最新の観てきた!クチコミ一覧

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となりの事件

となりの事件

シアターノーチラス

OFF OFFシアター(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

 この劇団の、この視座でしか描けなかった世界。(華5つ☆)

ネタバレBOX

 メーテルリンクの「青い鳥」が冒頭をはじめ随所に挿入されて散文詩のような構成になっているのが興味深い。韻文詩と異なり、散文詩はその形式が比較的自由であるばかりでなく、散文の特徴である客観的事実や事象を描くのに適していることは、母音の矢鱈に多い日本語以外の詩について多少深い勉強をしてきた人間には当然の認識であろう。今作でもこの辺りの文学的事情が上手に用いられている。
というのもシアターノーチラスの作品自体が群像劇を標榜しているということがあり、現代日本を生きる普通の人々の微妙な生活感覚や他人との距離感、個々人のメンタリティー、時に個々人の中にある価値観やメンタリティーの強弱なども描き出して見せてくれるのだが、今作では特にこの辺りのホントに微妙で日本的な躊躇が齎す非行動の意味する所を、他の方法では描くことさえ適わなかった形で形象化してみせた。
 日本人には主体性が無いとか、自分の意見を表明しないとか、何を考えているのか分からないという言葉は良く聞く。喋らなければ或いは自己主張しなければ、存在自体を認められないような社会ではないからだと言えばそうなのだろう。然し、これは日本人の傾向として特にファクトに向き合おうとしない生活態度から来ているような気もするのである。何だかんだ屁理屈をつけては目の前の問題から逃げることばかり考えたがるのが日本人の特質なのかも知れない。早いうちに手を打たないから問題が肥大化して手が付けられなくなるのだが、そのような知恵はファクトと向き合い対決してきてこそ生まれる。最初からそこを無視して逃げてばかりいる人々には手遅れになってからアタフタする他に道が無いということも事実であるから。こんな日本人を彼らはと言えば、憎まれ口も防げようが、敢えて言っておく。日本人の大多数は、見ようともしなければ聞こうともしない。何を? ファクトをだ!
その結果がF1人災であり、加計学園問題であり、カジノ誘致問題であり、憲法9条を護る伊ことを主張しながら、沖縄に犠牲を押し付けることについては同時に問わない姿勢であり、ちょっと古い所では裕仁の戦争責任問題看過問題等である。
 何れにせよ、今作板上には正面奥に背凭れ付きの椅子が7脚置かれているだけであとはフラット。登場人物が必要に応じて椅子を板上に持ち出し、対話相手と適当な位置、距離を取って己の座る場所に椅子を持っていって座る。歩行や座った状態での演技が殆どなので、細かい表情や、決して大げさは無い科白の意味する所、科白と科白の間にある何かを如何に解釈するかが観客の作業である。
様々な襞に覆われ、認識の果てに不可知論に陥りそうな場所で、各々の登場人物が何をどのように考え、或いは感じ、どのように生きているのか? 各々は各々の生を本当に選んでいるのか? 選ばされているのか? そのどちらでも無く単に流されているのか? 流されているのだとすれば、その時彼らを流しているのは、何か? 等々多くの疑問が湧いてはシャボン玉のようにはじける現実のように物語は進んでゆく。或る意味とても恐ろしい物語である。そしてその恐ろしさは、頭の中身が無いムカデが己の進みゆく先を一切顧慮せず、絶滅という淵に只管進みゆくのみであるにも関わらず、己の行為の結果も、己の行動の簡単に予測できるハズの未来も、唯現実に向き合おうとしないことが原因で、必然的に起こる事実から目を背け続けることによって出来したという、自ら責任を負うべき事実を、己に突きつけないということに起因する怖さ、即ち想像力の残酷なまでの欠落を表す現実の怖さが示されている怖さなのである。

動物倉庫

動物倉庫

劇団サイドビジネス

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2018/10/12 (金) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

鑑賞日2018/10/12 (金) 19:30

価格2,200円

初日を観劇。
設定は現代らしいが作風は随分と昔風である。それを是とするか否とするかは観る人によって違うであろう。
鳥屋原理子さん、活躍していた

ネタバレBOX

演出面、演技面の古さがどうしても目立つ。作品としてどのあたりを面白く、良く見せようとしているのか、残念ながら私にはわからなかった
パパは死刑囚

パパは死刑囚

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

ふざけた社会派? いやふざけていませんよ。真面目なコメディです。難しい問題を扱っていますが、今ひとつ問題の突っ込みが足りないかな。最後の場面、やり過ぎです!

