ってみましたが、こんなに近くで舞台を見たのは初めてでした。見入ってしまうほど面白かったです。また見に来ます。

◆●●、アプリ作ってください!!

◆土着の話とリアルの話とほどよく混ざって面白かったです。フラフラ生きたくなる人なので、見透かされたよう……。●●が気になりました。

◆あっという間の時間でした。いろんなセリフが心に響きました! 楽しかったです!

◆色々な働き方があることについて、いつもより優しく考えられるようになりました。面白かったです!

◆働くことをテーマに、色々な内容が話に折り込まれていて大変おもしろかったです。

◆非常におもしろかったです。あっという間でした。

◆とてもおもしろかったです。また機会があれば観てみたいです!

◆キャスティングが良かったと思います。

◆明日から天狗の子孫って言おう。

◆なかなか良かったです。メッセージ性があって。

◆ちょっと不思議な感覚

◆重なるなあと思える部分もあるように感じてよりおもしろかったです。

◆とても心が洗われました。いい連休の締めくくりになりました! 昔からずっとつながっている私たちの命について思いをはせてしまいました。ありがとうございました!

◆2つの時代を交互に見せ徐々に重なっていくストーリーにはずっとワクワクしました。

オペラ『おぐりとてるて』

オペラ『おぐりとてるて』

オペラシアターこんにゃく座

俳優座劇場(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★

今を生きる
小栗判官と照手姫の物語を室内オペラにした作品で、単純に物語を演じるだけではなく、冒頭と最後に物語を相対化して現在の人間の置かれた状況を考えさせる場面があり、作品に深みが出ていました。

前半では小栗と照手が出会って結ばれるものの、2人の結婚を良く思わない照手の父によって小栗が殺されるまでが、語り部が時折現れて語っているという形で描かれていました。休憩を挟んだ後半は餓鬼阿弥陀仏として車で引かれ、お互いがそれと気付かずに出会うシーンが印象的でした。

グレーに統一された屏風状の壁、傾斜のついた台、階段のミニマルな空間の中で、しっかり作られた衣装や衣装やリアルな蛇や馬の作り物が映えていて印象的でした。

舞台の上手に位置するピアノ、サックス、打楽器の伴奏に乗せて歌われる曲はことさらに和風に寄せ過ぎず、程良くモダンな響きがして聴き易かったです。小栗が乗る車を引く掛け声に基づくリズムモティーフが所々に現れて統一感を与えていましたが、反面、単調さも感じられて音楽としては少々盛り上がりに欠けると思いました。

THRee'S

THRee'S

ENG

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★

三国志
『三』に纏わる物語。良く2時間45分にまとめたという感想と2時間45分ぶっ通しはつらいなという感想です。内容については上手くできてるとは思うけど、ある意味ファンタジーでまとめてしまえば何でもアリな感じもします。殺陣というよりアクションシーンはとても見ごたえがあり良かったと思いますが。

沈黙の音

沈黙の音

劇団邪馬台国

劇団邪馬台国アトリエ(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

コンパクトだが十分
上演時間は70分。でも見応えは十分。サスペンス仕立てで、誰もが犯人のようでありながら実は...と最後のオチにいたる展開はありがちだが、テンポがよく、次から次へと展開していき、観客を飽きさせない。アトリエ公演とは思えないしっかりとしたセットもよかった。今後の期待値も含めて★5つ

サバイブ!

サバイブ!

自転車キンクリーツカンパニー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

覗かれたような・・・!
見事にその年代の環境と心情が描かれて、びっくりしました。。
役者の皆さんの演技本当に自然、発声スピードも日常そのまま、舞台セットも雰囲気良く本当に観に行って良かったと思いました。
親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ちが母と長女、次女と孫娘(次女の子)と比較されながら、しかも母と次女、孫の絡みがある素晴らしい脚本だと思います。そして、私の頭の中は今後続く老々介護にまで及びました。
弘中さんどこかで観たなと思っていました。(鳥瞰図でしたね)

