最新の観てきた!クチコミ一覧

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わかれ道のリテラシー

わかれ道のリテラシー

9-States

小劇場B1(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

理解しがたい
大きな声でそう言いたくなるような作品だった。生きる意味を考えたときに答えはどこにもない、そんな分かりきっている答えに禅問答を繰り返す。過去と現在が入り乱れ一つに繋がった時に目の前の答えを認めてはいけないのだと思わされた。

灯屋・うまの骨

灯屋・うまの骨

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

灯屋・うまの骨
古道具屋「うまの骨」に偶然泊めてもらうことになった青年に、主の透馬がここが下宿屋「灯屋」だった時のことを物語る。灯屋にはいろんな事情を抱えた人がいて、透馬の母であるあかりから励まされたり叱られたり、そして意外な展開となり、思っていたよりずっと起伏のあるお話でした。そして当て書きだと言う透馬役の川野さんが本当にぴったりで、優しくて優しすぎてなかなか告白もできない中年男を演じていました。古道具屋と下宿屋のセットも良かったです。透馬作のペーパーウエイトを買って帰りたかったです(笑)。

わかれ道のリテラシー

わかれ道のリテラシー

9-States

小劇場B1(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

もう一度みたい
前回のカテゴリーボックス同様に多くのセリフが印象的で頭の中がいっぱいになりおいて行かれそうになるのだが、とにかく世界に引き込まれてあっという間の2時間だった。多種多様のキャラクターが生きる意味を問いかけてくるが答えがそれぞれ違い人間模様が濃く描かれていた。一月にあるマキハラ先輩の過去の話も見てみたい。

泳ぐ機関車

泳ぐ機関車

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/12/05 (土) ~ 2015/12/15 (火)公演終了

満足度★★★★★

泳ぐ機関車
今回初めて劇団桟敷童子を体験、炭鉱三部作を見ることができました。ハジメを産んで母が亡くなったため、父にはどこかハジメに対してわだかまりのようなものがあり、それが乗り越えられるのかと思った矢先のあのできごと・・・そして・・・と、とても切ない物語でした。それでも強く生きて行くことを誓うように歩き始めるハジメ。その三部作の最後の物語から上演されることの意味はまだ分かりませんが。「泳ぐ機関車」では前二作と三姉弟の配役が違っていました。ハジメ君と上のお姉ちゃんはすぐ分かったのですが、下のお姉ちゃんが分かりません。終演後ほかの役者さんに確認したのですが、まあ!そんなところにいらしたのですね!さすが!役者さん!!凄いです。

ネタバレBOX

今回はひまわりの花びらは降って来ませんでしたが、代わりに雨が降りました。開演前、最前列のお客さんに透明のビニールシートが渡されていましたが、それが必要なくらいの勢いで舞台に水が降って来たし、舞台上には池も作られていてそこに足を突っ込むというシーンもありました。終演後のバックステージツアーで近くで見ることができ、みなさんよくこんな危なそうなところで演技しているなと思いました。前回は花びらにまみれるような席だったので、今でもバッグの底から黄色い紙片が出て来ることがあって、あったかい気持ちになれるのでした。
その王国の夜は明けない

その王国の夜は明けない

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

“ドラマ”の描写が不足している
“シアターノーチラス”は本作が初見。

“カフェ”と“王国”とがどういう繋がりを持つのか観ていたが、
なるほど、そういうことなのか・・・。

見応えのある“群像劇”だったが、
登場人物の“人となり”、“ドラマ”の描写が不足しているように感じた。

終盤、“店長”の独白からエンディングにかけてのシーンが、心に響いた。

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

全てはタイミング!
誘拐犯の理由の弱さと母親の強い執着心が明らかに怪しいと思われる発言を鵜呑みして簡単に諦めるところは疑問を感じるもののいい舞台でした。

ネタバレBOX

結果として子供をさらった男、もうひとつは子供をひき逃げした男の話が軸となる。
交通事故に遭った子供が記憶を失い、その子を助けた男が子供を家に戻すタイミングを逃し、その子供と20年間暮らしてしまう。事件前にバーで飲んだ不審な男を覚えていたバーのマスターによって徐々に明らかになって行く。
一方、ひき逃げ犯は20年子供を探す母親に出合ったことによって心理的に
追い詰められていく。
誘拐犯人の独白の場面は、子供を返しそこなった理由がやや弱いもののこのシーンを入れたことはとても良かったです。
帰ってきたアンチョビー

