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ファウストの檻

ファウストの檻

BLACK★TIGHTS

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

自分の観劇メモとして
この日が2回目の観劇。
話の流れを理解する上ではよかったけど、お疲れの方もいらしたのか、1日目を観たあとでは物足りなさが少々残る。
自分が見慣れてしまったのかと家でDVDを見て、やっぱりそうではなかったんだなと再確認。
舞台は生物だなあと思った回でした。
これを自分の最終回にしたくなかったな。

評価は2回の平均。

震えた声はそこに落ちて

震えた声はそこに落ちて

劇団時間制作

劇場MOMO(東京都)

2016/11/02 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

重い内容だが...【Bチーム】
加害者は信用を回復することは難しい。それ以上に被害者の苦しみが癒える事は、難しい(ない)。未成年による犯罪...その更生を見据えつつも、第二の人生はその家族をも巻き込んで...。説明にある「言葉にする事の重みと、言葉にならない思いの強さ。 直向きに幸せを追い求める圧倒的な現代劇」の謳い文句通り、素晴らしい公演であった。

敢えて明るく振舞う笑顔、しかしその顔は心底から笑っていない。そんな緊密した物語は飽きさせることなく力強く引っ張る。

(上演時間1時間35分)

ネタバレBOX

舞台セットは、「たかまつ食堂」をしっかり作り込んでいた。中央奥にカウンター、客席側の上手・中央・下手側にテーブルセットが置かれている。この配置に誘拐・拉致監禁事件の加害者・被害者が上手・下手のテーブル席に座る。この対比構図による展開が物語を分かり易くしていたようだ。

梗概...「たかまつ食堂」には3姉妹がおり、結婚している長女が夫と経営している。誘拐されたのは次女・神崎琴子(はらみかサン)。そのショックで声が出なくなる。家族はこの事件には触れず忘れることを選択していた。そこに別事件の加害者となっている女性が現れ、どうしたら被害者(家族)から許しの言葉がもらえるのか。そして誘拐した犯人や共犯者が現れ、被害者の心情に踏み込んでくる。

本公演はドキュメンタリー風のように感じた。現実はもっと深刻であり、重たい展開にすることも出来たであろう。物語では監禁しても陵辱はしていない。犯人の誘拐動機...未成年者が逆恨みによる相手家族を困らせたい、そんな幼稚なもの。だから真に悪い事(犯罪)という認識が希薄である。もっと重たい事実を突き付けた場合、その先に見えるのは絶望。ここでは敢えて未来を見つめる方向にしている。

その見守り役が、冒頭のラジオパーソナリティ・三郷岬(真砂尚子サン)である。その立場を示すのであろうか、被害者(家族)・加害者(家族)の間に介在するかのように中央テーブルかカウンターに座る。物語のリアリティよりも人間の心情を抉り出すという展開で観(魅)せることに主眼を持たせたところに好感が持てる。そしてラストもけっしてハッピーエンド、予定調和ではなく、むしろ自分を苦しめた行為、犯罪に対する”怒り”を加害者(家族)にぶつける。

役者は熱演...登場人物のキャラクターや心情はしっかり体現しており、演技バランスもよい。また、舞台技術として照明はラストのスポットは印象付け、音響は棒説明にならないようラジオ番組を通じて興味を惹く。また食堂の出入り口を開けると外の喧騒・車の音が聞こえる。何気なく聞こえる「音」は今回テーマを意識しているのだろうか。この食堂内は事件を忘れるために立ち止まっている。その意味で非日常、対して外は日常の暮らしがイメージ出来る。とても細かいが効果的な演出であった。

次回公演を楽しみにしております。
マケイヌバー

マケイヌバー

朝倉薫演劇団

シアター風姿花伝(東京都)

