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海底で深呼吸する方法

海底で深呼吸する方法

東京軟弱野菜

SCOOL(東京都)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

正直よく分かりませんでしたが、独特な雰囲気の舞台でした。役者さん達の演技の上手さと不思議感も良く、不思議な世界に入り込んだような時間でした。

ハイキュー!!“最強の場所(チーム)”

ハイキュー!!“最強の場所(チーム)”

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

Kanadevia Hall(東京都)

2018/10/20 (土) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

熱い舞台でした!
TOKYO DOME CITY HALLで観たせいだったかも知れませんが、
実際のバレーボールの試合を観戦しているかの様な空間でした。

観客も熱く試合(舞台)に没入していて、敗者チームの礼にも大きな拍手が起こり、
客席も一体感が生まれていました(すすり泣きもたくさん聞こえました)

プロジェクションマッピングや舞台面が傾き回るなどの、
恐らくこの作品をいかに観せ、魅せるかというところにしっかりと注力されていて、
作品のクオリティとして非常にレベルの高いものが観られました。

ミュージカル「人生のピース」

ミュージカル「人生のピース」

青少年ミュージカル芸術文化振興協会

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/12 (月)公演終了

満足度★★★

オリジナルのミュージカルでしたが、出てくる楽曲は非常に聴き易く良い曲も多かったです。
日常の延長にもしかしたらこんな彼ら彼女らが本当にいるかも知れないと、そんな事を思わせてくれる作品でした。

ミュージカル初出演のオリエンタルラジオの藤森くんが、
誠実で真っ直ぐで実直な青年を好演されていてとても良い作品になっていました。
幸せな空気感に満ちていて、舞台セットのポップさも良い出来で観ていて全く飽きませんでした。
オシャレなセリフによる会話も楽しめて明るい気分になれましたので、またいつか再演を期待したい作品です。

音楽劇『Zip & Candy』

音楽劇『Zip & Candy』

音楽劇『 Zip & Candy 』製作委員会

俳優座劇場(東京都)

2019/07/04 (木) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

満足度★★★

W主演のお二人が、回替わりに2つの役を交代するという面白い試み。
作品も夢に溢れていて、ファンタジーの世界を十分に楽しめました。
また歌唱シーンも素敵な空間を作ってくれて、没入する事が出来ました。

ほっしゃんさんを始めとして笑わせてくれるコミカルな部分も多くあるのですが、
途中途中で差し込まれるちょっぴり寂しくなるシーンでそれぞれの役者さんが見せる表情が
グッと作品を深めてくれている気がしました。

この作品を幼少期〜小学生くらいの時に観て「世界は素敵なんだな」と思える子がいたら良いな、と、
そんな事を思わせてくれる作品でした。

ReaDance  THE FOREST

ReaDance THE FOREST

WItching Banquet

ハーフムーンホール(下北沢)(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/18 (金)公演終了

演劇でした。

ネタバレBOX

本来意味やストーリー等ないダンスが、朗読と組み合わされたら、意味を持ってしまった。パントマイムのように。
これはまぎれもなく演劇ですね。
拝啓、衆議院議長様

拝啓、衆議院議長様

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/18 (金) 14:00

座席B列7番

どういう評価を下そうか。
これを、古川健の糾弾として観る場合、彼が糾弾しているのは何なのか。その捉え方によって、見方は180度変わると思う。解釈としてどうあるかは別として、ここでの糾弾がいかに悍ましい「思考の停止」に対するものであるということなら、素晴らしい作品だとしよう。

ネタバレBOX

「優性思想」「障碍者差別」「被害者意識」「死刑廃止論」「介護労働の重篤さ」諸々の問題を、ごった煮にして、人間の平等、人間としての強さ、人命の尊重という体のよい美辞麗句のもと、思考することを放棄した自分に都合の良い解釈で、一人の人間の思考が抹殺される過程をこの舞台に見た。

 何と弁護団の醜いことよ。被告がなぜそういう考えに至り、こうした悲劇を生みだしたかを論ずるどころか、人間の平等を盾に、加害者を差別論者だと罵倒した上、意気揚々と死刑廃止論を謳いあげる。

