諜報員
パラドックス定数
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/03/07 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
少々難解な作品。一度観ただけで全部の場面を理解できる人は少ないだろう。
この作家らしく、歴史上の実在人物や出来事から自由にイマジネーションを飛翔させて独自の舞台設定が作り出されている。特に今回は複雑で手の込んだ設定や人物キャラクターだった。そのへんが把握しにくく台詞もほのめかしに満ちていて、話が見えてきそうで見えてこず戸惑わされる。後半では、過去シーンで同じ俳優が同じ格好のまま二役やる上、誰と誰の会話なのかがなかなかわからず、混乱させられる(台本には話者の名前が書いてあるのでわかるのだが)。観る側に前知識(ゾルゲとか尾崎秀実とかコミンテルンとか)とかなりの注意力が求められる作品なのではないか。
一度観て、台本を買って読んで細かいところを確認してからもう一度観たら、なるほどと思わされる複雑で技巧的な作劇や俳優陣の細かい演技などを楽しめた(そういう余裕ができた)。ただ、二度観る人は少ないだろう。
あとのさくら
ここ風
「劇」小劇場(東京都)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
よく練られた脚本、感心する。笑いは薄いが桜の花びらが音もなく降り続けるその美しさ、一人のいなくなってしまった女性の面影をずっと追い掛けていく物語だ。台本執筆中に作・演出の霧島ロック氏の母堂が亡くなったという。それを知って腑に落ちた。奏でられるのはレクイエム。胸いっぱいの鎮魂歌。
看板女優の天野弘愛さんの魅力を作家は知り尽くしている。
『泣き顔でsmile 擦り切れてshine 踊るならrain
ピント外れの我儘Juliet』
(今ではダサい歌詞にしか聞こえないが何周も周るときっと好きになる)。
群馬の暴走族だった氷室京介はミュージシャンで成功しようと上京する。そんな氷室を追って来た女が美容師になって食わせてくれた。ままごとみたいな同棲生活、甘え切った日々。ある日、女は他に男を作って別れを告げる。氷室京介のラブソングはほぼその女への歌ばかりだ。自分のものにとても収まらない女、だけど自分のものだった女。
天野弘愛さんの演じるさくらはまさしくそんな女。どうしようもなく悲しい場面で満面の笑みを見せてくれる。
天野弘愛さんは8月に和歌山県の熊野本宮大社で『おぐりとてるて』のてるて姫をやるという。気になる。
香月健志氏はかなり痩せていた。最新型のオシャレ番長。
吉岡大輔氏のキャラは非常に重要なスパイス。いい味を足してくれる。ひたすらトイレ。
はぎこさんは橋爪未萠里っぽい強キャラ。
星出紗希奈さんは中舘早紀っぽい。
是非観に行って頂きたい。
いい旅、現実気分。
人間嫌い
小劇場 楽園(東京都)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かったです。期待と違った旅行。でも期待以上の経験が…見たいな感じで、ほっこりする内容でよかったです。旅に出たくなりました。
あとのさくら
ここ風
「劇」小劇場(東京都)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
何度か拝見しとても大好きな団体さんです。今回もここ風さんらしい内容でセットも役者さんの演技も素晴らしくとても面白かったです。過去と現在の時間の転換も見事でした。心暖まる優しい気持ちになれる時間を過ごせました。ありがとうございました。見るべき作品です
宇宙論☆講座 the BEST & the WORST
宇宙論☆講座
北とぴあ カナリアホール(東京都)
2024/03/14 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
前回の観劇からずいぶんと時間が経ってたみたいで(うなぎ以来)、行く途中コンビニ寄って柿の種買うの忘れてしまった。カメラは持ってったんだけど。
アルコールを控えてるので、シャンパンが飲めなくて残念。
初めて観たのが草なぎで、それ以来結構観てる。だからわかるシーンは多かったかも。
雨降りのヌエ
コトリ会議
扇町ミュージアムキューブ・CUBE05(大阪府)
2024/03/09 (土) ~ 2024/03/30 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日『第空話』『第糸話』、2日目『第形話』『第夜話』観てきました。
