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時代絵巻AsH 其ノ拾弐『白煉〜びゃくれん〜』

時代絵巻AsH 其ノ拾弐『白煉〜びゃくれん〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

歴史ものが苦手な私なので理解ができるかと心配でしたがとても面白かったです。役者さんも上手いしストーリー展開も良く十分に楽しめました。
素晴らしいパンフレットもいただき何回も読み返して芝居の余韻と感動を今一度味わっています。

ボーダーリング

ボーダーリング

やみ・あがりシアター

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

価格3,000円

19:30の回(晴)。

19:02受付、開場。15人くらい並んだでしょうか?

ここは初めて。パイプ椅子席のひな壇、最前列は少し小さい。どういうわけか用をすませる(舞台下手に1つ)人の列が開演間近までとぎれない。

2年5ケ月で8公演目になるのに同じ会場を使わないのにはなにかこだわりがあるのだろうか。

舞台は白/黒模様の世界(徹底感が潔い)。

19:23前説、19:28は笠浦さんの前説(通路にも椅子をだします)、100分。19:34開演~21:17終演。

婚活のお話。

婚活(横糸)と忍者(縦糸)とのつかず離れずの展開とシーンの展開(再現)が巧い。

目立つ目立たない、消された気配(今でも空気を読む技として伝わっているらしい)、見ているもの、見たいもの、見ていると思っていたもの。

ゴールへ至る道の保証がない婚活ロードの悲笑/悲哀。

齋野直陽さん「鴉神話(2017/6@小空間)」。
蓮尾武治さん「スピークイージー(2017/12)」。
加藤さん、さんなぎさん、こうこさんは「マルカジット、マーカサイト」の抱腹絶倒女性陣。

軽快な口調で語られるお話にはたくさんの香辛料がまぶしてあり、お客さんの中には笑いの中でも胸の内を刺激された方もいらしたのではないかと。

就活にも似たような面がある気がする。

今回もさんなぎさんの瞬発力は冴えていました。

フランケンシュタインー現代のプロメテウス

フランケンシュタインー現代のプロメテウス

演劇企画集団THE・ガジラ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/13 (水)公演終了

満足度★★★★★

 板を囲む客席は、「を反時計回りに90度回転させたように設えられ、上演中の光源は総て、ほやの付いたランプであるから、仄暗く嫌でも想像力を高める。演技は、どの役者の演技も熱演、船を囲んだ氷山の崩れる音? か、時折轟く凄まじい轟音は、観客の身体をも震わせる。(華5つ☆)

ネタバレBOX

 先ず注目すべきは、ヴィクター・フランケンシュタインも怪物も女性が演じていることだろう。怪物が、己のアイデンティティーについて深く悩む中でヴィクターとの約束に至ったのは、己の相似物の創造であった。即ち同類の他者の創造である。Rimbaudではないが、凡そ存在を意識する存在が、自己の存在を正当化できるのは、他者に因って己が誰々であると認識される限りに於いてである。Je est un autre.なのである。Rimbaudは、天才であったから、通常Jeに対する繋合動詞êtreはsuisでなければならない所をわざと三人称単数のestと表現することで客観性を表しているのである。
 アイデンティティー問題は、何度も出てくるが本質は以上の点にあろう。だが、今作の呈示する問題はこればかりではない。アイデンティティーの揺らぎは、現代人の殆ど総てが抱えている問題であろうが、この揺らぎ故に現れ、各自の存在感を脅かすもの・ことこそ問題なのである。それを効果的に描く為にこそ、ヴィクターも怪物も女性が演じているのだとしたら?
 ここには、LGBTやジェンダーという極めて現代的な知の問題が提起されていると言えよう。アホな保守党議員などには想像も及ばないような微妙で本質的な問題が提起されているのである。
 他にギリシャデルポイのアポロン神殿に刻まれているという格言γνῶθι σεαυτόν(汝自身を知れ)やデカルトのCogito ergo sum.(われ思う故に我あり)などの科白も出てくるのは、今作が単なるゴシックホラーではなく、優れて人間的且つ普遍的なテーマに貫かれた作品であることを表している。メアリー・シェリーが原作を書いたきっかけが、例えバイロンに誘われ詩人のシェリー(後の夫)らと共にレマン湖畔で過ごした際に提案された怪奇譚創作の提案だったにしてもである。
 原作では、怪物は極めて知的であり、その知力によって、人間の未来をも昏いものとするに足る存在なのが、今作でも踏襲されている。このことは、現代の科学で制御できない技術が齎す危険を訴えると共に、作られた怪物が実は名づけようもない即ち社会の構成単位としては認知されていない何らかの存在でしかないという深く哲学的な問題を提起している。その存在が、極めて人間に似ていることからくる本質的問いは、人間の鏡としてである。従って、怪物がフランケンシュタインを名乗るのは偶然ではない。そして彼に関わる総ての人々を殺害してゆくことも。怪物は、己のアイデンティファイしようのない「存在」の非社会性を創造者・フランケンシュタインに体現させることによって、彼を己の鏡へと逆転させたのである。ラスト、怪物は冒険家から、フランケンシュタインの実験ノートを手渡される。怪物が彼の遺体と共に去ったということは、怪物がフランケンシュタインを生き返らせる可能性をも示唆していると言えよう。このことは、善悪の彼岸に於いて知の追及が為されるであろうこと、それが知を持つ生き物の業(カルマ)であること、そして新たに齎された知は、それが完全に制御されない限り、常に総ての生命を滅亡に導きかねない両刃の剣であるという事実も。だから、我々は思い出しておく必要があろう。デルポイの神殿に刻まれたもう一つの格言”度を越すなかれ”を。

