
おどる葉牡丹
JACROW
座・高円寺1(東京都)
2025/02/05 (水) ~ 2025/02/12 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
初見団体
もっと毒々しい選挙の裏側が描かれるのを想像していたが、なんかある種青春の葛藤って感じで面白かった。
タイトルは「なるほど!」と納得。
意外と清々しい観後感だった。

熱海殺人事件
カガミ想馬プロデュース
サンモールスタジオ(東京都)
2025/02/05 (水) ~ 2025/02/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
熱海殺人事件 ザ・ロンゲスト・スプリング
熱烈なつかファンでも熱海ファンでもないのだが…ついつい惹かれてしまう。
もはや様式美だよな。
いくつかの団体で観たがここが一番お気に入り。
4作同時上演で他も行きたいが難しいか…

カタロゴス〜「数」についての短編集〜
プロデュースユニット・カムパネルラ
劇場HOPE(東京都)
2025/02/07 (金) ~ 2025/02/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Aチーム観劇
オムニバスそれぞれの結びに意外性があり面白い!
ラスト、全てのエピソードが繋がりキャスト全員で足したり引いたり掛けたりと…人生と数字の関わりが印象的。
観て大満足の作品だった。

『ストレイシープ』
ウテン結構
六本木ストライプスペース(東京都)
2025/02/04 (火) ~ 2025/02/08 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初日観劇
夢現な世界の表現が面白くもあり心地よい。
一変、ラストのシリアスな展開が気迫の演技と相まって目が離せず。
いや、人生てそうだよな、と感じる良い舞台だった。

誕生の日
ONEOR8
ザ・スズナリ(東京都)
2025/01/23 (木) ~ 2025/02/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
人のリアルがなんとも悲しく、そして温かく感じる芝居。
あんなマスターのいるバーがあるなら、こっそり通ってみたくなる。
あのサイボーグみたいな人、彼が最も人間らしかったんじゃやなかろうか。色々とうらやましかったのかも。
実に心に沁みる2時間だった。

きみはともだち
果てとチーク
アトリエ春風舎(東京都)
2025/01/16 (木) ~ 2025/01/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初見の団体。
全てがリアルで無知が恥ずかしくなる。
升味さんの台詞に涙するも、モヘーさんの台詞で涙するのは違うんだと思い知らされる。
理解することではなく、当たり前という感覚すらない世界にならなければ…と思わされる。
とにかく観ることができて良かった。

なんかの味
ムシラセ
OFF OFFシアター(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
敢えて自分が書くまでもない出来であるからして他の方々にコメントはお任せ・・な気になるだけの「出来」であったという訳で。
今観たい芝居全て観劇できるとしたら本多劇場グループほぼ全館に日々通う事になるこの1、2週間のラインナップだったが、迷って選りすぐって一週の内に3日の下北沢訪問。その2日目は先日観た同じ建物の(左でなく)右の方。
ムシラセ・保坂女史の実リキを体感。出演が言わずと知れた実力派4名(内1名は若手だが先日のコクーン公演とまるで違う人物像を演じて堂々たるもの)というのも大きいのだが、脚本の巧さに今回は当てられた。
家の中でない場所で父娘の会話が始まっている。何故こんな場所?と訝る時間も与えず穏やかならぬ会話、親子の様子。そこへその場所を管理する者(要はスナックのママ)が登場し、さらに部外者のような若い風変わりな女子がバイトと紹介され、黙ってそこに居る奇妙さも先程から解決の見えない父娘の対話に背景化し・・。
こうした展開全てに理由があり、ある事を後の展開で謎解いて行くその途上に、(平田オリザ流に言えば)後出しジャンケン的な情報の持ち込みもあるが、これが後に必然化される。大きな事実が一つずつ、ある者の前で他の者によって、また別の者の前で他の者によって、解かれて行く。解かれた事実は一瞬にして観客の納得を得ている。
そして冒頭から見えていた(と思っていた)よくある風景が、最後には別物(実はここにしかなかった風景)に見えている。
観客が「あれ?」程度に判別できる小さな違和感の差し入れ方がまた巧い。