ネタバレBOX

子供が母の面倒を看るのは当たり前と口にする母には”重いもの”を感じます。
口に出さなくても、子供はそのくらいは解かっているのに、
面と向かって何年続くか分からん介助、介護を”当たり前”と切り捨てられるのには閉口します。何かで見たのですが、意識として”家族は大人になるほど他人になる”と考えると良いと言っていました。そういう気持ちでいれば、家族に対しても思いやりのある言葉がいえるのでしょう。
劇中で、長女が母の重さを苦に実家をでて独り暮らしを始め音信不通になるのですが、実家の状況が見えるところに住んでいたという気持ち良く解ります。
秀山祭九月大歌舞伎

秀山祭九月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2014/09/01 (月) ~ 2014/09/25 (木)公演終了

満足度★★★★

夜の部
夜の部観ました。新しい歌舞伎座で初の三階席だったけど、最前列だったので観やすかった。 「絵本太功記」は吉右衛門「連獅子」仁左衛門さんと千之助さんのコンビ。仁左衛門さんはお疲れなのかあまりキレがなく良くなかったけど、千之助さんはすごく良かった。今まで見た中でも素晴らしい獅子で感動した。「曽我綉俠御所染」は、七五調がよく聞き取れず、あんまり良く分からなかった。そして最後の殺陣が途中で終わった?感じでご挨拶?こちらも知らなかったので、良く分からなかった。。。

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

平凡な人間が・・・。
論理的で、奥深い脚本による会話劇で、ヘースの心情を映す効果音や環境音、照明は素晴らしいのだが、そろそろ動きのある舞台も観てみたくなりました。
新しい試み期待します。

ネタバレBOX

時代と社会が創ってしまった価値観は簡単には変えられない。
ドイツ人とユダヤ人の違いに拘るところ、逮捕前に死にたかったという忠誠心、芝居はじめとラストに呟くハイル・ヒットラーの言葉が物語る。
思ひ草

思ひ草

10・Quatre

テアトルBONBON(東京都)

2014/09/09 (火) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

仁義!
政の顔のキズ、目つき、悪ぶりは観てて憎らしくなる。
殺陣に迫力とスピードがあり、衣装、照明も良かったです。
本編もそうですが、芝居後のショーの女性の殺陣が素晴らしいので驚きました。

ネタバレBOX

善と悪がはっきり分かれる任侠ものは、観た後スッキリして気分転換に良い!
300年の絵画と鉄仮面の姫君

300年の絵画と鉄仮面の姫君

KENプロデュース

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

アラビアンナイト
アラビアンナイトが好きな私とっては、
是非是非観に行きたい!と、
とても楽しみにしていました。

期待通り、
衣裳が煌びやかで踊りも素敵でしたし、
魔人や盗賊、姫に王子、亜人・・・と、
個性的で楽しい登場人物たちが続々ご登場で、
私の好きな世界が広がっていて、
とても楽しめました!!
ただ、お歌が・・・。
不慣れな印象を受けたので、そこだけが少し残念です。
そして終わり方の演出は、おもしろくて良かったです。

太陽への回廊

太陽への回廊

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

事件の裏にはいつも・・・。
細部に拘る衣装、リアルな銃声にアクションと楽しめました。
時代の関連性に疑問符つくものの、事件の裏に隠された政治の汚さ、裏切りの連続は興味深い。
ラスト近くトンネル工事で太陽が見えたシーンは、”黒部の太陽”が頭をよぎりました。

ネタバレBOX

悪人を撲滅させる公安のファントム計画に欠かせない主人公海馬正義は、亡霊なのかゾンビなのか人造人間なのか撃たれても撃たれても生き返る、しかも血がでる設定。
私にはあまり違和感なく受け入れられました。
デジタル

デジタル

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

うさぎストライプの【デジタル】を観劇。

常に誰もが他者と心と身体のつながりを望みながらも、自分の現在の位置、社会の現状などを踏まえるとそれは難しい事ではあるけれど、その部分を大切にしようとしている人達の話し。