 私は、加害者は日本の法律に基づいて、その「行為」によって、厳正に裁かれるべきだと思うし、彼の思考の文脈から言っても(本人が、遺贈への強い謝罪意識を持ち、安楽死についての在り方について自身気付き悔恨したとしても)情状酌量の余地はほぼないと思う。

 ただ、彼が定義するところの「心失者」は安楽死させるべきだ、という考えをそのまま、弁護士が神のように全否定し、死刑反対論という自身の主張の正当性のための道具にするということ自体が、まさに加害者に対する一方的な差別である。

 犯人の主張は、もっとその根源から見直されるべきだと思う。

 弁護士は、同僚の介護士の言葉を聞いて(夜勤で20名もの要介護者の世話をさせられる、痛みを伴う行為に対しても笑顔で返さなければならない、など)、被告の「コスト」という言葉の意味を顧みなかったのだろうか。それは介護に携わる人々が持つ苦しみのことに他ならない、と。
要介護者を押さえつける行為について、同僚は大変だと苦渋を込めてつぶやくのに、被告はそれを楽な行為だと言い放つ。仕事というのも、それくらいだけだからと。そこに被告が至った精神的な境地は見直されるべきではないのか。心を空洞にしなければ、そうした行為の繰り返しには耐えられなかったのではないかと。

被害者の家族の話にも、切に心に迫るものがあった。ただ、その声だけでよいのか。被害者家族の中には、被告の一刻も早い死刑を望む憎悪の声はなかったのか、あるいは被告の行為を憎みながらも、一方で介護から解放されて(経済的、精神的、肉体的)、心のどこかで平穏を感謝する声はなかったのか。

弁護士は、ネットで見られるように、匿名で無責任に誹謗中傷を垂れ流し、人を見下したり差別したりする風潮を、被告の行為の背景として特徴と位置づけ、意気揚々としてい。しかし、実のところ、弁護士自身が、よく相手の意見を聞い、それを理解しようとする寛容さに欠け、それ自体がネトウヨと変わらないことに気付いていない。
だから、彼は被告に「絶対間違っている」「強くなれ」と叫ぶだけで、被告の心に何も迫れないのではないか。
悲惨なことに、

荻野貴継の演技が秀逸。彼はいわゆる通常の思考を持った男がいかに、善意や理念によって、その思考の在り方のみで、まさに「差別」され、理解される機会さえも持たないかの苦闘をよく体現していたと思う。彼の人物解釈そして表現なくしては、この舞台に置いて上記のような視点は得るべくもなく、ただの死刑反対論者の人権もて遊びとして、星は1つにも満たなかったと思う。
 人間の寛容さを解くなら、被告が短気であったり、大言壮語を吐いたり、考えの詰めが甘かったり、頑固なところがあることをもってして、彼が異常な思考をもつ、大量殺人を犯した悪人だと決めつけてはならない。そんな言動をする隣人は山といるのだから。彼は特殊な人間ではないのだ。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

 極めてチャレンジングな作品だから、可成り好みが分かれそうだ。舞台美術もちょっとユニークな作りだし、演出も一風変わっている。ネタバレでは、少しだけ深読みしておく。観る前にネタバレは読まないでにゃ。

