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なれない

なれない

吉本興業/ネルケプランニング

ABCホール (大阪府)

2024/06/14 (金) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

大学生の作演を吉本の二人が演じる、家族劇 ネタバレになるので詳細は書かないが、夢と挫折そして家族愛の話 涙を誘う訳ではないが、一見の価値有りすぎです❕是非

有頂天

有頂天

中央大学第二演劇研究会

シアターブラッツ(東京都)

2024/06/13 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

有頂天

有頂天

中央大学第二演劇研究会

シアターブラッツ(東京都)

2024/06/13 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 面白い。脚本・演出を担ったのは主宰の一角 龍太郎氏、若いのに良くこれだけのシナリオを書いた。スタッフの対応、キャスト表の載っているパンフの表面の写真センスもグー。

ネタバレBOX


 登場する人物(折尾マサミチ)のモデルは案外中平 卓馬かも知れない。中平 卓馬はラディカリズムを追求した写真家として著名であるが精神を病み長い間病院で過ごした。退院はしたものの2015年に惜しくも亡くなっている。
 今作に登場する写真家・折尾 マサミチは、“終わる瞬間にこそ輝く”と考えその瞬間を写し撮ることに執念を燃やす天才的写真家、一方、写真をベースにプロダクションを営み気鋭の若手と注目される館山 タツヤはコマーシャルベースに重点を置き、アイドル系女優や注目度の高くなりそうな人物を積極的に撮り業界団体や関連企業にも積極的に働き掛けるカメラマン。
 真反対の態度を写真表現の意味する処と捉える両者は、大学の同級生。而も同じサークルに所属していた。また今作に登場する怪しげなバーのマスターは矢張り同じ大学で同じサークルに所属しで部長を務めていたが中退したバニー。メインテーマは芸術至上主義と写真も他者との関りをより良くする為のツールに過ぎないとして人々が求めているとされるタイプの写真を撮り続けヒットさせることを目指すコマーシャリズム。館山の経営するプロダクションが、最も力を入れて押しているのがモデルや女優をこなす桂木ユキであった。彼女は両親を早くに失くし弟のハルトを大学に進学させる為女優として大成する為の夢を一時期犠牲にして働き再度復活したという経歴を持ち現在は弟と同居している。そんな彼女は自分という存在が何処まで人々に注目され支持されているのかを知りたいという欲求を抱えていた。原因は彼女の年齢にもあった。アイドルとしては最終段階、女優として国を代表するような名女優と言われるには知名度が未だイマイチとの不安を抱えていたことがある。そこで彼女が実行に移すことに決めたのは半年後に自死することであった。計画を実施する為、彼女は半年間の自分の写真を撮って貰う為折尾に撮影を頼む。コーディネイトしたのは、折尾の大ファン・但野エイジ。これまでも折尾の事務所を散々サポートしてきた人物である。ユキは自分のメイクを担当していた塩田ミナミが弟のハルトと結婚したのを機に同居していた部屋を出たので、そこに折尾を住まわせ撮影してもらうということで話がまとまった。折尾は写真を撮ることにしか興味が無い為、男女の仲を心配する必要もない。
 ほぼ同じ頃バニーの経営するバーにリストラで新聞記者を首になり、女房子供にも逃げられた森川リョウヘイがやって来て、馴染みとなっていたのだが、彼は偶然ネタになりそうな話題を拾った。そして現在はネットで時々記事をアップしているのも利用してユキのスキャンダルを疑い脅迫めいたことを企てる。こうして月日は過ぎてゆくが、実際に森川が脅迫に及んだ時、関係者一同も集まる中で姉の自死に対して一見それを看過するかのように見える態度を難じてきた館山に対して、弟は、表面だけ観ての批判がどれだけ浅薄なものかを悟らせて論破すると共に脅迫してきた森川に対し、“発表するなら発表するが良い、但し姉が自死した責任をあなたが負うことになる”との趣旨を告げる。これには森川が折れた。結果、ユキの自死計画は着々と進み、遂に当日を迎えた。然しどんでん返しが起こる。どんなどんでん返しかは観てのお楽しみだ!
マーヴィンズ ルーム

