最新の観てきた!クチコミ一覧

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ディス・イズ・ショウタイム

ディス・イズ・ショウタイム

ステージショウタイム

えさか芸術文化館ピエロハーバー(大阪府)

2017/01/25 (水) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★

演目も日替わりで、週1回通っても飽きません!
ジャグリングあったり、地元の若手シンガ‐が出ていたかと思うと、落語があったりする。50分があっという間です☆★

春。いつかの雨の匂い/夏。つかの間の虹

春。いつかの雨の匂い/夏。つかの間の虹

劇団皇帝ケチャップ

萬劇場(東京都)

2017/01/19 (木) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/20 (金)

座席G列7番

【春。いつかの雨の匂い】
基本的にはある時期のいろいろな人々を見せて横に拡がる「夏。」に対して、その中の一組の夫婦の過去とその後を見せ縦に掘り下げる「春。」と差別化したのが妙案。
最初は両作の関係を「T」の字型かと思ったが途中で「÷」かな?に代わり最終的には「十」だったか、的な。(ワカるかな?:いずれも横棒が「夏。」)
登場人物が少なく物語の軸が1本通っているだけにこちらの方がワカり易いかも(「夏。」の手法を知った上で観ればなおさら)。
で、実はこちらの断片は「夏。」にちりばめられていて、そんなことも含めてスターウォーズのep.3(シスの復讐)あるいはローグ・ワンを観るとep.4(新たなる希望)が観たくなるように、これも2作を観るとまたもう一方を観たくなるという……謀ったな!(笑)

褒め過ぎてもアレなんでちょいと釘。
夏、春とも稀に「会話」でなく「単なる台詞の応酬」になったのが惜しい。
芝居は基本的に次に〈自分が〉言うことが決められていて本人は言うべきことがワカっているけれど、実生活での会話では相手が思いもよらないことを言ったり、自分が言いたくないことを言わなくてはならなかったりするワケで、間が空いたりゆっくりになったりする……その緩急や間がないと不自然に感じられてしまう。
皇帝ケチャップの芝居は会話の中にちょっと巧い言い回しが入り、でもそれが極めて自然で大笑いを呼ぶあざとさのようなものがないというのが大きな魅力と考えるので、間の取り方など更に精度を上げればもっと良くなると思う。

あと、本作のように正続の関係ではない関連作が残念(?)なのは、「観る順を逆にして観直す」ことができないところ。
観た記憶を一旦保存して忘れて逆順で観てから保存した記憶を戻して両者を較べることができたらなぁ……などとSFチックなことも考えてしまった。(笑)

ネタバレBOX

終盤、美佳子が由香里を刺すのではないかと思い、次の場が由香里の大河ドラマ出演会見前だったので「まさかそこに乱入?」とか、往年の某角川映画よろしく会見後に刺すとかも想像してしまった(笑)
「晩春。悲劇の予感」なんてフレーズも……。
鯨よ!私の手に乗れ

鯨よ!私の手に乗れ

オフィス3〇〇

シアタートラム(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★

リピーターとなる“価格帯”の劇団ではないが・・2度目の3○○は前回観たスズナリよりやや伸びやかなトラム。思いのほか早かった「再会」は再び渡辺えりのバイタリティに圧倒される観劇になった。
認知症の高齢女性を演じる名優たちが「等身大」に見えなくない妙なリアル感と、渡辺えり特有の「時空が飛ぶ」系の回転(展開より回転の語のイメージだ)が、絶妙の塩梅を作っていた(特に前半)。身も蓋もない台詞や小理屈がおかしく見ている間に「認知症」という概念との間に取り結んでいたネガティブな縛りが解かれていく。
中盤以降「物語」説明のモードが加わり、といってスッキリはせず混沌の度合いは増す。トラムでは狙いにくい終幕のカタルシス(さすがに屋台崩し的趣向をトラムでは・・)を敢えてなぞってしまうのが惜しかったが、波と寄せる演劇的叙情に心地よく浸り、脳内が刺激される1時間55分。
白が基調の舞台では、目まぐるしい中にも人物たちが赤裸々に、クリアに実在していて、嘘がつけない。
曲数はさほどなかったが歌の存在感はやはり大きく、シュールな中に突如、形を成した情感が胸をド突いてくれていた。