ネタバレBOX


 先に演出がユニークだと書いたが場転で爆発音のような効果音が轟く。タイトルに在るようにCovid-19 以前、現実に棹差す技術もリアルとヴァーチャルを区分する術も、またそれらを対象化し得る根拠律も喪い唯épaveの如く彷徨う世代。芯も無ければ真をも求めず、無明しか持たぬ哀れなヒトをこそ描いているように思われる。実際、世界に飛び出して暫くあちらで暮らしてから日本に戻るとショックを受ける。人々の目に輝きが無いことにである。もう20年ほど前になるが、世界最貧国の1つに赴任していたことがある、大人は基本的に堕落していて淀んだような目の人が圧倒的に多かったが、子供たちの目だけは輝き人懐っこく直ぐに打ち解けることができた。自分たちの屋敷は1000坪ほど、電気もネットも水道も通っていたが、周囲にはネットは愚か、電気/自家用発電機(年中停電が起きる為)、水道も無い。民衆の家は日干し煉瓦で円形の壁を作り、天井には植物を葺いてタイヤ等を重石としている。中は総て土をならしただけ、家長の寝場所だけがベッドになるよう長方形に土盛りがされ、中央に周辺から拾って来た少し大きめの石で組んだ竈が設えられている。燃やすのは枯れ木等、夜は竈の火が消えれば真っ暗である。蝋燭1本つけることができる家は裕福な部類に入ろう。こんな状況だから自分たちが住む屋敷の門灯の周りには陽が落ちると毎夜、近所の村人が集まってきた。貧しい以上、治安も良くないという側面があるから、ビビりの所長は銃を持ったガードマンを雇い入れていた。自分の安全保障策は、先ず子供たちと仲良くなること、子供たちと仲良くなれば親たちが自分たちを受け入れる素地ができるから。こうして門灯の下に集まる地域住民とも摩擦を起こすことなく身の安全を保つことができた。無論、我々の屋敷で雇っていたコック、お手伝いさん、運転手等は皆現地人だし、仕事で雇っている現地技術者、出入り業者もフランス語で謂うピエノワールを含め、現地の業者を下請けとしていたから、現地従業員と対で契約条件交渉や要望聴取と彼らの要望をできるだけ叶えるべく本社との交渉、現地所長との直談判なども散々やった。
 然るに今作で描かれている現在日本の若者には、自分が体験していたような己の頭で考え、考えた結果が正しいと思えば上司と喧嘩し、賄賂を要求する現地役人と喧嘩し己の力の及ぶ範囲で最大限現実を切り開くという当たり前のことが無い世界だ。生きている意味を感じることが出来ないのは寧ろ当たり前過ぎる程に当たり前なのである。
 ところでこのような無明を生きる現代日本の比較的若い人々が採り得る態度は、女性であれ男性であれ、その基本には本能が来る他あるまい。所在無さを常時抱えながら尚生きるような生き方は、生きながらの死に似る。つまり夢を夢見ることすら忘れた人間は、所在無さ故の地獄に於いて、奇妙にも最も根源的な本能の1つである性に逢着する他無い。無論、彼ら・彼女らをここ迄追い詰めたのは、画一を強制する教育や日本社会特有の同調圧力、それらに「抗する」為に形成された陳腐極まるステレオタイプ。だが、今作の主張はそんな所にはあるまい。若者たちの内面はとうの昔に壊れ命を新たにすること即ち“革命”もそれを為す為の最も基本的な態度としてのラディカリズムも根こそぎ収奪され商品化された今、最後に残された己にとっての自然・身体の昏く根深い本能的欲求に従うことこそが彼らに為し得る唯一の抵抗である、とは言えないだろうか? 上っ面だけ眺めるなら、彼らはそれこそ、乳繰り合いながらラアラアと日々を腐らせているようにしか見えないかも知れないが、この虚脱の央で、己自身の指向に気付きアイデンティファイして行く為にカミングアウトする行為・換言すれば裸形になる選択は、両刃の剣。言ってみれば、suicide bombingによって世の硬直した大人達に抗議する作品と捉えることもできる。場転に使われる強烈な爆発音は、その姿を暗示していよう。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

プロローグは、コロナ禍の状況を説明するが、物語はそこから斜め上に行くような恋バナへ展開していく。しかし、この恋の話は少し奇天烈のような…。説明では『性の《癖(へき)》と《壁(へき)》の話』となっており、表層的には自分の殻からの脱却(皮)と言うか恋に奥手または醒めた者の成長譚のように思えた。

チラシも不思議な図柄で、よく見ると 人の頭が便器でそこから花が咲いている。そして鎖が心臓らしきものも含め絡まっている。何となく”身の下”話で、心が何かに縛られている。その花咲きはハッピーエンドのような…あわわわー書き過ぎでネタバレしてしまう。褐色の汁ならぬ、冷や汗(💧)が垂れる。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、幾何学模様を思わせるセット。途中でいくつかの道具をそれとなく搬入し、時として現実的な場面を出現させる。

