燦々 公演情報 てがみ座「燦々」の観てきた!クチコミとコメント

  • 江戸のレンブラント
     お栄が応為と名乗るまでの物語で、観客にvividなイメージを喚起させる演出手法などを駆使していろいろな意味での光と影(光と闇)を描こうとする意欲に溢れてはいる。が、すでにfamiliarな題材で(『眩』との対比ということもあり)、戯曲における人物造形や内面描写の点で己の画風を追求模索し自問自答するお栄の心境のような印象が残る舞台。
    上演時間は休憩なしの約2時間10分。

    ネタバレBOX

     また、今回も、葛飾父娘以外は役者の方は一人何役もされており、
    その中でも元梅沢劇団の速水さん扮する花魁は別格でいろいろな面で
    突出していましたが、その分、かえってそこだけ浮いてしまっている
    印象も受けました。
     この舞台以外にも応為を扱った作品は、矢代さんの『北斎漫画』、
    杉浦さんの『百日紅』、カナダの作家キャサリン・ゴヴィエルさんの
    『北斎と応為』(原題『The Ghost Brush』)などいろいろありますが、
    最近の作品ではこの春に出版された朝井まかてさんの小説『眩-くらら-』は
    その後の「吉原格子先之図」(本の表紙を飾っています)に到る六十代までの
    応為を扱っており画に対する応為の一途さを見事に描き上げた力作です。

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    2016/11/08 23:36

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