ネタバレBOX

文句を言えば、ラストに皆が眼差すもの(鯨)・・その視線の持つ「切実」は普遍的なものでなければならず、またそうある事は可能なはずで、しかしその僅かな時間に「塾生」たちが注いでいた目には切実さと憧憬に乏しく(私の目に入ったのは一人、二人ばかりだが)、これは淡白な終わりである事に加えて興ざめだった。唐突な終わりかも知れないし、鯨に何を仮託するかが戯曲に書かれていないかも知れないが、そこは頑張ってよ・・と。
だが不足感は実はその前段からあって、最後に登場人物たちが遠くに見る「鯨」とはすなわち、子供達を救う「幻」「伝説」の潜水艦(ブルーホエイル号)なのだが、老人劇団員たちが劇中という設定において「子供を救う」使命に奔走するところがその先に、潜水艦が子供たちを救出する場面を発見し、そのままラストへなだれ込んでしまう。手が空いてしまう。その手を「見送る手」に換えてしまうのではやはり物足りないのは人情か。
単なる劇の練習だったのが「現実」の鯨を見て驚く、という図式は、既に幻の中に生きる老人には通じない。従って「鯨」を発見するというくだりをラストに持ってくるなら、本来だともう一つ裏返す展開を加えたい所だが、あそこで収めるしか今回は無かったのかな・・と。
まあラストはともかくとして、、俳優は見せ場を逃さず一々憎い。
豚小屋 ~ある私的な寓話~

豚小屋 ~ある私的な寓話~

地人会新社

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/01/07 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

軍を脱走して家畜小屋に隠れ、人目を避け続け生きてきた男とその妻。
式典に出席して、自分の存在を明かしたい男が垣間見る、孤独からの解放とそれを想像する恐怖。

閉塞された豚小屋が牢屋のように感じたのか、ある夜、女装して妻と外に出た時の開放感と星の明かりのまぶしさの体験の姿に、実際あった事を想像すると、その場面では一緒になって感動した。が、初演発表時からかなり時間の経過した戯曲で、原作者も南アフリカで反アパルトヘイトで闘いながらも書いたとのことらしく、戯曲自体も傑作だとは思う。現代の世俗とは一線を引く、どこか時代を感じさせる舞台だった。

誤解

誤解

アルシェ提携公演

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2017/01/23 (月) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

よくコメディーではそれぞれの誤解からお笑いの連鎖が展開されますが、本作では悲劇の連鎖が展開。
丁寧に翻訳されているので母・娘・長男とその嫁・召使、全員の性格や思惑の違いが理解しやすく、それぞれの思いの方向がズレまくっているのがよく分かります。
どれか一つの組み合わせでも、うまく合致していれば止められていたかもしれない悲劇はズレを修復できないまま悪い方へと転がっていく・・・。
登場人物の中で、ひと際強い意志を持ち一貫性のある行動をとる娘マルタ。
モンスターの様なキャラクターだが、彼女の「明るく自由な国」をひたすら渇望する気持ちには共感できる部分もあり何ともやり切れない。

ネタバレBOX

マルタが焦がれる明るい国からやって来たマリアは、登場時キラキラ感で溢れていたのに、ラストではマルタの毒牙に飲み込まれボロボロに変わり果てた表情になってしまったのが印象的。
人恋歌~晶子と鉄幹

人恋歌~晶子と鉄幹

壱劇屋

吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)

2017/01/19 (木) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

今までパフォーマンスで魅せてくれていた壱劇屋さん。この人恋歌では、全員が熱いお芝居で魅せてくれました。なんだか「こんな私達はどうだっ!」と言われている気がしました。私の答えは「お芝居強めの壱劇屋、よかった!」です。もちろんパフォーマンスもあり、壱劇屋らしさも残しつつ。
歴史上の実在した人達、この時代の人達の名を目にした時、聞いた時、きっと私はこの作品のことを思い出すと思います。

3MAP

3MAP

3MAP

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/01/23 (月) ~ 2017/01/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/24 (火)

めちゃめちゃ面白かったです☆★今まで観たオムニバス公演の中でダントツNo.1の面白さでしたo(^o^)oテイストの違う3本の作品のどれもがクオリティ高い最高のエンターテイメントでした!特にオッドテーラーズの【Fly】は一人芝居で魅せるサイコパスホラー作品でした☆背筋が凍るくらいゾーッとする怖いお芝居で、ホラー好きには堪らない面白さでした♪あまりの面白さに平日公演しかないのが本当に勿体無いなと思いますネ♪★

