最新の観てきた!クチコミ一覧

65001-65020件 / 189876件中
ぬるい体はかたくなる

ぬるい体はかたくなる

深夜ガタンゴトン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/01/05 (木) ~ 2017/01/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/06 (金)

霊安室を舞台に別れるということを考えるお話。踏み出すために別れるとか、別れたけど別れられないとか、別れるときになって大事だったということに気がつくとか。作者が実際に体験している霊安室の物珍しさ含めて物語は観客を引きつける。
セリフの最後に、ぼそっと小さい声で付け加えるという演出は意図的だと思うけど、個人的には好きじゃない。

ぬるい体はかたくなる

ぬるい体はかたくなる

深夜ガタンゴトン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/01/05 (木) ~ 2017/01/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/06 (金)

病院の霊安室に出入りする人たちが織り成す人間ドラマ、森田芳光、相米慎二、大森一樹などの映画に通ずる味わいにシュールな笑いでアクセントを付けた感じ?
登場人物たちがそれぞれ単一指向ではなく多面性を持った人として描かれているので人間臭いと言うか実在感があると言うか……なのが巧い。
しかしペーソスもありつつ基調はユーモラスなんだから客はもっと笑ってもイイんじゃないか? けっこうリアルな舞台美術に気圧されて笑うと不謹慎に感じられてしまうのか?
なお、劇場入口の階段を下りて突き当たった所(受付が設置されていることが多い)の「装飾」にもニヤリ。客席につく前から芝居の世界の入口になっているんだな。

豚小屋 ~ある私的な寓話~

豚小屋 ~ある私的な寓話~

地人会新社

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/01/07 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

地人会じたい初めて。一昨年だったか芸能花伝舎で観た『島 island』と同じ作家(南ア出身)の作であった。うまい戯曲だ、との感想が変わらず(どちらも二人芝居だった)。一場面を除いて同じ場、二人の会話から「状況」の若干の変化は垣間見えるが、ダイナミックなストーリー展開がある訳でなく、この場所での二人の言葉による、関係の露呈のプロセスが、この芝居の柱と言える。台詞の背後の心の動きが、確固とくっきりと見えて来るのには瞠目した。隙間を埋めるといった瞬間が一秒も見えない(と、見えた)北村有起哉の演技は、「今その瞬間にあるべき状態」にしっかり身を置き、人物に一貫性があり、まるで裸体をさらけ出すように人物が見えて来る。田畑智子の女性は受けの場面が多いが、出すところでの押し出しがあり、感情表現の振れ幅、柔軟さが心地良く、妻として夫との関係が成立する距離を取れていた。ぐっと接近し、親密ゆえに突き放す「自由」。
台詞の端々が鮮烈に光り、それをフックに次第次第に劇に引き込まれた。
一人の小さな人間の「心理の軌跡」が、(己の欠落を補うべき)高邁な何かを求め続ける「魂」の存在を浮き上らせる。
演じる人物をどこまでも裏切らなかった両氏(特に北村)の姿には好感、否、尊敬の二文字も過剰表現でない。と思う。

明るい家族、楽しいプロレス!

明るい家族、楽しいプロレス!

小松台東

駅前劇場(東京都)

2016/09/06 (火) ~ 2016/09/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

初演も観ているが、小松台東(デフロスターズ時代を含めて)で一番好きな作品。

ネタバレBOX

佐藤達さんの小学生がとてもいいし、やっぱり異儀田夏葉さんのお母さんの役は最高だ!
いわば堀船

いわば堀船

ナカゴー

ムーブ町屋・ハイビジョンルーム(東京都)

2016/07/05 (火) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

ピザ屋が見えない壁と戦う話、うん、確かにそうだね。
珍しくポップなフライヤー、イラストとかあったりして。

ネタバレBOX

気分が悪くなるほどの繰り返し、アメリカン、下品、いい話、悪霊。
それらが重なりながら、延々と続いていく。

ひょっとしたら役者が上手くなっている??
微妙なニュアンスのセンスは抜群。
ある意味、天才たちだ。

初めて観る人は、適当に作っていて、単に台詞の言い方だけで笑わしていて、役者も大したことないと思うだろうが、そうではない。いや、そうでもあるには、あるのだが。
親しそうに名前で呼んだあと、店長にまた戻るなんていう細いうまさがある。
雑な感じも織り込み済みというわけだ。
オペラ『眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~』【日本初演】

オペラ『眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~』【日本初演】

東京文化会館

東京文化会館 大ホール(東京都)