梗概は、説明にあるように隣室に引っ越してきた女性に一目惚れし、という”普通”の恋愛物語…ではなく、そこには隠された秘密がある。それは男女それぞれが持つ性癖。その秘密は自分の心を縛り、息苦しさを垣間見せるが、一方 秘密をカミングアウトしたことによって相手が心を閉ざしてしまうという滑稽さ。

本筋は、自分の心の解放、相手の心の拒絶という相反する気持ちが可笑しみを持って描かれる。一方、脇筋は女性達のありがちな恋愛観・結婚観を絡め、本筋の異常さを強調する。観客を飽きさせない巧みな構成、それが奇天烈な設定の笑いであっても十分楽しめる。

さて、コロナ禍にあって外出を自粛=2人(夫婦や恋人)でいる時間が長くなる。どんなに仲が良くても四六時中一緒にいることに息苦しさがあるような 無いような。自分には何となく適度な距離感(間)が必要だと言わんばかりのように思えた。自分勝手な、もしくは我儘を圧(押)し殺す。エピローグ…そこにコロナ禍の世相を風刺?する、そんな描きが透けて観える気がした。

役者陣は、実に生き活きと演じている。いまだコロナ禍は収束しておらず閉塞感漂う状況にあるが、そんなことを忘れさせてくれるハッピー?な公演であった。
次回公演も楽しみにしております。
親の顔が見たい

親の顔が見たい

Art-Loving

APOCシアター(東京都)

2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。舞台に釘付けになりました。
帰って来てから以前購入した「親の顔が見たい」の脚本を読みました。私の記憶違いがなければ(あるかもです・・・)季節やスリッパの扱い以外は脚本通りかと思います。結末を知っていて読むと・・・

ネタバレBOX

こいつはこの時どんな気持ちでこんなことが言えたんだろう!こんなことやる時点で子どもを信用してないんじゃないかなど、さらに色々考えさせられました。特に先生夫婦を見ていたら、学校って信用に値しないんじゃないかと思ってしまうのでした。
脚本を買ってすぐ読み始めたのでしたが、登場人物がうまく設定できなくて挫折していました。物語を読む時、映像がついてこないとなかなか読み進めない体質なのです。しかし舞台を観た後は文字と一緒に登場人物が頭の中で動いてくれて、スムーズに読むことができました。観に行けて良かった!
舞台『OYUUGIKAI』

舞台『OYUUGIKAI』

『OYUUGIKAI』製作委員会

バルスタジオ(東京都)

2020/09/18 (金) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

高島平駅からすぐのバルスタジオ。地下一階はカラオケパブです。流れてくる演歌の場末感を味わいながら「本当にここで良いのかなぁ。」と不安に怯えつつ階段を降りる。
入り口には出演者の方々のチェキ写真があります。
珍しいのは音声付きのチェキ。→これは売り切れていたので人気があったようです。セリフをファンが選べたら良いのに。
今年9月の公演のはずがコロナのせいで来年9月に・・・。
その代わりにトークショーという感じだそうです。
司会は女子二人なのですが、片方の子が可愛い。
出演者の方がズラーっと並んでお話ししたり、遊んだりするのですがイケメンは全くいないが、可愛い子が多い。
大学のサークル的なノリで「いいなぁ。」という感じでした。
来年の公演まで長いですが、楽しみですね。

ネタバレBOX

ヒゲのゲストの人の声がデカすぎでビックリしました。
「達磨さんが転んだ」はなかなか良い企画でした。(いきなりダッシュは笑えた。)
あの、とぼけた子が好きです。
「楽な仕事がいい。」と言ってたあの子。
秘密基地