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/10 (水)

価格2,800円

好きな団体が好きな作品を演劇化するという盆と正月が一緒に来たと言おうか鴨が葱を背負って来たと言おうか、オレ得な企画。
「賢治complex」的に賢治本人の逸話や他作品も絡めた上にイマの現実とのツナギとなる人物(前説から経験談に話が変わって作品世界にいざなう導入部はOi-SCALE風?(笑))を配しながらも銀河鉄道の夜、ひいては宮沢賢治の世界観が保たれているのがステキ。
また、「雨ニモマケズ」=○○○○説や鳥獲りの「鳥」の表現も愉快だし、座面の下に明かりを付けた椅子が「夜っぽさ」を表現して巧み。

ネタバレBOX

「雨ニモマケズ」時限爆弾説:手帳に遺した「雨ニモマケズ」が死後に見つかり、それをきっかけに生前評価されなかった作品群が脚光を浴びることを目論んだ、のではないか?とする説
誤解

誤解

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/10/04 (木) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

文学座の若い演出家は思い切りよくこの戯曲の理詰めに集中していかにもフランス演劇らしい「理屈で行く」舞台になった。
原田美枝子、小島聖の舞台出身ではない女優が大健闘。ことに小島はその大柄な体躯を白の衣装に包んで舞台映えする。中盤、小島の独白に合わせてほとんどこれだけの大きな釣り布の装置を使ったシーンは見事だった。小林勝也も最後の一言だけの役だが、さすが若いころから唐の舞台に出ていただけであって、こういう芝居の決め所を知っている。
タッチとしては、文学座のアトリエのような舞台だが、やはり劇場でやっただけのことはある。しかし、中身としては何で今どきカミュなのか、それなりの理屈を聞いてもよくわからない。芝居としてはできているので、カミュもサルトルもやればできるだろうが、これで新国立劇場の新シーズンの幕開き、現代社会の課題・閉塞感からの脱出などと言われても、いい加減せぇということになる。60年前のフランスの現代劇じゃないか。
新国立劇場の新芸術監督、大丈夫かなぁ。ラインアップを見てもばらばらで焦点が見えない。抱負もこれまで誰もが言ってきたようなことで、これが文化庁の天くだりの言いなり、忖度でなければいいが。何だか自己陶酔的なビデオも流れていて、リーディングの製作形式にスーパーマーケットの大売り出しのようなフレーズをつけて悦に入っていたりするのは、中身が新しくもないだけに、本当に心配だ。新シーズンはまず自分でやるという気概も欲しい。

パパは死刑囚

パパは死刑囚

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度

個人的には、コメディ?死刑制度でふざけすぎ(ー。ー#)

ネタバレBOX

最後はグロテスク!気分の悪い帰り道…
夜を、徘徊。

夜を、徘徊。

ものづくり計画

萬劇場(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

劇場を確認するためにこのページを見たら、やけに☆が辛いので、よせばいいのにちょっと覗いてしまい、あまり期待しないで観ることにしようと思ったのがよかったのか、意外に楽しめました。

ネタバレBOX

観終わっての印象はオムニバス映画だなというもの。それでメインのストーリー云々と言われても困るだろうなとは思いつつ、それぞれの話のヒロインである4人が最初に集合して、結婚式の余興がどうのというところから始まるので、まあ分からないでもない。

映画であればどんどんカットが切り替わるだろうから、暗転でテンポを切らずに照明の切り替えだけでどんどん役者をハケさせるのも、そういうやり方だと割り切ってしまえばさほど気にならず。ただし今日は最後列に近い辺りで観てたので、前の方の席だと違う印象を持ったかも。

居酒屋の女の子2人はさんざんな言われようですが、身構えていたので、なんだ、そんな極悪でもないじゃんと拍子抜け(決して回りにいて欲しいタイプの子たちではないですが)。ただあの4人、25才には見えなかったなあ。といっても三十路でもなく、その中間ぐらいのイメージでしょうか。
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

