最新の観てきた!クチコミ一覧

6041-6060件 / 183072件中
My Boy Jack

My Boy Jack

サンライズプロモーション東京

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前半は、自己満足のために息子を戦場に行かせる真島秀和のひどい父親ぶりに、いろいろ考えさせられた。前半最後の、突撃前のジャック(前田旺志郎)の孤独と緊張も引き込まれた。息を詰めるようにしてみた。後半は一転、倉科カナの息子の死を嘆き悲しみ、夫を責める、まさに迫真の演技に圧倒された。本当に涙と鼻水でぐちょぐちょになっていた。ジャックの戦死の様子を証言する、戦争神経症の兵士ボウを演じた文学座の佐川和正も、恐怖と悔恨と、使命感のいりまじった大変な迫力で、素晴らしかった。15分休憩含む2時間55分だが、長さを感じさせない。一幕の最後の塹壕の場面があるのが、室内劇が続く中でのいい気分転換になった。

ラドヤード・キプリングのように、国の戦争に協力して(嫌がる)息子を軍隊に行かせて、戦死させた知識人は日本にもいるだろう。ただ、具体的におもいつかない。無学な父親は、周囲に従うだけで、本心は嫌かもしれないが、自覚的に息子を死に追いやった知識人は、それをどう考えるか。恋人としてなら岡部伊都子がいたわけだが、親としてとはまた違う。教師だと、「教え子を少年航空兵に推薦した」などあるが、それも具体的にだれ、とは言えない。日本の戦争の記憶の空白部分になっている気がする。インテリ嫌いの劇友は「知識人は、金を出して子供を危険なところにやらないようにするんじゃない?ずるいから」と言っていた。そういう例もあっただろうが、それだけではあるまい。

個人の責任があいまいな日本では、徴兵制でいやおうなしだったと「仕方がない」と考えがちなのだろう。そうした反省を発言した例が残ってない、あるいは、埋もれてしまう。戦場での残虐行為と同様に。

ネタバレBOX

死を徹底的に恐怖と醜悪と痛みで描く。美化を許さない。それは戦争詩人たちのイギリスの遺産を生かしたものなのだろうか。

キプリング(父親)が「俺のせいだと考えない日が、一日でもあると思うか。毎日考える。一日何度も考える」と泣き崩れる。一方で「大きすぎる犠牲ということはない」「ジャックは立派に死んだんだ」と、自分のやったことを合理化する。その矛盾は矛盾のままとして我々に提示される。実際のキプリングはどうだったか、わからないが。

息子が負傷して行方不明の知らせが来た最初に「(18歳の)短い人生だったが、死は生涯最高の瞬間だったろう。おめおめ生き延びて、最高の瞬間を逃さなくてよかった」と、ひどい事を云う。2年後、妻にその言葉を指摘されても、キプリングは覚えてないし、そんな事を云ったことに愕然とする。この皮肉はうまい。
盈恋虧恋(えいれんきれん)

盈恋虧恋(えいれんきれん)

ワイルドバンチ演劇団

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

短編2本、面白かったです。
1本目の「累の恋路」は、笑えて、ほっこり温かい気持ちになりました。
2本目の「稲穂の揺れる辻」は、切なくて涙腺が緩みました。
どちらも、ストーリーも良いし、殺陣に観応えがありました。
特に2本目の古田さん殺陣は、キレキレで美しく、ずっと見ていたいと思いました。
素敵な舞台で満足でした。                                   

セルフカバーvol.1

セルフカバーvol.1

♯Q

新宿眼科画廊(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/10 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/07 (土) 19:30

作・演出の久保磨介が他団体に書いた作品を上演。巧妙な作品が並び、力量ある役者陣がしっかりと上演した。(1分押し)イントロ4分、31分、18分、28分。
『high-end soda』は人魚に異常な興味を見せるカレシを持つアリエルというキラキラネームの女子が怪我した人魚を助ける…、な話。ありえない設定だが、そこから発生する様々な細かい展開が面白い。
『superman』は小学校から友達である、ある意味正反対の行き方の男2人の物語。なんか良く分からないが、感触が残る。
『dog tag』は、猫を飼っているのかいないのか、よく分かっていない女子と周囲の男女。なんか定義に拘っているのが非常に面白いが、物語はいいハナシとして展開されて、いい気分になる。
役者陣は皆見事だが、沈ゆう子が特に素晴らしい。