『第夜話』でとある事に気づいたので『第空話』『第空話』をもう一度見なければと思ってます。
いい旅、現実気分。
人間嫌い
小劇場 楽園(東京都)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日を観劇 劇団創設10周年記念公演とのこと
本劇団の客席は8割がた女性が占める世界
本公演は、JD3年生が春休みに抱える心情のゆらぎを綿密なフィールドワークと取材で裏打ちした作品
もちろん経験者あるあるではなく、全女性に対する繊細な愛に溢れた作品
岩井美菜子さんの作品は、全女性の心を癒す繊細な愛情により紡がれている
疲れた心を満たし少しでも暖かくなって家路につきたい、そんな女性たちは是非、客席に身を寄せてみてはどうだろうか
メビウス【ダイスキプロデュース】
ダイスキ合同会社
難波サザンシアター(大阪府)
2024/03/01 (金) ~ 2024/03/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
チームB 本番初回観劇。
堀部さんは可憐で芯のある女性に、清水さんは優しく情の厚い男性に、佐竹さんはそんな2人を少しポップな感じのダイスキメビウスに仕上げてた。
もう何度メビウスを拝見したのだろう…
6~7回目位?のメビウスだけど…何度観ても泣ける😢
良かった(初回のためか少し噛んでたけど…)✌️
📷タイム前に退席し、写真を撮れず、残念😭
初心者のための永遠
白いたんぽぽ
ウイングフィールド(大阪府)
2024/02/24 (土) ~ 2024/02/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
たんぽぽさんらしい不思議な空間!
(真ん中の敷居が邪魔で少し見づらい舞台だったのが少し残念)
直接会わない隣人、イワシと少年と水族館員、電車ですれ違う人とポスター…
全く関係ない話がシームレスに繋がり巡回する。
何が永遠で、何が初心者なのか…?
丸投げされて理解までは至らなかったが、何故か面白っ😆
茱萸の酒
劇団文机と熊
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽観劇。
物の怪に両親を殺された少女は仇打ちの為、怪しい3人の元へ…
ミステリーハンターならぬガッツリ中国版ゴーストハンター?
中華な世界観がふづくまさんらしく、アクション多数で見応え有り、面白かった😆
これで井上芯さんは暫くお休み?との事、寂しいよ…
お早い復帰願う🙏
ロボット‐RUR‐
兵庫県立ピッコロ劇団
兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)
2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
楽日観劇。
人と化学組成の異なるロボットが、人間の労働を肩代わりする世界のその先は…
100年前の戯曲だが、ロボット屋の世界では超有名!
初めてロボットと言う言葉を生み出した戯曲!
(日本ではアトムのお陰で「ロボットは友達」的な感じだが)この戯曲の影響で、欧米では「ロボット=怖い」と言う概念が根付くほど、エポックメイキング作品を拝見できて幸せ💕
少し宗教色もあってメチャクチャ良かった😃
ふるさとの灯
劇団カオス
大阪公立大学杉本キャンパス旧教養地区北食堂2階オアシス(大阪府)
2024/02/23 (金) ~ 2024/02/24 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
千秋楽観劇。
アットホームな民宿を舞台に、施設育ちの3人と、自分探しと訳有の宿泊客…
それぞれ親との関係に問題抱えながら真っ直ぐ生きようとする若者達に共感💓
泣いた💦ボロ泣きした😭
オリジナル脚本だったんですね。凄いです♪
終演後の卒業生と現役生の涙😭、卒業生、愛されてる💕
素晴らし卒業公演でした。卒業生の皆様、今までありがとう😆✨
御菓子司 亀屋権太楼
MONO
扇町ミュージアムキューブ・CUBE01(大阪府)
2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
経歴偽証疑惑の老舗和菓子屋、渦中の先代が亡くなり、心機一転CAME&GONEとして再出発するが…
兄弟、乗っ取り、コンプラ交え、部落問題の奥深さがじんわり後を引くように描かれてる。
MONOさんらしい、ペーソス😢とユーモア😆溢れる公演。
面白かった☺️
諜報員
パラドックス定数