観に行って良かった。下に電球を吊るした椅子が十二脚。殆どそれだけのセットなのだが、夢うつつの世界にいざなわれていく。ずらした句読点、妙なイントネーションで語られる宮沢賢治の世界。エッシャーの騙し絵からのインスパイアということでこちらも細かい部分にも勘繰ってしまう。『銀河鉄道の夜』の世界と一組のカップルの物語とが同時進行していく。ヒロインの藤田早織さんが綺麗だった。宮沢賢治論としても興味深い。敢えて欠落させている感覚が夢の中のよう。ラストのジョバンニが印象的。

想稿 銀河鉄道の夜

想稿 銀河鉄道の夜

ことのはbox

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/12 (金)

初日に続き、12日ソワレをリピート。

ネタバレBOX

個人的には、前回のB席より後方のL席だったので、舞台全体を見渡せたこと。
演じる側に関しては、ソロも合唱も、(声量自体が乏しい方も見受けられたものの)初日と比べて、声がよく通っていたこと。
以上2点から、前回より、更に高い満足感を得られた。

それにしても…
ダンサーの皆さんの技量の高さと、春名風花さんの「声の表情」の豊かさには、素直に首を垂れる思いだ。
誤解

誤解

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/10/04 (木) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度

総合で星はゼロ。つまらない。途中でうとうとしてしまった。演劇でこんなに眠くなったのは初めて。結末がどうなるというより会話劇が見逃せなくなるはずが、どうでもいいや、と思ってしまった。俳優もかるーい感じの台詞回し。そして、早口&カミカミのオンパレード。こちらが台詞の意味を理解する前に、次にいくので早送りを見ているみたいだった。ある演出家のシリーズみたいだが、何が演出されてるの?ってぐらい凄さもなにもない。ただそこにおいてあるな、という感じ。俳優が自分の台詞に酔ってないのはいい。しかし会話してるんじゃなくて、自分の出番のときに喋って大声出して、なにやってるか全くわからない。この戯曲のおもしろさがなにも伝わってこなかった。千円台の小劇団見た方がまだ楽しめる。
演劇の内容は好みもあるので博打なわけであってしょうがない。今回は大ハズレにあたったと思うだけなんだが、運営がひどすぎる。こちらの方が腹が立つ。国立と銘売って、国から資金が入ってるのにこのレベルの低さ。企画力のなさ。つまらない舞台やるならクラシックだけにしたほうが良い。無駄なスタッフの多さ。うっとおしいくらい、見張りのように大量にいる。の割に、接遇ですらない。チケット渡す入り口に6、7人。一人以外は黙って私のチケットを見つめていた。無駄。パンフ売り、一人がお金もらって、渡して、他の二人はそれを見つめていた。無駄。トイレありますかって聞いたらございますしか言われなかった。普通場所案内するでしょう。迷ってる人ちらほらいたのに座席案内もしないで突っ立って話しかけられるの待っている。言葉づかいもひどい。帰りの案内も何もなかった。ものをうりつけるばかりで。全く最初から最後まで不快だった。自販機でパンフレットとか物販を売り、改札機でチケット通してくれ。遅いし、多いし、邪魔だし、接遇もしないで仕事しろよ。本当に無駄。無駄に雇用するならチケットを100円でも安くしてくれ。こういう劇場や制作側があるから、演劇は時間とお金に余裕がある一部の人間の楽しみとされてしまっている。民間の劇場ならチケット代高くして、無駄な人を雇うのもけっこうだろう。しかし国立では許されない。自分達で適当に公演して劇場を運営するのではなく国がわざわざ予算を取ってまでこの文化事業を推進するという意味を考えてもらいたい。恥を知れ、と言っても言いすぎではない。ここの公演と聞いただけで、足が遠のく。

what's your destination?

what's your destination?