ミュージカル「わたしは真悟」

ミュージカル「わたしは真悟」

ホリプロ

新国立劇場 中劇場(東京都)

2017/01/08 (日) ~ 2017/01/26 (木)公演終了

すごく面白かったです!
幾何学的な舞台セット、動き、小学生らしさが出ていた登場人物すごかったです

カミサマの恋

カミサマの恋

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/01/23 (月)公演終了

満足度★★★

役者さんの年齢層が意外と高くて驚きました。しっかりした芝居はとても気持ちが良かったです。じんわりと良い話でした。

ネタバレBOX

前半の説明が長くてなかなか物語が立ち上がらないため、どういう話なのか見失いました。起承転結というより起と結だけがあったという印象です。面白くないわけではないですが描かれるべきエピソードをもっと絞った方が感情移入しやすいのではないかと思いました。現状は登場人物の全てに感情移入できるけどそうなると結局「浅く広く」なってしまう。「じんわりいい話」でしたが、グっときたり、掴まれるような人間や神の言葉が聞きたかったです。きれいにこじんまりまとめた感が惜しかったです。
グレートフルグレープフルーツ

グレートフルグレープフルーツ

OuBaiTo-Ri

ワーサルシアター(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

私にはあの赤い糸は運命の赤い糸ではなく、呪縛に見えた。自分の誕生にまつわる裏設定を知り、親指以外の指をなくしてしまうひかりも、母をなくしたテルオも、テルオの笑顔を見れなくなった影彦もその呪縛にからめとられてしまった。ひかりはあの地下道にたどりついて、亡くなった父と会えたことでその呪縛から解き放たれたのだろう。最後に記事を書くその手には指がもどって来ていたから。テルオと影彦には地上に出よう、一緒に生きようと言う言葉は届かなかった。悲しいけれど、どんな思いも届かない時は届かないのだ。呪縛が邪魔をしているのだ。解放されることを、解放されようと動くことを祈るばかりです。
「ブスで中卒で家事もろくにできない母」がどうなってしまったのかが気になる私でした。

キャプテン★浅草

キャプテン★浅草

劇団 演劇らぼ・狼たちの教室

雷5656会館・ときわホール(東京都)

2017/01/19 (木) ~ 2017/01/23 (月)公演終了

満足度★★★

今より少し未来の話という説明であったが、その雰囲気は”昭和”時代そのもの。ある家族とその家に下宿している人々の交流には義理人情がしっかり描かれる。そして昭和50年代頃に流行ったTV番組を彷彿とさせる。
この公演は「第7回したまち演劇祭In台東」への参加作品。演劇祭は地域密着でオープニングステージ(1月7日)では子供ワークショップも開催している。地縁・血縁が集まっているかもしれないが、そこは下町の演劇祭、義理人情に厚い人々が観に来ているのだろう。少なくともそういう身近な人を取り込んでいるのだから…今後もっと飛躍を目指すためには一見(客)さんをどう魅了するか。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

公演は、浅草・雷5656会館ときわホールで上演されたが、物語の家族が住んでいるもの浅草というシャレの利いた設定である。この家族は主人・轟勘太郎(森川陽月サン)後妻・里子(山岡雪菜サン)、長女・心(保坂藍サン)、次女・宙(そら=長澤水萌サン)。明治の時代から代々せんべい屋「雷せんべい」を営む。この主人の名前からTV「寺内貫太郎一家」を思い出す。その番組も家族や隣人との触れ合いを描いた人情味溢れるホームコメディだった。主人の風貌や家族を突き飛ばす演技は、ソックリだ。他にもパロディを取り入れていたが、この部分が一番ツボにはまった。

梗概…ある日、内閣府「異星人対策本部」の依頼を受けて、「国連地球防衛軍・日本支部・東京支店・浅草出張所所員」、通称「キャプテン★浅草」の任務に就く。任務は、観光客の振りをして地球侵略、浅草の街を狙うエイリアンたちの発見・説得・撃退すること。人工知能「FUJI」に任命されたエイリアンハンター、ハヤタ(作・演出うちやま きよつぐサン)のコーチのもと特訓する彼らのところへ、エイリアン、ノース将軍の娘・コヴァール(久志瞳サン)が現れ轟家の次女・宙が連れ去る。どうして宙が連れ去られるのか。その理由が明かされた時、人情という感情が動く。さて轟家の人々は、無事に宙を奪還するコトが出来るのか。
物語の序盤に仕込まれる伏線は、最大の見せ場(戦闘シーン)で明かされるという効果的なもの。