マーヴィンズ ルーム

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

価格4,500円

「何を持って幸せといえるのか?」そんな疑問に答えてくれるお芝居でした。日常の中に幸せがキラキラ輝く瞬間があるような気になりました。スタッフさんの対応も素晴しく丁寧で印象的でした。劇団のご発展をお祈りします‼️

Medicine メディスン

Medicine メディスン

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2024/05/06 (月) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アイルランド産の戯曲は日本でもよく取り上げられ、話題作も多い。主に英語で書かれ英米で上演されやすい=各国にも翻訳されやすい、という事もあるだろうか。
エンダ・ウォルシュは近年(2000年代以降)の作家で若手のよう。日本ではいずれも白井晃の手で演出され、私は今回初めて目にした。
チケットは早い段階で完売であったが、当日券に並ぶと結構な数があり、最後尾に並んでも「座席」には座れた。どういう売り方を?・・とふと疑問が。

幕が開くとそこはだだっ広いスタジオのような空間。物がやたらと置かれてある。パジャマ姿の男が入って来て、どうやらパーティをやった後の残骸らしい物たちに一瞬驚きながらも、男は仕方なく片付け始める。正面奥に施設内にあるような大きめのドア、手前の空間からドアまでを繋ぐ幅広の通路、その左側に防音室のような部屋が設えられ、正面がガラス張りで中の動きだけは見える。人物らはこの部屋にもよく出入りする。舞台手前は横に広い空間。トラムのステージ全体である。上部にはパーティを盛り上げたらしい横断幕(これは男が取り除く)。上手に人一人が入る小さなブース、下手には小卓と椅子があり、奥には音響設備が載った小さなワゴン、ワゴンの右手(下手側)に、ドラムセットがある。
三人芝居。プラス、ドラマーが参加。

戯曲の語りの技巧というか、洗練され具合が現代的で、隠喩の手法が独特である。
精神障害、と思しい青年が、病院か病院に通じる「内部」なのだろう、パジャマ姿で(着替える間を与えられずに)記念すべきこの日を迎えたらしい。年一度のこの機会に彼は備えて来ており(それにしてはどこか心許ない)、彼のために予約されたこのスタジオへ、彼はやって来たのだ。
彼自身の物語を語るパフォーマンスを完遂させるための助っ人として、二人の女性(たまたま二人ともメアリー)と、ドラマーが順次、入って来る。
青年自身が書いた台本を読む彼のバックで、ドラマーが即興の伴奏、音響係の女性が効果音やマイク音量調整、そしてもう一人のメアリーが全体を仕切り、台本を勝手に(断りなく)削ったり、スタッフに指示を出す。仕事を早く済ませようとおざなりに扱っている風である。
が、仕切り役の彼女はこのイベントに実は深くコミットをしており(趣旨を理解しており)、青年が今後も施設で暮らし続ける選択をするよう誘導するのが使命らしい事が後に分かる。
そこまでのミッションは伝えられてないもう一人のメアリーが、観客の目には「出口なし」の青年にとっての唯一の救い手と見えてくるが・・ ミッションを仄めかした仕切りメアリーの話を聞いてもその趣旨にさほど関心も寄せず、中立である、という部分において信頼性がある・・閉塞した場の中である意味で無責任で寄る辺の無い、だがそれも良しとしているタイプの人間(要はギャル)が、反転現象のように、価値を伴って来るのである。
彼のパフォーマンスを完遂するという、この施設の(表向きの)使命にそれなりに真摯に取り組む内に、ノンポリメアリーは青年の語り(幼少時の虐待=ネグレクトの風景など)を内容通りに受け止め始める様子がある。仕切りメアリーがこのパフォーマンスに不要にポップな演出を付けて行くのを、疑問視もし始め、長らく孤独であり続けた青年と向き合い、「友達」(あるいは恋人)となって行く。
・・・と、中途に終わっていたレビューを推敲、加筆し始めてここまで来たが、既に舞台の記憶は遠のき、この後どのような結末になったか(悲劇的結末かハッピーエンドか)も忘れた。
ただ、ドメスティックな体験の中にある「人間による人間の支配」を暴露し、現状を維持し再生産して行く勢力もまた身近にいる事も芝居は暴露する。従ってその結末を「搾取関係から友情によって脱却した」としようと「分断され再び彼は孤独と被支配の境遇に戻った」としようと、提起されている事は変わらない。