なんかの味
ムシラセ
OFF OFFシアター(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
詩、ひとつ書いたことがない素人が何だという事だけど、作り物の言葉は声に出されて耳を通るイメージがないと作り物のまま、なんだか違和感がある、生まれる。と思う。
はて、ムシラセは何を観ても好きだなぁと思う一つの理由はそこじゃないかと。
今作『なんかの味』。親子と、親子じゃないけど距離感バグってる人々の会話劇。そこに社会人御用達の回りくどい敬語なんてものはなく、反射レベルで思った通りの言葉をはく。なんなら家族でももう少し選ぶなぁと思うところがあるくらい素直に口から言葉が出てた。漏れてた。「Fおさえてみ?」。
ムシラセの言葉は作り物かもしれないが作り物のままでは無いのだ。生気が宿って、脚本から、演者さん達の声から有機物に変換された言葉が客席に届いてくる。そうすると親子の微妙な距離感とかバグったおばちゃんとバイトとのやりとりとかそんなんがちゃんと届いて観ながら自分の人生に反芻されて物語が心に残って豊かになって。
友達になりたいかはまだ分からないが、舞台の一部始終の外にいる登場人物達を街角で見かけて、楽しそうにしてるかしら?と気に留めたい。
お話しのままじゃおさまらない大好きが増える95分でした。

あゝ大津島 碧き海
若林哲行プロデュース
座・高円寺2(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
神風特攻隊や人間魚雷などの出来事は、史実の上では記録されているけれど、その裏で当事者のひとりひとりのことは埋もれてしまいがちで、でも彼らがいなければ、その出来事はなかったわけで
自分も含め、戦争を知らない人々が大多数の中、知っていかなければいけないと思わされました

なんかの味
ムシラセ
OFF OFFシアター(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前々から気になっていたムシラセ公演を初めて観ました。父と娘のお話。主人公と自分の年齢が近く、境遇は違えど、自分と重なり娘の気持ちもわかるし、父親の気持ちもわかるし、父と娘の会話は気持ちがきゅっとなるところが多かったです。その間にいるのがバーのママで、ママが話すと場が和み、笑いもありバランスのいい作品でした。そこで働く店員さんの最後の言葉はかっこよく、こころに刺さりました。
どの年代がみても、共感できる作品だと思います。多くの人に観てほしいなと思いました。

なんかの味
ムシラセ
OFF OFFシアター(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初日観ました。明日、リピート予定(リピートしました)。
入場すると、オフオフの舞台がスナック?になっていて、おおって思った。
初演(かなり加筆されてるらしいが)は、バー公演だったと知って納得。
小津安二郎監督の映画をモチーフとのことで、あの独特のテンポ感を再現するのかなって期待あったんですが。
そこは、そんなに拘ってない印象。
日常の一場面を切り取る感じで、何気ない場面の裏にある情感を感じ取るようなところは、そうかも。
中盤までは4人の役者は素敵だけど、特筆は無いかもな……って感じだったのですが。
今作は、ミステリー的な構成が効いていて、観てるほうがそうかも?やっぱり!って気づいたところで、感情の波紋が重なって広がる感じ。
こういう微妙な機微は上手いなあっていうか、作り手の優しさもあるのかも。
作・演の保坂萌さんは舞台写真家が本職だけあって、毎回、照明含めた光と影の使い方が上手いなあって思います。
4人芝居。こういう少人数による、密度の高い良質な芝居って贅沢。
ムシラセは、ややデフォルメは強いけどキャラが面白くて愛らしく。
敷居が高くなく、とても見やすいのも良いので、舞台観たことない人にもおすすめしたいところの一つ。
そして、リピートを推奨したい芝居。
きっと配信か円盤があると思うので、ぜひリピートして、2回目だからの発見や深まりを楽しんで欲しい芝居。

なんかの味
ムシラセ
OFF OFFシアター(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了
実演鑑賞
小津映画は詳しくないけど、どこか物悲しく、照明効果だけではなく、物語全体に陰影が浮き立つような印象を受けました。
じんわりした庶民感覚が心地よい帰り道になりました。
小津映画、みてみようかな