ボーダーリング

ボーダーリング

やみ・あがりシアター

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/06/07 (木) 19:30

 面白いとは言えるのだけれど、消化不良的な面がある。最初は忍者のスギの婚活話かと思っていたのだが、後半は様々なカップルの有り様に話が移り、やや焦点が絞れていないのが残念。それよりも、演出が過剰に思えるキャラクターがいて(スギとか小夏とか)、そういうものに頼るより、会話劇に徹した方が、味が出ると思うのだけれどもなぁ…(^_^;)。

寿

寿

やまだのむら

スタジオ空洞(東京都)

2018/06/02 (土) ~ 2018/06/09 (土)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/06/06 (水) 20:00

 Bバージョン『ふじみちゃん』を観た。タイトルと当パンの記載から予想していたが、主人公の「ふじみちゃん」はやっぱり「ふじみちゃん」だった。脚本の木村(遠吠え)が愛の物語だと書いているように、確かに愛の物語で、よくできているとは思うけど、観終わって拾われていない/謎が解けていないエピソードが残るのはやや不満。笑える展開ではあるけれど…。

フランケンシュタインー現代のプロメテウス

フランケンシュタインー現代のプロメテウス

演劇企画集団THE・ガジラ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/13 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/06/07 (木)

7日夜の初日舞台(130分)を拝見。

ネタバレBOX

怪物との経緯を北極探検家のウォルトン等に語る「ヴィクター・フランケンシュタイン」と称する金髪の男こそが、実は「クリーチャー(怪物)」本人であったことを除けば、概ね、原作をトレースした作品。

「氷山に囲まれた探検船艦内での閉そく感、さらには、当時の欧州中心社会における非欧州人が感じた息苦しさ、を観客に体感させるための」意図的演出なのか? 会場内の冷房を抑えた蒸し暑い空気の中で、長時間の観劇を強いられた不快感は、あくまで個人的な事情として、満足度の評価には加味せずに、感想を述べれば

初日故か、熱演とはいえ、多くの役者にセリフの噛みが目立っていたこと

「北極探検船に氷山がぶつかる音」を様々な場面での効果音に多用するも、その大仰な・時代がかった演出に、途中から飽きが来たこと

の2点から、昨年の『ドグラ・マグラ』で抱いたのと同様の感銘を期待していた者としては、大きな肩透かしを喰らわされた気分だった。

隣席の聡明そうな青年のように、目をつむり、安穏に時を過ごしていた方が、あるいは正解だったかもしれない2時間強。
タイムトラベラー

タイムトラベラー

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイムトラベルものと言うと60歳以上なら「タイムトンネル(1966-67)」を思い出すだろう。トニーとダグの活躍を毎週ワクワクして待ったものだ。その第一回がタイタニック号であった。この舞台でもタイタニック号が1つのエピソードとして出てくる。「タイムトンネル」は大昔から未来まで行き宇宙人まで出てくるに及んでギャグドラマになってしまった。そんなにいくつも面白い話があるわけもなく30話も続いたのはすごいことだった。