2016/12/10 (土) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

川端康成の『眠れる美女』がオペラに!
だけでも驚きなのに、作り上げたのはベルギーの人!
『眠れる美女』をどう読み解き、舞台化するのか興味津々だった。

peeeeep〜踊る小説2〜

peeeeep〜踊る小説2〜

CHAiroiPLIN

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2017/01/07 (土) ~ 2017/01/08 (日)公演終了

満足度★★★★

世田谷でのtamagoPLIN公演以来、スズキ拓朗主宰ユニットは2度目。「汚れ」を持ち込まない印象を裏切って(原作「屋根裏の散歩者」に相応しく)、隠微な部分には隠微さの隠喩となる動きを配し、意表を突いたシーン展開でストーリーが刻々と積み上がり、大詰め、結末を迎える。やりきった役者たちに惜しみない拍手。
ただ諸々の舞台効果については、この劇場の大きさでは後部客席との距離、天井の高さ等で、「客観的な視線」に寄ってしまう面があり、「もっと見たいが見えない」部分と「見なくていいが見えてしまう」部分が生じていたという感じ。もう一回り狭い劇場なら開幕から最後まで全編高ぶり通しだったんではないか、と想像した。

ネタバレBOX

照明と装置の二律背反。舞台美術はもう少しシュッとしたいと思った。
・・が予算の関係かも。
作品自身は「暗め」ではあるが、ライトはもっと照らして、役者、衣裳、装置を見せて欲しかった。
が、そう思う反面、装置については美的にこだわるなら薄い照明が相応しかった。
つまり、強力な照明を当てれば粗が目立つ。。作りがチープに見えたのは狙いかも知れないが・・
シアターイーストだと、シュッとしてスマートで小奇麗なのが似合う。下北沢の劇場ならあの手作り感がうんと合致したかも知れない。
夫婦

夫婦

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/01/24 (日) ~ 2016/02/04 (木)公演終了

満足度★★★★★

この作品は、岩井秀さんが嫌いだった父の死について描くということだった。
さて、岩井秀人さんがどの役を演じるのかが気になった。

すみません。残りは後で書きます。

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

劇団チョコレートケーキ

シアタートラム(東京都)

2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

冒頭のシーンから泣けてきた。
物語の流れとラストを知っているから。

ネタバレBOX

本当に素晴らしい作品だ。
初演も観たが、それでもぐっとくるものがあった。

明治・昭和の両天皇陛下に挟まれているにもかかわらず、「誕生日の祝日」がなかった大正天皇の、チョコレートケーキ的解釈。

大正天皇も昭和天皇も、それぞれが先帝を越えなくてはならない。
スケールが違うが、父親を乗り越えていく物語でもある。

初演よりもグレードアップした舞台装置(玉座など)だけで、ぐんと重さが増した。
広さもそれにプラスされた。

大正天皇を演じる西尾友樹さんは少しウロウロ動きすぎじゃないかな、と。
もちろん演出だということはわかるし、舞台の上でのポジションもあるし、彼とそのほかの人との対比、後に動けなくなる彼自身とも対比させているのだろうが、それでももう少し抑えたほうがよかったのではないだろうか。

皇后がモノローグで解説するのだが、意外と説明台詞が多かったな、と感じた。
松本紀保さんは、品があるし、台詞の発し方もとてもいいのだか、説明は最小限でもよかったと思う。
歴史的事実を知らない観客にはハードルが高くなってしまうかもしれないけれど。

どうでもいい話だが、最近、谷仲恵輔さんをテレビで見かけることがある。わが家では谷仲恵輔さんをテレビで見かけると「明治大帝がお出になっている」という不敬なことを言ったりしている。先日、テレビでお見かけしたときは、彼は人買いだった(笑)。
メゾンの泡

メゾンの泡

無隣館若手自主企画vol.15 柳生企画

アトリエ春風舎(東京都)