秘密基地

劇団アレン座

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★

鑑賞日2020/09/19 (土) 18:00

もっとシリアスなものを予想して行ったが、ファン・イベントのような雰囲気の、王子小劇場では珍しいタイプの作品だと思う。
 「秘密基地」というVRゲームに招待された3人が、数々のゲームを乗り越える中で自分の生い立ちを思い出す、というようなイメージか。幼い頃に作った秘密基地を思わせる、という意味のタイトルなのだろう。おそらく脚本がなく、大体の流れを示してエチュードで作られた作品のようで、アドリブも多用され進め方のテンポは良くない。本編135分に加え、カーテンコールでの4人の挨拶で10分というのは、流石に長すぎる。
 リピータも含めたファンが多いらしく、どんなことでも笑ってくれる客というのは劇団として嬉しいのだろうか。

 なお、本サイトでは出演とされている大河内奏至は宮元英光に代わった。

 作品とは関係ないが、開演前の劇場がこれほど騒がしいのは今時珍しいと思った。客席で半数近くの人が普通に喋っているというも見たことがないし、受付スタッフが物販に並ぶ客と普通に話しているというのも、いかがなものか。

星をかすめる風

星をかすめる風

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2020/09/12 (土) ~ 2020/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/18 (金) 19:00

 予想を超える壮大なミステリーだった。
 温泉ドラゴンの座付き作家シライケイタと青年劇場の初コラボは、韓国の詩人・尹東柱の物語だが、その死の謎を解く形でのミステリーになっていて、社会性ある作品が多い青年劇場の作品の中でも独特のテイストを感じさせてくれる。尹が治安維持法違反の罪で投獄された福岡刑務所で獄死した後、「死神」と呼ばれた看守が死ぬ。その犯人の捜索を命じられた若い看守の目を通して、韓国人刑務所の苛酷な生活や、尹の優しさ・詩の力などが綴られる。背景を描きつつ物語を進めていく手法は見事だが、終盤に朝鮮語で語られる詩のシーンが感動的だ。
 詩の持つ意味や、囚人に合唱させるというあたりでは、芝居を含めたアートの持つ力を示そうとしているように思えた。

Re:organ(リオルガン)

Re:organ(リオルガン)

激団リジョロ

シアターシャイン(東京都)

2020/09/19 (土) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

かなりシュールな内容で正直前半は良く分からなかった。
役者さんの熱の入った演技には大変好感が持てたが、如何せん筋が入ってこない…
でもラスト20分で一気に目が醒めた。最後はちょっとジーンと来てしまった。
終わり良ければ総て良しだなぁ
ただ上演時間はもう少し短くできたのでは。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

設定と話の展開の斜めっぷりが丁度良い
えっそう来るの!不意打ちを食らうけど、ハチャメチャではない。丁度良い斜め感
登場人物もみんな個性的で魅力的
サイドストーリも出しゃばり過ぎず上手く絡んでくるので、2時間あっという間でした。
ただ、時々台詞が聞き取りにくい場面があったかな。まぁ広い劇場なんで。
それと場面転換の時のSEはどうも…

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

人に言えない性癖を抱える男女が隣室になることから始まる恋愛模様を描く休憩無し約2時間、色々な要素が盛り込まれていて、とても楽しく鑑賞しました。奇妙なタイトルと(比較的)普通な内容との関係はよく判らず。

親の顔が見たい

親の顔が見たい

Art-Loving

APOCシアター(東京都)

2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

本作は2008年2月に劇団昴で初演、そして同年の鶴屋南北賞にノミネートされたらしい。
説明文から「いじめ」がテーマであることは知れるが、単に中学校内における「いじめ」には止まらない、実に多面的な問題提起をしている。
室内における心裏劇、そして審判者なき審理劇のようでもある。しかし決して真理劇にならない怖さ。
観応え十分だ。
(上演時間1時間50分)

ネタバレBOX

新型コロナウイルス感染防止対策のため、舞台と客席をアクリル板で仕切り、舞台側の上方に時計、そして校訓の「真実」「友愛」という文字が掲げられている。折たたみ椅子11脚というシンプルなセット、しかし内容は濃密だ。上演前には校内の騒めきを思わせる雑音を流すなど、雰囲気作りは丁寧。