帰ってきたアンチョビー

合同会社シザーブリッツ

上野ストアハウス(東京都)

2015/12/08 (火) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

Bチーム4日目 オモシロイ!
この公演、劇場は上野ストアハウスで劇場空間は地下にありますが、だからアンダーグラウンド演劇って訳じゃ全くございませんが、でもこういう小劇場系の役者さんって演技スタイルが各個それぞれ(バラバラ?)で、歌舞伎みたいな伝統芸能や、そうでなくてもシェークピア劇みたいに一定の演技スタイルがある訳じゃないので、逆に個々の役者さんの個性が素直に反映された演技が観られるもの楽しみのひとつと思います。
ということで、石井陽菜さんは年齢を感じさせぬ(?)貫禄の演技で、昨年初めてお目にかかった時にも驚いた変幻自在の声は今回も健在。かなり音響が劣悪なこの会場でも響きを保って良く聞こえる彼女の声は貴重です。ソットヴォーチェでも響く声には驚きました。かなり恵まれた声をお持ちなんですね~そして、それを十分活かしてますし。また、ダンスのシーンでも彼女が笑みを湛えて踊っていたのは、とても印象的。表情の演技にまで気を回す余裕というか大胆さをお持ちなんですねえ・・石井陽菜、只者に非ず!
一方、相手役の伊藤えみさんは、今回コメディ作品であることを最大限活用しての大袈裟演技で魅せてくれます。特に歌舞伎の大見得風の箇所は「おっ!」って感じでした。いっそ荒事にも挑戦してください! それにしても今回は、いろんな大袈裟表情&演技が楽しいですね~。そして戦いの場面での真剣で美しい表情は、もはや彼女の伝統伎でございます。そちらはまた違う作品で存分に見せてください!

もうひとつ・・・倉内マリカさんが演じるママが更に演じる〇〇〇(カタカナで3文字)が、妙に適役でハマっていて、私、トッテモ気に入っております。あの雰囲気最高!!

皆さま、明日も宜しくお願いします!

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★

失踪を疾走する...面白い!
探偵物語...と言ってもハードボイルドではなく、緩い笑いを織り込みながら底流には鋭い社会批判・混沌とした国際情勢がしっかり見える話。特に国際情勢についての部分は、当該国に問題があっても、内国干渉になってはいけない(国際連合憲章における友好関係原則宣言を持ち出す)。例外として、自国の問題に対して国際機関が介入できる事項、それがこの公演の本筋であり探偵が登場する理由にもなっている。

その理由とは...。

ネタバレBOX

日本にいる外国人カメラマン...自国で撮影した人権侵害の写真を国際社会へ公表する、それを阻止しようとする集団・グループからの逃亡。それを結果的に助けることになる探偵。
梗概は、街に不穏な空気が漂い始める中、探偵は、失踪者の探索を依頼された。しかし、早く探し出さないと手にはめられたブレスレット型爆弾が爆発する。死へのカウントダウンが迫る中、調査を始めた。そして失踪者を見つけたまでは良かったが、そこからが本当の意味での命をかけた〝バトル・ラン〟が始まる。

基本はブラックコメディで、その構成はバラバラに展開している話が段々と収束する巧みさ。そのシーン毎のコミカルにして洒脱な会話に心地よく身を委ねていると、いつの間にか緊迫した国際情勢を突き付けられるという驚き。その構成・展開に感心させられる。この観せ方とテーマに潜む重大さのギャップの見事さは秀逸である。

人間一人の時は、その異常さは隠されているが、集団化し何かのキッカケで残虐さが暴走する。それを国際社会から隠す、自国の恥は晒さない。そこにある理不尽...芝居の中では視覚として具体的に表現されないが、その事実があることを主張する。その直接見えない出来事を観客自らが想像し考えさせる、その導き方が素晴らしい。

次回公演を楽しみにしております。
【『比丘尼』全公演終了しました。御来場、誠にありがとうございました!】

【『比丘尼』全公演終了しました。御来場、誠にありがとうございました!】

殺陣集団 伽羅牡丹

調布市せんがわ劇場(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

矛盾願望の物語
人間の願望である「不老不死」、そうなったが故に悩む「死にたい」という矛盾した願望が生まれる。限りある命だからこそ、愛しく尊いと感じることが出来る。物語としては、細部を描くことに流されることなく、大きく普遍的なテーマについて伝説も絡めて描くなど創意が感じられる。
一方、ストーリーを重視しているため、光景にみる不思議な雰囲気を表しきれていないのが残念であった。