2017/01/07 (土) ~ 2017/01/11 (水)公演終了

満足度★★★★

色白の棲息者たち
憂鬱な顔をした近未来の姿というものは「予見する」=今見えていないものを見る=ことの価値を、云々する以前にそこに現前させて溜飲が下がる。「今見えていないもの」への憧憬が辛うじて、現在の生を生かしめている、そういう所が(とりわけ現代には)ある。と思う。『ブレードランナー』『惑星ソラリス』(この二つは「遠未来」だが)『ストーカー』等の映画には、環境の大変化した場所で人間が美しくも病的な漂白された姿を見せる。「現在」に居る我々には、未来の彼らが(過去として我々の現在を知る者ゆえ?)神々しく映り、静謐の中に無尽蔵な情報の存在を予感させる。彼ら自身は多くを忘却しているにも関わらず。
この芝居では、小さな自室の内部で胎内回帰していくように女性が無言・無動作でたたずむ時間がある。太陽に背を向け地下に「引きこもる」生を選んだ人間はモヤシやカイワレを連想させる。イキウメの『太陽』はパンデミックの末に生まれた人間の亜種が世界を(一時的に)支配する社会の一コマを描いていた。今作は「想定」のつじつまに関して突っ込みどころはあるが「近未来」の提示に相応しい作法が貫かれていた。憂いを帯びた表面の向こうにある「何か」を探り出そうと思わず手を伸ばし、思考を巡らす楽しみ(憂いを帯びた)があった。下へ行く程上位に位置する完全階級社会の設定は、上位の階級がもてる力をより積極的能動的に行使するイメージとは異なり、「引きこもり」「眠った状態」のイメージを重ねた。だがある見方をするなら、小金を持つ分だけ守勢にシフトするその延長には、貪欲を通り越した「眠り」に等しい生の姿を見出せるのかも・・等等の連想も愉し。

かもめ/桜の園

かもめ/桜の園

地点

吉祥寺シアター(東京都)

2016/12/13 (火) ~ 2016/12/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

『桜の園』

地点の『桜の園』は、ロパーヒンに意識が集中していく。
ラネーフスカヤ(とその一家)の周囲をぐるぐる回るだけで中には絶対に入れない。
彼らは自分たちの「手で支えている額縁」の中にいる。

ラストに行くに従い、ロパーヒンのラネーフスカヤ(家族)への憧憬と苛立ちが濃厚になっていく。

そして彼(ロパーヒン)はたぶん悲しいのだろう。

かもめ/桜の園

かもめ/桜の園

地点

吉祥寺シアター(東京都)

2016/12/13 (火) ~ 2016/12/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

『かもめ』
“地点的”で、もの凄く面白い。

そして、絶対に開場から行ったほうがいい。ここからすでに面白いので。

……と書いたけど、すでに終わっていますね。

ネタバレBOX

開場とともに役者さんたちが紅茶と(なぜか)京都の干菓子的なものを振る舞ってくれる。

そして、『かもめ』という戯曲の解説を行う。
戯曲の書かれた背景や上演したときのこと、さらに地点がロシアで公演を行ったコトの話など。


ゆるやかに物語に導入し、コースチャの物語になっていく。

地点の作品は、戯曲をカットアップし、再構築していく印象がある。
この作品もそうであるが、同じ時期に上演された『桜の園』と同様に、かなり意図的に人物にクローズアップしていく。

それが、「コースチャ」。
コースチャは小林洋平さんが演じる。
どの作品でも安部聡子さんとともにスゲーなと思う役者さんだ。

発せられる台詞は、一切のためらいがなく、観客にぶつけてくる。
共演者にぶつけてくる。作者にぶつけてくる。
強いバネがあるような役者さんだ。

地点の役者さんたちはとにかく上手い。
その中にあって、演出は、小林洋平さんと安部聡子さんには理不尽とも思えるような、精神的、肉体的な高みを強いているように見える。
2人ともそれを軽くこなして自分のものにしているように見せてくれる。

この2人の存在が地点の屋台骨だ。
この2人を観ているだけで、観劇の喜び、快楽が味わえる。

この作品の小林洋平さんは、わかっていても、やっぱり凄いと思う。

コースチャを物語の軸に据えると「中二」的になりそうだが、ラスト間際のニーナの台詞と重なねていくことで見えてくるものがある。ともに芸術に憧れて破れた者同士ということで、作品を生み出すことの「恐さ」「恐ろしさ」が常に背中合わせということなのではないか。

地点の作風は、一定の評価をされていると思えるのだが、いつコースチャの舞台のような結末を迎えるかわからない、という「恐さ」が常に背中にあるのではないだろうか。
ワレワレのモロモロ 東京編

ワレワレのモロモロ 東京編

ハイバイ

アトリエヘリコプター(東京都)

2016/12/10 (土) ~ 2016/12/23 (金)公演終了

満足度★★★★

ハイバイの岩井さんの戯曲は、自分の体験・歴史を語ることが多い印象だ。
それを周囲に広げて、それぞれが体験した「ひどいこと」の体験集。

ネタバレBOX

8本のタイプの異なる「ひどいこと」が、面白くって切なくて、泣けたり笑えたり、の2時間半(休憩含む)。

どの作品も導入部は落語の「まくら」のようであり、自分が語る(演じる)ので落語のようでもあった。

自分の体験を語ると言っても、そこは作品なので、結構面白くなつている。
「ひどいこと」のレベルによっては、まだ「作品として他人の目」で見つめ切れていない出来事もあるように思える。そこはウンと戯画化して広げているようだ。

