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ブアメード

ブアメード

Pave the Way

ブディストホール(東京都)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

 この聞き慣れぬタイトル・「ブアメード」は、ネットで調べた所19世紀オランダで死刑を宣告された政治犯の名前だそうである。

ネタバレBOX

街角を歩き回っても、英語は無論、スペイン語。ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、中国語、ハングル、その他種々の言葉の切れ端がいくらでも目に付く。無節操という他は無いのは、仏教徒が多いのに、結婚式は洋式が多く、神道形式も結構あるが、葬式は仏教形式が多いなど。無節操も此処までくると最早病気ですらないらしい。而も、看板や店名に用いられている各国語表記には、アクサンの無視や男性形、女性形の間違い、綴りの間違いなども枚挙に暇が無いのが日本の特徴だろう。深く考え根本的なことを発明・発見することに日本人は非常に弱い。現在のグローバリゼーションの只中で、いつまでも不況を脱却できない本当の原因がこの点にあるのだとしたら? (この点に関する答えは「バー・ミラクル」2度目の追記に書くので興味のある方はどうぞ)ということを考えさせもした今作。取り立てて社会の本質に対して鋭い切り込みをするというでもなく、どちらかと言えば表層で、それも人間心理の比較的浅いレベルで深刻ぶる内容では余り強いインパクトを与える作品は作れないのではあるまいか? 何より、作品として問題なのは翔の病が個人レベルの特殊性でしかなく般化できていないこと、月美も単に特異な症例でしかないことで、それが普遍性のレベルに迄深化・般化されない限り作品が真に観客を撃つことはあるまい。クイズに16進法が使われていたり、ラストの飛躍は面白く拝見したが。
朝のドラマ

朝のドラマ

劇団フルタ丸

駅前劇場(東京都)

2019/07/03 (水) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

朝ドラのヒロインに自分を重ねて、とか、朝ドラのヒロインに憧れて、とか想像しがちだが、そんな簡単に予想が出来る作品でないのがフルタ丸であり、フルタジュンの作品だとあらためて衝撃を受けた作品。

主役のナツコ役の篠原さんの笑顔が大変印象的であった。

ENCOUNTER presents Color Vol2

ENCOUNTER presents Color Vol2

ENCOUNTER

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★

それぞれ面白かったです。私的にはENCOUNTERさんと南塾さん、接戦でしたが個人的えこひいき(?)もあり、南塾さんに1票!

バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/04 (木) 20:00

Dry編。105分、休憩10分含む。3本の短編オムニバス。
全体として、お酒を飲みながらリラックスして観るのに適していた芝居。押されとともに会話劇を楽しめた。

『悪魔のかいせつ』
オチ的なものは最初から見えているけれど、男1の一人芝居的なのがいい。
『嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。』。
シチュエーションが物凄く切なくて痛い。自然な会話の切り取り方がよい。ラストは少し語り過ぎかな。
『力が欲しいか』
畳みかけるコメディの勢いが面白い。

MITUBATU

MITUBATU

なかないで、毒きのこちゃん

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/07/04 (木) 14:30

予想外に年配のキャスト(素敵な役者さんたち)が多いシュールな不条理劇かと思ったが、終盤パーツが集まって来て意外ときれいにまとまった
「きたないはきれいだ!」
まあ、下ネタ多いけどともかく面白いし・・・
これが“毒きのこワールド”なのか?

バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★

役者の表情のひとつひとつにクオリティの高さを感じました。

ネタバレBOX

『嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。』がとても観ていておもしろかったです。真実をなかなか言えない、言わない駆け引きにどんどんひきこまれました。いま、自分がその場にいるような感覚になるのが非常にいいです。2作品終了後に休憩が入るというタイミングは絶妙で、3作品とも集中力をもって観劇できました。ドリンク付きでゆったりとした配席でリラックスできました。
MITUBATU

MITUBATU

なかないで、毒きのこちゃん

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/04 (木) 14:30

価格2,500円

少し未来、あるいはこの世界とは別の発展の仕方をした別世界の下北沢、劇場跡に住み着いた面々、そして彼らと関わる人々が織り成すドラマ、
ヘンテコな人物ばかりなのに妙に人間臭くコクがあるのが不思議。終盤の「アノ曲」マジックか?(笑)

