最新の観てきた!クチコミ一覧

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ターニングポイントフェス~関西小劇場演劇祭~

ターニングポイントフェス~関西小劇場演劇祭~

ターニングポイントフェス

ABCホール (大阪府)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

Bブロックを拝見しましたがそれぞれ違うテイストの演目でそれが全て面白かったです!そして観れないブロックも無料配信で観れる配慮や配信中も観る者を飽きさせない演出等全てにおいて「お客様目線」が徹底されてる素晴らしいイベントでした☆クラウドファンディングのリターンも想像以上のクオリティで支援して良かったと心から思える今年一番の良き一日になりました☆
こんな素晴らしいイベントを立ち上げたゲキゲキと参加された全ての劇団と関係者の皆さん、改めて素晴らしいフェスを有難うございましたm(_ _)m

初萩ノ花

初萩ノ花

演劇集団円

北とぴあ つつじホール(東京都)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/20 (日)公演終了

 松田さんの長崎三部作、マキノさんの『高き彼物』、
早船さんの『鳥瞰図』、蓬莱さんの『まほろば』などの
作品の流れを汲む、畳に座卓・ちゃぶ台の、茶の間を
舞台にした、家族の絆や葛藤を丁寧に描いている会話劇。

 笑いの要素に加え、あまり多くが語られない台詞(ただ、
劇団俳優座が公演中の『心の嘘(A Lie of the Mind)』のレベルまで
脚本に書かれていないことが多くなってくると、観る側として
やっかいで手強い作品になってしまうが)だからこそ
大切になってくる時間の移ろい、季節感や繊細さの表現に
一段と磨きがかかり、6年前のステージ円での初演の時以上に
作品に輝きと洗練さが増している感あり。

 姪の敦子との会話の中での、茂夫の台詞
「...触れちゃいけないことに触れねえとそれはそれで
大事なものは守れるのかもしれないけれど、それはそれで
人とのつながりが薄くなるんだなーなんて思ったんだ。
鈍感さってのは悪いことばっかりじゃないんだな。まあ、
時と場合によるんだけどな。ほらよ、俺たちは繊細だから。...」
が心に残る。

フランドン農学校の豚/ピノッキオ

フランドン農学校の豚/ピノッキオ

座・高円寺

座・高円寺1(東京都)

2020/08/28 (金) ~ 2020/10/03 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

価格3,000円

20日14時開演回の『ピノッキオ』(70分)を拝見。
イタリア勢&日本勢との共作舞台は、前作『旅とあいつとお姫さま』以上に、幻想的な舞台空間を創り出していた。
更にラスト、人間になったピノッキオの歓喜を、長い髪をなびかせながら舞う、辻田暁さんのパフォーマンスは圧巻!

ネタバレBOX

【配役】
ジェベット、火食い親方、キツネ、殺し屋、ウサギ、オウム、少年、ロバ
…髙田恵篤(たかた・けいとく)さん
劇場の進行役、ネコ、殺し屋、小男、サメ
…KONTAさん
ピノッキオ
…辻田暁(つじた・あき)さん
女、コロンビーナ、給仕、青い髪の少女、オウム、水瓶を運ぶ女、少年、ロバ、仙女
…森ようこさん
男、ものを言うコオロギ、プルチネッラ、給仕、ウサギ、オウム、ルチーニョロ、マグロ
…髙橋優太さん
カタツムリ、衛兵、バレリーナ、宿屋の主人、少年、ロバ
…田中真之さん
衛兵、アルレッキーノ、給仕、ウサギ、オウム、少年、ロバ、マグロ
…黒須育海(くろす・いくみ)さん
音楽劇「銀河鉄道の夜2020」

音楽劇「銀河鉄道の夜2020」

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2020/09/20 (日) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/20 (日) 14:00

130分。20分の休憩含む。

短篇集『会議家族』【9/20配信&アーカイブあり】

短篇集『会議家族』【9/20配信&アーカイブあり】

中野劇団

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★

『面白かった』で間違いないけど、公演時間的に4本は少し詰めすぎかもしれないけど、全て奇麗にに納得させられました。どれももっと展開や深みが出てきそうで、勿体ないというのが本音。どれも面白かったけど、短編で奇麗にまとまっていたのは『五歳児』が1番。日常に無茶苦茶を放り込んで仕上げる面白味。無理を通す様が最高。是非、長めで見てみたい。でも、最初の伏線が奇麗に回収されるのは気持ちいいです。

