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糸井版 摂州合邦辻

糸井版 摂州合邦辻

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/10/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

木ノ下歌舞伎の『糸井版・摂州合邦辻』を観劇。

昨年冬に初演を迎え、今回は再演。
ここ十年の演劇史の中では最高傑作である。

大名・高安家の跡取りの俊徳丸は許嫁・浅香姫がいて将来が約束されているが、家督を継ぐことが出来ない異母兄からは妬まれている。
厄介なことに年が殆ど違わない継母・玉手からは求愛をされている。
そんな折、俊徳丸は癩病に侵されてしまい父への不幸を詫び、許嫁を捨てて家を出てしまう。
俊徳丸は西へ向かうのだが、病気の為に目が見えなくなり身体もボロボロだ。許嫁・浅香姫は彼をどうにか探し当て、偶然にも玉手の父母に助けられ匿われることになる。
その玉手も世間の噂も顧みず愛する俊徳丸を探しに出て、実家に立ち寄るが父になじられしまう。
遂に玉手が俊徳丸を見つけ出すが、娘の行為に堪りかねた父は娘に手をかけるが、玉手の命を賭けた無償の愛の告白を聞いた瞬間、茫然してしまうのであった…。

上演時間が25分も長くなり、前作でやりの残したことを加えて時間が伸びたようだ。その分、幕間が入り玉手の直球の愛がやや断ち切られた感じが否めないが、作品のテーマを明確出してきたようだ。
ただ今作の見所は玉手の俊徳丸への愛の告白が最大のクライマックスになっており、それを聞いた瞬間、観客全員の魂が震えてしまうのは約束する。

お勧めである。
フレ フレ Ostrich!! Hayupang Die-Bow-Ken!

フレ フレ Ostrich!! Hayupang Die-Bow-Ken!

APAF-アジア舞台芸術人材育成部門

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/10/25 (日)公演終了

満足度★★★

毎年観ているこの企画公演。年々変わっていくけど,今年も楽しく観劇。ダンスはキレキレ!

獣道一直線!!!

獣道一直線!!!

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2020/10/06 (火) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

木嶋佳苗の連続殺人事件にインスパイヤ―されたピンクでブラックなコメディ。「パワハラ女」の登場場面から、スカートの下をさらけ出す最後まで、池谷のぶえのつきぬけた役作りと体当たり演技が出色だった。古田新太もよかったが、少々お疲れ気味? 科白を噛んでいたのがご愛敬だった。
苗田松子(池谷)が、夫の中薮(池田成志)の家で、出所してきた古田とふける「愛欲の日々」がきわどいけれど、笑えた。プロローグの「不要不急の俳優なんてお荷物」ソングや、古田と池田のフェイスガードでベッドインとか、コロナを逆手に取ったギャグも、コロナを笑いに変えるしたたかさが良かった。

池谷と美月ちゃんの早変わり、いれかわりの二人一役の「毒女・苗田松子」も笑えたし、演劇的仕掛けで、「悪い女」の可愛さ、危なさが多面的に感じられた。
とにかく難しいことを考えず、毒と下ネタとコントに気楽に笑えた2時間半であった(休憩込み)

舞台上のカメラを使った演出=絵が、スクリーンに拡大されて出る。も、俳優を大きくみられるからうれしかった。ケラなど、生の舞台で映像を使う作家、演出家が増えてきているのは、いいことだ。生の舞台で映像を使う事には躊躇もあるが、遠慮せずに、色んな使い方印チャレンジしてほしい。野田秀樹作「真夏の世の夢」の、プルカレーテ演出も映像を、出演者の映像をふんだんかつ巧みに使って印象深かった。

ネタバレBOX

「7台の玉突き事故、5人巻き込まれた」という事故で、望月は妻と子を亡くした。しかし望月の車に妻と子は乗っていたっけ? 妻のもとに帰る途中だったから、乗っていない気がする。私の勘違いだろうか?
ののじにさすってごらん