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/03/07 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ゾルゲ事件に関連して逮捕された四人(一人はおとりで実は三人)のゾルゲ側諜報員が、お互い何も知らず(あるいは知らないふりをして)尋問に立ち向かったか、という話で、実話がベースになっているが、少人数の腹の探り合いドラマである。事件は複雑ではあるが、かなり事実もわかってきている歴史ものだ。それを背景に内閣情報部と特高警察の捜査の張り合いを枠にドラマが進んでいく。もちろん新聞記者や医者、官僚など、一応その時代でも身分保障されている諜報員は拷問しにくいし、なかなか組織の秘密は口にしない。内報者も潜入されている。ドラマはこういうシチュエーションで描く人間ドラマである。この手の作品を書いたらもうイギリスものの独壇場であるが、野木も懸命に追うが、かなり苦しい。
落とし穴は意外なところにある。細かく見てみたいところだが、その前に、この舞台斜めに組まれていて声が客席に向いていないだけでなく、ひそひそ声の台詞が多く、ことに幕開きの場はほとんど聞こえない。後ろから3列目でこちらも老年だから、申し訳ありませんというのはこちらかも知れないが、周囲の年配の方はすっかり諦めて寝落ちしていた方もいたから、こちらのせいばかりではない。次の場になると声量は上がる場もあって、以後は聞き取れる場と、聞き取りにくい場が交互にやってくる。話の背景はある程度知っているから訳がわからないわけではないが、舞台としてはどうだろう。
というわけでとても批評できるほどには見ていないのだが、老年の方は補聴器をお忘れなく。劇場パンフによると演出の野木は、普通の生活のようにと芝居がかる役者を憲明に抑えたと言うが、台詞が通るようにするのと、日常会話を表現するのとは、俳優の訓練術のテクニックである。折角面白い素材なのに残念。
アンドーラ
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2024/03/11 (月) ~ 2024/03/26 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
なじみのないスイスの作家の作品だが、著名な作品であるらしい。国家とそこに住む国民のすべての価値観や倫理観が同一であることは難しいもので、そこを統一させてドラマを作ろうとすれば無理が出てくる。スイスと言えばデュレンマットの「貴婦人の来訪」がよく上演されるが、それに似たタッチでもある。
きな臭い現状をみれば、永世中立国というのもウソっぽいよ、という作品はそれなりに意味はあるが、この程度のことはもう我が国の国民はご存じで、なにをいまさら、といった感じではないだろうか。休憩15分でほぼ、3時間、アトリエの椅子は苦行だが文学座の実力が良く出た寓話劇にはなっている。
作品の良いところは、あまり上部構造には立ち入らず、市井の市民を登場人物にしているところだ。国家が戦争をしようと言っても、国民の方は、さまざまな事情があるわけでそこが上手く描けている。役者も教師の主人公夫妻、阿呆の店の手伝い、神父、医者、宿の亭主など、皆ステレオタイプにひと味つけて役にしている。味のつけようもなかった武田知久とか、兵隊役の采澤靖起も舞台に出るとちゃんと役割を果たしている。この辺はさすが文学座。
疑問は主人公の兄妹をフィメールキャストでやっていることで、若手の女優さんは奮闘だが、意図がわからない。これでは大車輪の兄役かわいそう。
とはいっても、あまり見ていない新人の演出家(西本由香)はここまでベテランに個性をたてて役作ったのも、白一色の抽象舞台のステーよくできていて、文学座ガールズ(と言うにはベテランもいるが)演出家の一翼を担うだろうと楽しみだ.
いい旅、現実気分。
人間嫌い
小劇場 楽園(東京都)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです!!10周年です。ぜひ!!(帰ったら追記します)
初日だったので飛行機の到着が少し遅れてしまいました。技術的なこととのこと(リアルに飛行中だったら怖いですね)でしたが、かわいいCAのお姉さんの挨拶と説明でちっとも退屈しませんでした。
人間嫌いさんの作品は最近のものを2本見ただけですが、どこかに辛辣なところもあって普通(CMとか)なら「いい旅、夢気分」なのに「いい旅、現実気分」とは・・・(以下ネタバレ)
と言うわけでぜひご覧ください。10周年記念御朱印帳にスタンプをもらって複数集めるとプレゼントをもらえるようですよ!