まつり
早稲田大学演劇研究会
早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)
2025/04/03 (木) ~ 2025/04/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/07 (月) 12:00
劇研アトリエで涙ぐんだのは初めてではないかと思う。
今日のアフタートークのはぎわら水雨子との主宰/作/演出 小島淳之介さんのやり取りに同氏の作品への取り組み方の真摯さが滲み出ていて感心しきり。
作品は年代的に判ったのが島倉千代子と久保田早紀(あれは本人ではないと思うが)と他少し。マンガや平成以降の曲、芸能のことはわかっていなく、金田ネタは知識として知っている程度。そして演劇を観出したのはたった 10年前。パロディがパロディと判らないもどかしさ。皆さんが受けているのを聞いてそうかこれがネタなんだなと 笑
オープニングのクロージングの舞踏の小気味良さ!
皆さんの役ごとの色彩が冴えていてその演技に引き込まれ、渾身のバカバカさの真剣勝負を楽しませてもらった。
涙したのは山に登るシーン。いきなり、でもなくて、茶漬けで、あれ?家を出て行くのかなと思っていたら、おんぶで、おお、そう来たのか!でした。
オタク役の方の演技が巧みなのだけど、最後の舞踏の時にもその役柄を反映させていたのには驚いた。

あゝ大津島 碧き海
若林哲行プロデュース
座・高円寺2(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/03 (木) 19:00
私は、天チームの回を観た。彼らは、将来の夢や希望に満ち溢れていた。
彼女らは、合唱に打ち込み日々に生きがいを感じていた。
昭和19年、第二次世界大戦末期。それまで仲間同士でお寺に屯し、草野球したりして楽しみ、青春を謳歌し、食糧が日増しに貴重になっていく中でよく食べ、よく喧嘩し、大いに笑いあって、寺に時々遊びに来る合唱部の少女たちと交流したりして仲良く過ごしていた。
しかし日増しに戦況が悪化して、あちらこちらで空襲の被害が大きくなるなか、少年たちは、一人また一人と、次々に意を決して、一人だけ陸軍航空部隊、他の草野球仲間は海軍に入隊した。暫くすると、彼らに特攻要員募集要綱が届けられた。
この特別作戦こそが「回天特別攻撃隊」ーいわゆる人間魚雷であるといった感じで、ただ純粋に野球が好きだった少年たち、歌うことが好きな合唱部の少女たちの内の一人は学徒動員で軍需工場勤務に行かされたりと、否が応でも平和な日常が壊され、戦争に参加させられていくという不合理さ、非情さが身に沁みて、感じられた。
特別攻撃隊と言うと、どうしても空の零戦で敵機に突っ込むイメージが強かったが、しかし実際は空だけでなく海の中で敵艦に突っ込む人間魚雷も海の特攻と言えると感じ、空だけでなく、海からも沢山の将来有望な少年たちが散っていったと思うと、何とも言えない気持ちにさせられた。
今回の劇では、回天特別攻撃隊に参加した少年たちが儚く、美しく散っていくというふうな描き方をせず、少年たちそれぞれが、恋人や家族、仲間との会話を通して、「死にたくない、生きたい」という切なる当たり前の願いと、「お国のため、天皇陛下(昭和天皇)のため、いやそれより何よりも恋人や大切な家族を守るために、日本がここで負けるわけには行かない」と言ったようなこととが常に錯綜し、思い悩み、でもなんだかんだ言っていざ特攻のために人間魚雷に登場して、発信させる直前になると、怖さや不安、生きることの渇望のほうが買ってしまうがそれでも、進まなければいけないという「生きる」という人間の生存本能を犠牲にしなければいけなかった時代を、社会を丁寧に描き切っていて、現実味があり、その少年たちが決して完璧にできていた訳ではなく、その少年たちにも青春があったことを考えさせられ、普通の少年たちだったんだと感じた。そう思うと余計に切なくて、涙が出てきた。そして、このようなことは永久にあってはならないことだし、風化させず、人が生きている限り、皆で共有し、忘れないで記憶に止め続けることが大事だと、心に深く刻み込んだ。