白き山

白き山

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久し振りの「新作」と銘打ったチョコレートケーキの公演。高い世評の上に歌人の頂点に立っていた歌人・斎藤茂吉(緖方晋)の敗戦後半年の疎開生活を素材にした力作である。
戦時中、戦争賛美の歌を作って戦争協力したとして、立場が反転した茂吉の日々が、焼け出されて同居していた長男(浅井伸治)、のちに北杜夫となる次男(西尾友樹)、アララギ派の門弟で秘書役を務めていた山口茂吉(岡本篤)、身の回りの世話をしていた現地の農婦夫の守谷みや(柿丸美智恵)との生活を通して描かれていく。
国家が非常時にあるときの芸術家(個人)のあり方というのはチョコレートケーキが何度もテーマにしてきた問題で、今回も主筋はこのテーマに沿って芸術作品と作者の関係が描かれているが、そのテーマの周囲に、渦中にある芸術家の葛藤や、芸術家の家族のドラマ、
父子の関係とか、人が生きていく上で「故郷」が果たす役割、とか人間が生活の中で出会う大小さまざまなドラマを張り巡らせて、単なる歴史秘話ではなく、価値転換の今の時代に必要な現代劇となっている。
フィクションと断ってはあるが、登場人物たちのキャラクターを見せるそれぞれの日々の生活のエピソードの拾い方が非常に上手い。よくある頑固親父もののパターンも生かしながら、生き生きしたリアリテイを失わない。娯楽劇にもなっている。
主演の斎藤茂吉を演じる緖方晋が、一月前に急遽登場することになった代役とは思えない熱演でドラマを引っ張っていく。関西の小劇場の俳優だが、三年前のペニノの「笑顔の砦」の初老の漁船の船長が。斎藤茂吉とは対照的な第一次産業に生きる男を演じて絶品だった。代役で賞というのはあまりないが、それに値する出来である。チョコレートケーキの中軸の三人。それぞれのドラマの中での役割を演じきって快演だ。よく客演する農婦の柿丸美智恵は、若い頃は都会に女中奉公に出て短歌を知っていた、という面白い役柄を、型にはまらない柔らかな表現で演じてよかった。
疎開先の部屋を囲んでホリゾントには山頂に白い雪の連なる故郷の山が描かれている。最後にその美術が生きることになるが、それは見てのお楽しみにしておこう。本も役者も揃った今年の収穫に挙げられる舞台である。早い機会に、池袋の東芸の地下とか、トラムなどで再演をみたいものだ。補助席も出て満席。

ラフカットFINAL

ラフカットFINAL

プラチナ・ペーパーズ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/06/13 (木) 19:00

価格4,000円

私はBを観劇。30分✖️4と言うオムニバス4作品は、30年の集大成と思える、いずれも面白い内容でした。4000円のチケットなので、1本あたり1000円で、多くの演者さんに出会えてお得な感じ。舞台転換などケレン味のない速さで、それぞれに没入できました。オーディションで選ばれた方ばかりとあって、演技の実力を感じました。終了後にロビーで役者さんたちが出てきてくれたのは、とても嬉しいひとときでした。
今回はBでしたが、Aも観たい!と思わせる内容でした。

Dear・異邦人

Dear・異邦人

劇団「楽」

スタジオR(東京都)

2024/06/05 (水) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

唖者役相手の演技とはどんなものでしょう?
台詞を覚えるのが大変そうな気がするのですが。

ネタバレBOX

説明文を見て思い浮かべたのが「夜のストレンジャー」。
かなり違っていました。
走り梅雨の音

走り梅雨の音

WAO!エンターテイメント

アトリエアーサム(大阪府)

2024/05/23 (木) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

永年の捜査が実を結び、麻薬組織撲滅の筈が…
横領·おとり捜査…
錯綜する情報、裏切り者は誰?