さて、この「タイムトラベラー」ではタイムマシン製作者のイギリス人ジョン・テイラー伯爵が自分の家系を調べるために作ったという設定にしたので、時代は15世紀ヘンリー6世のころから現代までに限定される。そのおかげで(「タイムトンネル」に比べれば)しっかりと地に着いた話になった。過去を順に訪れてみると自分の祖先が結構立派なことをしているのに驚き、つい決定的なアドバイスを与えたりしてしまう。タイムパラドックスを一応気にしながらもどんどん影響を与えてしまうのはご愛敬。

祖先が皆、有名な事件に居合わせるというのはお芝居だから当然なのだが、これをどうやってエンディングに持って行くのかが現代に近づくにつれて心配になってくる。そこでジョンが明かしたタイムマシンを作った本当の意味を知って私は脚本のうまさに感動したのであった。

ミュージカル座は名前の通りに、素晴らしい歌声を聞かせてくれる。ダンスは現代的なキレッキレというものではないが、このステージにはピッタリのもので十分に盛り上げてくれる。フランスでのレジスタンス運動の場面では“「レ・ミゼラブル」のようでしょう”という煽りが入って、その通りで笑ってしまった。

珍しくポスターが売っていた。A2版(594x420)で500円。

最後に「タイムトンネル」が観たくなった昔の子供たちをがっかりさせることになるがDVDは英語音声版しかないのだよ。字幕もなし(泣)
*2023年に日本語音声版が出た(喜)

ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/06/05 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

熟成された感がありました。

ネタバレBOX

山奥の廃校で行われた女子校演劇部の夏合宿で、施設管理人が密かに栽培していた毒の実や大麻を生徒が見付けたことがきっかけに、女子校ならではの恋愛感情のもつれなども絡んで殺人事件が起こる話。

初演のときは衣装などに個性を持たせ、識別しやすくしていましたが、今回は基本全員セーラー服でした。より女子高生らしい魅力が強調され、女子校の雰囲気を味わうことができたとともに、ぶっ飛んだコメディ風雰囲気から、現実味を帯びた静かな恐怖を感じることができました。

初演時はたくさん死んだような気がしましたが、今回はそれほどは死にませんでした。
あたみ殺人事件

あたみ殺人事件

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2018/05/29 (火) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

【昭和残骸編】
「忠実な作品作りのノーマルバージョン」ということで、ほぼ原作通りですが、改めて台本を読むと、カットされた台詞(シーン)があったようですね。
“つか氏”演出の同作品は観たことが無いので比べようがないのですが、確りと“イデカラー”に仕上がっていたのは流石です。

寿

寿

やまだのむら

スタジオ空洞(東京都)

2018/06/02 (土) ~ 2018/06/09 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/03 (日) 13:00

Bチーム「ふじみちゃん」
アクションあるいはファンタジー系の作品でサブテーマとして時々出る、そしてσ(^-^)の好きな「アレ」を中心に据えるとはお見事。コミカルに始まりやがてシリアスに転じる流れや途中でイイなと思った台詞を伏線としての幕切れも巧み。
で、アレが食べたくなりこらえきれずソワレまでの間に某コンビニで3個200円のアレを買ってイートインコーナーで食したり。(笑)

ネタバレBOX

不老不死で愛した相手や自分を知っている人が皆先に逝ってしまう孤独・哀しみというのは、伝奇アクションものなどのサブテーマとして時々出てきて好きなテーマの1つではあるが、本作のようにそれをメインに据えたものは珍しいのではないか?(「ポーの一族」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」などはそうかの?)