荒唐滑稽な話であるが、家族との絆と地球を脅かすというエイリアンとの戦闘シーンは面白かった。場の繋ぎとして挿入する歌謡曲も昭和のポピュラー歌を選曲しており懐かしい。近未来という設定と昭和の雰囲気という時代間隔(感覚)のギャップが愉快である。前説では「今日は若い人も観に来ている」と言っていたが、世代によって面白さの受け方が違うかもしれない。

さて、難いことを言えば、内閣府から任命されたこの危険な任務の報酬、国家権力による人心操作という面に不安と怖さを感じるが、あくまでコメディとして楽しんだ。

次回公演を楽しみにしております。
飛ばない教室 または、わたしのいないその場所

飛ばない教室 または、わたしのいないその場所

冗談だからね。

RAFT(東京都)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

観劇当(初)日は、昼間に粉雪が舞い、会場へ行く途中では小雨が降る、そんな厳寒な1日。一方場内は熱心な観客と公演(役者)の熱演で熱気に包まれ、その寒暖の差は冗談じゃないよ。
客席は前2列が高低差のあるクッション席、3列目以降、段差があまりない椅子席になる。最後列からは、横臥・伏臥したシーンは観えたのだろうか、と心配になる。
(上演時間1時間強)

ネタバレBOX

舞台セットは、横長の木箱(3箱)を上手く組み合わせ状況を作り出す。上手側壁際に登場しない時の役者が座る場所、その上部には衣装を掛けるバーが設えてある。一方、下手側は物置部屋のような殺風景な場所。中央から上手側にかけて鋲付けしたような板壁のようなものが立っているが、それは映写時の幕代わりに利用していた(仕掛けがあるものと期待したのだが)。冒頭は映像による人物紹介が中心。映画の世界でも活躍する作・演出の前川麻子女史らしい始まり方のような。そして、この映像に映っていた役者が画面から飛び出してくるように客席側から登場する。

舞台には特に仕切りがある訳ではないが、二分割して物語が進む。同時期の平行した物語はある人物を通して交差する。演劇部の現役とOBとの意識や状況の違いが上手・下手で表現される。
高校卒業後の進路について、部員同士が話すシーンは等身大のようでリアル。もっともやりたい事は何か、それさえ明確にならず”帰宅部”もいるのだから、演劇好きで大会出場を考えていたこと自体、生(精)を感じさせる。高校部活で演劇をする意味は、卒業しても続けるのか。何のために演(や)るのかという自問自答は、演劇に限ったことではない。そこには高校生、その世代の不安・焦燥・希望・夢などフワフワとした実態の掴み難いものへの苛立った感情が見える。現実として見える就職…社会(人)へ出ること、そこに諦念のような思いも垣間見えてくる、と…

表層的にはそう観えたのだが、高校生、十代における模索、苛立ちだけではなく、生きることとの戦いのようなものが観て取れる。舞台二分割…上手側はクラスメイトの自殺は、心の戦い(インナーウォー)のようであり、下手側は別場所での拉致監禁・加虐シーンこそ戦いである。そこには人の悲しみ、痛みが感じられず、少し怖い(平穏・平和を蔑ろの)感じがする。もっともそれは大人になっても変わらない感情の動きであり、それを高校生という多感な時期を背景に切り出したようだ。

さて登場人物の高校生は、桃太・栗次郎・柿生という名であるが、3年から8年(成就するまで年数がかかる)ほどで”実”が生ることの隠喩であるならば、前川女史の温かな名付の気持を察し、また自分自身を信じ活動は継続していくだろう。

