
不謹慎な家
PANDA JOCKEY
シアター711(東京都)
2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了
満足度★★★★
目から鱗
MCR櫻井戯曲の風合いがちゃんと保たれながら、シンクロ少女名嘉演劇として成立しているだけでも驚きなのですが、それが戯曲にとっても演出にとってもそれぞれのよさを打ち消すことなく、新しさを生み出していることに驚きました。

ヘナレイデー
AnK
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/05/15 (木) ~ 2014/05/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
ビビッド
なにか、まとまりに欠けている部分も若干あったのですが、
そのことが内心の精緻な描写のようにも感じられて。
不思議にビビッドで描かれた世界にどっぷりと浸されてしまいました。

緑子の部屋
鳥公園
3331 Arts Chiyoda(東京都)
2014/03/26 (水) ~ 2014/03/31 (月)公演終了
満足度★★★★
ずらずらと世界に引き込まれる
冒頭の語り口からは、
このような世界に引き込まれることを予想だにしませんでした。
ただ、エピソード(?)にしても内心の広がりにしても
ただの妄想や絵空事でかたずけることのできない
内心のリアリティのようなものがあって。
映像にも圧倒され、すっと自分の立ち位置が揺らぐような感覚にも捉われ、
観終わって暫し呆然としておりました。

逐電100W・ロード100Mile(ヴァージン)
劇団子供鉅人
HEP HALL(大阪府)
2014/11/07 (金) ~ 2014/11/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
東京バージョンではありますが
大阪公演に先立っての東京Verを拝見。
マクベスの世界を断ち切ることなく、でも借景のような距離感でしたたかに切り取った戯曲の秀逸さに加えて、舞台美術や役者たちの所作のひとつずつに、観る側を取り込む凛としたメリハリがありました。

おかあちゃん
東京シネマアカデミー
Zeppブルーシアター六本木(東京都)
2014/12/02 (火) ~ 2014/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
四姉妹
一生物は冗長になりがちですが、母親だけの話だけではなく、三姉妹のエピソードがふんだんに含まれていて所謂四姉妹の話となっていたので飽きることがありませんでした。

デジタル
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/09/10 (水) ~ 2014/09/16 (火)公演終了
満足度★★★★
戯曲の質感と振り付けのビビッドさ
身体の動きの面白さと語られる世界の不思議な実存感に
よい意味で揺らぎを感じ引き込まれました。

それでも世界には俺がいた方がいい
テノヒラサイズ
道頓堀角座(大阪府)
2014/12/02 (火) ~ 2014/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★
短編の幕間で気持ちが途切れない
幕間も役者さんが出てきてハプニングがあっても、それが予定内の事ですーってぐらいの自然さで会話しているのが、なかよさげでいい感じでした。
騙し騙され、見たことあったり体験したことのある場面もありニヤリでした。
みなさんめっちゃ猿でした。ほんとに猿でした。女性の一人語り部分が今まで観てきた野村さん脚本を思い出させました。何かを得るには何かを捨てるしかないのかな…戦うしか?そこじゃないんだろうけど穏やかに皆で暮らせたらなって。
お父さんの謎の行動の真実が分かった時、これ笑うところやろと思いながら涙が出ました。男親せつない。

痕跡 〈あとあと〉
KAKUTA
青山円形劇場(東京都)
2014/08/10 (日) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
円形劇場を十分に生かして
物語が精緻に組みあがるなかで
時間や想いのありようが呼吸をもち
観る側のうちで鼓動を始める感じがしました。
ほんと面白かったです。

カズオ/斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの
オーストラ・マコンドー
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
猫の目のように移ろうシーンの先に
両バージョンとも拝見、役者二人の瞬発力やここ一番の空気の作りこみがが、物語をどんどん広げていくのに、必死で喰らいついていきました。

「海のホタル」
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2014/12/17 (水) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★★★
亡き作家大竹野正典の作品。
夏に同じ下北沢で(オフィスコットーネも同じ)上演された『密会』に当てられたので、『山の声』も合わせてこの大竹野作品を見に行った。好きな世界だ。人間という存在の深みをまさぐり、接近しながらこれを観察している。なるほど観客はこの救いようの無い人間の(フィクションではあるが)実像を、観察している。そういう自分の黒さを感じる。演劇は覗き見である。覗かれるために舞台に立ち演じるこの人達は凄い、これに尽きる。そしてそれをやらせているのは今は亡き、作家の、書いた言葉。この時代のこの世の周縁、地べたに蠢いている人間共のやり取りをみているとこの社会の構造が、力学が、真実が、どうしようもなさが、思われて来る。「保険金殺人」という単語がちょうど当て嵌まる話だが、何か全然別の話だったようにも思う。それは殺人の外側からでなく内側から眺めたからだろう。「観察」と言ったが彼ら彼女らにしっかり感情移入していた訳だ。そんな自分の事も全て、かの作者に観察されているような気がしている。

