脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。 公演情報 オフィス上の空「脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    プロローグは、コロナ禍の状況を説明するが、物語はそこから斜め上に行くような恋バナへ展開していく。しかし、この恋の話は少し奇天烈のような…。説明では『性の《癖(へき)》と《壁(へき)》の話』となっており、表層的には自分の殻からの脱却(皮)と言うか恋に奥手または醒めた者の成長譚のように思えた。

    チラシも不思議な図柄で、よく見ると 人の頭が便器でそこから花が咲いている。そして鎖が心臓らしきものも含め絡まっている。何となく”身の下”話で、心が何かに縛られている。その花咲きはハッピーエンドのような…あわわわー書き過ぎでネタバレしてしまう。褐色の汁ならぬ、冷や汗(💧)が垂れる。
    (上演時間2時間 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、幾何学模様を思わせるセット。途中でいくつかの道具をそれとなく搬入し、時として現実的な場面を出現させる。

    梗概は、説明にあるように隣室に引っ越してきた女性に一目惚れし、という”普通”の恋愛物語…ではなく、そこには隠された秘密がある。それは男女それぞれが持つ性癖。その秘密は自分の心を縛り、息苦しさを垣間見せるが、一方 秘密をカミングアウトしたことによって相手が心を閉ざしてしまうという滑稽さ。

    本筋は、自分の心の解放、相手の心の拒絶という相反する気持ちが可笑しみを持って描かれる。一方、脇筋は女性達のありがちな恋愛観・結婚観を絡め、本筋の異常さを強調する。観客を飽きさせない巧みな構成、それが奇天烈な設定の笑いであっても十分楽しめる。

    さて、コロナ禍にあって外出を自粛=2人(夫婦や恋人)でいる時間が長くなる。どんなに仲が良くても四六時中一緒にいることに息苦しさがあるような 無いような。自分には何となく適度な距離感(間)が必要だと言わんばかりのように思えた。自分勝手な、もしくは我儘を圧(押)し殺す。エピローグ…そこにコロナ禍の世相を風刺?する、そんな描きが透けて観える気がした。

    役者陣は、実に生き活きと演じている。いまだコロナ禍は収束しておらず閉塞感漂う状況にあるが、そんなことを忘れさせてくれるハッピー?な公演であった。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2020/09/20 13:07

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