ReaDance  THE FOREST

ReaDance THE FOREST

WItching Banquet

ハーフムーンホール(下北沢)(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/18 (金)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/09/18 (金) 16:00

 太陽と月が少し擬人化されていて、人には太陽や月の声が聞こえないというふうになっている。そして、太陽と月がそれぞれが知っている物語を語りだし、途中で話が繋がっていって、話の結末に向かうという展開だった。
 少し幻想的な話だとはあらすじを読んで知っていたが、劇に出てくる謎めいていて不思議な少女が最後の方で、実は父親から性的虐待を受けそうになったり、それを拒むといきなり暴力して来たりの生活が嫌だし、怖かったしで、森に逃げてきたことが分かったり、男の子がその弟になるはずだった母親のお腹の中から産まれて間もなくに息を引き取った赤ちゃんを隣のおばさんが土に埋めたらその子も天国で幸せになれるだろうというようなことを聞いて、赤ちゃんを土に埋めるのは可愛そうだと思い、かつて産気づいたおかぁさんのためにオレンジを取ってきた森に、再び足を踏み入れるなど、ただのメルヘンにしては、かなり話の内容が重く、ホラーにしては妙に現実味が強かったが、ある意味で内容がショッキングすぎて、鳥肌が立ち、身体が凍りつく程、怖ろしかった。
 しかし、所々に入る太陽と月の掛け合いは程良く緊張感をほぐしてくれ、面白かった。

ターニングポイントフェス~関西小劇場演劇祭~

ターニングポイントフェス~関西小劇場演劇祭~

ターニングポイントフェス

ABCホール (大阪府)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

Aブロック オパンポンも面白かったけど、Z systemが衝撃でした。
つかこうへいのような熱量と大映テレビ?のような愛憎。

親の顔が見たい

親の顔が見たい

Art-Loving

APOCシアター(東京都)

2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

この作品は、いろんな劇団さんが公演してて、今回で3回目です。いっちばん良かったです。芸達者たちで、思わず涙ぐみました。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

タイトルが独特で、ハチャメチャな感じかなーって、一抹の不安を胸に観劇。いやいやちゃんとした芝居!ストーリーも演者も見せ方もめっちゃ良かったー!!

親の顔が見たい

親の顔が見たい

Art-Loving

APOCシアター(東京都)

2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

重い内容なので覚悟をしていたが、いつの間にか被害者側の立場で見ているようになってからは辛いやら腹立たしいやら・・・これも演者さんたちが上手いからだろう。ラストはまだこれから先が長いんだろうなぁと思わせる現実味のある舞台でした。

短篇集『会議家族』【9/20配信&アーカイブあり】

短篇集『会議家族』【9/20配信&アーカイブあり】

中野劇団

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★

昨年の『10分間』東京公演を観て以来、大好きな劇団。さすがに大阪まで遠征は難しく、今回は配信で鑑賞。「論理家族」「嘘つき」「五歳児」「遺言」という、何れも家族に関する短編4作品で、上演時間は70分ぐらい。もうちょっと観たいなあという思いと、生で観られないというもどかしさの両方が。まだ公演日が残ってるし、配信もアーカイブがあるので、あまり内容には触れずにこの辺で。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/20 (日) 14:00

ステージセットと衣装はポップでカワイかったが、ただでさえ生きづらいのにコロナ禍による社会の閉塞感でさらに生きづらくなった様子と、そんな中ならではの相互理解の大切さが現代日本と同時進行で語られる、なかなか社会派な内容でした。見ごたえあり。

海底で深呼吸する方法

海底で深呼吸する方法

東京軟弱野菜

SCOOL(東京都)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

正直よく分かりませんでしたが、独特な雰囲気の舞台でした。役者さん達の演技の上手さと不思議感も良く、不思議な世界に入り込んだような時間でした。

ハイキュー!!“最強の場所(チーム)”

ハイキュー!!“最強の場所(チーム)”

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

Kanadevia Hall(東京都)

2018/10/20 (土) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

熱い舞台でした!
TOKYO DOME CITY HALLで観たせいだったかも知れませんが、
実際のバレーボールの試合を観戦しているかの様な空間でした。

観客も熱く試合(舞台)に没入していて、敗者チームの礼にも大きな拍手が起こり、
客席も一体感が生まれていました(すすり泣きもたくさん聞こえました)

