
NO.4 『バクステ!3rd stage.~舞台裏にも「スタッフ」という演劇人がいる。~』
エヌオーフォー No.4
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/07/29 (水) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★
そうか、私たちが知らないスタッフルーム、バックステージではいろんなことが起こっている(かもしれない)のね・・・と苦労が偲ばれましたが、これからもそんなことは気にせず、目にしたものが全てと思って観劇します。
世代が違う役者気質が面白かったです。
1つずつ空けられた座席に着せられたTシャツがかわいかった。
マイクは使うけれどスタッフルームがない・・・どのくらいの規模の劇場設定なのでしょう。

殺意 ストリップショウ
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2020/07/11 (土) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
赤いブラジャーと赤いパンティという、あられもない下着姿の鈴木杏がまず痛々しい。役のためとはいえ、かわいそう。戦後の闇市の時代、引退公演のストリッパーが、自分が傾倒した進歩的知識人の戦中の転向と、戦後の民主主義の旗振り役への豹変に殺意を抱いた経験を語る。インテリのこうした表b編ぶりはよくある話で、新味はない。
三好十郎はこの程度かと思っていると、進歩的インテリの隠れた情欲生活が暴露されて、あっと驚いた。しかも、天井裏から覗くという、「屋根裏の散歩者」のような話。
ここまできてわかる、革命思想に対する作者の意地悪な視線とニヒリズムが凝縮された芝居だった。
1950年の発表からもずっと上演されなかったというのは分かる。観客も演劇関係者も共産党員やシンパが多かった時代、劇場にはかけにくかっただろう。
「聖人君子も一皮むけばただのスケベ」というのは、よくある人間観である。しかし、戦前戦後の転向・再転向という、こわばりきって茶化しにくい大テーマを、見事に下半身レベルに引きずりおろしたのにはびっくりした。見事なイデオロギーの解体である。脱帽。
演技はもう少し、卑猥さが欲しいというのもわかるが、上述したようなイデオロギー問題だけに、この直球勝負がふさわしかったと思う。鈴木杏の体当たり演技に、惜しみない拍手を送ります。マイク、録音など、一人芝居の「声」に変化をつけた演出も良かった。
2時間の一人芝居に、全く飽きることがなかった。(途中の平凡な話じゃん、という思いも含めて)

赤鬼
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★
海辺の寒村に、突然赤鬼(言葉の通じない異人)が現れ、パニックに陥る人々の動きがダイナミックで面白かった。足の長さの違う低い丸いテーブルを、足の枠と天板に分解して、洞窟の入口や、船など様々に見立てる趣向もうまかった。激しい嵐と、浜辺に遭難した3人を村人たちが見つけるシーンも、最初と、最後に繰り返されるが、巧みである。
友人は、コロナという「未知への恐怖」を描いた新作かと思ったと言っていた。異物排除というテーマも、患者や医療関係者などへの差別と重なる部分がある。
観た回はBチーム。とんび役の秋山遊楽が野田秀樹の甲高い声でちょこまかした演技を踏襲していて、面白かった。加治将樹は、前に舞台を見たことがあり、安心して見られた。浦杉恵子も、始まってすぐの群衆場面から、この人がヒロインだなと分かる華があった。姿勢が良く、凛とした雰囲気で、悲劇を背負うヒロインとしての可憐さがあった。
「赤鬼」は以前一度見た。当時は記録もとっておらず記憶はあやふやだが、ネットの公演記録からすると、2004年の野田地図番外公演の日本ヴァージョンだと思われる。

NO.4 『バクステ!3rd stage.~舞台裏にも「スタッフ」という演劇人がいる。~』
エヌオーフォー No.4
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/07/29 (水) ~ 2020/08/10 (月)公演終了

フスマノオトン
ツツシニウム
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2020/07/29 (水) ~ 2020/08/02 (日)公演終了
満足度★★★★
(ちょっと変わったところもある)ごく普通の女の子が上京しての日常を描いた作品です。
感染症対策は劇団6番シードさんの舞台でも使われていた客席間に飛沫防止シートを張る形で行われてました。

君とならどんな夕暮れも怖くない
劇団かもめんたる
駅前劇場(東京都)
2020/07/21 (火) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★
■100分弱■
全体におとなしい印象の一作。テーマの掘り下げに汲々として遊びが少なく、したがって笑いも少なめ。テーマもひと昔前のSFめいて、新味に乏しいかなぁ…