体夢-TIME
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2014/12/11 (木) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★★
飛躍するイメージ
気づけば桟敷歴5年、本公演観劇8本目。チラシの暗示に違わず、(私の知る桟敷童子とは)異種の劇世界を堪能した。
様変わりにも程がある、と言い放って拍手をしたくなるのは、毎回みせる舞台作りへの凝り具合を今回のような異種の芝居においても発揮された、という感想からだろう。
話のほうは、東氏の頭に若返りが起きているのか、と考え込んだ程、架空世界の「架空度」、イメージの飛躍度が半端でない。初っ端から「憂い」の影が垂れ込み、シュールさを帯びるが、どこかコミカルでもある。この両面のバランスが絶妙であったと思う。後でパンフを読んで飲み込んだのは、今作は東氏が十代の頃初めて書き上げた戯曲(を改稿したもの)との事だ。
舞台の作りは、装置の凝り具合はいつも通りだが明らかに傾向が異なり、不思議であったのは客席前に1.5m幅程の通路が左右に渡してある点。これまでの土着的なお話ではどちらかと言えば写実的な、草木とボロ屋なんかがあるほっこりする美術だったのが思い切り抽象的である。とは言え劇場を覆い尽くす感じの、胎内の心地良さに通じる作り込んだ装置ではあるが。受付付近で既に衣裳に着替えて立ち働く役者らの衣裳も様相が違い、『モモ』の灰色の男たちを連想させ、ファンタジーだと判る。音楽担当は同じだが既成曲(デヴィッド・ボウイを多用)の使用が目立ったのも、異色だった。これらが舞台作り上すべてうまく行ったとは言えない面もありそうだが、、フィクションを突き通した脚本と俳優の熱がこの不思議な劇を印象づけた。従来の群像劇風の中でもキー役の多かった大手忍がガッツリと主役(少年時代の体夢)として立ち回った事や、最後に来るカッチョいい装置ドッキリもいつもと違っていて、つまり「異種」の世界がガッチリと作られた事への驚き、なのでありました。次回作が不安で楽しみ。

人形劇俳優たいらじょうの世界 水上勉原作 「はなれ瞽女おりん」
平常
新国立劇場 中劇場(東京都)
2015/01/04 (日) ~ 2015/01/04 (日)公演終了
満足度★★★★
1階席はほぼ満席でしたが2階席は最前列が埋まっていたのみでした
開演は5分以上遅れました
千切った紙が積まれた山を中央に置き、
黒い衝立や台を用いての場面替えを黒子さん3人で上手に見せていました。
客層はやはり高齢者が多くて女性の方が多めにも思えました
1幕70分→20分休み→2幕60分 だったかな
たいらじょうの一人芝居って感じですが、
布製の人形の出来といいなかなか印象に残る舞台でありました。
普段は作品の余韻に浸って欲しいからと、アフタートークはしないそうですが。
自らの作品情報拡散の為に劇場スタッフさん(40名近くいるそうですよ)のコトや、自らの作品である人形の紹介+写真撮影会として行って下さいました。
UPで見る人形はインパクト強く記憶に残ったであります。

社会のまど開放戦線、秋
コトリ会議
KAIKA(京都府)
2014/12/29 (月) ~ 2014/12/30 (火)公演終了
エアコンの風でくるくるするカラスが好きでした
キュートな舞台美術。そこで展開するちょっと不思議なテイストのお話はコトリ会議らしいが、リアルの度合いが今までにない感じだった。作・演出の山本氏が主演も兼ねるのは、たぶんレア。

社会のまど開放戦線、秋
コトリ会議
KAIKA(京都府)
2014/12/29 (月) ~ 2014/12/30 (火)公演終了
満足度★★★★
☆★小さな劇場でのコトリワールド★☆
京都のお客さんの期待が伺える
劇場内は増席されるぐらいの満席状態!
劇場内はいつものKAIKAとは
また違った雰囲気の舞台セッティング♪
薄暗い中で現実ともう一つの世界が表現されています
それは夢なのか?妄想なのか?
コトリワールドの全開の世界
キャラ設定や台詞などがいつも独特で面白い♪
登場人物は一癖も二癖もある人ばかり
それを演じる役者さんがいいですね♪
特に室屋和美さんの子役の雰囲気が違和感なく自然と馴染んでいました♪
その他の役者さんもクセが強い~演技!
小さな劇場にぴったりとハマる内容で
とっても楽しいお芝居でした♪
2014年度の見納めのお芝居は劇場内が笑いに包まれていました(^^)
まぁ変な世界が好きな人にはクセになる劇団ですね~♪