遊々団★ヴェール

TACCS1179(東京都)

2018/10/03 (水) ~ 2018/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★


輪廻転生、六界の新たな解釈と表現になるほどと思う。
張り出し型のステージで3面客席に傾斜をつけたステージも面白い。
役者さんたちも演技力が高い方が多く、現世から飛び出た世界観をきっちりホールドして、
この世界観を確立させている。中でもしおりさん?役のクセ者が特に良かった。
一つ残念なのはステージサイドの席からはバスの反対側の演者さんの動きが見えず、どんな表情で語っているのかを感じられなかった。
変形ステージならば各席からどのように見えるかもシミュレーションして演出してもよいかと。

パパは死刑囚

パパは死刑囚

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

重くなりがちなテーマを小ネタを挟むことで肩がこらないストーリーになったのが良かった。同学年である新郎新婦の違和感を感じつつ衣装チェンジが多いからか暗転が多く少し時間がかかりすぎのような。

ネタバレBOX

ラストの冠婚葬祭が同時に行われ曲とお経が同時に流れるのは何とも
生と死を表すしているようで良かった。
ラストの「アレ」が落ちてくる際静か目だったのはお客様への配慮でしょうか。
他劇団で同じ様な場面でもっと勢いよく落ちてきてビックリしたのを思い出しました。
秋の超収穫祭

秋の超収穫祭

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

脚本の構成力。役者の演技力。演出家の情熱。
何が特出したのかどこに要因があるのか、制作過程や稽古を見なければ解り得ないが
そんな事よりも舞台上で演じられているこの物語と飛び交う台詞が心地よい。
「いまこそわかれめ」眼の前で繰り広げられえいること、そこから想像すること、
帰途で思い起こすこと、様々に変化して面白さをぶり返す。気持ちの良い作品。
「日曜日よりの使者」は②度めの観劇となるが、やっぱり切なさが心に響き、ちょっと悲しくなる。どんな言葉よりも、見るべき1本

紅の月に導かれシは千年の―

紅の月に導かれシは千年の―

進戯団 夢命クラシックス

BASEMENT MONSTAR王子(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

三方客席の横側最前で観劇。音と光と演者さんの動きが絡み合ってすごい迫力。 不思議な世界観とリアルが混ざり合うお話もぐいぐい引き込まれる。

想稿 銀河鉄道の夜

想稿 銀河鉄道の夜

ことのはbox

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

舞台美術、照明により創り出される美しい世界
音響も素晴らしかった
台詞まで原作に忠実でありながら、随所にコメディ、歌と踊りを散らばめたミュージカル的舞台
ジョバンニ役の春名風花、表情含め素晴らしい演技

幻書奇譚

幻書奇譚

ロデオ★座★ヘヴン

新宿眼科画廊(東京都)

2018/09/28 (金) ~ 2018/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

65分の濃厚なお芝居。 ゾクゾク、ワクワクな展開に笑いも刺さってきて大好物な感じでした!
劇場の空間とも、とてもマッチした話でした。

エクストリーム湯けむり温泉バスツアー-Infinity War-

エクストリーム湯けむり温泉バスツアー-Infinity War-

大山劇団

新宿スターフィールド(東京都)

2018/09/21 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

コメディ、サスペンス。2時間ドラマ好きにはたまらない演出。 たくさん笑った!!

オブキ堕

オブキ堕

スキマニ

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/03 (水) ~ 2018/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/05 (金) 14:00

座席1階A列9番

価格3,500円

前評判どおりのノンストップ痛快コメディ。
ちょっぴりロマンスも。

ネタバレBOX

ゴスヨとシロを巡る後半のタイムスリップはするすると引き込まれたし、最後もきれいにしまっていた。
90分の中でしっかり人物関係を描いて、オブキ&ミネコ組に感情移入させる展開は流石でした。

そしてお目当てとはいえミネコが美人すぎてびっくらこいた。
声オタ的に言うと紡木吏佐さんも素晴らしい。
恭しき娼婦2018

恭しき娼婦2018

新宿梁山泊

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/11 (木) 19:00

座席1階G列20番

まず、タイトルなのだけれど、フライヤーや新宿梁山泊blogには「恭しき娼婦」とのみ書かれているが、こりっちや東京芸術劇場HPでは「恭しき娼婦2018」と書いてある。
この不統一は何ぞや。
フライヤーを見て行こうと思った私は、原作サルトル、翻訳芥川比呂志という記述と相俟って(多少の翻案はあるとしても)、このもはや古典劇をそのまま鑑賞できるものと思っていた。
だから、舞台の進行が当初から???になってしまい、最後自分なりに得心するまで、この話は何のこっちゃとなってしまった。これからご覧になる方には、冒頭から振りまかれている様々なパーツ(セリフや舞台装置)に気をつけながら観劇されることをお勧めする。20世紀初頭のアメリカの話でもありませんし、黒人も出てきませんから。