「亡くなって間もない頃にきちんと悲しんでおかないと時が経ってから思い出した時に悲しめない」という台詞には思い当たるフシがありドキリとしたが、幕切れがそれを引いた形なのもイイ。
あたみ殺人事件

あたみ殺人事件

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2018/05/29 (火) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

【アマゾネス編】
女性の強さを前面に出し、時代にマッチした台詞や演出にイデ氏らしさを感じられる仕上がりでしたが、もっと過激でもよかったかなと思うのは私だけでしょうか・・・。
何れにしても楽しめた舞台でした。

エデンの園

エデンの園

Performing Arts Theater Company GEKI-kisyuryuri

KISYURYURI THEATER(東京都)

2018/06/04 (月) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

「エデンの園」はGEKI-kisyuryuriさんの公演3回目の観劇でしたが、演者さんが違うのと、本も少し変わっていたので新鮮な気持ちで見ることができました。

主演の大村さんのお芝居をはじめて拝見したのも、この「エデンの園」でしたが、感情を抑えた芝居が本当に見応えがあって、この人のお芝居をもう一度見たいと思ったものでした。今日、その感覚が蘇り、なんとも言えない気持ちになりました。

ファンタジックなまるで天国に来たかのような感覚があり、それでいてとても悲しい世界観は好きな方なら絶対入り込めるはずです。

相手役の真田理央さんは、とても声が印象的で、徐々に劇中の異世界?に自分が取り込まれて行くような雰囲気を上手く表現されていました。

医者役の戸田レイナさんは、患者のこと、患者の家族の事、それぞれの立場の人にどのように寄り添うか、苦悩しているように感じられて、ただ役を演じられているのではない、裏のお芝居が見て取れました。

ゆきむら

ゆきむら

劇団そとばこまち

近鉄アート館(大阪府)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/07 (木)

今回も期待を裏切らないエンターテイメントで魅了してくれました★と言っても【平均点】て訳じゃなくいつも【期待以上】のお芝居を魅せてくれるのがそとばこまちの最大の魅力やと思います☆殺陣、ダンス、お笑いで楽しませてくれてラストは熱い人間ドラマで感動させてもらいました♪

ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/06/05 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

犯罪史上名高い大量殺人事件の犯人を「同席させて」舞台が始まる。
女子高生のまっすぐな身勝手さと、孤立を恐れる気持ちが交差する。
期待していた人に裏切られると、身体のどこかでじわりと殺意が芽生える恐怖。

ネタバレBOX

携帯の電波も入らない山奥に、合宿のため女子高の演劇部がバスでやって来る。
途中部員のひとりがバスに乗り遅れて、到着してから大騒ぎになる。
ちゃらんぽらんな顧問の教師、ツンデレの演劇部長はじめ、
全員が何らかの思惑を持って、誰かを観察しながら行動している。
そんな中、部屋の隅に“その男”を見つけたのはキコ(藤本紗也香)だった…。

懐中電灯を頭につけたあのいで立ちで客席から登場し、部屋の隅にうずくまる男ムツオ。
津山事件の犯人の名前は都井睦雄、バスに乗り遅れた生徒の名前は都井。
そう思って当日パンフの人物相関図を見ると、登場人物は全員
世を騒がせた殺人事件の犯人と同じ名字を持っている。

偶然合宿所の管理人の男の秘密を知ってしまった生徒が彼に襲われ、
目撃した生徒も襲われ、ついに殺人事件が起こってしまう。

「好きな人が幸せになるのも、不幸せになるのも見たくない」という生徒の台詞、
最初に、大好きだった祖母の首を斧で切り落とした睦夫の行動。
身勝手な思い入れが先行する彼らの行動は
勝手に他者に期待して、その期待を裏切る者は許さないという
自己中心的な点で共通している。
孤立するのを極端に恐れ、それを避けるためなら嘘をつくくらい何でもない。
時折笑いを織り交ぜながらイマドキの女子高生をリアルに描き
ふとしたきっかけで振れ幅が度を越せば、津山事件のようなことも起こり得る、と思わせる。

「あと10人くらい…」と言いながら客席を抜けて去っていくムツオ。
その思いを受け継ぐかのように、懐中電灯を頭に付け日本刀を持つキコとユキ。
二人がこれからどうするのか、教師と部員たちに制裁を加えるのか、
というところで舞台は終わる。
女子高生の誰もが煮詰まって爆発する可能性を秘めているところがキモ。
その爆発の連鎖が見たかったかな。
殺戮シーンが見たいわけではないが、隅からじっと見つめるムツオの不満が
彼女らに乗り移るような相互交流がもっとあればと思った。
キコとユキがラスト、津山事件を思わせるいで立ちで出ていくのが若干唐突な感じ。