梗概…都内の私立女子中学校、校内の会議室に5組の父母(もしくは祖父母)が集められる。いじめを苦に自殺した生徒の手紙(遺書と思われる)に5人の級友の名前が書かれており、その生徒たちの親が集められた。年齢や生活環境、職業が異なる親たちは、それぞれ自分の子どもは無関係とばかりに擁護することに終始する。いつの間にか親同士が激しく対立し怒鳴り声が高まる中、各家庭の事情や親娘関係が明らかになっていく。

暴行を加え、金を要求し、足りなければ援助交際まで強要する悪質さ。これはいじめを超えた犯罪であろう。公演では、学校の事実確認・調査に対して、父母等は自分の子供に限ってという言動、いつの間にか学校側もその意見に飲み込まれ…。

この戯曲が書かれた何年か前に、北海道で小学生の女生徒がいじめを苦に自殺した事件があったのを思い出した。当初、学校だったか教育委員会だったか忘れたが、いじめはなかったと結論付けた。しかし、遺族によって遺書が公開され一転して謝罪することになった。その後「遺書」ではなく「手紙」という説明まで飛び出した。
この隠蔽体質、適当に誤魔化す対応が、いじめに対してきっちり対処できない一因ではないだろうか。さらに今日的にはブログやSNS等、責任の所在を曖昧にする巧妙なネットいじめが増えているのは周知のこと。

公演では、学校でのいじめを通して様々な問題提起をしている。父母と娘のコミュニケーションの希薄さ、名門学校という枠組みに潜む差別・格差。山の手以外、例えば下町や近隣県からの通学生への蔑視、家庭の経済的な貧富、片親や職業への偏見、帰国子女への悪意ーそれは社会全体に蔓延る縮図そのもの。この公演はそれらに対する警鐘ではなかろうか。

冒頭、1人の母親がスリッパを弄ぶ場面がある。そしてなぜ来客はスリッパで、教師は上履きなのだろうかと疑問を持つ。何気ない台詞、演出かもしれないがリアリティを感じた。父母の中に教員夫婦がおり、説明によれば男性教師は生徒を追いかけ、女性教師は生徒から逃げるためだという。
やはり何年か前、男子生徒が女性教師から何かの理由で注意され、それが原因で女性教師が刺殺された事件を思い出した。それだけに一層リアリティを感じた。

公演では、いじめた生徒は登場しない。しかし担任教師から、生徒達の様子は普段と変わらず平静だと言う。その生徒達はLINEで連絡を取り合い知らぬ存ぜぬを決め込む、そんな印象を持たせる。いじめのターゲットがいなくなれば、別の生徒を…そんな怖さを抱かせる。

「親の顔が見たい」…このタイトルは、自殺した生徒がバイトしていた新聞販売店の店長の告発から来ている。親の顔も見たいが、心裏も確認したいところ。
次回公演も楽しみにしております。
末摘花

末摘花

オペラシアターこんにゃく座

俳優座劇場(東京都)