そして大事なことは、特攻という行為を美化しない。また、特攻に行く青年との儚い恋愛物語にしない。そして特攻を特別視し、完璧、死をも恐れぬと言ったふうに都合良く描かない。彼らだって、絶対に最後の最後まで一人の人間として思い悩み、死への恐怖に勝てない、超人でも何でもない、今を生きる私たちと同じ人間なんだってことを念頭に置かなければ、特攻で死んでいった人たちが浮かばれないと強く感じた。
だから、戦争が起こってはいけないし、平和や人権意識を強く胸に抱いて生きて行かないと感じた。第二次世界大戦の中の太平洋戦争下では、相互監視をし、少年までもが特攻という形で青春や将来を壊され、戦争に巻き込まれて死んでいく、こんなこと二度と繰り返してはならないし、絶対にあってはならないと感じた。
しかし、アフリカ諸国を見れば、しょっちゅう日常茶飯事に紛争が起こり、児童労働や児童婚が起こり、アジアでも似たようなことが起こり、中東やウクライナでは戦争が続き、ヨーロッパでは保護主義やポピュリズムが台頭し、テロがそこかしこで起こり、疫病が蔓延したりと、とても平和とは程遠い状況になっている。
そして更には、核禁止条約に批准しないどころか、増やそうとしている国だって複数出てきている。この壊滅的な状況だからこそ、私たち一人一人が第二次世界大戦の記憶、太平洋戦争の記憶、特攻隊が少年たちで編成され、本当は生きたいけれども死んで行ったこと。沖縄戦の悲惨な状況、日本が第二次大戦中に東アジアや東南アジアなどにした加害の歴史、そういったことを常に記憶として止め、関心を持ち、加害の歴史に関しては常に反省し、今生きる自分たちのやったことではないけれども、無関心にならず、真摯に向き合っていく。その上で平和を願い続けること、これが今のような不穏で先行きが読めない時代だからこそ、日本だって本当の平和とは言い難い状況になりつつあるからこそ、大事だと切に感じた。
また劇の中で、回天が一人分故障し、損傷が激しく、直せないレベルだったことから、一人だけ生き残ってしまったことを戦争が終わってだいぶ経って、お爺さんになっても悔やみ続け、自分を仲間を裏切ったんじゃないかと責め続け、その一方で、回天が故障して自分だけ敵に突っ込めないことが分かり、内心「これで生きられる」と思ってしまった自分がいたりする。 そういったことを女性記者に最初は気難しくて、話したがらないが、記者と交流するうちに段々と打ち解けて、心を開き、話し始める。
最後のほうでは、自分が回天特別攻撃隊で死んでいった仲間のことを戦後何十年もの間思い続け、自分が後に続けなかったことを悔やみ、少しの間でも自分が生きれることに心底安心したことに対して、自責の念に駆られていたこと、そういったかつての仲間や特攻の記憶を覚え続けてきたこと、仲間たちへの供養になるんじゃないかと言うようなことを女性記者に言われ、やっと心の重荷が軽くなるといったふうに描かれていた。
これほど、ただ生きたいということですら、戦争時、簡単に言うのが憚られ、普通に生きることができなかったかを考えると、私たちが今を普通に生きれることのなんと尊い事かと改めて考えさせられた。
また、出てくる役者が美男美女ばかりという訳ではなく、むしろそうじゃない役者が大半だったのは、その当時普通に生活する人々が巻き込まれていったことを考えると、良い意味で現実感があって、劇的な悲劇などでなく、日常の延長線上で徐々にただ普通に生きたかっただけの人たちが巻き込まれ、悲惨な最後を遂げたり、家族と離れ離れになったりしていく感じがリアルに見えてきて、その当時の状況が浮き彫りになって見えて良かった。
但し、特攻に行く人が、恋人とと通りで別れを惜しんで、いつまでも泣き合ったり、特攻に行く兄が妹や父母と長いお別れをして、悲しんだり、主婦同士で路上で戦争への愚痴を言ったりと言ったことは、現実的には出来なかっただろうと推察する。その当時、隣組が編成させられ、壁に耳あり、障子に目ありの状況で、更には官憲も跋扈していた状況で、そんなことは思っても、口には出せず、泣くことすらできない状況だったのではと感じた。そこら辺の時代状況、社会状況に対する細かい設定は、曖昧だなと感じつつ、特攻隊員たち一人ひとりに人生があって、夢があって、思い悩みながらもただ「生きたい」と切に願っていた。彼らも私たちと同じ人間なんだと思わせてくれる描き方には共感した。