ののじにさすってごらん

やしゃご

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

厳しい現実・状況のドロドロしたものを徹底的に見せつけるでなく、観る者に正答を委ねる二歩引いた作りは、前作同様すっきり晴れた空の青さを感じさせる。
正直なところ、応援している井上みなみさん、岡野康弘(Mrs.fictions)さん、工藤さやさんのもっとはっちゃけた演技を観たかった。

うつくしいこ

うつくしいこ

COWCOWシネマ

北池袋 新生館シアター(東京都)

2020/10/23 (金) ~ 2020/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★


 オムニバス形式で7つの昔話が上演された。パンデミック・Covid-19に揺れるというより、無能極まるこの「国」の政治勢力に翻弄される人々の不安を何とかしようと、アマビエとカナシが案内役を勤める。

ネタバレBOX

 昔話といっても記紀をベースにしたものから座敷童、オシラサマ、河童、狐、河童と狐の間に生まれた子供の話や、浦島ベースの話等々様々な民潭をミックスした上で再構成してあったり、未来に舞台を設定した昔話というアクロバティックな発想を取り入れた作品、地蔵菩薩に纏わる縁起譚等バラエティーに富んだ構成だ。演じるのは一人なので着替えやら、琵琶演奏(琵琶演奏に関しては演奏者が別に出演する)も入って雰囲気を盛り上げる。然しこの琵琶、琵琶演奏については詳しくないので評価はできないが今迄映画や演劇で聴いてきた演奏のしっかりした音作りとはかけ離れた演奏であった。但し楽器そのものの特性は活きているという類の演奏で、この女優さんの養成所出身の役者さんの演技のような方法的演技ではなく、一見アナーキーで而も肝心な所で上手くエネルギーを最大限に発揮すると同時に、周辺領域に生きる弱者の持たざるを得ない怨嗟のような感覚を実に良く効果的に表現し得ている点には感心した。実際の身体演技の他に映像や仮面を用いたミクスチャーな構成もグー。何となく可愛らしい印象を齎す点は、何より弱いものたちに寄り添おうとする彼女の選択が、作品全体の重石になりながら同時に優しさを感じさせるからであろう。
みんなの捨てる家。

みんなの捨てる家。

アナログスイッチ

駅前劇場(東京都)

2020/10/21 (水) ~ 2020/10/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/10/23 (金) 14:30

135分。休憩なし。

氷の下

氷の下

うずめ劇場

仙川フィックスホール(東京都)

2020/10/14 (水) ~ 2020/10/15 (木)公演終了

満足度★★★★

変則ロングラン公演「フェードル」の終盤を昨年2月に観て以来、久々に・・と言っても昨年はうずめ俳優自体久々のお目見えで、だから意外に早く・・対面した感覚だ。
またまた一癖ある変った「エンゲキ」を出没させてくれましたペーターゲスナーさんも懲りないですね、との感想。戯曲の狙いと、演出・演技のタイプが合ってたか、は考える所だが、20年来変わらぬうずめ俳優(男女四人)の3名(1役はWキャスト)がガッツリ登場し喋りまくる劇、という意味では「堪能」した。

以下思い出話。世の中にまだ劇団を二つ三つしか知らない頃、縁を感じて一度観たかったうずめ劇団をやっと観たのが「ねずみ狩り」at シアターX。戦後の熱い季節にドイツで上演された野外劇との事で、男女が最後には全裸で踊る姿(しかも照明をガンガンに当て)からの急転回は衝撃であったが、終始演じる若い男女カップルの内、男優が荒牧大道と藤沢友のダブルキャスト、「劇団を知りたい」と欲していた私はどの回を観ようかと随分迷い(芝居は席が埋まれば売止めになる事も思い及ばず)、どうにか入手して荒牧大道氏の回を観た。以来、藤沢氏の立ち姿は見られず、今回は運よく日があって観た。キレる頭脳を見るような秀逸な演技が見れた(あ~。ら抜き使っちまった)。