プロジェクションマッピングや舞台面が傾き回るなどの、
恐らくこの作品をいかに観せ、魅せるかというところにしっかりと注力されていて、
作品のクオリティとして非常にレベルの高いものが観られました。

ミュージカル「人生のピース」

ミュージカル「人生のピース」

青少年ミュージカル芸術文化振興協会

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/12 (月)公演終了

満足度★★★

オリジナルのミュージカルでしたが、出てくる楽曲は非常に聴き易く良い曲も多かったです。
日常の延長にもしかしたらこんな彼ら彼女らが本当にいるかも知れないと、そんな事を思わせてくれる作品でした。

ミュージカル初出演のオリエンタルラジオの藤森くんが、
誠実で真っ直ぐで実直な青年を好演されていてとても良い作品になっていました。
幸せな空気感に満ちていて、舞台セットのポップさも良い出来で観ていて全く飽きませんでした。
オシャレなセリフによる会話も楽しめて明るい気分になれましたので、またいつか再演を期待したい作品です。

音楽劇『Zip & Candy』

音楽劇『Zip & Candy』

音楽劇『 Zip & Candy 』製作委員会

俳優座劇場(東京都)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★★

W主演のお二人が、回替わりに2つの役を交代するという面白い試み。
作品も夢に溢れていて、ファンタジーの世界を十分に楽しめました。
また歌唱シーンも素敵な空間を作ってくれて、没入する事が出来ました。

ほっしゃんさんを始めとして笑わせてくれるコミカルな部分も多くあるのですが、
途中途中で差し込まれるちょっぴり寂しくなるシーンでそれぞれの役者さんが見せる表情が
グッと作品を深めてくれている気がしました。

この作品を幼少期〜小学生くらいの時に観て「世界は素敵なんだな」と思える子がいたら良いな、と、
そんな事を思わせてくれる作品でした。

ReaDance  THE FOREST

ReaDance THE FOREST

WItching Banquet

ハーフムーンホール(下北沢)(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/18 (金)公演終了

演劇でした。

ネタバレBOX

本来意味やストーリー等ないダンスが、朗読と組み合わされたら、意味を持ってしまった。パントマイムのように。
これはまぎれもなく演劇ですね。
拝啓、衆議院議長様

拝啓、衆議院議長様

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/18 (金) 14:00

座席B列7番

どういう評価を下そうか。
これを、古川健の糾弾として観る場合、彼が糾弾しているのは何なのか。その捉え方によって、見方は180度変わると思う。解釈としてどうあるかは別として、ここでの糾弾がいかに悍ましい「思考の停止」に対するものであるということなら、素晴らしい作品だとしよう。

ネタバレBOX

「優性思想」「障碍者差別」「被害者意識」「死刑廃止論」「介護労働の重篤さ」諸々の問題を、ごった煮にして、人間の平等、人間としての強さ、人命の尊重という体のよい美辞麗句のもと、思考することを放棄した自分に都合の良い解釈で、一人の人間の思考が抹殺される過程をこの舞台に見た。

 何と弁護団の醜いことよ。被告がなぜそういう考えに至り、こうした悲劇を生みだしたかを論ずるどころか、人間の平等を盾に、加害者を差別論者だと罵倒した上、意気揚々と死刑廃止論を謳いあげる。

 私は、加害者は日本の法律に基づいて、その「行為」によって、厳正に裁かれるべきだと思うし、彼の思考の文脈から言っても(本人が、遺贈への強い謝罪意識を持ち、安楽死についての在り方について自身気付き悔恨したとしても)情状酌量の余地はほぼないと思う。

 ただ、彼が定義するところの「心失者」は安楽死させるべきだ、という考えをそのまま、弁護士が神のように全否定し、死刑反対論という自身の主張の正当性のための道具にするということ自体が、まさに加害者に対する一方的な差別である。