ネタバレBOX

鎌倉時代末期。白拍子の中に椿という名の女が一人。 ある日、貴族の屋敷で舞い褒美として人魚の肉(不老不死)を馳走になった。 それは呪いの始まりで、 傷ができてもすぐに癒え、雨が降る度人魚が仲間にするため襲いに来る。 人魚を避けての生活が何十年。 老いることなく生きる女の願い、それは 「人として死にたい」と...。延暦寺・不動明王の剣で呪詛を断ち切れか。

公演は丁寧な制作であるが、上手くまとまりをつけるような面も見受けられる。脚本は、各地にある伝説をうまく取り入れ、細かい時代考証がし難い鎌倉時代に設定し、フィクションとしての物語に引き込むよう工夫している。
殺陣集団を標榜していることから、その演技・技術は高いレベルが求められる。また人の矛盾した内面表現に腐心していたようだ。公演に対する真摯な姿勢に好意を持つが、その描きこみが表層的であったと思う。
具体的には椿(伊藤愛サン)の心の葛藤が観えないのが惜しい。もう一つ、殺陣シーン...「人魚」が襲う意味が芝居の中では説明不足。人魚の”肉片”を食べたことに対する報復にもとれる。一応仲間にするという同化のようであるが...。

最後に、自分が観た回は、椿・伊藤愛さんの声がかすれ、最前列にいたにもかかわらず聞き取り難くなったのは残念であり、気の毒でもあった。

次回公演を楽しみにしております。
その王国の夜は明けない

その王国の夜は明けない

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

働くとは...問い直し
”働くことは”を命題にしたような喫茶店の話。この喫茶店を王国になぞらえて動く群像劇のような...なぜか某国の経済危機を想起するようなシュールな展開は、日々の仕事の中で、いつも何のために誰のために働くなど強く意識していないと思う。意識の確認は、何らかのキッカケがあって行うと思う。その契機が...。

ネタバレBOX

いつもある職場が無くなるという衝撃宣言。今まで”働く”を通じて自分自身の生きがい、生活のあり様を顧みる。働くは、人の暮らしの糧を得ると同時に、その存在の意義でもあろう。日々変わらぬ日常が、一瞬にして非日常に追いやられる恐怖と滑稽さがしっかり描かれる。人は過酷な状況に直面すると理性より感情が勝るようだ。

梗概は、従業員全員に対し早朝出勤するよう連絡があり、オーナーからこの喫茶店を2週間後に閉店する旨告げられる。働き場所を失うことになった従業員...その途端、各自が抱えている状況が次々明らかになり、また人間関係の蟠りや桎梏が吐露され右往左往する。当たり前にあった場所(職場)がなくなる。多少デフォルメしているが、どこにでも居そうな人々。そして世間的には大した事件でもなく、という日常空間・時間の綻びであるが、その行間の中で必死に生きている人々の呻きがコミカルに描かれる。この個々人のキャラクターの確立、生活環境・状況を明確にしているから面白い。

なぜか、ギリシャ経済危機(2009年10月以降に始まる一連の危機)を想起した。ギリシャは、緊縮財政等の厳しい改善に努めてきたが、一方で景気は落ち込み、国民の生活はさらに苦しくなり、大規模なデモや暴動が頻発した。公演にもあった蜂起騒動がその状況を連想させる。国家でさえ危機に陥る時代、働かされているという受動的姿勢では生きられないという教えと、自立しての夢追いの両方を問いかける。教訓臭ではなく、あくまでドタバタコメディという観せ方の中にしっかり主張する、見事な公演であった。
次回公演を楽しみにしております。

帰ってきたアンチョビー

帰ってきたアンチョビー

合同会社シザーブリッツ

上野ストアハウス(東京都)

2015/12/08 (火) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

マチソワ
Aチーム→Bチームで観ました。甲乙つけがたい良さがそれぞれにあり、説明通りの百花繚乱、不撓不屈、満身創痍のハチャメチャドタバタハートフルっぽいコメディ!!を楽しめました。