言葉と身体は同じ様に呼吸するという事を最初のテーマにして、その後に徐々に登場人物達が生まれてきたような感じすらした。
物語らしいものはないかもしれなが、人との関係性をリズムと皮膚感覚で感じられる芝居であった。
何時もながら分かりずらい内容だが、今作でやっと作・演出の大池容子のやろうとしている事が少しだけ分かったようだ。

女優の李そじんは、何時観ても良いのである。
流刑の島ー監獄の唄ー

流刑の島ー監獄の唄ー

平熱43度

萬劇場(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

女罪人の仕事!
殺陣、ダンスが魅力的、オリジナルの歌も味わい深い。
昼夜働かされる女性たちは”何のために生きているのだろう”と考えさせられる、
辛く悲しく切ない話。
配布されるパンフレットも立派で配役約30名の説明文があり良いのだが、字が小さすぎて読めない。観劇前に読めていたら、もっと深く観ることができたと思う、残念!

どこをみている

どこをみている

オイスターズ

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★

☆★エスカレートする不条理な会話劇★☆
日常でもある様な会話がどんどんとエスカレートしていく不条理な会話劇!
いつも様な棒読みの様な台詞で繰り広げられる
男2人のシュール過ぎる物語!
それは世にも奇妙で独特な世界へ~!
身の危険を感じた男がどんどんと追い込まれていく様が面白かった~~♪

作・演出の平塚直隆さんのニッチな着眼点がいつもツボです♪
それを演じる役者さんも淡々としていていいですね~♪
最後までニヤニヤしながら観てました(^^)
アンケートでもあったらしいのですが
大阪ではあまり観たことないテイストのお芝居!

この癖になる面白さをもっと多くの人に知って貰いたいたと思う劇団!
また大阪で公演して欲しい♪

☆一番印象に残った役者さん
身の危険を感じて動揺が広がっていく様子が面白かった二瓶翔輔さん!

☆印象的なシーン
ぐるぐると逃げまどい追いかけるシーン!
アフタートークのAEONの話も面白かった♪

どこをみている

どこをみている

オイスターズ

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

シュール!!!
その日は仕事が早く終わり、twitterでオイスターズが公演中なことを知り、ふらりと観に行きました。
オイスターズを観るのは、まだ地元名古屋に住んでいた頃に観た「サイユウキ」以来。

とってもシュールで、そしてめっちゃおもしろかった!
アフタートークで平塚さんのお人柄も窺い知れて、本当に楽しい公演でした。
アフタートークで話題に出た「イオン」の台本、思わず買ってしまいました。名古屋人としては生で観たかったなぁ…。

ぜひまた大阪で公演してくださると嬉しいです。

太陽への回廊

太陽への回廊

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

小川直美さん、よかったです!
初めて見ました。

観劇初心者の私には十分に楽しめました。
途中、まったく眠くなりませんでした。

(1)全体の印象としては、せりふ回しが早口過ぎる。
私たちの日常生活で、あれほど早口にしゃべる人は
見たことないです。実生活から遊離しています。
ほとんどプロ野球の実況アナウンサー並みの早口で、
とても残念に思いました。