舞台はシンポジウムのようなテーブル配置に3名が着席したり立ったり中座したり、プレゼンの場のようでも自社の会議室のようでもある。各人が自説を展開したり自身を吐露したり、長いモノローグを吐く。社内らしき場で三人が言葉を飛ばし交わす場面はあるが、それもやがて混沌の沼に。。強烈に何かを皮肉っているようであり、切実に訴えているようでもあるが、翻訳時に設定を日本に置き換えた際、発話者の文化的帰属先がぼやけた感は否めない。その部分が勿体なく、秀逸な場面もピースの繋ぎ目が粗くごつごつした岩のようであった。戯曲の持つ批評性、日常の欺瞞を揺さぶる破壊力を受け止めたかったが。。

君の庭

君の庭

地点

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2020/10/01 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

KAAT公演「悪霊」が地点との遭遇であったが相変わらず面白い。各種取り揃えた古典を弄ぶ演出手法には好き嫌いもありそうであったが、このかんの「垢の付かない」新作(しかも日本語)3作目になる今作も新鮮味を失わない。理由は新鋭松原俊太郎の言葉の鋭さであるのは間違いないが、イェリネクに似た殴り書きのような独白のテキストと地点との相性も大きい。

天皇家が本人として登場する舞台に、一瞬「テーマは天皇制」?と構えたが、時計回りに回転する雛壇に座る天皇(皇帝?)以下の皇族四人(チラシ・パンフにキャスト5人とあるが当日の変更だろうか、説明なし。・・もっとも誰が台詞を吐こうがさして変わりなし)の、形が滑稽を醸すので、この「日本国の象徴」をどう弄りつつ国民を風刺するのかに速攻興味が移る。
断片的(チラ見せ的)で仄めかし臭を放つ言葉の波を心地よく味わった。
・・が、着地点を見定めるあたり=終盤に睡魔が襲い、芝居の結論を受け止める材料を逃してしまった。それでも言語化困難だが笑えるニュアンスの数々を浴びた感はあってそれで十分な気分になっている。

痴人の愛 ~IDIOTS~

痴人の愛 ~IDIOTS~

metro

ザ・スズナリ(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/10/27 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/10/22 (木)

価格4,800円

初日の22日19時半開演回を拝見。
登場人物を絞った
ナオミ…月船さららさん
河合譲治(Wキャスト)…片岡哲也さん
痩せた男…影山翔一さん
語り手…サヘル・ローズさん
の布陣で、紫の上を育て上げる光源氏、とはいかず、自由奔放なナオミに翻弄される中年男の愛の形を描く100分間。

終演後、コロナ禍で、身近での挨拶が出来ない代わりに、出演者3名、ザ・スズナリ側面のベランダに出て来てのご挨拶。
それは、勿論、幾多の困難を乗り越えて、無事、初日の舞台を終えたことへの喜びと安堵感の表われなのだろうが、「痴人の愛」というよりも、「マイ・フェア・レディ」の終演後みたいな、晴れやかな雰囲気だった。

ネタバレBOX

ナオミは、表層的な見方をすれば「悪女」なんだろうが、今宵の月船「ナオミ」は天真爛漫な永遠少女といった感が強い。
上記で「マイ・フェア・レディ」に触れたが、実は劇中、私の目には
ナオミ=自身の欲望に忠実過ぎるきらいはあるも、早くから自我の確立したイライザ
譲治さん=早々に教え諭す立場から引き摺り降ろされたが、それで却って、素直に本音で接することができたヒギンズ教授
という感じに映っていた。
まぁ、他人がどう思おうと、当事者にとっては実は居心地の良い関係だったのかもしれない。
痴人の愛 ~IDIOTS~

痴人の愛 ~IDIOTS~

metro

ザ・スズナリ(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★

〈片岡版〉
地獄のような物語。自分を裏切り傷付け苦しめた少女に対し、未だに欲情を覚え渇望し崇拝する年老いた男。
とても男と女のある愛の一形態なんて優雅な代物じゃあない。地獄の果てしなさのような。ナオミが覚醒剤だとしたら腑に落ちる。
舞台美術がお見事。オープニングの譲二の登場シーンから最高。
黒子(?)の影山翔一氏がこなす無造作な舞台転換も痛快。
『テネット』方式の逆行モノでもある。

