劇団鹿殺し Shoulderpads 凱旋公演+abnormals 3作同時上演 公演情報 劇団鹿殺し「劇団鹿殺し Shoulderpads 凱旋公演+abnormals 3作同時上演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。Shoulderpads SP Japanese Version 「銀河鉄道の夜」観劇
    冒頭 菜月チョビさんが、挨拶として劇団草創期の頃の話をしていたが、この公演にピッタリのような。そう 「裸一貫」という言葉に相応しく、何もないが その向こうにある事が想像できる、そんなロマンを感じさせる。「銀河鉄道の夜」という不思議な物語だけに、舞台という虚構性の魅力、観客の想像力を最大限に引き出し 楽しませるのに相応しい。同時にジーンとくるものがある。

    自分が知っている「銀河鉄道の夜」に沿った内容…ジョバンニ(菜月チョビサン)とカンパネルラ(丸尾丸一郎サン)が中心になって物語を牽引し、それ以外の役者は1人複数役を担い 旅の世界へ誘ってくれる。この旅の中で、学び 絆を育み深めながら困難を乗り越えていく過程は、冒頭のチョビさんの挨拶を彷彿とさせる。台詞は 詩的で哲学的な言葉だが、情景は 漫画のコマ割(緩急)のように面白い。その一コマも見逃せない。

    公演の特長である〈Shoulderpads〉だけで、飛び跳ね、ムーブメント、フォーメーション、パフォーマンスといった動き 躍動感で観(魅)せる。また 手作り感のある小物を活用し色々な場景を紡ぎ出す。小劇場で 衝撃にして笑劇的な観せ方、俗用で言えば デジタルの時代にアナログ的な魅力、けっしてCGで代替できない手作りエンターテイメント公演だ。
    (上演時間1時間 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は暗幕に囲まれ、正面に豆電球の電飾ー銀河イメージ だけの素舞台。物語の展開(情景)に応じて椅子やビニールプールを持ち込む。

    公演は、ショルダーパッズとゴム紐だけで股間を隠しただけの、まさに この身ひとつで演ずるのだが、その表現力が巧みで情感に溢れている。表層(例えばチラシ)だけ観れば、キワモノのようだが、いつの間にか「銀河鉄道の夜」の世界観に浸っている。Galaxy Trainのノートを持って銀河を旅する。人間は素粒子で出来ており、どこへでも自由に行ける。カンパネルラは 見え(居)なくなっても、いつもジョバンニのそばにいる。

    原作は 抒情的な内容だが、それを体現するのが生身の裸体というアンバランス。そこに鹿殺しの独創的な物語を立ち上げる。小劇場では敬遠される水(川で溺れるイメージ)まで使用する、どこまでも場景はリアルを追求するような。
    次回公演も楽しみにしております。

    0

    2025/12/02 17:00

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大