熱風
Nana Produce
サンモールスタジオ(東京都)
2025/04/04 (金) ~ 2025/04/08 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
冒頭から深刻な状況なのに、それが非常にコミカルで、さすがにうまいと思った。
波風立てず平穏に暮そうとしているところへ、ありそうでなさそうであるかもしれない偶然をきっかけに家族が壊れて行くのだけれど、分別のある「立派な大人」たちが、時に対面を取り繕い、時に感情を爆発させ、それぞれが右往左往するさまは、完全な第三者である観客から喜劇に見える。
そんな、喜劇に見えるような状況の渦中にいる人たちは、それはもうどの道を選んでも悲劇にしかたどり着かない。
娘の、全てを諦めたような突き放したような態度の理由が、ラストの、窓から差し込む光に凝縮されているようで切なくなった。
あの狭いステージであのセットは驚き。
繰り返される旋律と、暗い照明もいい。
役者はみなさん本当に素晴らしかった。

インプロせぇへん?【2025年8月公演】
縁明企画
コミスタ神戸 310(兵庫県)
2025/08/09 (土) ~ 2025/08/10 (日)公演終了

地球は僕らの手の中
劇団十夢
キーノートシアター(東京都)
2025/04/06 (日) ~ 2025/04/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
A公演を観劇しました。
どんな展開になるのか興味津々でしたが、ラストは登場人物達の関係が繋がり、意外性もあり、良く出来た脚本だと思いました。
ちょっと全体的に早口で(演出?)台詞が聞き取りにくい部分がありましたが、役者さん達の一生懸命さが伝わってきました。
1日だけの貴重な舞台を観る事が出来て良かったです!

あゝ大津島 碧き海
若林哲行プロデュース
座・高円寺2(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/06 (日) 16:00
座席D列17番
価格5円
泣きました。大号泣しました。
カーテンコールの挨拶で、更に涙腺が崩壊しました。
今を大切に生きなくてはいけないと考えさせられました。

地球は僕らの手の中
劇団十夢
キーノートシアター(東京都)
2025/04/06 (日) ~ 2025/04/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
物語は、説明にある通り 銀行支店長になったその日に強盗に入られ、銀行強盗をした犯人が逃亡、さらにヤクザの事務所から大金を盗んだ三姉妹、その3つの話が収斂していく。話は 二転三転しアップテンポに展開するが、何となくご都合設定のような…。そして一発芸や漫才を所々に挿入し笑いを誘うが、あまり受けていないよう。何方かと言えば失笑。
一方、素舞台で緩い演技のように思えるが、光景や状況は想像できるところが好い。何故3つの話を繋げるのか、銀行強盗など危ない橋を渡らずとも大金を手に入れることが出来ると思うが…。何となく辻褄合わせをするため、いくつかの伏線がある。前提は その金額…ボソッと生涯収入は約3億円といった台詞がある。銀行から盗んだ金は2億円、ヤクザの事務所から盗まれた金も2億円、そこには繋がりがある。そして何故か支店長が或る方法で弁済(そんな義務はない)しようとする、その手段というか算段も…。
一発芸や漫才、そのお笑いを挿入するのが 劇団の特徴なのか。そうであれば もう少し工夫が必要。少しネタバレするが、銀行強盗後 逃走中に警察に包囲された。その際、面白く笑わすことが出来たら、包囲を解くという交渉をする。敢えて、滑稽な描きを本編に入れることなく、ドラマとしてストレートに描いたほうが楽しめる と思う。登場人物の裏があり、一癖も二癖もある設定が面白いだけに 惜しい。
(上演時間1時間30分 休憩なし) 【B】

