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時をかける稽古場2.0

時をかける稽古場2.0

アガリスクエンターテイメント

KAIKA(京都府)

2017/04/04 (火) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/04/09 (日) 17:00

さて、東京公演を見た後、感想でも書こうと思いつつ、仕事の忙しさに感けて
いたところ、面白い(?)情報が飛び込んできた。

アツシ役の役者さんが病気のため降板したというのだ。
まさにこの劇のキーワードの一つである「病気のため降板、そして公演中止」が
一部現実になった。
代役は「ナイゲン 全国版」でアツシ役の役者と共演したMUの古屋敷悠という役者さんで、
タイプが違う。

京都公演もあるけど、特に見に行くつもりはなかったが、ここで見に行く理由が
できてしまった。

東京公演の場所に比べると1/3くらいの客数の劇場(?)でも、集客に苦戦している
らしい、というのもあって、土曜日は会社があったのだが、夜行バスで京都に行って、
月曜朝に夜行バスで東京に戻る、という強行軍で見に行った。
おっさんには6~7時間のバス旅×2はそこそこキツかった。

やはり、熱血・純情少年然とした元の役者さんと違い、古屋敷版の「時かけ」は、
また別のお芝居だった。少しウェットな感じが出ていて、それはまた別の味で楽しかった。
短い間隔で2回見たものの、2回目もまったく同じように楽しめた。

そして、今回はアフタートークあり。
その中で、「本当は一回、前半をけっこう変えたんだよ。でも、最終的に元に戻したんだよね」
という話があった。やっぱり、もっと変えようとしてたんだ。と一人得心。

うーん、やっぱりもうちょっと人気が出て欲しいんだよなぁ。
そんな訳で、お勧めです。

時をかける稽古場2.0

時をかける稽古場2.0

アガリスクエンターテイメント

駅前劇場(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

初めて演劇を生で見る前に見たDVDが、アガリスクの
「ナイゲン」と「時をかける稽古場」だった。

どちらも好きだったけど、より好きだったのは「時をかける稽古場」。
青春にほど遠い生活を送った学生時代が題材のものに共感できなかったのかもしれない。
ただそれだけじゃなく、雰囲気だったり暗転・明転の連続だったり、色んな要素が
程よく詰め込まれている感じが好きだったんだろう。

今回、2.0となったものを生で見た。
帰ってから、改めてDVDを見た。

見直してみて、けっこう変わってないところが多くて、また、
前の方が良かったんじゃ?って思うところもあった。
2.0というより1.1という感じだ。
でも、それはもともとの「時かけ」の完成度が高かっただけで、
お芝居自体はとても楽しいものだったし、とても中身の詰まった130分だった。

クマガイ役の得難い存在感、ハマカワ役の小さい体に見合わない、場を支配する声・演技。
ヤブキ役は少ない出番でも、独特の存在感をキッチリ示し、「すみっこぐらし」もワンポイントの
コンテンツとしてちゃんと成立していた。

ホソイ役がなくなったマイナスも、ハマカワ役・ヤブキ役が入ったプラスも、
厳然としてあった。惜しむらくは、黄金のコメディフェスティバルで優勝したのに、
良質のコンテンツをお届けし続けているのに、人気が少し見合っていないことだ。

もう少し人気が出て良い劇団だと、ずっと思っている。

追憶

追憶

Nana Produce

サンモールスタジオ(東京都)

2017/04/12 (水) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

☆チームを観劇。
おもしろかったです!
みなさんよかったけど、舞台に立つ田崎那奈さんを久しぶりに見られてとても嬉しかった。
さすが那奈さんでした。

おんな忠臣蔵

おんな忠臣蔵

劇団Spookies

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/04/06 (木) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/04/09 (日) 13:00

9日午後、池袋のグリーンシアターBOXinBOXで上演された、劇団Spookies第16回公演『女忠臣蔵、汝、如何に愚かなりとも~』を鑑賞。これは、知人の役者・高坂汐里が出演したいた関係からである。

