キャプテン★浅草 公演情報 劇団 演劇らぼ・狼たちの教室「キャプテン★浅草」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    今より少し未来の話という説明であったが、その雰囲気は”昭和”時代そのもの。ある家族とその家に下宿している人々の交流には義理人情がしっかり描かれる。そして昭和50年代頃に流行ったTV番組を彷彿とさせる。
    この公演は「第7回したまち演劇祭In台東」への参加作品。演劇祭は地域密着でオープニングステージ(1月7日)では子供ワークショップも開催している。地縁・血縁が集まっているかもしれないが、そこは下町の演劇祭、義理人情に厚い人々が観に来ているのだろう。少なくともそういう身近な人を取り込んでいるのだから…今後もっと飛躍を目指すためには一見(客)さんをどう魅了するか。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    公演は、浅草・雷5656会館ときわホールで上演されたが、物語の家族が住んでいるもの浅草というシャレの利いた設定である。この家族は主人・轟勘太郎(森川陽月サン)後妻・里子(山岡雪菜サン)、長女・心(保坂藍サン)、次女・宙(そら=長澤水萌サン)。明治の時代から代々せんべい屋「雷せんべい」を営む。この主人の名前からTV「寺内貫太郎一家」を思い出す。その番組も家族や隣人との触れ合いを描いた人情味溢れるホームコメディだった。主人の風貌や家族を突き飛ばす演技は、ソックリだ。他にもパロディを取り入れていたが、この部分が一番ツボにはまった。

    梗概…ある日、内閣府「異星人対策本部」の依頼を受けて、「国連地球防衛軍・日本支部・東京支店・浅草出張所所員」、通称「キャプテン★浅草」の任務に就く。任務は、観光客の振りをして地球侵略、浅草の街を狙うエイリアンたちの発見・説得・撃退すること。人工知能「FUJI」に任命されたエイリアンハンター、ハヤタ(作・演出うちやま きよつぐサン)のコーチのもと特訓する彼らのところへ、エイリアン、ノース将軍の娘・コヴァール(久志瞳サン)が現れ轟家の次女・宙が連れ去る。どうして宙が連れ去られるのか。その理由が明かされた時、人情という感情が動く。さて轟家の人々は、無事に宙を奪還するコトが出来るのか。
    物語の序盤に仕込まれる伏線は、最大の見せ場(戦闘シーン)で明かされるという効果的なもの。

    荒唐滑稽な話であるが、家族との絆と地球を脅かすというエイリアンとの戦闘シーンは面白かった。場の繋ぎとして挿入する歌謡曲も昭和のポピュラー歌を選曲しており懐かしい。近未来という設定と昭和の雰囲気という時代間隔(感覚)のギャップが愉快である。前説では「今日は若い人も観に来ている」と言っていたが、世代によって面白さの受け方が違うかもしれない。

    さて、難いことを言えば、内閣府から任命されたこの危険な任務の報酬、国家権力による人心操作という面に不安と怖さを感じるが、あくまでコメディとして楽しんだ。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/01/24 20:16

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