また、冒頭の小芝居、「いつもの手口か?」と思わせて……(ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

冒頭、妊婦とその夫が芝居を観に来るという小芝居が始まり、そのまま本編に入るのかと思いきや、スマホの電源に関する注意で終わり、一区切りつけてから本編だったが、実は本編ラストでその始まり部分が繰り返されるというシカケ。これ、上手いよね。

あと、終盤で「スタンド・バイ・ミー」を使うのはズルい。(笑)
バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

Sweet編を拝見しました。とても楽しめ2時間があっという間でした。

ネタバレBOX

シアターミラクルをバーに見立てた黒を基調としたシックな雰囲気作りが素晴らしく、あたかも自分がバーの中にいるかのよう。加えて随所にドリンク置場を配した細かな気配りがとても良かったです。
四作品ともそれぞれ良くできていましたが、個人的には「エモくてごめんね」が気に入りました。男と女が互いに相手を思いやり、その思いが結果として別れにつながる。というストーリーはグッときました。
エダニク

エダニク

浅草九劇/プラグマックス&エンタテインメント

浅草九劇(東京都)

2019/06/22 (土) ~ 2019/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

ロングランも折返し地点。鄭義信演出版「エダニク」を浅草九劇にて鑑賞の日がやっと来た。3度目になる同戯曲の観劇、関西人作家の作品をコテコテ鄭演出がどう料理するかが関心の中心であったが、序盤で吉本新喜劇路線全開、演出家の血は韓国以上に関西が強いのではないか・・との考えさえ。
ヒューマンなドラマと笑いには奇妙な親和性があり、鄭義信の舞台はこの笑いを極大化した中に発露するヒューマニズムが特徴、とも言える(かも知れない)。その特徴が果たして今回のこの戯曲とうまくマッチングしたか、が一つある。戯曲から笑わせ所を発掘し見せ場とする技はさすがである。ただ終盤、笑いからヒューマンへの転換にG以上の急降下を要する箇所では、胸にぐっと迫る場面への豹変を待ったがそこへ持って行けなかった。感動的な終演を狙っただろう照明(光量の上昇)もやや付け焼刃の印象。
鄭の「極大化舞台」の立役者となるには、3俳優の力量の総和はこれに及ばず、もしくはこの戯曲にその路線が正しい選択だったのかの問題は残ったと思う。

ネタバレBOX

公演も10日を超え、芝居も熟す頃合いと期待したのだが・・・舞台は「観客が育てる」もの、しかも唾も届きそうな小劇場、みれば平日昼間とは言え客席の殆どが若い女性である。ジュノンボーイ稲葉友の超デフォルメ演技に声の無い笑い(肩を揺らす)が起きる妙な空気感に、「育ててもこの程度」の原因を邪推したものであった。
終演後、二列ばかり後ろの座席に、先日目にしたばかりの「御大」の姿があり驚いたが、受付に並んだグッズを見て思い出した。役者の一人が大鶴佐助(御大の息子)、意外に巨漢で社長のボンボン役の秀逸な演技を見せていたが、ラストの予定調和なヒューマン場面では所在なげな風も。関西弁を連射する役に阿佐ヶ谷スパイダース・中山祐一朗が一人野育ちのような毛筋で、一切笑顔をみせず、お笑い生産面では真正面演技で健闘していた。
アシュラ

アシュラ

平熱43度

ワーサルシアター(東京都)