今回の舞台のテーマは、「命の在り方」だそうである。戦時下の女だけの移動劇団による忠臣蔵上演に向けての人間模様。当初は男性の団長を含む大所帯だった劇団から男子団員が志願兵として戦地に赴き、特攻に出撃するという日に出撃する男性達のため、そして命を簡単に扱う国家への反抗のため女性だけで忠臣蔵を上演する。

舞台にしろ、映画にしろ、人を簡単に泣かせるポイントというか定番シーンがある。それは、動物の死と人間の死。特に震災や第二次世界大戦における特攻兵の死を扱えば、簡単に人を泣かせることができる。問題は、どういう過程をへて泣かせるかという点が、脚本家に課せられた使命といって過言ではない。今回の舞台のクライマックスは、劇団員の男性達が特攻に出るにあたり肉親や妻などに宛てた遺書の朗読シーンであろう。多くの客が涙を流していたが、それで終わっては劇とはいえない。涙を流すまで、そして流した後の処理が劇としての命なのである。

その一つの解決方法が、今回扱われた忠臣蔵という作品の持つ意味合いを使ったことにあった。ただし、家老・大石が幕府に突きつけた問題を、今回は女達が国家に突きつけるという設定なのであったが、そこまでの道のりの描き方がやや中途半端だったのが残念。
役者では、生きるため、弟のために娼婦となった橘夏生役の雪原千歳、現在の劇団団長・山本千草役の谷貝里緒菜、タカラジェンヌ・黒崎トメ役の君島久子、団付き作家役の小坂逸などが熱演していたが、圧巻は特攻に行く肉親の遺書を読む面々だっただろう。
せっかくの大勢の出演者、生かし切れていると言えるだろうか。まだ、何かを引き出せた感が心の中でモゾモゾしている。

KUDAN

KUDAN

TOKYOハンバーグ

座・高円寺1(東京都)

2017/04/12 (水) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

TOKYOハンバーグさんは2回目の観劇なのですが、前回は「愛、あるいは哀、それは相。」だったので、その違いように驚きました。同じ劇団と思えないくらいに違うテイストでした。

ネタバレBOX

「殺すんだったらちゃんと食ってくれ!」ほかの命を奪わずには生きて行けない命であることは日頃考えたりしませんが(考えたくありませんが)忘れてはいけないことだと思いました。それ以上にちゃんと知らなければならないことがあることも
ザ・オールドボーイズ

ザ・オールドボーイズ

A.R.P

座・高円寺2(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

アクシデントがあったようで入場に支障をきたし、開演時間になってもまだ入場の列がとぎれていませんでした。そして幼なじみ4人のその後は期待していた内容でない部分もあったのでしたが、寒がりな私に膝掛けの代わりに衣装を貸してくださったスタッフさんがとても感じよかったのでした。

ネタバレBOX

せっかく実在のお笑い芸人さんの話なのですから、その方の実際のネタで笑いたかったです。実際のネタでなくてもいいのですが「火花」みたいにネタで笑えることを期待して行ってしまったので、ちょっと肩すかしをくった気分でした。
どこまでも夢を追い続けるのか、ある年齢までには地道な仕事につくべきなのか。芸人さんでなくても(役者さんでも)悩むところだろうと思いました。
城塞

城塞

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

想定が素晴らしかったです。

ネタバレBOX

人生で一番良かったとき、即ち妻と娘を捨て息子とともに財を持って満州から逃げた時点の記憶だけが正常で、普段は認知症のような拒絶症の父親に対して当時の環境を作り対話を試みる息子たちの話。

精神異常の症状の設定が面白く、二回のロールプレイングゲームは見応えがありました。

息子は母と妹を見捨てたという負い目から戦争を憎み、二代目として社長を務める製鉄会社の製品が海外でミサイルに使用されることに躊躇していました。今話題の軍事技術と科学者の研究のあり方に通じる問題として興味深く見ました。ただこの問題は、株主でもある息子の妻が、父親に対して異常な行動を示したりすることを理由に商売に消極的な夫を禁治産者に認定してもらって実権を握ろうとしたことで急転、現社長は精神病院に入れることで父を捨て、儲け主義に転じました。

