
ぬるい体はかたくなる
深夜ガタンゴトン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2017/01/05 (木) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/01/06 (金)
霊安室を舞台に別れるということを考えるお話。踏み出すために別れるとか、別れたけど別れられないとか、別れるときになって大事だったということに気がつくとか。作者が実際に体験している霊安室の物珍しさ含めて物語は観客を引きつける。
セリフの最後に、ぼそっと小さい声で付け加えるという演出は意図的だと思うけど、個人的には好きじゃない。

ぬるい体はかたくなる
深夜ガタンゴトン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2017/01/05 (木) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/01/06 (金)
病院の霊安室に出入りする人たちが織り成す人間ドラマ、森田芳光、相米慎二、大森一樹などの映画に通ずる味わいにシュールな笑いでアクセントを付けた感じ?
登場人物たちがそれぞれ単一指向ではなく多面性を持った人として描かれているので人間臭いと言うか実在感があると言うか……なのが巧い。
しかしペーソスもありつつ基調はユーモラスなんだから客はもっと笑ってもイイんじゃないか? けっこうリアルな舞台美術に気圧されて笑うと不謹慎に感じられてしまうのか?
なお、劇場入口の階段を下りて突き当たった所(受付が設置されていることが多い)の「装飾」にもニヤリ。客席につく前から芝居の世界の入口になっているんだな。

豚小屋 ~ある私的な寓話~
地人会新社
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/01/07 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
地人会じたい初めて。一昨年だったか芸能花伝舎で観た『島 island』と同じ作家(南ア出身)の作であった。うまい戯曲だ、との感想が変わらず(どちらも二人芝居だった)。一場面を除いて同じ場、二人の会話から「状況」の若干の変化は垣間見えるが、ダイナミックなストーリー展開がある訳でなく、この場所での二人の言葉による、関係の露呈のプロセスが、この芝居の柱と言える。台詞の背後の心の動きが、確固とくっきりと見えて来るのには瞠目した。隙間を埋めるといった瞬間が一秒も見えない(と、見えた)北村有起哉の演技は、「今その瞬間にあるべき状態」にしっかり身を置き、人物に一貫性があり、まるで裸体をさらけ出すように人物が見えて来る。田畑智子の女性は受けの場面が多いが、出すところでの押し出しがあり、感情表現の振れ幅、柔軟さが心地良く、妻として夫との関係が成立する距離を取れていた。ぐっと接近し、親密ゆえに突き放す「自由」。
台詞の端々が鮮烈に光り、それをフックに次第次第に劇に引き込まれた。
一人の小さな人間の「心理の軌跡」が、(己の欠落を補うべき)高邁な何かを求め続ける「魂」の存在を浮き上らせる。
演じる人物をどこまでも裏切らなかった両氏(特に北村)の姿には好感、否、尊敬の二文字も過剰表現でない。と思う。

明るい家族、楽しいプロレス!
小松台東
駅前劇場(東京都)
2016/09/06 (火) ~ 2016/09/11 (日)公演終了

いわば堀船
ナカゴー
ムーブ町屋・ハイビジョンルーム(東京都)
2016/07/05 (火) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

オペラ『眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~』【日本初演】
東京文化会館
東京文化会館 大ホール(東京都)
2016/12/10 (土) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
川端康成の『眠れる美女』がオペラに!
だけでも驚きなのに、作り上げたのはベルギーの人!
『眠れる美女』をどう読み解き、舞台化するのか興味津々だった。

peeeeep〜踊る小説2〜
CHAiroiPLIN
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/01/07 (土) ~ 2017/01/08 (日)公演終了
満足度★★★★
世田谷でのtamagoPLIN公演以来、スズキ拓朗主宰ユニットは2度目。「汚れ」を持ち込まない印象を裏切って(原作「屋根裏の散歩者」に相応しく)、隠微な部分には隠微さの隠喩となる動きを配し、意表を突いたシーン展開でストーリーが刻々と積み上がり、大詰め、結末を迎える。やりきった役者たちに惜しみない拍手。
ただ諸々の舞台効果については、この劇場の大きさでは後部客席との距離、天井の高さ等で、「客観的な視線」に寄ってしまう面があり、「もっと見たいが見えない」部分と「見なくていいが見えてしまう」部分が生じていたという感じ。もう一回り狭い劇場なら開幕から最後まで全編高ぶり通しだったんではないか、と想像した。

夫婦
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2016/01/24 (日) ~ 2016/02/04 (木)公演終了
満足度★★★★★
この作品は、岩井秀さんが嫌いだった父の死について描くということだった。
さて、岩井秀人さんがどの役を演じるのかが気になった。
すみません。残りは後で書きます。