台本の段階で、言葉の数を4割程度減らすべきだと思います。

そうすれば主役の男性がとちることもなくなるでしょう、


(2)小川直美さんの舞台は初めて見ましたが、演技、アクション、容姿共に
とても魅力的でした。別の作品もぜひ見に行きたいと思います。

ネタバレBOX

(3)銃撃戦のシーンが多すぎる。
半分以下に減らすべきでしょう。

(4)筋立ては、SFとハードボイルドを融合する試みとして、面白く、成功していると思います。
太陽への回廊

太陽への回廊

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

嘘の国、日本の糞ったれ!
 糞ったれ! な現代日本への熱いメッセージだ。実際、F1事故の処理は終わるどころか、どんどん、出口が見えなくなっており、内部被曝も、これから、本当にその影響が増えてくるのに、川内原発を再稼働するような規制委の判断は、原発の現場を知らない田中 俊一なればこそだろう。核は、総ての生命を危機的状況に晒している。核大国、安保理、原子力産業、原発で電気を産んでいる電力会社、IAEA,ICRP,WHO(核の齎す健康被害に関しては、IAEAの言うなり)等々の核組織は、核の齎す健康被害については、極力実態を過小評価、データ改竄や、隠蔽、独立系科学者、医学者らへの嫌がらせや司法と組んでのでっち上げ逮捕を始めとする弾圧で圧殺を図ってきた。時には、一番、中核になる人物を「自殺」に追いこんで。マッポが実行犯に、個人情報を流すのである。その情報を元に、子供がどうなっても知らないぞ! と脅す訳である。そんな連中の権威等糞喰らえ! である。規制委のやっていることも単にアリバイ作りに過ぎない。こんな連中に権威など認めることは、犯罪と言わねばならない。茶番なのである。それらの、日本の構造を見事に描いた。因みに、ここで描かれているトンネル工事は、最も、危険な工事であった。2番目が埋め立てである。現在では、トップに原発解体工事が入ってくるだろうが。(追記2014.9.18)

ネタバレBOX

 何も、日本の糞共に権威を認める必要はさらさらない。なぜならば、我ら民衆にとって、彼らの齎す害は著しいが、益は無いからである。寧ろ、独立系研究者、医療従事者らを権威として敬うべきである。ちょっと、考えてみるが良い。核種の出す膨大なエネルギーと生命の設計図であるDNAやゲノムを繋いでいる力の差を。