推理物と言うより、刑事物らしく人物が描かれ、人情刑事的な雰囲気が醸し出され良い感じ💕
伏線張ってるなと思ったら最後に…次回も楽しみ🤩

ユメミソウ~夢見荘~

ユメミソウ~夢見荘~

劇団1mg

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チーム台所🧽観劇

夢を追う若者が集う夢見荘🏠、大家は皆を全力応援📣楽しい日々を過ごすが…

大体の展開は早い段階で読めたのだが…
それでもラストはうるうる🥺涙が溢れた😢
流石💕
1mgさんらしい軽快なテンポとラストの展開、良かった💓
Good job👍

ムコーラスライン

ムコーラスライン

muko2(ボーイズ演劇-関西)

武庫川KCスタジオ(兵庫県)

2024/05/18 (土) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

千秋楽観劇
デビュー3ヶ月のシアターアイドル ムコムコさんが最高峰ホスト店のオーディションに参加!
山本太陽さん古田幸人さんにサワラれ成長していく?!

演劇半分、Liveステージ半分な感じ💕
武庫川発のシアターアイドル、キラキラしてた🥰

PLAY ULTRA vol.4  合戦-3on3-

PLAY ULTRA vol.4 合戦-3on3-

PLAYULTRA

神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)

2024/05/18 (土) ~ 2024/05/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

超絶FANTASTICSさん、Hannari Threeさん、Cherry Bomb Bombさん、不敵艦隊さん、皆さん見事に物語を紡ぎだされていて、愉しかった😁
And今回お初の3on3の団体戦、ガチンコ勝負で見応えあった🤩
文句無し、面白かった😆

ps.開場前はびっくりするぐらいの長蛇😳でした。

世界はそれをカレーパンと呼ぶんだぜ

世界はそれをカレーパンと呼ぶんだぜ

STAND FLOWER

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2024/05/10 (金) ~ 2024/05/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽観劇。
不幸についてのナンセンスコント、愉しかった🤩

「きょうだい児」を初めて伺いましたが、それを笑いに変えて、不幸のマウント合戦⚔️
🥤割りすぎ、学費払えない、男運…
何を見せられてるの?なナンセンスコント、面白っ😆

香格里拉 ―シャングリラ―

香格里拉 ―シャングリラ―

早稲田大学演劇研究会

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/06/13 (木) 19:00

110分。休憩なし。

青い!大劇場結婚式(小劇場 楽園)

青い!大劇場結婚式(小劇場 楽園)

藤原たまえプロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

こういうことをやろうという心意気が面白い。その気持ちにみんな金を払う。

ネタバレBOX

新郎がタキシードを忘れてしまい、慌てたスタッフが本多劇場グループのチラシを見ながらそれっぽい衣装を用意していそうな公演中の劇団を探すネタがある。今まさに本多劇場で公演中の『無頼の女房』、剣持直明氏(医師の役)に狙いを付けて直電でお借りする。このネタが痛快なのだが、本日昼の公演では剣持直明氏御本人がタキシードを持って公演に参加してくれたそうだ。これぞ下北沢の強みだよなあ。

阿達由香さんが右膝にサポーターをしていて、相当キツイんだろう。

正直、こっちだけだとDVD特典程度。もっと別の人間関係を導入しなければ。期待したJURI&JUNAさんネタも序盤だけ。唯一、仲美海さんと閏木(うるき)ときたか氏ネタだけ面白かった。
青い!大劇場結婚式(「劇」小劇場)

青い!大劇場結婚式(「劇」小劇場)

藤原たまえプロデュース

「劇」小劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

何となく凄くハイテンションだがつまらない大騒ぎを予想していたらかなり面白かった。
「劇」小劇場で結婚式を行う熟年カップル。理由はそこが二人の出会いの場だったからだ。しかもその模様を生配信するという。自分でも小劇団を主催している新婦(高乃麗〈うらら〉さん)はブライダル会社の演出に駄目出しをし、いろんな突飛な思い付きを入れていく。現場責任者(ジョニー高山氏)とプランナー(阿達由香さん)は引きつった苦笑いで対応。控室として用意されたのは道を挟んだ向かいの地下にある小劇場「楽園」。土建屋社長の新郎(橋倉靖彦氏)がなかなかやって来ないことに腹を立てた新婦は「楽園」へと呼びに行く。次々にありとあらゆるトラブルが降り掛かる地獄の現場、果たして何とか結婚式を遂行することが出来るのか?