わかれ道のリテラシー

わかれ道のリテラシー

9-States

小劇場B1(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

過去と現在の相互俯瞰
過去と現在が交錯する「ホテル・ラポール」での出来事。人生には転機となるような分かれ道がある。何を持って成功・失敗と決めつけるか、その時の判断の良し悪しは、その後の結果に現れる。ifのタラ・レバを引きずるようであれば、自分は回顧の日々に埋没してしまいそう。

真面目に生きてきたと思っていても理不尽な目にあう。悔しさを飲み込みこめない人々。それでも不器用に今を生きる人々を静かに見守るホテル・ラポールとその主人(斜に構えた)の雰囲気がよい。

ネタバレBOX

舞台セットは、ホテルのBarカウンター(ボトルが何本か見える)であろう。少し暗く寂れた感じがする。市松模様の絨毯、そこにアンティークランプのような照明…その雰囲気が灰の底で輝くダイヤモンドのようで、その先に希望が...。
終盤の台詞~「今と未来のボクを覗けたら」「死ぬ間際に見る夢という走馬灯」が印象的だった。

そこに宿泊している人々、なぜか本名ではなく通称で呼び合う。その様子や雰囲気が、人を拒み不器用に今までを何となく生きてきた、そんな惰性・妥協を感じさせる。
そこでの会話、生きる理由は何か? その観念的とも思える問いかけは、もちろん物語の展開でもあるが、観客への問いかけでもあろう。その描き方があまり現実的にならないよう、少し“ズレ”や“歪み”を加えることで面白みを出している。物語の軸は、話をする人の間で移り、緩く揺れながら大きな渦を形成していく。
そして、物語の中に織り込まれていた偏執的な愛、その先にあるストーカー行為とその結末に繋がる。無関心な人達と異常に興味を持った男の対比は、生きて死しているか、殺してまで...。シュールにして慈愛に満ちた物語。
役者の演技も安定しバランスも良く、思わず観入ってしまう素晴らしさ。

次回公演も楽しみにしております。
不在の豊饒。

不在の豊饒。

中野坂上デーモンズ

荻窪小劇場(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

観てきた!
いわゆる演劇を演じるメタ演劇です。そして下品です。チンコです。でも、見ていて飽きなかったです。なぜかしら。

1995

1995

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

意気消沈
楽し気な宣伝美術のデザインとその惹句のイメージからかけ離れた低空飛行のまま推移した案外真面目な作り。

俺が読む哲学の嘘

俺が読む哲学の嘘

劇団 幕星

中野スタジオあくとれ(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

65分くらい(上演時間)
休日出勤のあときょうくらいしか見にいけねぇ!とダッシュで向かったら奇跡的に間に合った(苦笑

桜井氏の脚本を本人以外の演出・出演で見に行くのってあんまり記憶に残ってなかったんでどんなものかと思って少し不安に思ってた。正直。二次創作みたいなもんかな?とも。でも観始めてしばらくして慣れてくるとがぜん「良いじゃない!」となってきた。さすがに桜井氏の役を本人以外がやるのは違和感があったけど、でもこれが良い道筋になるんじゃないのかな。誰かがやらないと他の人が真似しにくいともいえるし。

個人的にはこういう作品こそ高校演劇とかで上演するものなんじゃないかと思った。

多くの名作はバランスを重視するあまり愛情的な物が描かれない。

そもそも愛情みたいなものはアンバランスの塊みたいなものなんだから、バランサーになった時点でどこか遠く隔たってしまうのは当たり前なのかもしれない。

その点、この作品はアンバランスの塊。

作品の無軌道な構造そのものが愛を体現しているといっても良いのかもしれない。

しかも、そこに別人の演出によってさらに奇妙な安定感が生じているように見える。

ん・・・こんなことあんのか?

こういう演出のことをマジックと言うのかもしれない。

舞台の上に登場するのは頭のネジがぶっ飛んだ登場人物ばかり。

それなのに、そこになんだか奇妙な夢の中の靄みたいな空気が漂う。

落ち着いた悲壮はやがて、対峙するディスコミュニケーションと共に、なんだか主人公の苛立ちとゆるふわの入り混じった夢の中にいつの間にかみんな取り込まれてるみたいな・・まるでJ・G・バラードの夢限世界に4畳半宇宙が何の特別な小道具もなく口先だけの囀りによって取り込まれていくみたいな・・そんな奇妙なねじれ感が、見えてくる。

一見何てことないけど、こういうのって想像以上に凄い。

言葉は桜井氏で演出が関村氏というのでどうなるのかと思ったけど、ようはリリックがパンクでメロディがそれとはまったく別の・・うまい喩えが思いつきませんが、スミマセン(苦笑