次回公演を楽しみにしております。
グレートフルグレープフルーツ

グレートフルグレープフルーツ

OuBaiTo-Ri

ワーサルシアター(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

Twitterで異口同音に語られた「凄い!」「凄いものを見た!」。これは最も端的にこの舞台を表現した言葉だと思う。しかし意外なほどに「意外」ではなく、納得づくしだった。驚きはない。凄いものにしかなりようのない座組であるから。
あらすじを読んだ段階では「一体どんな話になるのだろう?!」と思っていたが、観ていてストーリー展開はほぼどうでも良くなった。シーンのひとつひとつがそれぞれひとつの物語に感じた。決してオムニバスという意味ではなく。美しく、痛く、切なく・・・台詞のひとつひとつもリアルに胸に突き刺さってきた。
終盤、「あ、まだあるんだ・・・」が繰り返された。映画なら絶対もっと早くに終わってる。DVDになる時「ディレクターズカット版」として発表されるようなエンディング。でも、ひとつひとつのシーンがちゃんとした物語であるから、どれも削ることができなかったのは納得出来る。当初の予定より随分と上演時間が延びてしまったけれど、カットしなかった決断に感謝したい。ひとつひとつがとっても大切な物語。ずっと心に留めておきます。

ドロップイン・ヘブン

ドロップイン・ヘブン

ハイバネカナタ

シアター711(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

ドロップイン・ヘブン…ぶらっと立ち寄るような心地良い場所といったところか。タイトルにあるような場所が舞台になっているが、その美術が意味深さを表している。
この公演は緩いサスペンス・ミステリー風であり、興味の持たせ方、その観せ方が巧い。
時々、歌など余計なと思うところもあったが、そこは緩衝・娯楽として楽しむことにした

ネタバレBOX

舞台セットは、ヘブンリー・ヘブンという酒場。上手側にソファ、ローテーブルの客席がある。その奥に両開きの窓があり、窓ガラスの向こうに高層ビルが見える。下手にはカウンター、その上にラジオやピンク電話が置いてある。中央は店の出入り口になっている。このセットは多くが絵(トリックアート的か)で描かれており、その表面を取り繕ったような美術は、物語の底流にある疑心・嫉妬など人の心に蠢く不気味な感情を表現しているようだ。

梗概…コミュニティ新聞の記者・野々々村は某記事に掲載された写真のカメラマン「カヨコ」を見つけ出せという依頼を受けた。やっと見つけて働き出した店「ヘブンリー ヘブン」にはカヨコが2人(加代子、香葉子)いた。探している相手はどちらだ?野々々村は調査を進めていくうちに、マスターや常連客の秘密に巻き込まれていく。表面的には市役所職員、バイトの劇団員、コンビニ店員、フリーカメラマンという平凡な人たちが集う、これまたありふれた酒場である。この写真に写っていた内容が秘密(パーティ、通称「モザイクの夜」)そのもの。カメラマンを探し全ての写真を回収したいというのが真の目的であった。そこには利権絡みの陰謀が渦巻く。様々な面倒臭さや秘密が不思議に絡み、 野々々村は”ヘブン”を見つける! 愚かしくも物悲しい、そんな”居場所”に翻弄される人々が ...。

さて、常連客はもちろんマスターも気心知れた関係と思っていたが、そのうち不信・嫌悪・嫉妬など人の醜悪な面が表出してくる。
大人はずるい、色々なものを沢山持っていて捨てられない。そんな子供の言葉が胸を打つ。その娘が慕っているのが母親である。しかし、母親を神様と思っているが、実は紙(幣)様で、風俗嬢のような。この母親も含め見かけだけの大人であり、仲間意識など、舞台美術同様、張りぼてのようで嫌気がさす。そこにマスターの思惑が…。

スパイが登場したり、違法薬物、街再開発→宇宙施設の建設など話が散らかって収束させるのが難しいと思ったが、細かいところを凌駕するような人間ドラマ...そのブラック・コメディは面白かった。
なお、ラストの化粧シーンは、どんな意味があり必要だったのだろうか?

次回公演を楽しみにしております。
透明人間の蒸気

透明人間の蒸気

劇団のの

明石スタジオ(東京都)

2017/01/13 (金) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/13 (金)

価格2,700円

かつて観たものの、日本神話絡みの部分以外の印象が稀薄で改めて観てこんなにも言葉遊びまみれでこんなにもシンプルでストレートな恋物語であることにビックリ。
本作の初演がいつ頃だったか当日パンフレットの解説で読んだこともあり、観ながらなるほど時代性が前面に押し出されているな、と思ったり、チープな美術がこの会場にマッチして芝居をくっきり浮き出させているな、と思ったり。

誤解

誤解

アルシェ提携公演

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2017/01/23 (月) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/23 (月)