敗戦で政権は崩壊しても人間は生存し続けるため、常に時の政権を利用して商売する人たちの話でした。

焼骨

焼骨

タッタタ探検組合

駅前劇場(東京都)

2017/04/12 (水) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

火葬場、人生の最後にお世話になる場所である。今回は、その火葬場でのオハナシ!! 花5つ星

ネタバレBOX

厳粛を旨とするこのような場所を喜劇として如何に描くか? 最初から高いハードルを設定している作品だけに、どう料理するか? 観劇前の期待値の大きさは、誰にもあったであろう。結果、期待は裏切られなかった。思いもよらぬ形で進行する物語とオープニングでスクリーンに映し出された映像が、スクリーンを落とすと同時に生きた役者群が現れる演出の素晴らしさでいきなり引き込まれてしまう。空海の密教からの文章等が映写されたりという前提があり、焼き場の炎の描写があったりで、現れた役者達の炎を表すダンスが生々しく迫ってくるのだ。焼き場では、火夫が焼骨の歌等を歌いながら仕事をしている。火葬をお願いした一家、鳴沢家の人々の故人に纏わる雑談などが演じられる。火葬場スタッフ同士の場面、成沢家の人々と火葬場スタッフとの打ち合わせ場面などが、小気味よいテンポの場面転換で過不足なく紡がれ、仕込まれた様々なギャグと伏線、脱線、脱臼等々喜劇を作る際の様々なテクニックが縦横に配され、観客は笑いながら、箍を外され、思いがけない展開に翻弄される楽しみにしたたかに酔う。無論、更なる驚きと緊張が仕組まれている。詳細は上演中故敢えて書かないが、このもう一つの大きな柱によって、物語は単なる喜劇の枠を超えて深く哲学的であると同時に、厳粛であるべき葬儀という題材に対して決して礼を失することの無い優れた作品に仕上がっている。それは、死と再生の物語という普遍性に達し、仏教の極めて特徴的な思想である輪廻転生にも通じる。焼骨の歌の歌詞が、冒頭で歌われていた物とはまるで変って宮澤 賢治の「星めぐりの歌」になるのは、正しく象徴的である。無論、このようになることは、巧みな伏線によって示唆されている。今作も何度も観たい舞台だ。
『ラクゴ萌エ』

『ラクゴ萌エ』

ラチェットレンチF

d-倉庫(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっと出来過ぎの感があるストーリーではありますが、演劇的にとても面白かったです。
登場人物それぞれの個性的なキャラも、物語を魅力的なものにしていましたね。
物語の展開から結末まで、新生活が始まるこの時期にふさわしく「希望」を感じる作品です。

KUDAN

KUDAN

TOKYOハンバーグ

座・高円寺1(東京都)

2017/04/12 (水) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/04/13 (木) 19:00

座席1階I列

価格4,000円

無題2035(17-038)

19:00の回(曇)。

18:25会場着、18:29開場。初日(前夜)の2列後方(I列 右後方席)。

リピートできるのはこの枠だけだったので前夜帰宅後予約(残1枚でした)。

3.11の戯曲化。2011年からの年月。2013年12月(初演)からの年月。

初演時にも出ていたのは光藤さんと小林(英)さん?

舞台美術/大河原敦さんも代わらず(でも舞台の印象は全然違う)。

黒を基調とし、照明によって情景に変化が生まれ、白と青のおふたりは周囲とは違った独自の時間の中にいるようにみえるのでした。

白い月と青い地球、死と生。

1945.8.6/8.9@ヒロシマ・ナガサキも1954.3.1@ビキニ環礁も60年以上経ってしまいました。

ダンスについて
芝居(演劇)とダンスの組み合わせは少々苦手です。
物語との接点が薄いダンス、ダンスの中の会話/セリフなどはちょっと夢から覚めてしまいそうになってしまうからです。