2016/11/08 (火) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

【古橋/松田の回】観劇
大鶴義丹さん、慣れましたが、慣れるまでは臭いしゃべり方でした。

ネタバレBOX

1986年に開店したMAKE WIN BARの開店時の様子、1996年の様子、そして閉店した2006年の様子を描いた話。

バーテンダーの山辺、通称山ちゃんが観客側にいるという設定は斬新でした。

オーナーの神戸がバブル時の28歳で開き、48歳で閉じた訳ですが、なぜ店を閉じたのでしょうか。不景気が続いたからでもあるでしょうが、2006年のシーンで山ちゃんに挨拶する人が誰もいなかったことから、神戸が話していたのは思い出の山ちゃんで、山ちゃんが死んでしまったからかもしれませんね。

帰った後で差し入れを入れた人はいましたが、バブル期のバーの開店に知り合いが手ぶらで行くというのは全く考えられないことだと思いました。
奇々怪々~江戸の千本もみじ~

奇々怪々~江戸の千本もみじ~

カートエンターテイメント

俳優座劇場(東京都)

2016/11/07 (月) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★

奇々怪々!?
しっかりした演技をする方が多かった。特に熟年組みの渋みのある芝居は良かった。しかし、脚本・演出共にどうもスッキリしない。旅芸人はやたらと人に突っかかる言い方をし、あんな状態ではとうの昔に無礼討ちされてるんじゃないかと、思わせてしまうし、なぜか、この旅芸人の旦那と髪結い(女)のボケ・突込みが多いのが不自然。その他にも、どうもつじつまの合わない不自然さがつきまとう。奇々怪々な出来事もスモークばかりが凄すぎて、演出の発想の足りなさを感じた。

えんやこら讃歌

えんやこら讃歌

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2016/11/02 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

えーんやこーら
同年代の友人と見に行きましたが、私たちの世代の原風景なんだろうねと。子どもの頃はこんな風景がよく見られたし、大人たちはこんな話ー後になって意味が分かるようなちょっと卑猥な話だったりーをしていたものです。戦争によって引き裂かれた家族がたくさんいたことを思って胸が痛くなりました。ひとつ気になったのは・・・

ネタバレBOX

おばあさんが電報を持って駆け込んで来た時に、上手後方にいた学生2人。え?だれ?と思って見ていまいたが、何も話すこともやることもなく引っ込んでしまいました。このまま帰っては眠れなくなる(?)と思って、終演後演出の方に聞きたかったのですが、今日はいらしてないとのこと。仕方ないので一番近くにいた役者さん(電報を受け取った奥さん)に聞いてみたところ、ただの見物人なのだそうです。この前のシーンでくみさんが施工主に乞われておてもやんを歌って踊るのですが、それを聞きつけて見物に来た少年2人、丸山君と美輪君だそうで、実はあの「ヨイトマケの歌」はこれを見た美輪さんが作ったと言う裏設定になっているのだとか。しかし私はおてもやんのくみさんに惹き付けられていたので、少年が登場したことに全然気づいてなくて、おばあさんが上手から慌てて登場したのでやっと2人に気づいた訳で、一緒に見ていた友人もこの2人がなんなのか分からなかったと言っていました。美輪少年が見物に来ていたと言う設定は面白いですが、登場に一工夫欲しいと思いました。
木ノ下歌舞伎『勧進帳』

木ノ下歌舞伎『勧進帳』

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭

京都芸術劇場(京都芸術大学) 春秋座(京都府)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

これぞ一級品のエンターテイメント♪
歌舞伎を現代風にアレンジした素敵なお芝居
この劇団のとか公演は今回で4度目の観劇!
京都造形芸術大学内の京都芸術劇場 春秋座

観劇後、思わずTwitterで呟きたくなるほど素晴らしい作品でした!

役者さんの佇まいや会話、構成や魅せ方などゾクゾクする程のセンス
劇中に笑いあり、ラップあり!
これぞ一級品のエンターテイメント♪

弁慶役の弁慶役の外人のリー5世さんは さすが芸人だけあって笑いのツボを心得ていて面白かった〜^_^
その他の役者さんも素敵過ぎる!
関所での緊張感あるやりとり惹きつけまれます!