座席1列

重い話だ。円企画の皆さんに、コトウロレナさんが客演の初日を観ました。
母娘の2人の演技がよとてもよい。娘マルタ役の乙倉遥さんは、その容姿にはチラシなどで見える明るさ健康さは微塵もなく、同じ人物かと思われるような役作りだ。母は「疲れた」という言葉をただただ繰り返し、ゆっくり休めることのみを望む。それでも、娘の、太陽のある誰もいない白い海岸での生活の夢に、引きずられるように殺人を重ねていく。その先にあったものは何か、という話なのだけれど、そこには悔悟の情や絶望、ましてや愛などというものはない。久しぶりに触れるカミュの世界、そして、溢れるばかりの観念の洪水に酔いしれました。
舞台装置も狭い空間を巧妙に使い、ホテルのフロントと客室、川を巧妙に見せる。終始重苦しい照明、とはいっても決して完全な闇を作ることなく、薄く目に入る役者の姿は、彼らが生者であることを否定しているようで薄気味悪い。それと対照的なツリーの装飾照明は、マルタの心に僅かに灯る生への渇望を観るようだ。
ただし、セリフの難しさ(2字熟語がやたらと多い)から、初日ということもあり、立川さん以外(彼のセリフ1言としかないのですが)、皆噛んでいたので今日以降頑張ってください。

ネタバレBOX

この芝居、母と召使には名前がない(原作は知らないけれど)。召使は本当にいたのか?彼は母娘に付き添うただ生の意思のみを見守る神ではなかったのか?(最後のセリフが示すように)そして母も存在したのだろうか、彼女は息子との20年間の空白を、マルタとの20年の生活よりも優先させてしまう。そこには母というエゴしかない。
マルタが息子ジャンの妻マリアに浴びせかける、血を吐くような言葉。そこではマリアの説く愛や善、そして怨嗟の言葉もただただ空しい。
ルーシー・フラワーズは風に乗り、まだ見ぬ世界の扉を開けた <新春スペシャル編>

ルーシー・フラワーズは風に乗り、まだ見ぬ世界の扉を開けた <新春スペシャル編>

楽劇座

THEATER Rrose Sélavy (東京都)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

今月のルーシーフラワーズも楽しかったです。各役者さんそれぞれの個性が光る舞台で、1時間半くらいが本当にあっという間に感じる程リズミカルなお芝居でした。劇中の歌もたくさん入っていてコンサートみたいに楽しめるのも見どころだなと思います!

舞台「デルフィニア戦記」第一章

舞台「デルフィニア戦記」第一章

舞台「デルフィニア戦記」製作委員会

天王洲 銀河劇場(東京都)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

開演前舞台の赤い緞帳は降りていました。銀河劇場のつくりとも相まって、いかにも劇場といったたたずまいに、銀河劇場初体験の友人は感激していました。
原作は知りませんでしたがチラシのあらすじを読んでいたこともあり、すんなりと物語の世界に入って行けました。殺陣も迫力がありましたが、蕨野さんと佃井さんのどちらを見るか迷ってしまったり(笑)。前半は影の薄かった女官長の大沢さん、後半の貫禄はすごかったです。 第1章と言うからには、2、3と続くのでしょうか?リィがどこかから来たのかも気になります。原作も読んでみたくなりました。

ネタバレBOX

佃井さんのあのセリフは本当はなんと言うはずだったのか気になったままです。
RS(2017年版)

RS(2017年版)

演劇制作体V-NET

演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

とてもいい道場感して
作品もよかった。
またここで上演してもらいたいもんである

キャプテン★浅草

キャプテン★浅草

劇団 演劇らぼ・狼たちの教室

雷5656会館・ときわホール(東京都)

2017/01/19 (木) ~ 2017/01/23 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/01/21 (土)

浅草、雷せんべい、ウルトラマン、昭和歌謡アイドル、開演前の出欠確認・・など、下町感というか昭和感というか、随所に懐かしさを感じる大衆演劇だったように思います。が、終始その雰囲気だったわけではなく、やや中途半端なストーリー、中途半端な演出であったと感じました。表現が難しいのですが、よく創り込まれた奥深い作品というよりは、主宰の方がやりたいことをそのまま詰め込んだ軽いエンターテイメントのような作品の印象。この内容であればもっと的を絞り込んで上演時間の短縮を図った方が良いかと感じました。とはいえ、アクションシーンの迫力や若い役者さんの一生懸命な姿は素敵でした。カーテンコールはどこかの劇団で観たことがあるようなスタイルでしたが楽しめました。作・演出にもうひと工夫あれば◎

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