面白いのは新郎新婦のキャラ。見事に配役に成功している。高乃麗さんの迸るエネルギーが作品のエンジン。
橋倉靖彦氏の佇まいと口下手で朴訥なキャラもいい。
東京AZARASHI団以来の観劇となる阿達由香さん。流石に腕は衰えていない。こういう喜劇には欠かせない知的な笑いのキャラクター。
沖縄出身の双子ダンサー、JURI&JUNAさんも好演。

伝説の興行師、ウィリアム・キャッスルを思い起こすギミック興行。ウィリアム・キャッスルは下らないB級ホラー映画にギミックを施して観客を呼び込んだ映画プロデューサー。「ショック死保険」、クライマックスでワイヤーに吊られ映画館を飛び回る骸骨の模型、魔法のコインを配る、幾つかの座席に電流を流す、恐怖で退場すれば返金するが臆病者コーナーで晒される、幽霊が見えるセロファン眼鏡、悪役の最期を観客投票で決める、危険の為映画館に看護婦が待機・・・などなど。まさに見世物小屋の呼び込み口上。観に行ってガッカリするのだがそれもまた良いものだ。

今回はキャスト15名に観客19人のほぼ互角の戦いだった。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

「劇」小劇場は二階にある。大きな脚立を立てて外から搬入口へと出入りしたり、セーフティーマットを地面に敷いて飛び降りたり。ハンディカメラを使って「楽園」との行き来の様子もスクリーンで中継される。TVの生中継番組に参加している感覚。

「楽園」の隣りにある「高級芋菓子しみず」が度々スクリーンに映し出されていい味。物語に組み込むべきだった。

個人的には高木稟氏演ずる偽牧師の登場からベタな展開になってスロー・ダウン。(勿論高木稟氏は好演で客席を爆笑させ続けた)。こういうお約束の話で落とすのではなく、もっと誰もまだ見ぬ地平を目指すべきだった。アガリスクエンターテイメントみたいにこの2劇場同時公演でしか成し得ない、オリジナルな新世界へと。どちらを観てもそれぞれ面白いが、2本共観たら全く別の世界が覗けるような志高き作品を。
SF要素があった方が良かったかも。謎の伏線で観客の興味を引っ張る。双子を使って瞬間移動やタイム・リープ、テレパシーなんかも使えた筈。

新婦の劇団主催も謎。そんな女がこんなイベントをブライダル会社に依頼する訳がない。田舎者の新郎の仕切りに我慢しながら苛ついている設定が欲しい。
ゴツプロ!第九回公演『無頼の女房』

ゴツプロ!第九回公演『無頼の女房』

ゴツプロ!

本多劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 舞台美術も、脚本、演出、演技、照明、音響何れをとっても高い質を持った舞台だが、余りにもカッチリ組み立て過ぎず、適度な“あそび”を持たせた舞台である点がグー。