 さて、本作のアウトラインを書いておこう。1964年の東京オリンピックに向けて世の中が、建設ラッシュに沸いて居た時代。長野県の村の人々の不便を解消する為にトンネル工事が進められていた。監督は、人望の厚い海馬 正義。掘削工事が半分程終了した所で、本社は、急に工事の中止を申し渡して来た。現場監督以下、作業員は、次の現場に振り向けられるハズだった。
ところで、急に工事がトリヤメになった理由は、オリンピック関連の道路工事の入札が決まって、その方が金になるからであった。建設ラッシュで不足気味の作業員も確保したい。儲けと人員確保の為には、地方の大した金にならない工事などはさっさと引き上げて金儲けをしよう、というのが本社の意向だったのである。
海馬は、作業員全員を集め、今迄の給料支払いや、今後の割り振りなどについて、指示を出していたが、この時「海馬自身はどうするつもり」か問われ「一人残って作業を続けるつもりである」ことを話した。すると、作業員も全員、「残る」と言いだしたのだ。無論、海馬が皆の給料を払ってやれるわけではない。それでも良い、と言うのが、作業員の総意であった。こんな経緯で、当時、建設業界で最も危険な工事だとうたわれたトンネル工事は殆ど無給で続行されることになった。皆、会社の儲ければよいというやり方が気にくわなかったのだ。それに、現場監督である海馬の人望もあって残ることにしたのであった。
 無論、会社としては面白くない。命令に背いた上、村の人々の為に、タダ同然で工事を完成されたとあっては、会社のイメージダウンに繋がる。それを恐れて、工事に対する嫌がらせが続いていた。然し、それでも、仲間はくじけなかった。業を煮やした会社側は彼らの作業現場に発破を仕掛けて爆発させる。其処に居た全員が亡くなった。盲腸で休んでいた唯一人の作業員を除いて。事後処理は、無論、落盤事故で片付けられた。
 数十年後、このトンネル工事現場に隕石が落ちた。政府は最近落下した隕石から出たガスによって、死人が生き返る、という情報を入手していた為、このエリアを立ち入り禁止にし、蘇生した人間を使ってあるプロジェクトを立ち上げていた。
 折しも、2011年の原発人災で低迷している産業界を活性化させようと、原発人災後の放射性核種漏れや汚染水の問題は収束したとの嘘と共に、オリンピック招致合戦が行われていた。拡大する一方の経済格差と政治の貧困、力のある者への優遇税制、軍事国家化や翼賛体制への足音は、凶悪犯罪を極端に増加させていた。警察では2年前に凶悪犯罪対策の専門チームCEPTを立ち上げ、凶悪犯を殺害する実行者として、生き返った海馬を使った。彼は、無論、骨だけになっていたのだが、蘇生してからは、悪意を感知し、銃弾を浴びても、直ぐに再生する能力を具えていた。更に、彼が凶悪犯の前頭部を鷲掴みにすると、彼は、悪意を自らに取り込むことができた。凶悪犯は命を失うが、悪意は消滅し、解放されて死んでゆく。チームは、海馬を手に入れてから、何度もこの方法で凶悪犯を殺していた。だが、犯行の増加は抑えきれなかった。そこで、上司に逆らったりして、頗る優秀であるにも拘わらず、否、だからこそ窓際に追われた部署ダストボックスの人間達に協力を要請。一緒に仕事を始めることになるが、上司に逆らってでも、将来を棒に振ってでも、何かを守ろうとした彼らに、裁判も受けさせずに犯人を殺すチームのやり方は許せなかった。海馬に対する同情もあった。
 警察サイドでこんな体制が組まれた矢先、某有名政治家の息子、渡瀬が、犯罪の片棒を担ぎにくる。彼は、自らの体に流れる悪胤を絶やそうとしていた。その為に、家系に染み・汚点をつけたいと願っており、腐りきった社会の耳目を逆立てるような犯罪を起こそうと考えていた。一方、社会的騒乱を起こした者に賞金として1億円を出す、というネット広告が出た。彼は応募し、採用され、実行した。1億円は振り込まれた。次は、もっと大きなことをやろうと考え、仲間を募った。仲間になることを嫌がる男、北見に爆弾製造を頼んだ。北見は、人を傷つけるようなことは絶対にない、という渡瀬の言葉で製造に加担した。だが、渡瀬は、最初から人も殺す予定である。北見は元々、掏りであるが、かつて時々組んで詐欺を働いた沼田夫婦には、拾われて、当たり屋をやらされている女の子、知佳がおり、彼女を不憫に思うような優しい所もあったから、人が傷ついたり死ぬことには反対したのである。今回、この話を持って来たのは沼田夫妻であったが、彼らはヤクザを詐欺に掛け追われていた。期日までに金を用意しなければ自分達が、東京湾に沈められる。それで、銃やマシンガン迄買いこんで対応に大わらわだ。而も、知佳はトロイと踏んでいる沼田 一徳は、逃亡の足手まといになると考えて、彼女を射殺してしまう。渡瀬は東京湾に掛かる橋の爆破を考えており、当然、多くの被害が予想された。自分の作った爆弾の設置場所を知った北見は、起爆装置を解除しようと現場に赴くが、其処には海馬が来ていた。おまけに、北見は海馬が亡くなった後、妊娠していた妻が産んだ息子であった。親子は向き合い、海馬は息子を殺すことになった。同時に、再生した者のリミットを迎えて息絶えた。それらを嘲笑うかのように現れた渡瀬とダストボックスが対峙する。渡瀬は撃たれて死に、橋は爆破されずに済んだが、実は、渡瀬に賞金を出していたのはCEPTの局員、橋爪で渡瀬の父とは昵懇の間柄であった。




ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

ホラフキ ~あなたの職場、幸せにします~

劇団与太組

小劇場 楽園(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★

ディレッタントの自分には不思議な感覚の作品
 自分はディレッタントなので、こういう会社は大っきらいだし、こんな管理下では働けない。そも、広告を創るという作業は、自由裁量の範囲が広くなければ良いものなど作れない。自分が広告を書いていた頃、やはり、まあ、大体、出勤時間は守っていたものの、クライアントとの打ち合わせや、デザイナーや、カメラマン、モデルとの打ち合わせ等々の理由があれば、それがすんでから出社するのは当たり前。その代わり、閉めが迫っている時は事務所で寝泊まりしながらなんてこともよくあった。それが、当たり前で、下らない愚痴なんかこぼすのは、イギタナイと軽蔑していた。愚痴をこぼすのが当たり前なんて感覚でやってるから、何時まで経っても日本の企業の多くが駄目なんじゃないかな。中小に対する、大企業の態度は酷いもんだし、何もしないで丸投げするだけで3割抜くってのも、糞ではあるけどさ。それでも、広告とTV局の仕事はギャラがいい。