岩井さんの演出を垣間見るような作品があったが、あれもストレートに岩井さんではなく、「面白要素」を盛っているに違いない。
違いないが、演じたご本人はどうだったのだろうか。

現実にリンクしているエピソードなので、関係者の中にはくらくらしてしまう人もあったに違いない。平原テツさんのエピソードとか。

それにつけても平原テツさんには売れてほしいと心から願った。
艶情☆夏の夜の夢

艶情☆夏の夜の夢

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

あいかわらず演出と役者のキレが良く、シェイクスピアを一気に熱っぽく見せてくれる。

七味まゆ味さんいいなあ、面白いなあ。
岡田あがささんの、一人喋りなシーンに大笑いした。
千葉雅子さんの使い方が上手い。
千葉雅子さんを他の役者さんたちに埋もれさせることなく、外に出したところがセンス。

夏をキーワードに、盆踊りとヤンキー、そして夏フェスを上手く取り入れた。

平成28年7月歌舞伎鑑賞教室「卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」

平成28年7月歌舞伎鑑賞教室「卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2016/07/03 (日) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

開演時間が18時半と、通常よりも遅く(通常の午後公演は16時ぐらいから)、上演時間も短いので観に行きやすい。

歌舞伎の基礎的な解説とともに演目を上演する。歌舞伎の楽しさを手軽に味わえる。
パンフレットと脚本が付き、アンケートに答えるとチケットケースがもらえるなど、とにかくおトク。

歌舞伎を観たことないけど、興味があって一度は観たいと思っている方にはお勧め。

ネタバレBOX

解説の語り口、丁寧で若々しさが好ましい。
歌舞伎が古くさいものだという感覚がこれで薄れるし、一見高そうな敷居も下がるのでは。

『卅三間堂棟由来』
主人公、中央にどっしりいて、いかにも武芸に秀でているように見える。
存在感があるというのも役者の力だ。

子役がとても頑張っていた。声もよく通る。
子役がいるだけで舞台の上がそれだけで微笑ましくなる。

舞台の上の、いろいろな仕掛けも楽しい演目。
ラストも「画」として、見事に決まる。
ゆっくり回る菊池

ゆっくり回る菊池

僕たちが好きだった川村紗也

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/11/22 (火) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

クロムの青木さん作らしい、ダークでポップで先の読めない展開。
しかも、とてもいい感じに笑えて。

ネタバレBOX

幸田尚子さんの怪演ぶりと枝元萌さんの間の詰め方の上手さ。
役者が皆上手い。

いんちき臭い関西弁風の方言が、なんとなくいんちき臭い内容にマッチして。
ふわふわステップで歩かせる演出の巧みさ。
気持ち悪くて面白すぎ。
MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2016/04/21 (木) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★

『MY SWEET BOOTLEG』
境界があいまいに、溶けて。

ネタバレBOX

かつてこの作品を観て「今回のエンディングで言えば、犯人は店長以外に考えられないと観客の誰もが思っているはずだから(そう思えない観客は捨ててもいい・笑)、あえて店長の姿をラストに見せる必要はなかったのではないかと思うのだ。行方を眩ましたまま」と書いたが、今回観て気がついた。ここには愛があったということを。

過去の感想のURLが指摘できないので、公演のURLを載せておく。
http://stage.corich.jp/stage/37075

MUらしいと言えばらしい、ネジくれた感覚 −−−− The Yardbirds『Stroll On』からのー『Blow Up』で、曖昧な世界へGO

蒻崎今日子さんの弾けっぷりが、所属のJACROWと違っていて新たな面を見たという感じ。ご本人はこっちのほうが近いらしいが……?笑。

あと、やっぱり「池袋・乙女ロード」だよなぁ、池袋で上演しているのだもの。
5月文楽鑑賞教室公演

5月文楽鑑賞教室公演

国立劇場

国立劇場 小劇場(東京都)

