おんな忠臣蔵 公演情報 劇団Spookies「おんな忠臣蔵」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2017/04/09 (日) 13:00

    9日午後、池袋のグリーンシアターBOXinBOXで上演された、劇団Spookies第16回公演『女忠臣蔵、汝、如何に愚かなりとも~』を鑑賞。これは、知人の役者・高坂汐里が出演したいた関係からである。

    今回の舞台のテーマは、「命の在り方」だそうである。戦時下の女だけの移動劇団による忠臣蔵上演に向けての人間模様。当初は男性の団長を含む大所帯だった劇団から男子団員が志願兵として戦地に赴き、特攻に出撃するという日に出撃する男性達のため、そして命を簡単に扱う国家への反抗のため女性だけで忠臣蔵を上演する。

    舞台にしろ、映画にしろ、人を簡単に泣かせるポイントというか定番シーンがある。それは、動物の死と人間の死。特に震災や第二次世界大戦における特攻兵の死を扱えば、簡単に人を泣かせることができる。問題は、どういう過程をへて泣かせるかという点が、脚本家に課せられた使命といって過言ではない。今回の舞台のクライマックスは、劇団員の男性達が特攻に出るにあたり肉親や妻などに宛てた遺書の朗読シーンであろう。多くの客が涙を流していたが、それで終わっては劇とはいえない。涙を流すまで、そして流した後の処理が劇としての命なのである。

    その一つの解決方法が、今回扱われた忠臣蔵という作品の持つ意味合いを使ったことにあった。ただし、家老・大石が幕府に突きつけた問題を、今回は女達が国家に突きつけるという設定なのであったが、そこまでの道のりの描き方がやや中途半端だったのが残念。
    役者では、生きるため、弟のために娼婦となった橘夏生役の雪原千歳、現在の劇団団長・山本千草役の谷貝里緒菜、タカラジェンヌ・黒崎トメ役の君島久子、団付き作家役の小坂逸などが熱演していたが、圧巻は特攻に行く肉親の遺書を読む面々だっただろう。
    せっかくの大勢の出演者、生かし切れていると言えるだろうか。まだ、何かを引き出せた感が心の中でモゾモゾしている。

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    2017/04/14 20:18

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