超空想科学奇譚『食用人間~トリコジカケの中華料理~』
亜細亜の骨
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2020/07/27 (月) ~ 2020/08/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
#亜細亜の骨 「#食用人間 トリコジカケの中華料理」7/27-8/2、中野区ウエストエンドスタジオにて公演。壁の外は危ない。前作「同棲時間」の台日関係に続き、今回はコロナの、そして中台関係の政治的寓話でもあろう。あと四日の公演とネット配信もある。おすすめ。#台湾演劇

『江本真里子一人芝居 × プロトテアトル』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2020/07/28 (火) ~ 2020/07/28 (火)公演終了
満足度★★★★★
四か月ぶりの火ゲキ。
個人的にも、四か月ぶりの観劇でした。
四か月ぶりの劇場でした。
結果、つくづく、観劇が好きなんだと実感しました。

赤鬼
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★
いま公演される演劇として、誠に時宜を得た舞台である。
NODAMAPの赤鬼の再演.1996年の初演は今はなきパルコパート3で、段田と富田靖子で見た。海外公演を最初から予定していたと覚えているが、野田にしては寓話性がはっきりしていて、90分の小品ながら、気持ちのいい公演だった。今回は、後半、かなり変わっていると感じたが、大枠の話の筋は踏襲している。25年もたっているから、時代に合わせ、複雑になっていて、ミズカネの役は単純なずるい奴から、現代的な融通のいい悪い奴になっている。これを河内大和が好演。知恵遅れの行き届かない弟の木山雅彬も塩梅がいい。前川知大の舞台で見た記憶のある森田真和の赤鬼も純なところがわざとらしくなくてよかった。初演はイギリス人がやったからそれだけで説得力があったが、今回のテーマである「異人」という役どころをよく演じている。問題はきっと評判がいいとは思う夏子の主人公のあの女で、真正面から乙女の武器全開で場をさらっていくが、本はもう少し複雑な設定になっている。村人の反発もそれなりの位置がとられているし本人の出自も単純ではない設定なので、この単純に押しまくる演技では、底が浅くなる。
周りを囲む円形舞台は初演を踏襲しているが衣装などはタイ版(だったか?)の白衣装を引き継いでいる。15人の登場人物が円形舞台で、動きもテンポよく「ここから向こうへ」のテーマを演じていく。コロナ騒ぎの中で未知のものへの対処を考えざるを得ない時期には適した公演だ。しかも、単純な解を求めていないところがいい。
見ていて、何か連想する舞台があったなと気になっていたが、帰りの電車で気が付いた。これは木下順二の「夕鶴」ではないか。戦後の混乱の中で上演された寓話劇と、コロナ騒ぎの中で上演された「赤鬼」。村社会の中で、別世界に生きるものに出会う、というテーマは同じである。そういえば野田は「夕鶴」の映画版にも主役の相手役で出ていたなぁ
劇場は席を半分にして、中央舞台をビニールで遮断しての公演。最初は嫌だなと思ったが意外に透明度もよく邪魔にはならないが、役者がやたら声を張るのはこのスクリーンがあるからかも。早く自粛劇場警察みたいな雰囲気のなかでなく芝居を観たいものだ。自粛で、この非常にうまく言った舞台でも4割引きくらいにはなる。やっている人たちはもちろんわかっていると思うが、舞台と客の間に大きな溝ができているのは事実だ。
、初演とほとんど同じ93分。

大地【6/20から初日延期】
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2020/07/01 (水) ~ 2020/08/08 (土)公演終了
満足度★★★★
三谷幸喜作品にしてはなかなかシリアスな展開が多く、
興味深い舞台でした。後半の畳みかけるように笑いを取りに来る部分は好きです。

赤鬼
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/07/27 (月)
とても素晴らしかったです☆
シアターイーストで囲み舞台ははじめてだったので新鮮でした! 夏子さんという女優さん、みずみずしい演技が印象的!のんさんに似てるな~と思って見てました☆

赤鬼
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/07/25 (土) 14:00
野田秀樹1996年の作品で、何回か本人も他の人も上演されている戯曲だが、本人の演出で16年ぶりの上演である。見事だった。
初演からロンドン版、タイ版も含めて観ているのだが、本公演はタイ版に基き、野田が主催する「道場」に参加した演劇人によるもの。4グループに分けての公演で、今回はAグループによるものだが、戯曲がよくできていると改めて感じさせ、演出もタイ版を彷彿とさせるものだった。役者陣それぞれが巧くアンサンブルを演じ、「あの女」を演じた夏子もステキだったが、その頭の足りない弟の「とんび」を演じた木山廉彬が巧みで、この戯曲はこの役を演じる役者の存在感にかなりの部分を依存しているのではないかと思った。