ネタバレBOX

 言って見れば「Le Pèse-nerfs」邦題「神経の秤」を書いて最後は精神病棟で息絶えたA.ARTAUDのような、腺病質な迄に繊細な感性を持った無頼派作家を代表する太宰(役名・豊臣)と安吾(役名・塚口)、二人をモデルとした作家を中心に同じく作家業を営む二人の友人文士(役名・谷)、編集者等が出入りする塚口の家を舞台に物語は展開する。時代設定は1948年。敗戦後の1946年には戦中の配給制度が崩れた為、食糧を始めとする必要不可欠な物資が都市部では殊に入手困難という事情があった。とはいえ、かつての臣民は国民と名が変わり、アメリカを中心とした占領軍の価値観に合わせて戦争中に奉じた自らの価値観、行動には蓋をして懸命に生きることを口実にシレっとしていた大多数の大人たちが自らの倫理感を自問することは実に稀であった。それらに反抗し闇市等で幅を利かせた特高帰り、組織力と若い衆の力を動員することのできたヤクザが基本的には仕切る闇市で、それこそ生き残る為に使い走りをする戦災孤児の群れ。カストリが酒の代名詞で在り得、メチルアルコールを用いた粗悪品で目の潰れる者も多かった時代に文字に飢えた人々にカストリ雑誌が飛ぶように売れた時代でもあった。戦争中、特攻による死の恐怖を誤魔化す為に用いられた覚醒剤・通称ヒロポンが流行したのも日本政府が1956年に至る迄法に拠って禁止できなかった背景にも軍が用いていた歴史的事実があった。実際1956年迄覚醒剤はヒロポンという名称で売られ薬局で買うことができたのである。
 こんな時代に若く才能溢れる2人の作家が、戦中・戦後で全く反転してしまった世相と倫理に悩み抜いた果てに自らの精神の平衡を保とうと酒やヤクに頼らざるを得なかった心情と命を賭けたその執筆のパッションには実に深く我らに訴えるもの・ことがあり、その内実が二人のライバル(塚口VS豊臣)の文学談義や各々の念う女性達の反応によって対比されると同時に三人の作家陣、編集者陣というインテリ集団に対するお手伝いさん・多喜子の庶民的価値観、その夫で長崎できのこ雲を見て以来恐らくはぶらぶら病に罹ってそれ迄の働きぶりが嘘のように変わってだらだら過ごすようになり乍ら尚且つ経験の無い文章を書くことにだけは強い欲求を示し而も文字は下手で読みずらいが内容は実に二人の一流作家に互し、而も当時原因が分からずぶらぶら病と呼ばれた被爆者特有の体調悪化で社会的弱者になっていた対照的な視点から実直で不器用極まる庶民の一途な念を凝縮するような力を持つ詩的な文章を提示することで、ここでも演劇的対比のダイナムイムズを見事に溶け合わせている。
 今作の脚本ではこのように深刻な時代状況は表に出されず、観客の持つ知性や感性に評価は委ねられているので、何処まで作品を味わい尽くせるかは観客次第だが、兎に角余り時代背景が分からずに観る観客をも惹きつけ笑いを振りまくキャラとして登場する人物が書生・石原の存在だ。無論彼の役回りは深刻極まる内実を脱臼させる点にある。このアクションが今作をがんじがらめにする可能性のある物語の余りにもカッチリした作り、即ち予測のし易さをも拍子抜けさせてくれるのである。文頭部分でも述べた通り、役者さんの演技も皆さん極めて質の高いものだが、塚口等の治療で活躍する医師・芝山先生役に味のある演技の剣持 直明さんが居るのが嬉しい。
 今作は、上述した時代背景には一切触れていない。また観る者の解釈が尊重されるのは当然のことである。然し乍ら、この作品のように実在したそれも未だに読み継がれる普遍性を持つ作家の作品の背景を為した生き様をベースにした演劇作品を少しでも深く知る為には以上簡単に整理した事情程度の知識を具えていた方が遥かに作品の本質に迫ることができよう。
阿呆ノ記

阿呆ノ記

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2024/06/04 (火) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/06/06 (木) 14:00

いつもながらの手の込んだ手作り舞台美術の中で繰り広げられる濃密なドラマ。
劇中の赤紙が来る場面がちょうど放映中の朝ドラとも重なって強い反戦の意志を感ずる。そして悲劇的な展開ではあるものの僅かな光明が見えるラストに救われる。そう言えば2年前に音無さんが客演した「夏至の侍」もソフトランディングだったっけ。
あと、クライマックスの装置のギミックに「あ、あのパターンね」と思ったが前回観たのは何の時であったか?

白き山

白き山

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/06/11 (火) 14:00

芸術家の、晩年を迎えた人の、再生プロセスを目撃したような感覚。
カギを握るのは、普通の人々の痛みを伴う素直で繊細な心情だった。
柿丸美智恵さんが読む短歌にボロ泣きする。
誰かが短歌を読むのを聴いて泣いたのは、初めての経験だ。
緒方茂吉、その後の人生も観たくなる。

ネタバレBOX

窓の外には山影のような風景が見える。
簡素な田舎家の一室、斎藤茂吉(緒方晋)が文机に向かって背を丸めている。
終戦後も引き続き疎開している茂吉は、以前のように歌が作れなくなっている。