キコを演じた藤本紗也香さんが巧い。
とらえどころのない浮遊感があって、存在感大。
ヤバいことをしている管理人の松本役の野田慈伸さん、それがばれた時の
緊張感が素晴らしく、一気に客席も緊張した。
ひたむきで世間知らずで、でもしたたかな女子高生たちが、実は一番怖いのかも。
ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/06/05 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑っていいのか悪いのかという、歌舞伎でみられるざわつきを感じた。

レイニーレディー

レイニーレディー

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/12 (火)公演終了

満足度★★★★

「雨」がキーワードであるが、公演初日も雨であり情緒的な印象を持った。現実にありそうな展開であり、身近な問題として興味深く観させてもらった。
(上演時間1時間40分) 【Team葉】

ネタバレBOX

セットは、中央に段差と2階部を設けそれぞれ公園や病院の屋上等をイメージさせる。上手側は喫茶店内、カウンターやテーブル席がある。下手側には生垣とBOX椅子。空間の配色は、中央部は灰色(道路や建物)、一方喫茶店は木製の温もりが感じられるもの。この配色は物語の展開、演出に大いに関わっている。

梗概は雨が強く降る、ある日のこと。櫻井玲子は婚姻届を出しに市役所に向かう途中、信号無視をした車に轢かれた。そして足が動かなくなった。車を運転していたのは、広告代理店勤務の春田みゆきで、連日連夜の残業でぼんやりとした意識の中運転していた。赤信号だと気付いた瞬間には手遅れだった。2人のレディーに降り注ぐ絶望の嵐。彼女たちを取り囲む家族・恋人・友達の悲喜交々のシリアスヒューマンドラマ。

身近に起きそうな出来事を正面から捉えた物語。幸福の絶頂から不幸のどん底へに落とされた玲子(篠田美沙子サン)のやる瀬無い気持、その捌け口を加害者のみゆき(田中菜々サン)へぶつける。一方みゆきは事故後、2年経過しているが精神的ショック、玲子の激感情に耐え兼ね心療内科へ通院している。被害者は非のない自分が受けた仕打ちへの苛立ち、加害者はそれに真摯に対応すればするほど苦しくなる。その情景・状況が痛いほど伝わる。

みゆきを心配する恋人や喫茶店の人々。さらには心療内科の医師、看護師の助言が救いであるが...。喫茶店・吉村店長(加藤大騎サン)が自分の過去を語ることによって みゆきを励ます件は抒情的で心が打たれる。この温かさは舞台美術で引き立てられているようだ。被害者の「恨むことで生きられる」という俗体としての姿、一方加害者でありながら「生きることに疲れた」という側々とした姿を対照的・印象的に描く。その両者の心情を舞台技術(照明の諧調や雨音の音響)が情緒的に表す、実に上手い演出である。演技は限られたスペースで車いすの操作をするのは難しいであろうが、実に巧く操っていた。

少し気になったのは、自分の好みでもあるが探偵のキャラがお調子者すぎて浮いた感じに思えた。例えば恋人の前田隼人がみゆきにプロポーズするシチュエーションを店長やウエイトレスの夏美に協力依頼する微笑ましいシーンのような軽いノリの方が好かった。
もう一つ、初日のせいもあろうがダンスシーンが不揃いであった。このダンスシーンは役者紹介もあろうが、冒頭の玲子の結婚祝福、ラストのみゆきの幸せを暗示する、その喜び表現だけに調和してほしかった。

次回公演も楽しみにしております。
山茶花

山茶花

ENG

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ミニ「髑髏城の7人」という感じもする時代劇エンターテインメントである。とは言っても前半にダンスがあって、チャンバラシーンが多いということと時代設定が近いような感じがすること(向こうは秀吉の時代、こちらは不明)くらいで違っていることの方が多いのだが。もちろん客席は回らない(笑)。