久しぶりに刺激的なお芝居を堪能!
納得のトリプルコール!
いゃ〜やっぱり面白い!
これからも見逃せない劇団

PS:外国人客向けに英訳付きの字幕があるのもいいですね^_^

震えた声はそこに落ちて

震えた声はそこに落ちて

劇団時間制作

劇場MOMO(東京都)

2016/11/02 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

深い・・・
事件の被害者と加害者の家族の苦悩。それぞれに抱くものが違うのだろうけど 記者が加害者側の人間に語ってくれないだろうと隠して近づくのは相手はもちろん自身も苦しいはずだが その接し方は卑怯だと感じた。もちろん碧君もだ。初めての劇団の作品もキャストの熱演も私の心に響いてきた。次回作が楽しみです。

---黄離取リ線---【ご来場いただき誠にありがとうございました!】

---黄離取リ線---【ご来場いただき誠にありがとうございました!】

劇団えのぐ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/09/29 (木) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったでっす
一人ひとりのストーリーがあって
よかった
最初のオープニングだけは最後まで
よく分かりませんでしたが

丘の上の綺羅星

丘の上の綺羅星

劇団往来

大阪ビジネスパーク円形ホール(大阪府)

2016/10/13 (木) ~ 2016/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

嘉門達夫の小説、待望の舞台化!!楽しかった♪
キラ星の如く輝くスターたちと過ごした嘉門達夫の半生を描いた自叙伝、待望の舞台化!

万博・ヤンタン・昭和世代には堪らない内容。
当時のヒット曲、嘉門さんや(知りませんでしたが)幸介さんの歌、ダンス、そして存分のお笑い!
大満足の150分。

達夫役・薫太さん、幸介役・中井さん、渡邊役・要さん、良かった。
嘉門さんもDJ役で出ずっぱり!
とっても楽しい舞台でした。

テーマソング的な扱いになっている幸介さんの「もう引き返せない」、良い歌です!

追伸、劇フェス共通券なら1回あたり2000円と超お得です!

最終回のそのあと

最終回のそのあと

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2016/11/02 (水) ~ 2016/11/09 (水)公演終了

満足度★★★

意外にも・・
意外にも(?)社会問題が盛り込まれた、考えさせられる内容でした。個人的に笑いのツボが合わなかったので、コメディーではない方が良かったかも・・と思いました。熱演は感じられましたが、大声という印象で、台詞が聞き取り難いシーンが多かったです。とは言え、一生懸命さ、熱さが伝わる舞台でした。

天才バカボンのパパなのだ

天才バカボンのパパなのだ

Pカンパニー

西池袋・スタジオP(東京都)

2016/11/04 (金) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

育成だもんね
この手のものは間と抑揚が大事だし、あとそれぞれのキャラクターが明確でないとダメだと思うんですよ。
その点で、5日午前の所長さんとママさんは流石だった。
野球でいえばセンターラインがその二人だと思う。

一方で、キャラが弱い人、間がイマイチな人なんかもいたような気もしないでもないですけど、でも所長さんとママさんの演技が盤石なので、全体としては本当に面白かったです。

ネタバレBOX

バカボンとパパのキャラがちょっと弱かったのと、巡査さんの間が早かった気がする。
ペーパー渡す女性はあんなんで良いのかな?と思う一方で、もう少しやりようがあった気もする。
66号線

66号線

早稲田大学演劇研究会

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2016/11/04 (金) ~ 2016/11/08 (火)公演終了