治天ノ君【次回公演は来年5月!】
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

メゾンの泡
無隣館若手自主企画vol.15 柳生企画
アトリエ春風舎(東京都)
2017/01/07 (土) ~ 2017/01/11 (水)公演終了
満足度★★★★
色白の棲息者たち
憂鬱な顔をした近未来の姿というものは「予見する」=今見えていないものを見る=ことの価値を、云々する以前にそこに現前させて溜飲が下がる。「今見えていないもの」への憧憬が辛うじて、現在の生を生かしめている、そういう所が(とりわけ現代には)ある。と思う。『ブレードランナー』『惑星ソラリス』(この二つは「遠未来」だが)『ストーカー』等の映画には、環境の大変化した場所で人間が美しくも病的な漂白された姿を見せる。「現在」に居る我々には、未来の彼らが(過去として我々の現在を知る者ゆえ?)神々しく映り、静謐の中に無尽蔵な情報の存在を予感させる。彼ら自身は多くを忘却しているにも関わらず。
この芝居では、小さな自室の内部で胎内回帰していくように女性が無言・無動作でたたずむ時間がある。太陽に背を向け地下に「引きこもる」生を選んだ人間はモヤシやカイワレを連想させる。イキウメの『太陽』はパンデミックの末に生まれた人間の亜種が世界を(一時的に)支配する社会の一コマを描いていた。今作は「想定」のつじつまに関して突っ込みどころはあるが「近未来」の提示に相応しい作法が貫かれていた。憂いを帯びた表面の向こうにある「何か」を探り出そうと思わず手を伸ばし、思考を巡らす楽しみ(憂いを帯びた)があった。下へ行く程上位に位置する完全階級社会の設定は、上位の階級がもてる力をより積極的能動的に行使するイメージとは異なり、「引きこもり」「眠った状態」のイメージを重ねた。だがある見方をするなら、小金を持つ分だけ守勢にシフトするその延長には、貪欲を通り越した「眠り」に等しい生の姿を見出せるのかも・・等等の連想も愉し。

かもめ/桜の園
地点
吉祥寺シアター(東京都)
2016/12/13 (火) ~ 2016/12/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
『桜の園』
地点の『桜の園』は、ロパーヒンに意識が集中していく。
ラネーフスカヤ(とその一家)の周囲をぐるぐる回るだけで中には絶対に入れない。
彼らは自分たちの「手で支えている額縁」の中にいる。
ラストに行くに従い、ロパーヒンのラネーフスカヤ(家族)への憧憬と苛立ちが濃厚になっていく。
そして彼(ロパーヒン)はたぶん悲しいのだろう。

かもめ/桜の園
地点
吉祥寺シアター(東京都)
2016/12/13 (火) ~ 2016/12/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
『かもめ』
“地点的”で、もの凄く面白い。
そして、絶対に開場から行ったほうがいい。ここからすでに面白いので。
……と書いたけど、すでに終わっていますね。

ワレワレのモロモロ 東京編
ハイバイ
アトリエヘリコプター(東京都)
2016/12/10 (土) ~ 2016/12/23 (金)公演終了
満足度★★★★
ハイバイの岩井さんの戯曲は、自分の体験・歴史を語ることが多い印象だ。
それを周囲に広げて、それぞれが体験した「ひどいこと」の体験集。

艶情☆夏の夜の夢
柿喰う客
吉祥寺シアター(東京都)
2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★
あいかわらず演出と役者のキレが良く、シェイクスピアを一気に熱っぽく見せてくれる。
七味まゆ味さんいいなあ、面白いなあ。
岡田あがささんの、一人喋りなシーンに大笑いした。
千葉雅子さんの使い方が上手い。
千葉雅子さんを他の役者さんたちに埋もれさせることなく、外に出したところがセンス。
夏をキーワードに、盆踊りとヤンキー、そして夏フェスを上手く取り入れた。

平成28年7月歌舞伎鑑賞教室「卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」
国立劇場
国立劇場 大劇場(東京都)
2016/07/03 (日) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★
開演時間が18時半と、通常よりも遅く(通常の午後公演は16時ぐらいから)、上演時間も短いので観に行きやすい。
歌舞伎の基礎的な解説とともに演目を上演する。歌舞伎の楽しさを手軽に味わえる。
パンフレットと脚本が付き、アンケートに答えるとチケットケースがもらえるなど、とにかくおトク。
歌舞伎を観たことないけど、興味があって一度は観たいと思っている方にはお勧め。

ゆっくり回る菊池
僕たちが好きだった川村紗也
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/11/22 (火) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)
MU
東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)
2016/04/21 (木) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

5月文楽鑑賞教室公演
国立劇場
国立劇場 小劇場(東京都)
2016/05/11 (水) ~ 2016/05/23 (月)公演終了

1万人のゴールド・シアター2016 『金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~』
彩の国さいたま芸術劇場
さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ(埼玉県)
2016/12/07 (水) ~ 2016/12/07 (水)公演終了
平日の15時開演で1回しかない公演。
普通に考えて行くのはムリだと諦めていたが、当日行けそうになったので、とにかくさいたまへ向かった。
当日券の座席は一番後ろだったが入れた。
観客はこの日舞台に立つ、ゴールドシアターの年齢とほぼ同じの印象。
その付き添いに来ている人たちが平均年齢を下げていたぐらい。
仲間や家族が出るから来た、という人がほとんどではなかっただろうか。
演劇と言うよりは事件、と思っていたが、「演劇」だった。

亡国の三人姉妹
東京デスロック
横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)
2016/10/14 (金) ~ 2016/10/16 (日)公演終了
満足度★★★★
タイトルからして「亡国の」なんて付けて、「かなりあざといな」と思っていた。
かもめの舞台を1930年代の日帝時代の朝鮮にする、なんてところも。