ネタバレBOX

 適当な事を言っては、社員の心身の疲れを癒し、仕事を楽しく効率的に進めようと作られた“休憩室”。そこで働く河原は、カウンセラーだが、システム設計などの専門家、鈴木と組んで、効率重視の新社長の下、様々な企画を実現してゆく。若手や女子社員には好評なのだが、休憩室での会話は盗聴され、つけさせられたリストバンドは、社員の位置情報などが取れるチップが埋め込まれIT技術を用いた監視システムであった。勿論、モニター用にカメラも設置されている。
 一方、河原が、この会社に入った目的は他にあった。自分が崇拝していた上司が、この会社で仕事をし、広告で大ヒットを飛ばし、賞も獲ったのに何故か社を止め、行方知れずになった原因を探ろうとしていたのである。
 それは鈴木姓が多いこの地方の、歴史にも関わることであった。元々、この地域には、狩猟、採集を生業とする先住民が居た。ミスミ一族である。だが、彼らは、稲作農業技術を持った鈴木一族の先祖によって、平地を追われ、山に移り住んだ。無論、其々の氏の中から、自分達のコミュニティーを出て相手のコミュニティーに打つる者はあったが、一度、コミュニティーを出た者の復縁は許されなかった。狩猟採集民の性格は、自由奔放である。生活の安定性は低いものの、その生活には、縛る物が少なく、発想は自由で野山に融和して生きていた。一方、農耕民族は勤勉で技術力も高かったが、土地に縛られ、因習に縛られて自由度は低かった。また、農業は、天候に大きな影響を受ける。冷害や旱魃、大雨、長雨等々の影響で作物は生育は大きく変化する。日照りに喘ぐ時には、山の天狗と言われる人々に仲介をして貰って龍神に雨乞いをした。河原が尊敬していた先輩は、この天狗一族の血を引いており、雨女だった。然し、彼女の自由な発想とポテンシャルの高さは、広告業界では優れた才能として評価され、同僚、社内の様々な人間から多大の嫉妬を買っていた。それで、彼女が会社を辞めさせられ、それを苦にして失踪したのではないか、というのが河原の推理であった。然し、事実はそうではなかった。未だ、公演があるので、ここから先は観て頂こう。
太陽への回廊

太陽への回廊

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★

親子の確執? 世の中の不条理とは?
最前列端で観劇。

ネタバレBOX

無頼連合さんの作品を観劇するのは「ホンキィ・トンク騎士」以来二度目。
正直なところ、前回の観劇よりもあまり楽しめなかった。
作品の大きなテーマを自分はあまり感じることが出来なかった。
物語で筋が通ってるなーと感じることがあまりなく、何だかカッコつけたいだけに見えてしまった。

ある男は愛する妻とこれから生まれてくる我が子に会うことなく、非業の死を遂げた。
隕石のガス(だっけ?)によって現世に甦った男は、現世を生きており、罪を犯してしまった我が子に裁きのようなものを下す。
そして我が子に自分の人生をしっかりと生きて欲しいと願いながら消えてゆく……

この流れの中で周りに色んな人が登場するわけだけど、だいぶもみくちゃになったかなという印象。
一人一人の登場人物の掘り下げがあり、個性もあるというのが脚本の良さだと感じたのだけど……
その分、だいぶ尺が長く感じてしまった。てっきり2時間20分近く行ったかと。
最後が良いシーンなのは分かってるんだけど、もう疲れてしまっててどうにも。

たまにのギャグは面白かったし役者も熱演、演出にはすごいなと感じさせられる事が多かったのだが。なぜピンと来ないのだろう。

日本を舞台にしていたけど、あんな銃撃戦、無理があるなと思ったし。
前の作品は、架空のシティだったので理解も出来たけど。
スナイパーライフルみたいなのを動きながらあんなバカスカ撃てるのか。
前は、カウンターからあちこちに撃ってた。
喋ってないで早く撃ったらどうだろう。
女性刑事と本性を現した敵副官のアクションは、正直あのレベルだと見るのは厳しかったかな。練習したんだろうなとは感じたけど力強さが。やっぱり女性だと思ってしまった。
女性刑事の方は騎士シリーズの助手さんも演じていたのだろうか。
ごめんなさい。騎士シリーズを演じたあの一瞬のほうが自分には自然で魅力的に見えてしまった。
【全ステージ終了致しました。ご来場ありがとうございました】イける☆この頃