ヒトラーを画家にする話

ヒトラーを画家にする話

タカハ劇団

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

飽きずに見れるが、タイトルから感じた強さや衝撃がもっと欲しかった

ミュージカル『スクールオブロック』

ミュージカル『スクールオブロック』

ホリプロ

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/08/17 (木) ~ 2023/09/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ブロードウェイ版に準じつつも、予算に伴う小規模化があった。しかしとてもよい舞台だった。大人の役者を混ぜず、魅力的な子役達で小学校が構成されていた。

必ずしも全員演技が上手くはないが、回し役や決め所、複雑な動きをさせずとも固定された体の角度のみで最低限の心情を伝えるなど、芝居を付けきった演出の手腕がある。一方で演出を務めた鴻上尚史さんの第三舞台などに多く見られる、体を思いっきり使わないもったいなさは感じた。
セットの松井さんは、予算のなかで最大限の効果を発揮していた。

残念な点として、ラストのライブシーンはブロードウェイ版ほどの没入感がなかったこと。小規模にしたセットのため押す人が見えてしまったのは最後の最後、集中を削がれてしまった。しかしながら、子供達がライブのPAや映像投影を行っているという映画の設定に準じた独自の演出が行われていたのに好感を持った。

歌うことの喜びに溢れた今作。舞台版でしか見られないOnly you would listen(聞いてくれたら という訳も見事)という子供達の歌が特に素晴らしい。おすすめ

濫吹

濫吹

やみ・あがりシアター

新宿シアタートップス(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

デフォルメされた人物達だが、ギリギリいそうという絶妙な塩梅で、面白い。笑いつつも、続きが気になるセリフや仕草が多くあっという間だった。

ネタバレBOX

ラストが惜しく感じた。濫吹と一人しゃべりが大きく接合し、「現代では一人でしゃべれない」という言葉がハナの問題を解決に導く。上手いが、この飛躍を埋める組立が構成のみならず、演技、スタッフワーク含めて作りこまれていないのがもったいない。言葉のレベル以上の説得力がほしかった。
或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原因不明のトラブルで地下鉄のホームに閉じ込められた人々。よくある“実は事故で既に亡くなっている人達で…”ってパターンの奴かと思ったら、ぼんやりとした結末に。予想は裏切られたけど、うーん。

オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)

オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)

ロロ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/07 (土) 18:00

三浦直之が生み出した50名以上の人物の、プロフィールそして短いエピソードをもとに俳優たちが立ち上げ演じ分けるオムニバス・ストーリー。長くて5分、短くて1分少しの“超短編”の連なりが織り成す群像劇は、笑えたりちょっと面食らわされたり。重なりかけて重ならない、彼らの生活を形つくっている網目を俯瞰して思う。世界には何と多くの人間たちが暮らし、ひとりひとりに物語が影のように伸びていることだろう。すべてのシーン、すべての人物に慈しみとユーモアを持って接するロロメンバー、出演者たちの愛のみずみずしさが清らかだった。置かれた無数の点を結んで、作る人々が線を引き、これからも星座のように次々物語が生まれる、新しいフォーマットがここに誕生した。見えないものを見せ、瞬間より長く永遠よりは少し短い時間を感じさせるロロ・マジックはどこまでも進化する。

点の連なりから物語を立体化した俳優たちが素晴らしい。田中美希恵、端田新菜はとびきりの幸福感を漂わせる存在でありながら素っ頓狂な一面も見せ、ギャップで切なさまで振り切っていくし、大場みなみは強い推進力でオープニングからラストのエピソードまでぐいぐい客席を引っ張る。北尾亘は強い芯と軸があって、走ったり這ったりストレッチをするだけで、躍動感という言葉からはみ出すくらいの振動を舞台上に出現させていた。松本亮は他者を限りなく許容し受け入れる器があって、存在そのものが、人間同士関わって生きる群像劇の本質に一番近かった。福原冠は自分から切り込む芝居も、相手の勢いを受けて流れを作る芝居もどちらもきめ細やかで、振る舞いの太刀筋が美しい。