「ラストダンスはどなたに」
hishida's
神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)
2020/07/24 (金) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

ピリオド
劇団そとばこまち
劇団そとばこまちアトリエ 十三 BlackBoxx(大阪府)
2020/07/22 (水) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

ENGE喫茶「まぁ、そんなこと言わんとお茶でも飲んどり!
演劇集団ステージパラノーマル
ACT cafe(大阪府)
2020/07/23 (木) ~ 2020/07/25 (土)公演終了

アンチフィクション
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2020/07/16 (木) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
今ダルカラが劇場公演を。。と出掛けたら一人芝居だった。しかも谷氏自身による。上演は60分。存外濃いコンテンツに満足。ゆったりした客席にも慣れてきた(興行側は大変だろうが)。
配信もあると聞いたが、映像向きと思われる「パッケージ」として完成度のあるもの、起承転結が明快な演劇らしい演劇ならともかく、「アンチフィクション」の題名から想像されるチャレンジングなのは狭雑物無しで見る(劇場で見る)選択肢以外思い付かなかった。
病床の別役実氏が名取事務所(ペーター・ゲスナー演出)に書き下ろした「背骨パキパキ」を思い出す。結局出て来たのは戯曲というよりエッセーのコラージュのようなもので、作者の呟きのような文から夢想された場面で構成された舞台は不思議な趣きがあった。今回のアンチフィクションも作者の呟きがベースであるが、「全て本当にあった事、本当に起こる事」との前置きの真偽が揺らぐフィクション性高い後半のコンテンツまで、コロナ禍下の劇作家の生態という内容は、それが真実でも虚構でも、単純に面白かった。最初に「真実」を謳う事は必要だったろうが、俳優の体は舞台の時間のそれであり、演劇のそれであった。

ボス村松のプリズンブレイク
ボス村松
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/07/25 (土)公演終了
正直よく分からなかったのですが、独特の雰囲気と役者さん達の熱演で、何だかクスッと笑ってしまう舞台でした。非日常的な雰囲気を味わえて良かったです。

野獣降臨
ドナルカ・パッカーン
萬劇場(東京都)
2020/07/22 (水) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/07/24 (金) 18:00
野田秀樹1982年の岸田戯曲賞受賞作を、3人芝居で上演する試み。懐かしい芝居だった。90分。82年の初演、84年の再演、87年の再々演と上演されて以来、33年ぶりに観たのだが、あぁこうだった、というセリフがいっぱいあった。
初演は、遊眠社にとっては最後の駒場小劇場での公演で、思い出深いものだったのだが、それを潤色して3人で80分の公演というのはチャレンジングだと思って観に行った。セリフは活かしつつも大きく削り、物語の主軸だけは残した潤色は見事なものだが、遊眠社特有のスピード感は残念ながら無かった。もっとも、それは演じる側も予想していなかったのだろうが、場面転換で時間がかかったのが、やや勿体なく感じた。

殺意 ストリップショウ
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2020/07/11 (土) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/07/24 (金) 14:00
三好十郎が1950年に書いた一人芝居に鈴木杏が挑む115分。壮絶な舞台だった。今日で引退するストリッパーが、踊った後に観客に向けて、彼女の半生を語るというものだが、それはある男の物語でもあり、社会の物語でもある、というのが三好らしい作品と言えるのだろうか。戦後間もない時代背景もあってか、言葉遣いが少し古めかしいし、戦争の色濃く残る時代の物語という特性はあるものの、ほぼ2時間を一人で演じる鈴木が物凄く、緊張感ある時間を過ごした。
何度もカーテンコールを求める観客の気持ちは分かるが、この時期に演者や制作側に余計な負荷をかけるのは気の毒ではないだろうか。

本多劇場〜単純明快なラブストーリー
制作「山口ちはる」プロデュース
本多劇場(東京都)
2020/07/23 (木) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/07/26 (日)
価格5,000円
千穐楽の26日14時開演回(終演後の舞台挨拶&演奏含めて2時間20分)を拝見。