地球は僕らの手の中
劇団十夢
キーノートシアター(東京都)
2025/04/06 (日) ~ 2025/04/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/06 (日) 13:00
支店長になったその日に銀行強盗に入られた、不幸満載男の「ダーリン」。
そして人の不幸が何よりも大好きな妻「じゅんちゃん」。
責任を取って夫婦心中しようとするが、話は思わぬ方向へ進む。
一方、銀行強盗をした「アニキ」と「サブ」は必死に逃亡。
犯罪を犯すにはそれだけの理由があったのだ。(それだけの理由は、サブが謎の女達に噴霧状の睡眠薬を振りかけられ、意識を失っている間に組の軍資金が謎の女たちの怪盗団に組織的、計画的に盗まれたので、組のお金の分を銀行強盗で得た金で取り戻そうとなる)
更に一方、ヤクザの事務所から大金を盗んだ「るい」「ひとみ」「あい」。
3姉妹は成功の余韻に浸っていた。
更に成功の余韻に浸って盗んだ金を3姉妹3人で分配しているところに、警官隊から逃げてきたヤクザ2人が、暫くの隠れ場所として、3姉妹を脅して居座る。だが、ヤクザの「アニキ」も「サブ」もお互いにこの3姉妹の内の2人と面識があり、お互いに言えない隠し事をしており、劇の途中で明らかになる。
さらに劇の終盤「サブ」を裏切った「アニキ」、3姉妹を裏切った長姉が車で逃げるのを、2人の姉妹とサブが車で全速力で追いかけ、3姉妹の内の末っ子の持つ車で逃げてくアニキと長姉をアニキの車に次姉が崖付近で思いっきりぶつける。そしてぶつけられたアニキの車に急に飛び出してきたのが銀行支店長の妻じゅんちゃんと言ったふうに3組が一堂に返し、3つの話が一つの物語に繋がっていく様が余りに見事で、華麗で、テンポが良すぎて、トントン拍子に話が調子良く進み、回収されて行っていて、現実はこうは上手くは行かないだろうと思いながらも、笑える場面も多かったので、大いに笑えて、その調子良く、小気味良い物語展開にスカッとして、日頃のストレスも吹き飛んだ。
しかも3姉妹が盗んだ金も、アニキとサブが銀行強盗で盗んだ金も、最後はちゃっかり意外な物語の最初に登場した1組の夫婦に全て持っていかれるという、そんなバカな、想定外で予測不能な、不合理だが良く出来た劇展開に息を呑み、観客の予想をも良い意味で打ち壊してくれ、途中のカーチェイスや騙し合いも馬鹿馬鹿しくも笑え、ドキドキハラハラのスリル感もあって良かった。
そんな群像喜劇が、劇が終わる頃には狐につままれた気分にさせられた。
笑いと緊迫感と馬鹿らしさ、全然先が読めない展開の均衡が見事過ぎて、感心してしまった。
また、ベタな芝居がかった演技でなく、過度に誇張しない役者たちの素に近い演技が、返って信用して、まさかこう来るかという意表をついた終わり方過ぎて、ただ、ただ、唖然とさせられた。
銀行強盗の場面やカーチェイスの場面や山間の崖に繋がる道路の場面、3姉妹の家の場面等で、能·狂言のごとくに大道具や背景、小道具を使わず、映像さえ使わないという(一部で大金が入ったバッグ2つや明らかに玩具の拳銃、ナイフが使われるが、それを除いて)在り方に、道具や映像を殆ど使わずとも、人の言葉や演技だけで、ここまで想像力を観客に膨らまさせることが出来ることに大いに感心してしまった。もっとも、表情力豊かで個性的、アクが強くてジェスチャーゲームで優勝できるレベルの身振り手振りで今どんな状況か、何を運転しているのか、どこにいるのかなどがひと目で分かり、よくできる粒揃いの役者ばかりで、物語も理解できるしと感心してしまった。決して美男美女ばかりではないけれども、完成度が高くて、なかなか見応えがあった。
やはり演劇は、見た目の良い役者やアイドル、声優から引っ張ってきて動員稼ぎにやっ気になるよりも、無理に舞台狭しと大きな舞台セットや中道具、小道具、映像を最大限使って、観客の創造力を摘むよりも、背伸びし過ぎず、地道に公演を殆ど何も使わずに表現し、作品の魅力や純粋に役者の演技力だけで評判を呼び、人が自然と埋まる、こういった在り方の劇公演のほうが、至極真っ当だと感じた。
まぁ、その代わり見た目や人気に頼れないし、舞台セットがほぼないし、場面を説明するものもほとんど無いので、観客の想像力に託された形となるので、説明的にならず、役者がどんな状況、場所かなどを観客が思い浮かべられるよう、さり気なく身振り手振りやちょっとした会話から分かるようにしなければいけないので、大変難易度が高くて、演技力も相当求められるものなので、役者にとって相当普通は磨かないと出来ない物だとは思う。天才を除いては。そう考えると、今回の劇団は笑いを自然に取るのも含めてプロの劇団の中でも高度な今どきなかなかいないプロフェッショナルだと感心した。