YouTuberのクイズノックが昔、『架空の友達(虚友達)のプロフィールを100人記憶する』という企画をやっていて、動画を見ているだけでこっちもかなり虚友達に親しみがわいてエピソードを覚えたり気になったりしたものなんだけど、それを思い出した。超短編のスピード感、読後感はリディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』が私は大好きで憧れてもいるから、重ねて観ていた。三浦直之さんの本棚にもきっと絶対あると思うな。

OBACHAN

OBACHAN

NICO×frogs produce #関西の役者が踊ってみた

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ダンスとお芝居を融合した作品
皆さんのキレキレなダンス!
中でもコー役の高安さんと山下役の古馬さんは特にキレキレ!
古馬さんはキャラも良かった!
主役の梅子役の成瀬さんはピッタリ!
ストーリーもおばちゃんをテーマにした構成が面白い。
最後にもっと爽快感があればより面白いと思った。

梅棒を彷彿させる雰囲気で
最後まで楽しめました。
観劇後はパッピーな気分で帰れます^_^♪

光と虫

光と虫

劇団大阪新撰組

ウイングフィールド(大阪府)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

満足度★★★★

コロナで国からの指示で、海外帰国者はホテルに軟禁されていた時の、隣部屋との人とのやり取りの話 
3つのシーンが上手く折り重なり話は進む 
LGBTを絡ませたり、戦争そして自分のやりたいことを中年になりみつけた人達がホタルをきっかけ?として繋がる
光はホタルの交尾の光であり、青い光はトンネルの光 色々な色の光が有り、その光は良くも悪くも綺麗なのであった

半省

半省

吉岡大輔生誕40周年記念公演

千本桜ホール(東京都)

2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

想像していたものとは違いましたが、
観て良かった。

まとまりがあって皆が同じ方向を向いていて祖母さんがその脇をしめていて帰りは笑顔で帰れました。

とても良かったと思います。

ネタバレBOX

ドスのきいた声が本物っぽくてびっくりしたけどリアルでした。

主人公が罪を犯さず生きていてくれて、、本当に良かった。

お父さんはこれ以上の迷惑をかけないうちに早く天に上ってくれたらいいのにと心から思います。

本物の石をぶつけたくなりました。

これが実話なら40年よく頑張りました!!!これからは自分とお母さんを大事に。

或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

半省

半省

吉岡大輔生誕40周年記念公演

千本桜ホール(東京都)

2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

とても面白かったです。

とのまわり

とのまわり

山田ジャパン

シアター・アルファ東京(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いろいろ考えさせられるとても素敵な作品でした。
かなり胸に迫るものがありました。

ハイツブリが飛ぶのを

ハイツブリが飛ぶのを

なないろ満月

テアトルBONBON(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

夫(佐藤銀平)が失踪して一年、その空き巣に男(寺十吾)が入り込む。男女(野々村のん)が慣れたところで夫が現われる。さて、彼らはどう選択するか。何度も劇化された設定だが、この舞台は、シチュエーションを火山噴火の大災害後の避難住宅に設定し、「峠のわが家」と「浜辺の唄」という類似のメロディをもつ曲を絡ませて、小劇場エンタテイメントにまとめている。
こういう芝居ではもうベテランの域の横山拓也の脚本はずいぶん無理矢理の物語を会話の妙で引っ張りながら面白く見せる。見せられてしまうから、うまいのである。
こういう芝居では役者も重要なのだが、座組もユニークで作者は大阪(もう東京といっても良いが)の横山、俳優で出ている名古屋の小劇場作家(此も東京での活動が多くなった)佃典彦、それに演出も俳優も、の者寺十吾。主宰女優の野々村のんは青年座。演出の五十嵐明は青年座の役者(演出も時々)。バラバラで、結局それがこの異常事態以のドラマを生かしている。特に演技はメインではない寺十吾と佃典彦を脚本がうまく生かしている。佃は、ドラマに介入してくる第三者という無責任な役柄を快演して、この戯曲を支えている。最も今風な人間である。
面白くは見られる小芝居で、劇場満席は喜ばしいことだが、特異な設定なのに、横山らしいコクがない。だからドーだっていうの、懐メロじゃだまされないよ、というところもある。