2019/07/03 (水) ~ 2019/07/15 (月)公演終了

満足度★★★

 キャストを態々3組に分けて演じる意味が良く分からない。一応、1人2役、小道具なし、瞬時の場転がウリらしいが。“阿”を観劇。

ネタバレBOX

 説明文からも分かる通り、基本的には例えば「ウェストサイドストーリー」のように「ロミ・ジュリ」の翻案と言って良いストーリー展開だから、筋についてゆくことは容易い。然し自分には引っ掛かる点があった。演劇は金が掛かる。それを回収しようということなのか、コマーシャリズムと創作サイドの間に齟齬があって、このような形の上演になったのではないか? と節々で感じたからである。ファーストシーンはラボで事故が起きるシーンなのだが、誰一人白衣を着ていないどころか、ブルゾンというスタイル。あり得ない。ましてこのラボは、遺伝子操作によって新たな細菌兵器を作る為のラボである。スクリーンがあるのだから、着替えが間に合わないのなら、予め映像を撮っておいてスクリーンえ流せば良い話。この時点で演出に大きな疑問を感じた。また、役者数が少ないので1人2役をやる場面が多いのだが、衣装をリバーシブルにしたり、何らかの印を着脱して(マジックテープを使えば簡単)人物の差異を示すなどの簡単な工夫も採らずに矢鱈場転を繰り返すので、演じ分けがスムースに行っていれば兎も角、それも出来ていないと、展開がワヤになる。オープニング早々、奥のスクリーンにダンスをしている役者名が投影されて役者紹介が為されるのだが、役者に当たるピンスポ以外にもライトが点くのでスクリーン上の役者名が目立たない。しょっぱな、こんな演出を見せられてはゲンナリしてしまう、といったこともあって脚本自体は悪くないのだがシラケてしまった。興業サイドと創作サイドが上手くいっていないのかも知れないが、そんなことも考えてしまう舞台づくりであった。
三人姉妹

三人姉妹

地点

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/11 (木)公演終了

満足度★★★★

全く斬新であっけにとられたまま終わる75分。九人の登場人物は、四つん這いで現れ、くんずほぐれつ、相手を変えながら、二人組で絡み合い転げ回りながら、コラージュされたセリフをしゃべる。

舞台の上には舞台はばほぼいっぱいの透明の2メートルほどの高さのアクリル板の壁がある。それを登場人物たちが力一杯押したり引いたりするのも、舞台の運動量をあげる。セリフは叫ぶような大声で、チェーホフと聞いて思い浮かべるような陰影はない。衣装も体操着のような動き回りやすい気能的なもの。韻を踏むような、単語を解体するような独特のセリフ回しは、音楽性の回復なのか、意味の解体なのか。

チェーホフの人物たちの抱えた鬱屈は、表面のベールを剥ぎ取れば、身悶えするような、熱いマグマがたまっているということなのだろうか。心理の熱量を肉体の運動量に変換してみせた。
まだるっこしい駆け引きでできた、19世紀ロシアの社交芝居を3時間見せるより、オブラートを全て取り去って、75分の悶絶パフォーマンスを見せるという潔さがすごい。観客に小手先の演技でなく、文字通り体を張って挑戦してくる。それが、意外にケレンに終わらず、じかに響いてくるものがあった。大音量の効果音やアクリル板を叩く大きな音もその点で効果があった。

MITUBATU

MITUBATU

なかないで、毒きのこちゃん

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

舞台が始まる前の観劇マナーの注意が良かった!本当に携帯の電源は切って!と切に思う。それでも今回も途中でメール受信の音が聞こえてきたし・・・すごく残念。早く携帯OFFが当たり前になるといいなぁ。
舞台はおじさん達の下ネタありで笑わしてきたかと思えば少し残酷な現実を入れてくるので見終わった後の印象が残る舞台でした。来年はスズナリだそうで楽しみ!

MITUBATU

MITUBATU

なかないで、毒きのこちゃん

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了

満足度★★★★

このお芝居が始まってしばらくはなかなか面白さについていけず、参ったなーと思いました。後半は少しほろりとさせられて見ごたえありでした。

MITUBATU

MITUBATU

なかないで、毒きのこちゃん

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了

満足度★★★★

かなりお下劣なのですが、掃き溜めに鶴のような美しい話でもありました。グッときましたね。

CINEMATIC

CINEMATIC

Lady Bunnies Burlesque

Studio Freedom(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/26 (水)公演終了

満足度★★★★

この類のダンス公演を観るのは初めて。
まさにエンターテイメント。(オープニングナンバーの時に思い起こしたのが、映画「ザッツ・エンターテイメント」)
華やか、賑やか、艶やか。
乗り切れなかった自身に反省。