ロウバジェットRev3
Dotoo!
駅前劇場(東京都)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/13 (水) 19:00
ベテラン劇団だが見るのは2作目。とても面白く、いい話。122分。
Rev3とあるように、2005年に初演、2012年に再演されている作品の三演だが、見るのは初めて。低予算の映画撮影現場のスタッフルームが舞台。さまざまなクセのあるスタッフや役者陣が見せるドタバタが、あるピンチに出会って…、という物語。よく練られた展開と、細かいギャグが面白いのだけれど、終盤の展開が見事で面白かった。
実は私と同じ「joの一族」である仗桐安が久々に舞台に立つので観に行ったのだが、しっかり演じて、しかもちょっとツライ場面があるのだが、大丈夫ということだった。面白かった。
「見させてもらう」「見させてください」というセリフがあったが、「見せてもらう」「見せてください」じゃないかな。
雨降りのヌエ
コトリ会議
扇町ミュージアムキューブ・CUBE05(大阪府)
2024/03/09 (土) ~ 2024/03/30 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/03/12 (火) 19:30
価格3,000円
5つの短編エピソードのうち「第形話」と「第糸話」を鑑賞。
特に「第糸話」は、初めてピタゴラスイッチを見たときのような静かな衝撃を受けました。
パンフレットに「人形劇」とは書いてありますが、さすがコトリ会議、ただの人形劇のはずがありません。
最初は一部音声は録音したものを使っているかと思いましたが、途中とちりのような感じがあり、終わった後に尋ねると「全て生」だったとのこと。
コトリ会議の「陽」の部分が全開の楽しい舞台でした。
諜報員
パラドックス定数
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/03/07 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
期待の劇作家・演出家による、ゾルゲ事件の劇化だったが、不完全燃焼に終わった。ゾルゲや尾崎など、直接の当事者でなく、事件を末端で協力していた(らしい)4人の男と、それを取り調べる2人の男。終始暗い舞台で、腹の探り合いのようなやり取りが多い。思想犯なのに、独房でなく、簡易ベッド付き(!)の隔離部屋。ベッドを使う回想場面の為にこういう作りにしたのだろうが、戦前の拘留施設にベッドはおかしい。そこは作者も分かっていて、特高を快くなく思っている憲兵隊が貸してくれた傷病兵の隔離部屋、ということになっている。なんと回りくどい。
警察の一部が、特高に反発し、対抗して取り調べるという設定も違和感が大きい。自宅や職場で逮捕した人間の顔と名前が一致しないというのも、ありそうにない。
アカの動向を探るためにキリスト教会に潜伏という設定も首をかしげる。戦前戦中、共産主義者は宗教を嫌い、普通は教会にいったりしない(と思う)。
一番の問題は、ゾルゲ事件の本体がよくわからないうえに、登場人物たちのゾルゲ一団での役割もほのめかし程度でぼんやりしていること。事件は共産主義を信じる者たちが、ソ連防衛のために結束したスパイ活動だったし、尾崎は戦争回避も願っていたと思う。にもかかわらず、木下順二がゾルゲ事件を描いた「オットーと呼ばれた日本人」のような思想的葛藤や強い信念がないのも残念。
戻り道に惑う
劇団太陽族
ウイングフィールド(大阪府)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
親に恵まれなかった家出した少女(中学生 役者はちょっと無理あったけど)を匿ったことで、未成年者略取及び誘拐罪で実刑を受けた男の話 男は過去にも轢き逃げで務所に入っていたことも… 務所では模範生で刑が短くなったものの、男の家族や兄妹は崩壊に…田舎独特のめんどくさい繋がり 少女は大学を卒業して何かを求める為にその男のところに戻ってくるのだが…
不条理であり、観る人の育った環境や場所によっては❓❓となるのかな
何かやるせない感が残った作品であった