或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

地下鉄のホームに閉じ込められ、外との連絡が出来なくなった一夜の話。
自分だったらとてもパニくるような状況で嫌だなあと思いながらの観劇。
謎な部分もありながらのラストだがさくっと見れた作品でした。

或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

説明や当日パンフにも記されているが、地下鉄の最終電車を待つホームでの不思議な出来事。地上からは見えない地下鉄のホームに閉じ込められた人々の、その外見から伺えない心の「ひっかかり」が交差するシュールな物語。役者陣は、見えない心を上手く体(表)現する好演。

謎の男が一人ひとりの心に語り掛ける。人生の歩みや目標に疑問や迷いを抱き、前に進めない人々へ 厳しくそして優しく寄り添うような描き方。閉じ込められた地下鉄ホームという密室(空間)状態、そして終電から翌朝の始発迄という数時間に紡がれる濃密な会話。と いうか心内の彷徨といった内容だ。

登場人物(職業)の設定が妙。一人ひとりの心情吐露がリアルで 共感してしまう。地上から見えない地下鉄、それに準えて 外見から何を思い考えているか解らない人間の本心を炙り出す。当日パンフに敢えて 回収しない伏線もあると。すべて答え合わせをするような舞台ではなく、「楽しく思考を巡らして」ほしいとある。そう言えば、物語でも その時々で自分で考え選択をしてきている、といった旨の台詞があったなぁ。
(上演時間1時間20分 途中休憩なし) 10.9追記

ネタバレBOX

舞台美術は、地下鉄ホームを思わせる大理石風の円柱と点字(視覚障害者誘導用)ブロックというシンプルなものであるが、状況設定には十分。客席側が線路ということで、ホームに閉じ込められた人々を俯瞰するような。冒頭 薄暗い中で謎の男を中心に、それぞれの人の顔をスマホのライトで色々な角度から照らし出す。勿論 怪しげな雰囲気を漂わすこと、登場人物の心を 色々な角度から覗き見るといった比喩を重ねたよう。まさに演出の妙。

終電を待つ人々、突然システムダウンでホームに閉じ込められてしまう。外部と連絡が取れず 不安になり右往左往する。1人の駅員が駅事務所へ連絡しているが…。人々は、週刊誌の記者2人(先輩男と後輩女)、会社員、フリーター、主婦、女経営者、劇団員、そして会社員(日替わりゲスト)と 職業も年齢も違う。

謎の男が現れ、夫々が抱える希望・諦念・悔悟や性格について話し出す。いや 謎の男の姿を借りた自分(幻影)と向き合う。謎の男は、向き合った人と関わり…例えば 会社員の学生時代の教師、女経営者のパートナー、主婦が苛めた同級生になり、思いを吐露させていく。そして時には厳しい指摘をする。週刊誌の男記者は、社会記者を目指していたが、今ではゴシップネタの記者に甘んじている。時事ネタをメモし、いつもカメラを持ち歩いている。

謎の男が凶悪犯に仕立て上げられ、縄で縛りあげられる。その様子をカメラに収めようとするがシャッターが切れない。今の仕事に甘んじ新たなスタート(シャッター)が切れないよう。他にも会社員のカフェ経営の諦め、女経営者と不適切なパートナーとの関係、虐めと悔悟、といった呪縛に囚われている。謎の男が縄から抜ける=呪縛からの解放といった描き。人は 必ずしも思い描いた通りには生きられない。また、夜中にバイトしているフリーター。時間通りに出勤しなければ という責任感(呪縛)、その柔軟性に欠けた息苦しさからの解放も…。人は いろんな思いに囚われ、それでも生きている。

SFのような雰囲気もあるが、もっと人の心の中を冷徹に見つめた心象劇といった印象だ。そして始発電車で新たなスタート(希望)が、そんな優しさが感じられる。
ちなみに 伏線回収について、システムダウンの原因は何だろう。そんな目にあったら怖い。もう1つ、日替わりゲストの会社員は、どんな役割を担っていたのだろうか。
次回公演も楽しみにしております。
とのまわり