満足度★★★★

匿名の苛め 陰湿そのもの 花四つ星
 高校卒業3年の橋本は交通事故に遭ったショックでタイムスリップしてしまう。

ネタバレBOX

事故ったのは66号線。だが、彼は夢現のような死との狭間で高校の同級生に出会う。同級生は言った、お前の選ぶ道はここだ! と。橋本がタイムスリップしたのは、3年前。文化祭間近のクラス。丁度、クラスメイトの財布が失くなった事件現場である。この事件で、真犯人をAとしよう。そして何の根拠もなく疑われたのがBとしよう。そして盗難被害者をCとし、Cに同情して真犯人探しをしようとした成績優秀者をDとし、Dの親友をEとする。この事件が明るみに出たのはCの申告による。担任教師は、手際も悪く無責任で、何の根拠も証拠証明もなくBを被疑者と断定する。匿名性をベースにして飛び交うSNSやラインの影響もあり、事件は当事者たちの手を離れて肥大してゆき、遂には死者を出してしまった。
 序盤、上記の事柄をおちゃらけた表現方法で演じているのは無論、匿名性による真の悪の特定し難さを克服し切れなかった自分達へのアイロニーであると共に、何だかんだ言っても未だ権威の象徴ではある教師(為政者)の嘘に対する声なき声へと身を隠した批難であることは明らかである。
 だが、この後に続く内容が凄い。陰湿極まる苛め。即ち今作のテーマである。苛めの凄まじさについては、近年ニュースで報じられることも多い。その多くは苛めを受けた生徒が自殺した後に、アリバイ作りをする同級生、PTA、学校、加害者らのエクスキューズである。
 今作は、そうした茶番に斬り込んでいる点で着目すべき作品である。苛められているのはDである。苛めの中心はA、悪知恵の働くAは、濡れ衣を着せられたBを言いくるめて苛め実行の主体に仕立て上げ、尚且つ、体の大きいFにお前も疑われていると嘘を吹き込んで苛め仲間に加え、女子生徒も巻き込んで、Dをトイレに連れ込んで便器に顔を浸ける、打擲を繰り返す、言葉の暴力を浴びせる等々を繰り返す。Dは苛めの後やその最中に出会ったEに何度も助けを求めるがEは自分も苛めに遇うのが怖くて、Dとは関わりたくないと宣言する。こんなことの結果、DはAによって撲殺されてしまった。一方、教師がこの事件に関われなかったのには理由がある。彼は生徒の母と不倫関係にあり、その現場をAに撮影されていたのである。自分が教職を失うことを恐れて、この教師は真実に最初から目を向けなかったのである。正義感を発揮して、このいじめグループに抗議した勇気ある生徒も居たのだが、彼は殴りつけられ、初期の目的を果たすことができなかった。これが、実際に起こった事件であった。而も、Cは真犯人を知っていた。だが、彼の暴力性や悪知恵を恐れて真実を言えなかったのである。
 さて、タイムスリップした橋本は、同じクラブに属していたBと共にロックバンドで一旗揚げることを夢見ていたのだが、この事件を思い出すと、何とかしたくなって歴史の改竄に挑む。然し、矢張りDは死んでしまう。飛び降り自殺という形ではあるが。そして、Dを救えなかった無惨を抱きかかえたまま、 Bと共に部室に立ち、ガソリンを撒いて火をつける。これで完なのだが、このシーン、照明を使って燃える部屋を見せて欲しかった。BGMはジャニス・ジョップリンのCry Baby辺りで如何だろうか?
燦々

燦々

てがみ座

座・高円寺1(東京都)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

江戸のレンブラント
 お栄が応為と名乗るまでの物語で、観客にvividなイメージを喚起させる演出手法などを駆使していろいろな意味での光と影(光と闇)を描こうとする意欲に溢れてはいる。が、すでにfamiliarな題材で(『眩』との対比ということもあり)、戯曲における人物造形や内面描写の点で己の画風を追求模索し自問自答するお栄の心境のような印象が残る舞台。
上演時間は休憩なしの約2時間10分。

ネタバレBOX

 また、今回も、葛飾父娘以外は役者の方は一人何役もされており、
その中でも元梅沢劇団の速水さん扮する花魁は別格でいろいろな面で
突出していましたが、その分、かえってそこだけ浮いてしまっている
印象も受けました。
 この舞台以外にも応為を扱った作品は、矢代さんの『北斎漫画』、
杉浦さんの『百日紅』、カナダの作家キャサリン・ゴヴィエルさんの
『北斎と応為』(原題『The Ghost Brush』)などいろいろありますが、
最近の作品ではこの春に出版された朝井まかてさんの小説『眩-くらら-』は
その後の「吉原格子先之図」(本の表紙を飾っています)に到る六十代までの
応為を扱っており画に対する応為の一途さを見事に描き上げた力作です。
治天ノ君【次回公演は来年5月!】