2016/05/11 (水) ~ 2016/05/23 (月)公演終了

満足度★★★★

前半は、文楽についての解説。ユーモアを交えながら浄瑠璃の役割と人形の操作などを説明する。
後半は、『曽根崎心中』

ネタバレBOX

『曽根崎心中』
近松門左衛門は、とても細かいところまで丁寧に作っているなと、あらためて感じた。台詞が美しく、ストーリーもわかりやすくて、感情移入しやすい。

徳兵衛がお初の足を使って、死の決意を示すところは、人形ながらエロティシズムと死の匂いを感じた。
江戸の女性は足を見せてはならなかったそうなので、当時の観客はさらにそう感じたのではないか。
1万人のゴールド・シアター2016  『金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~』

1万人のゴールド・シアター2016 『金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~』

彩の国さいたま芸術劇場

さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ(埼玉県)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/07 (水)公演終了

平日の15時開演で1回しかない公演。
普通に考えて行くのはムリだと諦めていたが、当日行けそうになったので、とにかくさいたまへ向かった。

当日券の座席は一番後ろだったが入れた。
観客はこの日舞台に立つ、ゴールドシアターの年齢とほぼ同じの印象。
その付き添いに来ている人たちが平均年齢を下げていたぐらい。
仲間や家族が出るから来た、という人がほとんどではなかっただろうか。

演劇と言うよりは事件、と思っていたが、「演劇」だった。

ネタバレBOX

結局何人出演者が揃ったのは知らないが、さいたまスーパーアリーナの床が人で一杯になるぐらいの出演者はいた。

オープニングでは出演者が自分語りを始めた。
そして「娘を死なせてしまった」という語りに、一瞬引いたが、これにはハメられた。
そう、これは『ロミオとジュリエット』なのだ。
「やられた!」と思った。なかなかの導入。

しかし、蜷川幸雄さんのことを伝えたいためか、オリジナルのゴールドシアターが登場して、その生い立ちを説明するところでは、せつかくの勢いが削がれてしまった。
もっとスマートにできなかったのか。
スーパーアリーナという大会場で、ちまちまと「俺たちがホンモノのゴールドシアターだ」もみたいなやり取りはどうも合わない。

本編は思った以上に『ロミオとジュリエット』で、ネクスト・シアターによる斬り合いも小さく見えないぐらいに良かった。

こまどり姉妹の歌歌がいい。

全員が舞台の上(アリーナのコート)に出てくる姿はやはり圧巻。

ラストにはタイトルそのままで「自分の夢」を語る出演者たち。
彼らは、いわゆる高齢者なのだ。
彼らの語る「夢」という切り口に、ハッとさせられた。
夢には年齢は関係ない。

夢があること、夢に向かうことが大切であるという、当たり前のことに気づかされた。
ロミオとジュリエットに順番で扮したゴールドシアターの役者さんたちが、スーパーアリーナの広い会場と観客席に叫んだ台詞は、それぞれの台詞の内容そのものよりも、そうした「夢」への「宣誓」として聞こえた。

次は2020年、オリンピックのときの公演らしい。
亡国の三人姉妹

亡国の三人姉妹

東京デスロック

横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)

2016/10/14 (金) ~ 2016/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★

タイトルからして「亡国の」なんて付けて、「かなりあざといな」と思っていた。
かもめの舞台を1930年代の日帝時代の朝鮮にする、なんてところも。

ネタバレBOX

タイトルからして「亡国の」なんて付けて、「かなりあざといな」と思っていた。
かもめの舞台を1930年代の日帝時代の朝鮮にする、なんてところも。

さらに人形を使ったり、バイオリンが出てきたりと、ふざけているのではないか、と思うほどのあざとい演出だ。ラストはあざとさの集大成であった。

サイレンとともに打たれる半鐘の音は、5年前の震災を思い起こさせる、ようにできているのではないか。もう、この音は聞きたくないと思っていた。舞台で散々聞かされてきたからだ。それをあえて使うのは、それでも観客の耳に届けたいという意思があるのだろう。耳を塞いだ手を無理矢理こじ開けて、記憶を激しく呼び覚ます。
今日性というか現代を、そこまでして絡め取りたいのか、と思う。

東京デスロックは、このあざとさが好きなのだ。
役者を長時間棒で縛ったまま演じさせたり、45分間ただ立たせたり、など。
その貪欲さがいいのだ。そして常に挑戦的である。
貪欲すぎて、滑ってしまうときもあるが。

観客の、いい意味での思い込みや深読みを期待しての演出で、ウケ狙いであるかもしれないし、意外と浅いのかもしれないが、それでも面白いのには間違いないし、前へ出ようとする挑戦的な意思があると思う。なので、やっぱり東京デスロックは好きなカンパニーなのだ。

このページのQRコードです。

拡大