2020/09/08 (火) ~ 2020/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

コロナ明けのこんにゃく座初観劇。演目の独特さは別にして、こんにゃく座公演としては、コロナ前との違いをあまり感じなかった、それは間引かれた客席の寂しさを忘れて舞台に見入っていたからで、これがこんにゃく座舞台の観劇なのだったと気づく。節の付いた台詞は、文節の区切りまで聞かなければ意味が通らないから嫌が応にも注意を舞台に振り向けざるを得ない。という意味で、再びこんにゃく座の舞台が戻ってきたと感じた由。ただし終演後の拍手量で現実に引き戻される。
本作は寺嶋陸也氏が他団体に書き下ろした楽曲(オケ用)との事だが、パンフには原作「源氏物語」とだけで脚本執筆者の名がない。台詞が美しく、趣深いので知りたくなったのだが。
パンフを読めば、この演目は高校演劇ではお馴染みらしい。源氏物語の中の一話だが、はっきり言ってしまえば、男女同権が常識である現代の感覚では「不実」で「未開」で「理不尽」な社会は遠い昔のもの、というかそう思いたい。光源氏の寵愛に全面依存した没落貴族の話などまともな神経では見ちゃおれない・・はずなのだが、なぜか身に詰まされ、笑えた。
父を亡くし家長となっている末摘花は光源氏の寵愛を受けたとされるが、現在この男は遠い明石に居り、屋敷の者(乳母、お付の女中=侍従、家内を取り仕切る宰相、その下で働く右近、左近)は普請も朽ちて寒いのにも耐えて源氏が都に呼び戻されるのを待っている。一方、寵愛の噂の真偽に疑念を抱く者、根を上げて屋敷を去る者あり。ある日、今は俄か成金となった男に嫁いだ叔母(末摘花の亡母の妹)が侍従(実は乳母の娘)を雇いたいと申し出る。過日は当家で代々受け継いだ由緒ある道具類を「買い取ってもいい」と言伝をよこした。そんな中、末摘花は鼻先の垂れた醜貌でも気品を湛えて真心を忘れず、気高く振る舞う家長を(家中の者に)演じている。源氏を想う末摘花の芯は、男性依存なのであろうか・・これは「源氏が来るか来ないか次第で見え方が変わる部分なのだが、「そうではなかった」(と結論できる展開が待っている)事実とも相まって、この気丈な女性がある魅力を湛えてくる。この人物像は、例えば忠臣蔵の大石内蔵助にも通じる。要は家長でありリーダーである末摘花が的確かつ温情ある判断で家内の者に対するのを見るにつき、少しずつ、最初は外見や口調で判断した外皮がはがれて、その人となりが顕われる。こういう体験は何時以来だろうか。末摘花の存在が最終的にこの作品の魅力。

ゲルニカ

ゲルニカ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2020/09/04 (金) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★

作品なのでフィクション性が含まれて当然なのだが、史実っぽく描いている割に、当時の世界観への違和感が余りにも強かったり、それ故か、登場人物の生き様や行動にリアリティが感じられなかったり、とにかく脚本への疑問が先行してしまった。
西洋の歴史を、日本人がオリジナル脚本して、日本人が演じて、日本人が鑑賞することの難しさを改めて感じる。(この手の作品で、納得できるストーリーには出会えた試しがない。)
上白石さんは、何度か噛んでいたり、役柄に入り込めていない様子が見て取れたが、これからの成長に期待。

ネタバレBOX

(反乱軍が封建要素を掲げていたとはいえ、)第二次世界大戦期の市民生活に、中世的価値観(領主の話だとか、教会への懺悔だとか)を持ち込む意味がどこにあったのか?本当にこんな風に生活してる人がいたのか?
バスクという少数民族を扱っているのに、ジプシーやユダヤの話を盛り込んで話を更に複雑にする必要性はあったのか?ナショナリズムがボケ過ぎでは?
ドイツ軍が、ただの落ちぶれた貴族にコンタクトするなんてあり得るのか?
爆撃するターゲットの街の人に遺品を届けて、懺悔するってのは一体全体どういう心境なの?
「私の料理人」「私の仔牛」なんて言ってしまう何も知らない貴族娘が、いきなりリベラル派に転身する過程はどう描かれていたの?
脚本家の人達は、よく知らない歴史を題材にしたいのであれば、もっと勉強してから臨んでもらいたい。
かがみの孤城

かがみの孤城

ナッポス・ユナイテッド

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2020/09/18 (金) ~ 2020/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/09/18 (金) 19:00

座席2階2A列11番

価格9,000円

原作を読んでから観ました。あの分量の原作を見事に2時間にした構成力と演出力に脱帽。素晴らしかったです。
生駒ちゃんの演技はまだ足りない部分もあると思いましたが、声がいいので13歳に見えました。
キャラメルボックス陣の演技も舞台を支える重要な役回りをされてて観ていて安心感がありました。
まだ客席が半分しか埋まってないのが残念ですが、チケット代が少し高いですが、多くの方に見ていただきたい作品です。
泣けます。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

個人的にはこのタイトルにも、あらすじの最後にある「癖」と「壁」云々の「どうです?」的な一文にも惹かれるものがなかったのだけど、気になる女優さんが多く、1年ぶりのシアタートラムへ。役者陣がみな好演。2時間という長さ(体感的には100分ぐらい)も心地よかった。

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