初日から俳優さんたちの演技は完成度が高く安心して楽しめた。しかし、お目当ての那美さんの見せ場が少なかったということもあって、女優陣よりも何故か侘助の落語や演技に惹かれた。

しかし、3年前の「観てきた!」に書かれている、皆さんの不満点はそっくりそのまま残っている。素人とプロの見解の違いなのだろうか、残念なことである。

あたしのあしたの向こう側

あたしのあしたの向こう側

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/04 (月)公演終了

満足度★★★

初見で驚かされた分、今回はネタバレ状態で観るためか、インパクトが弱い。全体としてこじんまりとまとまってしまった感がある。それでも前田さんの存在感は半端なく、女性陣のパワーは変わらず強力だった。

時代絵巻AsH 其ノ拾弐『白煉〜びゃくれん〜』

時代絵巻AsH 其ノ拾弐『白煉〜びゃくれん〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/11 (月)公演終了

満足度★★★★

 真の主人公は、誰か?(華4つ☆)

ネタバレBOX

 幕開きは平家琵琶の音と共である。謳われるのは、日本最大の叙事詩、平家物語である。誰でも知っているその冒頭“祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらはす 奢れる人も久しからず ただ春の世の夢の如し 猛き者も遂には滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ”というアレである。今作、表向きは、頼朝、義経の父に当たる義朝が主人公であるが、この冒頭、そして史的人物評価の点から見ると、矢張り真の主人公は、後白河ということになろう。
 扱われた時代は、保元・平治の乱の頃であるから1156年から1159年辺りを中核とする鎌倉幕府成立前の一時期。権力の実権が、貴族から武士へ移行するきっかけになった時代ということになる。義朝、清盛も未だ若く、各々が源氏の棟梁、平家の棟梁となった頃である。天皇の実権が揺らぎ、上皇や摂関家は実力を互いに行使し合うことも、己の力と政治力だけでは最早困難となって千日手のような、三竦み状態にあったと見て良い時期、各有力者は、何かを目論見、実行に移す時、新たに台頭してきた武士階級に依存せざるを得なくなっていた。だが、制度及び権威は相変わらず貴族の側にあったし権謀術数も貴族サイドに牛耳られていた。興味深いことに、新興勢力である武士の意識も己が棟梁としての正当性を担保する為には朝廷の権威を必要とした点だ。桓武平氏、清和源氏という呼称を上げるまでもなく、その根底にあったのは、血の、即ち血統の優位性である。このような意味合いに於いて、日本という国の現代にも続く前近代性という特質は、顧みられねばなるまい。
 閑話休題。自分が今作の真の主人公だと思うのは、実は今様狂いの後白河である。彼の編ませた「梁塵秘抄」に登場する“遊びをせむとや生まれけむ戯れせむとや生まれけむ”は、今作の中で何度も繰り返される。双六も同様である。一方、囲碁や将棋も政治の駆け引きに散々用いられてきたことは、歴史の示す通りであり、今作では双六が用いられていることは一目瞭然である。
 第七十七代の天皇として即位した後白河は、己が、中継ぎでしかないこと、己のように高位な皇族にあっては、バカのふりをすることが生き残る条件であること、有為転変の憂き世を過ごすには、倦怠の直中で遊びに活を求める他に道が無いこと等々を実に良く知っている。その彼が、他者に君臨するに当たり一種のゲームセオリーを用いている点にこそ、彼の抱える地獄が現れているのであり、彼の命令の非人道性も単に時代や封建体制の産物というより、アンニュイという名の怪物の所為であると捉えたい。同時に彼自体、このアンニュイの中で、唯一の武器である知を用いる怪物として顕現している。
 以上のこと総てが、冒頭の平家物語に照応していると見るのだ。従って、自分の解釈では、後白河こそが主人公なのである。
レイニーレディー

レイニーレディー

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/12 (火)公演終了

満足度★★★★

【Team葉】観劇。シリアスコメディーヒューマンドラマということで興味を持ちました。シリアスでヒューマンなドラマでしたが、コメディーの部分は今ひとつ。見た目や面白い動作ではなく、会話の中で笑いを誘ってほしかった。篠田実沙子の熱演が光りましたが、やはり「話」に無理がある。上手く収まったように見えるが、もっとリアリティがほしいと思いました。

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