普通、こういう荒馬みたいな脚本を使えば台詞ばかりが頭に残るけど、今回は演出も両方残る。

作品の中に登場人物以外に2人いる。見える。

その2人が主人公と見えない幽霊の愛について神輿を担いでいる。
最初、それが愛には見えなかった。
でも今は見える。なんでかよくわからんけど(苦笑
なるほど、「僕たちこんなに愛しているんです」っていう人たちは本当は愛してなんかいないんだね。きっとなんか愛しているってことは、誰かが居なくなったとしても一人でニコニコしながら退屈そうに散歩できる人なんじゃないかね?小一時間くらい。

心の中に人ひとり住まわせられるかどうかってことは、きっと、心霊写真専門のキャメラマンのレンズによってしか分からないものなんじゃないのかね(笑

人生や愛とか呼ばれるものは凄くシンプルなんだと思う。

桜井氏の脚本は100年経って今の役者がみんな死に絶えるころには不朽の名作になってるかもしれないな、とかふと思った。

でも今回の舞台自体も地味に凄い気がする。
観客が異様に少ない(キャパゆえに)というのが残念なところではあるんだけど。

ちなみに帰りに会場近くのホームセンター寄ったらもう閉まってた(苦笑

ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

老いても親は親(子供のいうことなんか聞けません)
本編は勿論公開ダメ出しイベントは面白すぎる。
独居老人の心情、親子ゆえの感情のすれ違いが、傾いた欠陥マンションを舞台に興味深く演じられます。
老人があけた穴が思わぬ展開へ。

ネタバレBOX

マンションの上下階に穴をあけての会話なんて発想が素晴らしい!
悲しみを聴く石

悲しみを聴く石

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了

満足度★★★★

平日夜は一般4000円
激戦地を舞台に、意識のない夫の介護をするイスラム教徒の女性(那須佐代子)の語りで進行する三人芝居。美術、音響、照明が高品質で、小空間で濃密なストレート・プレイを味わうことが出来た。大人向けのお芝居です。
三方囲みの客席で、サイドの席はより迫力を味わえそう。私は中央でした。
※シニア(65歳以上):4000円 学生:2000円 高校生以下:1000円

ネタバレBOX

男女の関係については、いちいちもっともだと頷いて、共感して観ることになりました。
悲しみを聴く石:人々が辛いこと、悲しいことを黒い石に向かって語り続ける。やがて石が砕けた時、人々は苦しみから解き放たれる。
その王国の夜は明けない

その王国の夜は明けない

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

見応え有るが・・
近年の作品を全て拝見しているが、本作は面白味が伝わりにくいかも。芸達者を揃えて見応え十分ではあるのだが、時折集中力が途切れそうになった。
登場人物各々の人物造形が作り込が過ぎて設定を飛び越えてしまった感じ。
・・照明も、やや暗いかな。

『TUSK TUSK』(タスク タスク)

『TUSK TUSK』(タスク タスク)

あうるすぽっと

あうるすぽっと(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

育児放棄がテーマの英国戯曲
15歳、14歳、7歳の子供が主役で、しかも実年齢が役に近い俳優(つまり子役)が演じるの約2時間半(休憩含む)。演技が達者な上に子供であることに大きな効果があり、期待以上の観劇体験。まず戯曲が素晴らしくて、演出も見事。全席指定で一般3500円 学生2500円 高校生以下1000円とチケット代が安い。12/13(日)14時が千秋楽。

ネタバレBOX

母に向かって「死にたいなら、死ねば」と言ってしまい、その後、母が消えたことを、長女マギーが告白。このあたりから、マギーは弱くなって欲しい。
ファルスタッフ

ファルスタッフ

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2015/12/03 (木) ~ 2015/12/12 (土)公演終了

満足度★★★★

愛すべき酔っ払いの物語
ドタバタ喜劇で、オーケストラの演奏中にも客席から笑いが漏れる。何と言っても、この世はすべて冗談なのですから。

二人の既婚女性を誘惑をしようと乗り込んだのだがその女たちの策略で洗濯かごに入れられてテムズ川に放り込まれたり、オバケが出そうな深夜の公園に誘い込まれていじめられたり。巨体の大酒飲みは、その道化師ぶりを存分に発揮する。

最後の盛大なアンサンブルがとてもいい

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