ブアメード

ブアメード

Pave the Way

ブディストホール(東京都)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★

公演の魅力はミステリーサスペンス風として物語を牽引するところ。本筋は観応えがあると思うが、展開がやや散漫で冗長に感じる。少し枝葉と思われるような脇筋・場面をカットし、物語をシャープにすることでテンポも良くなり印象付けも出来るのではないか。
また、前作「あの鐘を鳴らすのはあなた」ほどではないが、やはり怒鳴り声というか大声が多く、本当に大声で激白するシーンとの区別、そのメリハリが効かないところが残念だ。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

大学のサークル部室内。張りぼてに白黒ペイントで絵柄を施したセット。中央にテーブルと椅子、上手側に別場所をイメージさせるスペース。全体的に白っぽい感じであるが、照明(真偽判定の際の照射)効果を意識した配色であろうか。

物語は、大学サークル内の人間関係を中心に自分と他人との関わり合いなど、表現し難い内容を浮き彫りにする。自分は友人から疎まれている、その被害妄想男・古幡翔(布施勇弥サン)と孤児院育ちで不思議な能力を持つ女子大生・伊地知月美(藤本かえでサン)を中心に織り成す青春群像劇。まず月美は人が嘘をついたかどうか分かるという能力を持つ。何となく妖怪覚(さとり)を思い浮かべる。人の心の内が分かるという点で共通していると思うが…。古幡は伊地知に好意を寄せていたが、その彼女は同じサークルメンバーと付合い始めた。2人の交際に古幡は疑問を浮かべ、悶々とした日々を過ごす。ある日、部室のテーブルに「お前たちの、秘密を暴く」と書かれた手紙が置かれていた。その夜、伊地知が姿を消し、彼女の行方を探すサークルメンバーが観た真実とは...。

伝えたいテーマは分かるし、楽しんで観てもらうようミステリーサスペンス仕立てにするなど工夫していることも解る。しかし描き方が粗く丁寧ではない。例えば、なぜ古幡翔が人間不信になったのか、原因なりキッカケが判然としない。これを描くことで苛めとの関わりの有無が鮮明になる。また興信所員兼アルバイトが探偵役になるが、ラストの月美との関係を表す伏線が弱い(この事件を格安で引き受けたことぐらい)。さらに月美の真偽の判定能力は一種の特殊能力のように描いているが、自分としては人に対する挙動の観察眼が鋭くなったほうが、より人間臭く魅力的に描けると思うが…。孤児院育ちを関連付けることが出来れば人間味を増すかもしれない、などが挙げられる。完全リアリティを求める必要はないが、ある程度の辻褄・納得性は必要だ。そうすることでバックボーンが明確になり人物造形に深味を増すことが出来るだろう。もっとも粗削りだが魅力ある公演があるのも事実だが。

公演の全体観は好きで、物語の展開や描き方も悪くはない。表層的と思えるような苦悩も人によって深刻さが異なり、人の捉えどころのない曖昧な感情を掬い上げ描こうとする試み。何が本質的で普遍的かはそれほど重要ではない。観客それぞれの面白いと感じるところは違うし、その最大公約数を求めるような公演を続ければ、劇団コンセプトが揺らぐ。
その上で、描きたい事(テーマ性)を明確に持ち、脚本は本当に必要な場面か、笑わすための繋ぎ場面(例えばサークル先輩OBとの遣り取り)なのかの区別(描き方の濃淡)、役者の台詞(大声が多い)の感情表現のメリハリなど辛口コメント(期待感を込め)はある。一方、真摯に公演に取り組んでいる姿(制作サイド等)も見ることが出来た。
次回公演も楽しみにしております。
ポリトゥスの蟲

ポリトゥスの蟲

クロジ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2019/07/03 (水) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっとレトロ感覚のSFダークファンタジー。なんとも切ない話ですね。ラストのライティングやスモークが印象的でした。

バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★

3編のテイストが異なる作品。しかし何となく連作のようにも思えてしまう。公演の魅力は上演順が絶妙で、それぞれの作品の味わいを引き出し、全体構成として面白さを倍加させているようだ。
飲酒しながらの観劇は至福のひと時。
(上演時間1時間25分)【Dry編】(途中休憩10分程)