それで最後まで???だったとしても(案外、ご年配な方が多かったし)、一見の価値があるのは、出ずっぱりのサヘル・ローズ。
彼女の肢体、動き、仕草、ポーズを観、軽快で艶のあるセリフを聞くだけでも(少なくとも男性は)お金を払って観に来たことを後悔はしないと思う。
ちなみに、サヘルの役名も「サヘル・ローズ」で、彼女がイラン出身であることを暗に前提としている。

舞台はヨーロピアンな調度のアパートの一室。そこで、この話はてっきり欧米(原作ならアメリカの片田舎)の話だと思うのだが、実は日本(サヘルが裸足で掃除を始めるところで気が付かないとね)。そして、まず???が入る。(ネタバレへ)

ネタバレBOX

サヘルが掃除を始めるのだけれど、掃除機がコードレスなのである。

実はこの話、最近舞台で流行り?(「1984」とか「華氏451度とか)のディストピア物なのである。それもかなり近未来、おそらく今から10年程度の。

娼婦サヘルに甘言をもって近づいた男は、実は彼女が目撃した電車内で朝鮮人を刺殺した男の従弟。従弟を助けるために、偽証を求めに彼女と関係を持った。

さて、ここから出てくる事実に関する言葉と、架空の言葉。
関東大震災時の朝鮮人虐殺(直接「亀戸事件」とは言わないが)や、満州国の五族協和。
一方で「第二次朝鮮戦争」や、大量の難民・移民の受け入れ。

この物語の舞台は、山口県。(本州の片隅と言っている)
男の大叔父は、70年変えられなかった日本国憲法を変えて、戦争ができるまともな国にした歴史上偉大な人物。そう、安倍晋三のこと。男の名前は彼から一字もらって「シンゴ」(晋吾?)と言い、拘留された従弟は「シンノスケ」(晋之輔?)というらしい。
シンゴの父は、有力な地場の国会議員。

アジアからは大量の難民・移民を受け入れているが、彼らは富裕層に安く働かせられる召使となっていて、特に朝鮮人は「チョン」と呼ばれ差別されている。
大量の朝鮮人受け入れをしてやりながら、彼らは関東大震災時と変わらず、いつも盗みや悪事を働くことしか念頭にない、というシンゴ。

相手が朝鮮人であれば、日本人の罪は隠蔽されるのが当然で、朝鮮人が罪を犯したという風評だけで、集団リンチの対象となる。

サヘルの部屋に匿ってほしいと訴える(ここに、サヘルがイラン人という前提が通底されているように思われる)朝鮮人はこう訴える。
「町で見知らぬ人同士が話し込むと恐ろしいことが起こる」(集団リンチの前触れ)
「日本人はあることをないことに、ないことをあることにする」(ある=亀戸事件やもしかしたら慰安婦問題、それとない=朝鮮人の犯罪や劣等性)

そんな10数年後の日本。まさにディストピア。

ラストは、サヘルの部屋に匿われた朝鮮人は逃げおおせ(このことをサヘルに伝えるシンゴは多少の悔恨の情が見れるのだが)。
シンゴはサヘルを愛人として囲うことを申し出る。(ここも現代という意識からすれば、彼女がイラン人ということと通底していないか)

でも、サヘルがシンゴを銃で撃たず、首を絞めて殺すのはなぜだろう。
恭しき娼婦2018

恭しき娼婦2018

新宿梁山泊

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★

うーん、今の時代にこれをやるのはどうなのかな。
もともと、半世紀前にサルトルが書いた戯曲なのでけれど、白人と黒人の対立が類型的で、完全懲悪のように描いてる、わかりやすく言えば薄っぺらい作品なわけで、それをそのまんま当てはめたのだけれど、差別の奥深い闇まで描けてない作品になっている。表面的なヒステリックさだけで、それは演出家の方が思っている「思い」なんでしょうね。
この「恭しき娼婦」は状況劇場の旗揚げ作品(当時はシチュエーションの会)として1963年に公演されている記念碑的な作品。その当時は意味のある作品だったのだと思う。演劇も時代性が大切だと痛感した。
ただ、役者陣は熱演!素晴らしかった。

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