とのまわり

山田ジャパン

シアター・アルファ東京(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
余命宣告された女と男、残された時間をどのように過ごすか といった重厚テーマ。しかし 観せ方は軽妙で笑わせながら考えさせる。公演は、死と どう向き合うかといった普遍的なことを取り上げており、それを当事者だけではなく周りの人々ーー家族や病院関係者(医師・看護師・患者同士)の目も通して描く。人は誰も一人で生きているわけではない、そんな思いが込められたタイトル「(~)とのまわり」であろうか。

余命宣告されたことで家を出る決心をした女 菊池加奈子、どうして幸せな家庭を捨てて姿を消そうとしたのか。男 守屋栄一も離婚し1人になって…余命宣告された者同士の思いは共通し、幸せだったがゆえに苦悩する。その理由が物語の肝。

終末医療、緩和ケアという内容は観応えあるが、それを巧みな舞台技術で支え印象付ける。勿論 余韻も残す。死という悲しみよりは、残り少ない人生(時間)をどう納得いくように過ごすか、といった前向きな描き方だ。テーマの重たさに反して、演出も演技も明るくカラッとしている。気が滅入ることなく、人間観察として観ることが出来る。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 10.9追記

ネタバレBOX

舞台美術は上手にベット2つ、下手に遠近法を用いた衝立に窓、その傍にソファと丸テーブルと椅子。客席側に別スペースのソファ。上部には電車の つり革とランプ。窓外の景色は青空に雲。全体的にスタイリッシュな作りといった印象。
冒頭、電車内のつり革につかまり、人間観察をしている従兄弟2人。

説明…余命宣告された女 菊池加奈子が、その3日後に「彼氏をつくる」と言葉を残して忽然と姿を消してしまう。長いあいだ苦楽をともにした夫や子どもとの時間を選ばず、人が変わったように最期を謳歌する加奈子。
偶然 家族に居場所が知れるが、最期を家族と過ごすことはないと頑な。勿論 守屋栄一も…。加奈子も栄一も幸せな家庭を築いてきたが、その幸せ(思い出)を持ったまま死ぬのは怖い。その<思い>を捨てるためには別人になって世捨て人のようになりたい?

病院(病室)内では、やりたい放題の加奈子と栄一。医師や看護師はその行動に翻弄され、また加奈子と同室の女性患者 沢田との揉め事にも頭を悩ませる。加奈子と栄一は夜な夜な密会しラヴ、沢田はエロ本を朗読し始める。死の恐怖と戦うような 飄々とした振る舞いは怖いもの知らず。ラヴとエロ本で笑わせるが、実は本音を探り合う強かなシーンでもある。

冒頭 つり革を持っているは、幸せを掴んでいるを表し、同時に人の心ー本音は知ることが出来ない、それが車内の人間観察に繋がるようだ。死=思い出の消滅ではないと思う。この物語は、余命宣告された人の観点を中心に描いているが、残された家族の<思い>はどうなるのだろう。最期に思わぬ行動をされたら、幸せだった家庭、それは幻影だったのか という疑心暗鬼になるのでは?その違和感に納得がいかないのだが。

舞台技術の巧さによって 印象的な情況と状況を浮かび上がらせる。例えば、エロ本を朗読する際には ピンク照明によって妖しさを煽り、沈痛・思考するシーンでは黄昏を連想させる橙色照明など、その効果的な演出は見事。またピアノによって落ち着きと安らぎ、その音響効果もよい。ラスト、第九交響曲第四楽章(喜びの歌)が流れる中、つり革を離(放)す加奈子と栄一の姿ーーそこに持つことが無(亡)くなるといった意を込める。見事な余韻!
次回公演も楽しみにしております。
OBACHAN

OBACHAN

NICO×frogs produce #関西の役者が踊ってみた

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ストーリー性にはもう少し手を伸ばして欲しいが、ダンス💃はキレキレ
皆笑顔が輝いていた 楽しめました
次回はアフターゲームはいらないので、ストーリー性を深く、時間をかけて欲しい‼️

とのまわり

とのまわり

山田ジャパン

シアター・アルファ東京(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シニカルでエッジの効いた笑い満載ながら、実にグッとくるヒューマンドラマですね。亡くなった家人のことを思いながら、色々と考えさせられました。

このページのQRコードです。

拡大