木になる僕らのものがたり
日田市民文化会館 パトリア日田
ぽんプラザホール(福岡県)
2015/01/04 (日) ~ 2015/01/04 (日)公演終了
満足度★★★
キャスト変更で演技の質が変化
昨年8月にひた演劇祭で観たこの舞台の初演はすばらしい舞台だった。再演のこの舞台も悪くはないが、初演の舞台がほとんど奇跡的に成立していたことを確認する観劇となった。
詳細は、演劇感想サイト「福岡演劇の今」 http://f-e-now.ciao.jp/ に書いています。

すっとこどっこい大晦日スペシャル
大川興業
ザ・スズナリ(東京都)
2014/12/30 (火) ~ 2014/12/31 (水)公演終了
満足度★★★
初笑い
「大川の大忘年会2014」の「すっとこどっこい大晦日スペシャル」は、大晦日から年を越した深夜1時までの公演。実に多くの芸人が登場し、漫才、一人芝居等を観せてくれた。大川興業以外のゲストは、モロ師岡、清水宏、Wコロン、藤田記子など。会場は「ザ・スズナリ」であったが、隣接する劇場「シアター711」からも観客が途中入場し、一時は「ザ・スズナリ」は通路にまで観客が座り、一緒に笑いに興じた。
年越しカウントダウンは外に出て劇場前にスクリーン映像を見ながらクラッカーと歓声で一体感あり。最高の盛り上がりを見せた。
さすがに高校生以下の子供・学生はいないが、アベック、夫婦連れの姿もチラホラ見受けられる。
ここ2~3年はこんな年越しを、それから初詣へ…2015年も初笑いは満足した。

お笑い裁判の歩き方2014
大川興業
ザ・スズナリ(東京都)
2014/12/30 (火) ~ 2014/12/31 (水)公演終了
満足度★★★
2014年の刑事裁判傍聴記
「大川の大忘年会2014」の一つ「お笑い裁判の歩き方2014」は、阿曽山大噴火 氏の刑事裁判傍聴記をイラストマンガのスライドを交えて面白おかしく聞くというもの。単にそれだけなのだが、なぜか聞き入ってしまい、アッという間に2時間が経つ。
毎月の面白そうな裁判ネタを取り上げて12カ月分を披瀝すらが、一応各月のトピックス的な話題も紹介する。ネタは、有名人などの話ではなく、一般人の起こした事件内容、とそれに関係した人物…裁判官、検察官、弁護士や被告当事者の人物描写が実に見事な笑いを誘う。
もっとも一番笑ったのは…

くろいぬケンネルハッピーニューイヤー公演『幸福少女メリルリン子』
くろいぬパレード
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/01/01 (木) ~ 2015/01/05 (月)公演終了
満足度★★★
肩ひじ張らず
楽しい雰囲気の舞台で、肩ひじ張らずに楽に観られました。が、笑わせようとしている場面が、何故か笑うまでの面白さではない感じで微妙でした。観劇後、数え切れない人数のアイドルが誕生しては消えていく中で、生き残る為に、どれだけの努力をしているんだろうなぁ・・アイドルって凄いなぁ・・としみじみ感じました。

新年工場見学会2015
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2015/01/02 (金) ~ 2015/01/04 (日)公演終了
満足度★★★★
二団体とも大衆娯楽作品のパロディを上演/約210分(休憩込み)
五反田団の本拠地・アトリエヘリコプターで毎年行われている新春興行を去年に続いて観劇。
五反田団とハイバイ、それぞれの演劇作品を主体にした3時間半。
スシ詰めの客席でこれだけの長丁場に付き合うのはかなり消耗するものの、観ているだけでヘロヘロになるほどの長時間興行を正月返上で稽古して見せてくれる二団体には感謝あるのみ。
演目は二団体とも大衆娯楽作品のパロディ。
とはいえ、同じ大衆娯楽作品でも全然異なるジャンルのものを元ネタにしているので、それぞれに楽しめた。
五反田団主宰の前田司郎と黒田大輔、齋藤庸介の3人がダラダラと駄弁を繰り広げる幕間のトークにも笑わせてもらいました。

夢邪想(ゆめやそう) ~『夏の夜の夢』より~
花組芝居
あうるすぽっと(東京都)
2014/12/14 (日) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★★★
まるで中毒
初回観劇直後は、めまいの中にいるような足元の不安定さと、夢か現実か分からぬ浮遊感で、蜘蛛の巣に囚われたように混乱していました。
二度目、三度目と繰り返し見ると、霧が晴れるように、組み込まれた僅かなズレや歪みに気付きました。一度だけ見て、夢か現か分からずにふわふわしていても楽しいし、繰り返し見て謎解きのように解きほぐしていくのも楽しい。非常に危険な魅力のある作品でした。