そうであっても、そんな違和感をもたせない秀作はあるものです。リジッター企画、森脇洋平さんの作品もそのひとつ。

本作で初めてみる風戸さんの振付。ダンス作品は大きな会場でのソロも群舞でも発想/表現力しだい。

以前にも書きましたが、風戸さんは津田記念日の「Every Day(2011/6@OFF OFF)」を観ていて、
TOKYOハンバーグでは「しゃぼん玉の欠片を集めて(2013/8@ワーサル)」が初めて。そのすぐ後にk.a.n.aさんとのダンス公演(@キッド・アイラック)があったのに失念するも「月見草一夜 ツキミソウヒトヨ(2014/3@がざびぃ)」でダンスを観たことがあります。

振付は初めて。

思い入れによるのでしょうが、とても真摯な振付だったように思います。大人数の群舞でここまで調和をもたせ、流れを体現していたのに感心。

フールオンザヒル

フールオンザヒル

劇団もっきりや

ART THEATER かもめ座(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

劇場に入るとまずワイン、コーヒー等のドリンク・サービス有り。開演前からこんなにも楽しげで和気藹々とした劇団は初めて。
上演内容はさりげなく、でもしっかりと辛口。骨があります。

紳士のための愛と殺人の手引き

紳士のための愛と殺人の手引き

東宝

日生劇場(東京都)

2017/04/08 (土) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★

久しぶりにアメリカのミュージカルらしい能天気な娯楽作を見た。この作品が一昨年のトニー賞ベストミュジカルということは、きっと、アメリカでも犯罪がらみや殺人絡みの深刻な暗いロック音楽の告発型ミュージカルには観客もうんざりしていたのだろう。
欧州の元貴族が出てくるのも、相続問題で大騒ぎになるのも、お決まりのアメリカ風でその愛すべき無邪気さを思い出させてくれた。ここはもう、市村の七変化や女優陣のイット(古いね)を楽しめばいい。ダブルキャストで私の見た柿澤も、声も歌もいい。俳優陣も楽しんでいる。もともとはもう少し小さい劇場でやっていたものらしく、日生劇場は広すぎた。演出は日本でやり直したのなら、その辺は少し配慮があってもよかったか、とは思う。(いまはユーチューブで現地のトレーラーが観られる)

ネタバレBOX

市村の七変化、最後のが一番笑えたし、ちゃんと落ちになっていてよかった。こういうところも劇場が半分くらいだともっと受けるのに。
『ラクゴ萌エ』

『ラクゴ萌エ』

ラチェットレンチF

d-倉庫(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

『ラクゴ萌エ』、タイトルから「落語家を志す少女の面白可笑しい話」程度に考えて観に行きました。前説で、普段はサスペンスをやる劇団、ふと不安が…、落語を上手く出来るのかなあ? いや不安に反して、面白かった。内容もあった。話の落ちは述べませんが、最後の桜舞うエンディングまで十分楽しませてもらいました。落語のしゃべりをすべて落語としてやるのでは無く、複数の役者が立体的に演じるのが上手くいった理由の1つだと思います。勿論その場合も、扇子と手拭いを小道具として使ってました。それにしても俳優さんが良い。特に、「だんまり」役の井上賢吏さんの身体を張った熱演が印象に残りました。

パフューム

パフューム

KARAS

KARAS APPARATUS(東京都)

2017/04/07 (金) ~ 2017/04/15 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/04/07 (金) 20:00

価格2,500円

無題2034(17-037)

20:00の回(雨)。19:59開場、20:10開演~21:09終演、~21:14トーク終了(佐東さんおひとり)。

ゆれる身体とその周りの空間。空間が歪むというのは相対性理論から導き出されるそうだけれど
感覚的にすら理解できないのに本作の佐東さんは、そのゆったりとした動きが実はAPPARATUSの物理空間でさえゆさぶり、撹乱し、突き動かしているようにみえるのでした。