 犯人の主張は、もっとその根源から見直されるべきだと思う。

 弁護士は、同僚の介護士の言葉を聞いて(夜勤で20名もの要介護者の世話をさせられる、痛みを伴う行為に対しても笑顔で返さなければならない、など)、被告の「コスト」という言葉の意味を顧みなかったのだろうか。それは介護に携わる人々が持つ苦しみのことに他ならない、と。
要介護者を押さえつける行為について、同僚は大変だと苦渋を込めてつぶやくのに、被告はそれを楽な行為だと言い放つ。仕事というのも、それくらいだけだからと。そこに被告が至った精神的な境地は見直されるべきではないのか。心を空洞にしなければ、そうした行為の繰り返しには耐えられなかったのではないかと。

被害者の家族の話にも、切に心に迫るものがあった。ただ、その声だけでよいのか。被害者家族の中には、被告の一刻も早い死刑を望む憎悪の声はなかったのか、あるいは被告の行為を憎みながらも、一方で介護から解放されて(経済的、精神的、肉体的)、心のどこかで平穏を感謝する声はなかったのか。

弁護士は、ネットで見られるように、匿名で無責任に誹謗中傷を垂れ流し、人を見下したり差別したりする風潮を、被告の行為の背景として特徴と位置づけ、意気揚々としてい。しかし、実のところ、弁護士自身が、よく相手の意見を聞い、それを理解しようとする寛容さに欠け、それ自体がネトウヨと変わらないことに気付いていない。
だから、彼は被告に「絶対間違っている」「強くなれ」と叫ぶだけで、被告の心に何も迫れないのではないか。
悲惨なことに、

荻野貴継の演技が秀逸。彼はいわゆる通常の思考を持った男がいかに、善意や理念によって、その思考の在り方のみで、まさに「差別」され、理解される機会さえも持たないかの苦闘をよく体現していたと思う。彼の人物解釈そして表現なくしては、この舞台に置いて上記のような視点は得るべくもなく、ただの死刑反対論者の人権もて遊びとして、星は1つにも満たなかったと思う。
 人間の寛容さを解くなら、被告が短気であったり、大言壮語を吐いたり、考えの詰めが甘かったり、頑固なところがあることをもってして、彼が異常な思考をもつ、大量殺人を犯した悪人だと決めつけてはならない。そんな言動をする隣人は山といるのだから。彼は特殊な人間ではないのだ。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

 極めてチャレンジングな作品だから、可成り好みが分かれそうだ。舞台美術もちょっとユニークな作りだし、演出も一風変わっている。ネタバレでは、少しだけ深読みしておく。観る前にネタバレは読まないでにゃ。