訪う者と言えば賄いの農婦守谷みや(柿丸美智恵)一人だったはずが
まず父の様子を見に次男宗吉(西尾友樹)が来て、
次に長男茂太(浅井伸治)と茂吉の一番弟子山口(岡本篤)が来て
この疎開先はにぎやかになっていく。
癇癪持ちの”お父様”が怒らない、という異常事態に息子ら3人は異変を感じる・・・。

歌が作れなくなった理由はひとつではないだろうが、
戦争詠み(戦争を賛美するような歌)を強要され、不本意ながらそれを受け容れたこと、
自分の衰えを自覚せざるを得なくなる絶望感などがあるかもしれない。

そんな茂吉を腹の底から揺さぶってガツンと来るような出来事が起こる。
なんと賄いのみやさんが「赤光」の初版本を愛読していたというのだ。
茂吉に「好きな歌はどれか」と問われて彼女が口ずさむ「死にたまふ母」数首の温かさ。
「自分の母はまだ健在だが、戦死した3人の息子たちが生きていたら、こんな風に
見送ってくれるのか・・・と想像してしまう」と語る切なさ。
茂吉が改めて読者の心情に思い至り、歌を詠む意味をもう一度見いだすきっかけとなる。
この「死にたまふ母」を読むシーン、出色の場面である。
一瞬主役が入れ替わるかと思うほど柿丸さんが素晴らしい。

みやさんはまた「山はずっと昔から同じはずなのに、それを見る自分の心持ちによって
見え方が変わる」とも語る。
自然に自己を投影させる、まさに茂吉が提唱する「実相観入」理論である。

これを機に茂吉の様子は一変する。
蔵王と鳥海山が見える場所へ移り住み ”疎開延長” することを決める。
冒頭のシーンと同じく文机に向かう姿勢で終わるが、ラストの背中はその力強さが全く違う。

作品全体の台詞のテンポが素晴らしい。
次男が初めて戦地での体験を語る場面、観客の想像力をかきたてるに十分な間。
緒方さんの茂吉は、怒鳴っても優しくても、悶々としていても台詞が無くても
佇まいが「斎藤茂吉」で本当に素晴らしかった。

悪妻の存在、昆虫大好きな変人の次男、律儀な長男、茂吉に人生を捧げる一番弟子と、
取り巻くキャラの豊かさもエピソードに事欠かない。
チョコメンバーの個性がぴったりとはまって、悩める老人の周囲を大きく動かす。
客席がどっと沸くようなユーモア溢れる場面も多く、シリアスなテーマとのバランスも良い。
向き合うべき「白き山」を得て、茂吉は今後どんな創作活動をするのだろう。
茂吉再生の糸口となった、柿丸さんの「死にたまふ母」を私はずっと忘れないと思う。

阿呆ノ記

阿呆ノ記

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2024/06/04 (火) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
昔、捨て子・孤児等が寺に集められ、民衆のために死んでゆけと教えられ、人柱・生贄として育てられた子供たちがいた。民間信仰のようなことから材を得て、地続きの今に警鐘を鳴らすような公演。愛情も学問もなく、ただ人身御供のためだけに生かされた童の存在ー「阿呆丸」と呼ばれた。物語では名前が付けられたのか否か、数えるだけの、ひい・ふう・みい という三婆にその役を担わせる。

本当にそんな伝承・風習があったのか。時代の流れ 大きな渦の中に、その存在は形を変えて浮き上がってくる。時代は昭和初期、物語は昭和12年から始まり日中戦争へ。上演前には、HP説明にあるような「明治政府は…生贄・人柱を殺人罪として禁止 時は流れ 昭和の時代、戦争の足音が近づく頃」と書かれた立板。勿論、生贄・人柱は戦時における出征を示唆している。時代に翻弄されるのは、当時に限ったことではなく、「阿呆丸」は決してあってはならないこと と思う。

公演では、主役で阿呆村の女頭目を演じた 音無美紀子さんの存在感が凄い。彼女を中心とした役者陣の熱演が、公演を支えているといっても過言ではないだろう。物語の世界観が緊張・緊迫をもって語られる。桟敷童子らしい舞台美術・装置がラストを印象付ける。そう言えば 「獣唄2021-改訂版」(主演:村井國夫サン)の時と似ているような…。
(上演時間1時間55分 途中休憩なし) 追記予定

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