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

劇団チョコレートケーキ

シアタートラム(東京都)

2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

未だに感動を引きずってます
一人の人間としての大正天皇はとても人間味に溢れていて、愛おしい人物でした。皇后節子に向ける笑顔が優しい人柄を表していて、冒頭の二人のシーンが素敵でした。
それだけに後半の苦悩、怒り、無念さに涙が抑えきれなかった。

キャスト皆さんが役に生きて、こんなにも上質な舞台をあの値段で観させていただいて申し訳ない気持ちです。
素晴らしい舞台をありがとうございました。

月が大きく見えた日

月が大きく見えた日

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2016/11/08 (火) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

緩さがまた出た
この劇団の舞台を観るのは二回目。
舞台上を不穏な空気が支配する感じは結構好み。今回もいい座組みで好印象。
しかし前回観劇時同様、要所要所緩い演出箇所が出て最後はトーンダウンしてしまった。
いつも終盤で白けてしまうのが今後の課題かな。

舞台と映像で俳優に求められること

舞台と映像で俳優に求められること

pafe.GWC2017

学習院女子大学 やわらぎホール(東京都)

2016/11/06 (日) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

企画力
 内容はタイトル通りと言ってひとまずかまうまい。

ネタバレBOX

舞台については「アイアムエイリアン」の上演。映像については、アイアムエイリアンに出演していた役者が、再度登場、監督の注文に応じた演技をし、それをカメラが写し、編集したものを映像として時間内に流すという形を採った。
 同じシナリオから創られた作品の印象がこうも違う、という事に実際驚かされる。表現方法や表現媒体の差が此処まで観た印象を変えることに対する驚きである。同時に、共通項も多い舞台の演技と映画の演技で、パンやアップ、監督が持っている作品に対するイメージをカメラを通して表現する媒体としての映画が、どのようなセンスで作られるのか? といった創造方法の根っこにあるような問題をも実に良く見せてくれた。イマージュとリアルな身体との差異を実感させてくれる好企画であると同時に、舞台演出家の手法と映画監督の手法で、もちろん、演出家も個々の演出家によって差はあるものの、舞台演出家の仕事が、役者との合議で成立してゆくとすれば、映画監督の手法は、絵コンテによって表現された最初のイマジネーションの完成度と撮影現場でのカット指示、そして上がってきたカットの編集にあるということもよく分かった。
 この時期、学習院女子大で継続的に行われている企画だが、企画内容の素晴らしさ、実験的な試みへのチャレンジ、学生さんたちの企画への向き合い方の好ましさ。観客への配慮も有り難い。
震えた声はそこに落ちて

震えた声はそこに落ちて

劇団時間制作

劇場MOMO(東京都)