ネタバレBOX

コの字客席で、どの位置から観ても面白さは伝わるだろう。劇場出入口近くにバーカウンター、中央に脚高のラウンドテーブルと椅子があるのみ。

「悪魔のかいせつ」(萩原達郎)
椅子に座ったまま柱に縛り付けられた男。気が付くとウイスキーボトルを持った女、床に倒れた男とカウンターに伏した女、どうやらどちらも死んでいるようだが…。男は記憶がなく、女は思い出さないほうが良いと意味深なことを言う。男は小劇場の役者で、女も同業だという。しかし男の貧しさに比べ、女は裕福な家の生まれで経済的には困らないと言う。ここに貧富の格差が見え、男の憤懣が浮かび上がる。女が出て行き、男の独白が始まると死んでいると思われた2人が起き上がり、男の回想を再現しだす。出て行った女との会話、死んでいた男による浦島太郎の話などから詳解するまでもなくメタファーであることが解る。その幻想もしくは妄想話が”性”を連想させる。

「嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。」(いちかわとも)
バーで離婚話をしている夫婦。妻は夫の隠し事を疑い、夫は素直に浮気を認めているが妻は納得しない。その様子をじっと窺うバーテンダーは2人の学生時代の友人でもある。妻が席を外した時、バーテンダーは夫に離婚したい真の理由を問うが…。夫は無精子症ではないが、精子数も少なくその運動力も弱いと医師から告げられた。妻や両親からの子(孫)授かり願望に応えられないという悲観した気持の表れ。その”生”への向き合い方の意識差を描く。こうアッサリ理解し合うと拍子抜けし、始めの深刻さはどうしたのかと思ってしまうが。

「力が欲しいか」(高村颯志)
飲み食い散らかして帰った客の後始末をしている従業員の脳に響く...「力が欲しいか」
それに対し興味のない返事に業を煮やして現れた悪魔。従業員のとぼけた言葉と悪魔の囁きは、すれ違って交わらない。人は誰かに怒りを覚えた時、咄嗟に「ブッ殺してやる!」と叫んだりする。決して本心ではなく、その場の勢いと鬱憤晴らしの暴言のようなもの。その虚言に反応したような悪魔の囁きは幻聴か夢想か...そこに本心ではなかった戯言に対する”正”もしくは”制”するような感情が働く。

2話目の夫の切実な生への思いと妻の包容力という現実的な会話劇を、1話目の性という妄想メタファーで暗示し、3話目で理性的な人間像を夢想させているようだ。この構成によって現実からの遊離・浮遊感だけではなく、地に足を着けた身近な内容に引き寄せる。そして何となく”命”という根源ワードを連想してしまうが…。
人間、アルコールが入ると本音や愚痴が出る、そんな設定のバー・ミラクル公演なのかもしれない。バーという狭い空間での濃密な、いや軽妙な会話劇は一時の安らぎであった。全体を通して人間の魅力なり面白さを観方を変えて表している。その表現を巧みに演出している上演順、その構成は実に見事であった。
次回公演も楽しみにしております。
バー・ミラクル

バー・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了

Sweet編を観劇。
同じバーで四つの話をやるのかと思ったら、全く違う四つの話でした。
それぞれ毛色が違い、良い意味で裏切られた感あり。
話は多少ジェネレーションギャップを感じつつも楽しく観られた。
客入れ、幕間のBGMはストーリーを意識しての選曲か、色々考えているなと思う反面、音量が少々大きく前説が聞き取り辛かったのてで、前説時に音量を落とす等もう一工夫欲しいところ。

ラプラスの改造人間(サイボーグ)

ラプラスの改造人間(サイボーグ)

ワイルドバンチ演劇団

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/06/27 (木) ~ 2019/07/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

6/29 18:30- の回を観ました。2時間30分の大ボリュームに最初は身構えましたが、蓋を開ければそれに相応しい大満足のSF大河でした。劇団の作風であるメッセージ性と人物・時代の十分な描写が合わさり骨太なドラマとなって顕現していました。

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