ネタバレBOX


 先に演出がユニークだと書いたが場転で爆発音のような効果音が轟く。タイトルに在るようにCovid-19 以前、現実に棹差す技術もリアルとヴァーチャルを区分する術も、またそれらを対象化し得る根拠律も喪い唯épaveの如く彷徨う世代。芯も無ければ真をも求めず、無明しか持たぬ哀れなヒトをこそ描いているように思われる。実際、世界に飛び出して暫くあちらで暮らしてから日本に戻るとショックを受ける。人々の目に輝きが無いことにである。もう20年ほど前になるが、世界最貧国の1つに赴任していたことがある、大人は基本的に堕落していて淀んだような目の人が圧倒的に多かったが、子供たちの目だけは輝き人懐っこく直ぐに打ち解けることができた。自分たちの屋敷は1000坪ほど、電気もネットも水道も通っていたが、周囲にはネットは愚か、電気/自家用発電機(年中停電が起きる為)、水道も無い。民衆の家は日干し煉瓦で円形の壁を作り、天井には植物を葺いてタイヤ等を重石としている。中は総て土をならしただけ、家長の寝場所だけがベッドになるよう長方形に土盛りがされ、中央に周辺から拾って来た少し大きめの石で組んだ竈が設えられている。燃やすのは枯れ木等、夜は竈の火が消えれば真っ暗である。蝋燭1本つけることができる家は裕福な部類に入ろう。こんな状況だから自分たちが住む屋敷の門灯の周りには陽が落ちると毎夜、近所の村人が集まってきた。貧しい以上、治安も良くないという側面があるから、ビビりの所長は銃を持ったガードマンを雇い入れていた。自分の安全保障策は、先ず子供たちと仲良くなること、子供たちと仲良くなれば親たちが自分たちを受け入れる素地ができるから。こうして門灯の下に集まる地域住民とも摩擦を起こすことなく身の安全を保つことができた。無論、我々の屋敷で雇っていたコック、お手伝いさん、運転手等は皆現地人だし、仕事で雇っている現地技術者、出入り業者もフランス語で謂うピエノワールを含め、現地の業者を下請けとしていたから、現地従業員と対で契約条件交渉や要望聴取と彼らの要望をできるだけ叶えるべく本社との交渉、現地所長との直談判なども散々やった。
 然るに今作で描かれている現在日本の若者には、自分が体験していたような己の頭で考え、考えた結果が正しいと思えば上司と喧嘩し、賄賂を要求する現地役人と喧嘩し己の力の及ぶ範囲で最大限現実を切り開くという当たり前のことが無い世界だ。生きている意味を感じることが出来ないのは寧ろ当たり前過ぎる程に当たり前なのである。
 ところでこのような無明を生きる現代日本の比較的若い人々が採り得る態度は、女性であれ男性であれ、その基本には本能が来る他あるまい。所在無さを常時抱えながら尚生きるような生き方は、生きながらの死に似る。つまり夢を夢見ることすら忘れた人間は、所在無さ故の地獄に於いて、奇妙にも最も根源的な本能の1つである性に逢着する他無い。無論、彼ら・彼女らをここ迄追い詰めたのは、画一を強制する教育や日本社会特有の同調圧力、それらに「抗する」為に形成された陳腐極まるステレオタイプ。だが、今作の主張はそんな所にはあるまい。若者たちの内面はとうの昔に壊れ命を新たにすること即ち“革命”もそれを為す為の最も基本的な態度としてのラディカリズムも根こそぎ収奪され商品化された今、最後に残された己にとっての自然・身体の昏く根深い本能的欲求に従うことこそが彼らに為し得る唯一の抵抗である、とは言えないだろうか? 上っ面だけ眺めるなら、彼らはそれこそ、乳繰り合いながらラアラアと日々を腐らせているようにしか見えないかも知れないが、この虚脱の央で、己自身の指向に気付きアイデンティファイして行く為にカミングアウトする行為・換言すれば裸形になる選択は、両刃の剣。言ってみれば、suicide bombingによって世の硬直した大人達に抗議する作品と捉えることもできる。場転に使われる強烈な爆発音は、その姿を暗示していよう。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

プロローグは、コロナ禍の状況を説明するが、物語はそこから斜め上に行くような恋バナへ展開していく。しかし、この恋の話は少し奇天烈のような…。説明では『性の《癖(へき)》と《壁(へき)》の話』となっており、表層的には自分の殻からの脱却(皮)と言うか恋に奥手または醒めた者の成長譚のように思えた。

チラシも不思議な図柄で、よく見ると 人の頭が便器でそこから花が咲いている。そして鎖が心臓らしきものも含め絡まっている。何となく”身の下”話で、心が何かに縛られている。その花咲きはハッピーエンドのような…あわわわー書き過ぎでネタバレしてしまう。褐色の汁ならぬ、冷や汗(💧)が垂れる。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、幾何学模様を思わせるセット。途中でいくつかの道具をそれとなく搬入し、時として現実的な場面を出現させる。

梗概は、説明にあるように隣室に引っ越してきた女性に一目惚れし、という”普通”の恋愛物語…ではなく、そこには隠された秘密がある。それは男女それぞれが持つ性癖。その秘密は自分の心を縛り、息苦しさを垣間見せるが、一方 秘密をカミングアウトしたことによって相手が心を閉ざしてしまうという滑稽さ。

本筋は、自分の心の解放、相手の心の拒絶という相反する気持ちが可笑しみを持って描かれる。一方、脇筋は女性達のありがちな恋愛観・結婚観を絡め、本筋の異常さを強調する。観客を飽きさせない巧みな構成、それが奇天烈な設定の笑いであっても十分楽しめる。

さて、コロナ禍にあって外出を自粛=2人(夫婦や恋人)でいる時間が長くなる。どんなに仲が良くても四六時中一緒にいることに息苦しさがあるような 無いような。自分には何となく適度な距離感(間)が必要だと言わんばかりのように思えた。自分勝手な、もしくは我儘を圧(押)し殺す。エピローグ…そこにコロナ禍の世相を風刺?する、そんな描きが透けて観える気がした。

役者陣は、実に生き活きと演じている。いまだコロナ禍は収束しておらず閉塞感漂う状況にあるが、そんなことを忘れさせてくれるハッピー?な公演であった。
次回公演も楽しみにしております。

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