2016/11/02 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★

Aチームを拝見
 舞台は町中の大衆食堂のたかまつ。この店にはラジオ番組で人気のパーソナリティー、岬が良く来る。

ネタバレBOX

岬の人気の秘密は、聴者からの悩み事に親身になって応える姿勢とその適確なアドバイスだ。また、たかまつ食堂の女将・百合は、岬の学校時代の後輩に当たる。在る時、岬の下に気に掛かる便りが届いた。無論、番組宛であったから、岬はその手紙を読み上げた。その内容は特異なものだった。何でも友達のできなかった投稿者は、中学時代に初めて声を掛けられたクラスメイトと仲良くなったというのだった。だが、その後、彼からある依頼が来た。それは、他人の人生を壊す依頼であったが、友人を失うことを恐怖した彼は、その頼まれごとを引き受けてしまった。結果、被害者は精神的ダメージから口をきけない状態が続いている。何とか償いたいが、どのように償えば良いかが分からないという相談だった。岬は、生涯を掛けてその人の為に尽くすという案を提示する。ある日、たかまつ食堂に偽名を使ってやって来た男佐藤は、アルバイトとして採用され、この食堂で働きだした。声を失った琴子は彼の余りにもぎこちない言動が可笑しくて笑いを取り戻した。
ところで、主犯の孝道は少年院を出て侘びに来たが、自分が何故、謝らなければならないかに納得ができていない。というのも、彼の家は、琴子らの父の経営する会社の子会社で、仕事を切られて破産、父も失っていたからである。自分の家族をめちゃくちゃにした連中がどんな暮らしをしているのかを観に彼は時々たかまつ食堂に来ていた。そして彼らの温かい家庭や笑える暮らしを心底羨んだ。そこで、琴子を誘拐し自室に監禁したのであった。然し、事件を負うことが恐ろしくなって琴子のバッグをたかまつ食堂からは遠く離れた地元の友人である佐藤に送り、佐藤は、それを愛知県内に捨てて捜査をかく乱したのであった。
当初、主犯が誰であるかは分かっていたのだが、従犯が誰であるのかは分かっていなかった。たかまつ食堂で働き始めた佐藤を謝りに来た孝道が見つけ総てが明らかになったのである。然し、被害者である琴子は、佐藤も許すことができなかった。結果的に彼女の声を取り戻させたのが佐藤であっても、彼女は佐藤にさよならを言わなければならなかった。
それなりに、筋の通ったシナリオだが、現実はもっとシビアだろうと思う。また、孝道は非常に人間的な感情を持っていて、未成年で若い女性を誘拐する事件を起こしながらレイプもしていない、というのは余りにも不自然だ。彼がLGBTという設定なり何なりを入れた方が良いように思う。犯罪が社会を映す鏡であるのは、その犯罪者の持っている歪が時代そのものだからであろう。その辺りで孝道には歪が余りない。犯罪を犯すにはちょっと情緒的に過ぎると感じるのである。取材をもっとしっかりやって欲しい。

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

劇団チョコレートケーキ

シアタートラム(東京都)

2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

うーん。
つまらなかったわけではないし、
松本紀保さんの、お嬢様→皇太子妃→皇后→皇太后っぷりは素晴らしかった、

けど、けどなぁ。。。

ネタバレBOX

前から3列目の下手通路寄り、かなり良い位置で観ていたと思いますが、
なんか、あまりお芝居を観ている感じがしなくて、
どなたかも書いてたような気がするけど、朗読劇のような。

2時間半も必要なのか、と、観ていて途中で思ってしまいましたし、
また観たいかと聞かれたら、私は、もういい、かなぁ(スミマセン)

あとこれは私の個人的な、いつものことなので申し訳ないんですけど、
映画やお芝居を観ているとき、自分の感情と別のタイミングとかで、
すごく泣いたりしているかたが、近くにいらっしゃったりすると、
逆の方向に気持ちが向いてしまうというか(しらけちゃう)。

立ち見でも、と観にこられていたかたに、
この1席だけでもお席を譲ってあげるべきだったなぁと、思ってしまいました。
悪巧みの夜

悪巧みの夜

同級生演劇部

梅ヶ丘BOX(東京都)

2016/11/01 (火) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

うーん。
楽しみにし過ぎただけに、期待しすぎたかも。

ネタバレBOX

人身売買に関わっている(かもしれない)人を、
殺したい!って思うだけで、(結局殺さない)
それ、別に【悪巧み】ではない、よね?

不条理なら不条理でもいいし、殺すなら殺せばいいし、
計画だけでも、もっとたくみに、計画しちゃえばよかったのに。

ちゃんと、悪巧みしてほしかった、という気持ちだけが取り残された感じ。

女優・俳優としてはすごいお三人なのに、
なんだかもったいない、って思ってしまいました。
来てけつかるべき新世界

来てけつかるべき新世界

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2016/09/16 (金) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

楽しかった!
相変わらずのヨーロッパの世界感。
楽しめました!

ネタバレBOX

唐突にオカンが現れるところはファンタジーでびっくりしたけど(笑)

ギミックが、とにかくいろいろすごい!
そこも見ごたえありました。

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