【全ステージ終了致しました。ご来場ありがとうございました】イける☆この頃

ウンゲツィーファ

新宿眼科画廊(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/17 (水)公演終了

満足度★★★★

役者の個性を活かす演出の妙!
演出と演技が一体となっている。
それぞれの役者の持っているおそらく「素」の魅力を、
そのまま舞台に乗せているという感じ。

当て書きであり、当て演出なのではないか。
その為、役者が全員とても魅力的。
素晴らしかった。

ネタバレBOX

誰しもが少なからず抱えている孤独や不安。
それを安易な形で解消するため、他者に依存する。
恋愛はその典型であり、性行為はその不安を解消する手っ取り早いはけ口となる。

依存は恋愛に限らない、家族、友人、、、買い物、ネット、携帯、テレビ、、、など、誰もが何らかの形で不安のガス抜きをし、ダマしダマし生きている。

まさに主人公もそうなのだが、どこかでそれが許せなくもある。

恋人は一度主人公の元を去った。
その間(1週間)に、彼女は共通の友人と付き合っていた。
そして、また戻ってきて「会ったら、やっぱりあなたが好き」と言う。

彼女にとっては、おそらく誰でもいいのだ、自分の空洞を埋めてくれる相手なら。
だが、それは主人公も同じこと。

そのことに自身が気付いた主人公は絶望に暮れる。
通っていた大学からも除籍処分も受け、未来も見えない。
そして、死のうと思う。
死のうとするが、どうしても死ねない。

そこにバンドをやってるバイト先の先輩が戻ってくる。
そこで「死にたい。でも生きて行こう。」というような能天気な歌を歌いだす。

その先輩の歌のバカバカしさに、逆に主人公は救われる。
自分が抱えていた不安はちっぽけなものだったのだと。

そこで幕。


興味深いのは、登場人物たちが、皆、それぞれに不安を抱ていそうに見えるのだが、その悩み自体やその背景はあまり語られないということ。
多くの人は主人公のように深刻に物事を捉えていないということを批評しているのか。
あるいは、深い孤独や苦悩を抱えていても、それを他人には安易に見せないということを表象しているのか。
いずれにしても、どうとでも解釈できて良いとも言えるが、
単に物語を薄くしているようにも思える。

だが、全体として絶望に対比する形で笑い・ユーモアが現れるのが良かった。それが緊張と緩和の落差を生み、笑いを増大させていた。

特筆すべきは、
意図的な演出か、役者のミスかわからないのだが、
ラストでバイト先の先輩がギター片手に新曲を歌う場面。
彼はうまくギターを弾けずに失敗をする。
そしてもう一度やり直す。

演出の可能性もあるが、観ている側の印象としてはミスをしたように見える。
そこで大きな笑いが生じる。
お芝居という嘘が壊れたからだ。しかも緊張を強いる場面で。

また、同じ場面で、舞台上の他の役者がそのバイト先の先輩の演技に素で笑ってしまったのだ、違う場所にいるという設定なのに。
この普通の芝居で言ったら痛恨のミスも、この芝居では極めて大きな笑いに替わる。

それを可能にしているのは、このドキュメンタリー的とも言うべき役者の「素」が活かされた演技があったからこそ。
それが役者を救ったというよりも、そのアクシデントこそが面白かった。
(これに関して役者を責めるつもりは微塵もない。むしろ、「ナイスハプニング」と言いたい。)

この芝居は、アクシデントが起れば起こる程、面白くなる舞台なのではないか。もっと意図的にアクシデントが起る仕掛けをばら撒いておくのも良いかもしれない。

アクシデントが面白いのではない。虚構が崩れることが面白いのだ。
そして虚構が崩れても、劇空間が崩れない「役者/素」が存在していたから凄いのだ。

とても面白い役者の在り方だと思う。

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