満足度★★★★★
鑑賞日2020/07/25 (土) 14:00
野田秀樹1996年の作品で、何回か本人も他の人も上演されている戯曲だが、本人の演出で16年ぶりの上演である。見事だった。
初演からロンドン版、タイ版も含めて観ているのだが、本公演はタイ版に基き、野田が主催する「道場」に参加した演劇人によるもの。4グループに分けての公演で、今回はAグループによるものだが、戯曲がよくできていると改めて感じさせ、演出もタイ版を彷彿とさせるものだった。役者陣それぞれが巧くアンサンブルを演じ、「あの女」を演じた夏子もステキだったが、その頭の足りない弟の「とんび」を演じた木山廉彬が巧みで、この戯曲はこの役を演じる役者の存在感にかなりの部分を依存しているのではないかと思った。