いつものようにその効果とタイミングと色合いが精緻に構成された照明は冴えに冴えます。冒頭、淡い明かりは佐東さんの表情をギリギリの線で隠し続け、顔のない、意思と個性を喪った身体のみが揺れているような妖しさは怖ろしく。

直射と反射、床面から射す光が一種のスペクトル模様となって佐東さんの身体を浮かび上がらせ
壁が蛇腹のように浮き出る。幻覚とはこういう意識状態なのかと意識するのでした。

FAMILY

FAMILY

ヒューマン・マーケット

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2017/04/12 (水) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

大野清志さんクエストとはまた違った役柄で、と思ったら今回も楽しい役でした。
皆さん殺陣が上手な方が多いのでもっともっとたちまわりみたかったですね

ハムレット

ハムレット

ゲッコーパレード

旧加藤家住宅(埼玉県)

2017/03/31 (金) ~ 2017/04/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

ハムレットなんだけど、舞台は台所。
デンマークも王宮も台所。オフィーリアが胡椒瓶だったりもするけど、すべてをハムレットにしてしまうのが、ココの役者のすごいところ。
演技の中に巻き込まれる感覚は、どぶんと入り込んで時間を忘れた。

THE VOICE

THE VOICE

チーズtheater

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/13 (木)

事前知識ゼロで、初日の舞台、観て来ました。
入場時に貰ったリーフを見ても、詳細不明…全くの白紙で舞台に臨む羽目に!

ネタバレBOX

という訳で、東日本大震災の津波による犠牲者を描いた群像劇、という本作品のテーマ、観劇の後半に差し掛かった頃に、ようやく気がつきました(汗)。
おかげで、開演前の出演者たちによるパフォーマンスの意味(海底に眠る…いや、永眠しきれずにいる犠牲者たちの霊)や、前半、長々と続いた平穏な日常生活のスケッチの意味合い(津波に襲われる後半部の理不尽さを際立たせるための布石)も、その時点で腑に落ちました。

さて、作品のヤマである後半部。吹奏楽部の仲良し女子高生5人組が、一人・また一人と波に呑まれていく級友たちを「見送っていく」シーン、本作の登場人物全般に適用されている、散文詩調のモノローグなセリフが、後日、故人の日記に目を通しているような錯覚に陥らせます。思わず涙腺に来ました。
ただ…ただなんですが、女子高生、トッポい消防団員、妊婦、工場勤務の恋人たち…と、犠牲者の描写が続くにつれ、(不謹慎のそしりを恐れずに言うと)これでもか!これでもか!という「悲劇」の波状攻撃に慣れてしまいます。終演時には、涙腺も感情もすっかり乾いてしまいました。

まあ、個人的嗜好なのかもしれませんが、最初の女子高校生たちをメインに悲劇の描写はとどめておいた方が良かったのでは?
大勢の犠牲者を描き過ぎて、個々への印象が散漫になったなぁ…観劇後に真っ先に抱いた感想でした。

最後に役者陣について。
皆さんの全身全霊の演技に何の文句が言えましょう! イチ観客として、唯々、首を垂れるのみです。
螺旋と蜘蛛

螺旋と蜘蛛

神奈川県演劇連盟

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★

可でなく不可でなく、特筆すべき点など特に無く、面白さを全く感じられなかった。
もっと魅せ方に配慮した方が良い。

ネタバレBOX

アンサンブル(餓鬼)の起用も全く活かされず、勿体ない。
空間演出も舞台美術も物足りない。

青空

青空

演劇集団SINK

中野スタジオあくとれ(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

人が構築する社会の深い闇を描いた作品だと感じました。
これからの自分の生き方を考えさせられました。

フールオンザヒル

フールオンザヒル

劇団もっきりや

ART THEATER かもめ座(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

芝居と誌読みがうまく絡み合っていました。

ネタバレBOX

芝居でなくて芝居であり、誌読みでなくて誌読みであり、変化に富んでいて、工夫がありました。なんといっても、みなさんの声がいいんですよね。セリフも唄も素敵でした。全体としてのまとまりがなさそうなのに、しっかりとまとまっていて、たのしかったです。

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