ネタバレBOX

ラストはスズナリに雨が降る。
雨の中、ずぶ濡れになって野花を摘み、小さな花束を譲二に手渡すナオミ。
その抒情性で終わる。

この原作に何故か乗れない訳は、ナオミに惹かれないことと譲二に感情移入出来ないこと。語られるのは性的なフェティシズムばかり。ナオミは人間ではなく、人を盲目にし狂わせ中毒にさせるものの象徴としよう。するとこれはもう一人の自分自身との取っ組み合いとも解釈できる。自分を崇拝したり蔑んだり愛して憎んでのくんずほぐれつ。黒澤明の『白痴』みたいだ。
糸井版 摂州合邦辻

糸井版 摂州合邦辻

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/10/26 (月)公演終了

満足度★★★★

出だしからクライマックスのようで良かったけど、ちょっと長過ぎる気がした。
合邦役のかたの演技はとても素晴らしかったです☆

ネタバレBOX

初演と衣装や小道具が同じ。 もうちょっと変えてもよかったのでは? 新たに加えられたシーンはあまり良くないと感じた。
休憩込み3時間は長過ぎる。。
三文オペラ

三文オペラ

CHAiroiPLIN

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2020/10/17 (土) ~ 2020/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

こちらの劇団さんは、なかなか個性的で楽しいですね☆ 途中、おじさんのインタビューみたいな映像が流れたけど、あーゆーのは嫌いです。 

ののじにさすってごらん

ののじにさすってごらん

やしゃご

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★

◼️110分強◼️
ありふれた、安い物語の寄せ集め。作品がそこへ向かって収れんしてゆくような核もなく、とりとめがない印象を受けた。

ネタバレBOX

生き別れの父子(おやこ)の再会、外国人技能実習生による野菜泥棒疑惑、作家志望とキャバ嬢の恋…。どこかで見聞きしたような話ばかり。
世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

マチルダアパルトマン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

池亀三太氏の、社会性があって、ちょっと不思議なパラレルワールド的な作風が素晴らしく好きです。

ネタバレBOX

『世界も三角、土俵も三角』 施設で育ち既に独立して爆弾作りのアルバイトで生活している女性のアパートに、同じく施設出身者の後輩二人が居候しにやって来たつかの間の期間を描いた話。

『特殊になれなかった者たちへ』 そして、『世界も三角、土俵も三角』を書いた劇作家が孤独死した部屋を清掃する特殊清掃員の作業中の様子を描いた話。

特にコロナ禍の下、演劇関係者の苦労がしのばれます。猫好きだったのですね。
私たちは全力でホラーに挑みます!

私たちは全力でホラーに挑みます!

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

フライヤーやタイトルほど"ホラー" は感じませんでしたが いつものように ゆるい小ネタやシュールなギャグも楽しめました。
コロナ対策も演出の一部に取り込むなど工夫と気配りが感じられ ありがとう と申す上げます♡
記念公演 たっぷりと楽しめました♪

真夏の夜の夢

真夏の夜の夢

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2020/10/15 (木) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

シルヴィウ・プルカレーテ演出というとちょうど3年前同じ東京芸術劇場プレイハウスで行われた「リチャード三世」を思い出す。奇抜な演出でそうすることの意味がさっぱり分からなかった。今回もああいうものなら嫌だなあと思っていたが全くそんなことはなかった。左右に移動する板に乗っての移動とか半透明のスクリーンに映し出されたリアルな映像とかの飛び道具は使われているがそれも含めて極めて分かりやすい。

野田秀樹潤色とあって「潤色って何?」となるが原作の大まかな枠組みは保持しながらも場所を日本に移し、悪魔メフィストを登場させ、しかも主役級の大活躍をさせる。ここまで崩すとあとはやりたい放題で言葉遊びの洪水である。「妖精に要請する」とかのダジャレ連発も良いが「口に出さずに飲み込んだ言葉はどうなるのか」なんていう話も嬉しい。

原作が何倍にも膨らんでいて理屈抜きに楽しい。どなたにもお勧め。

私はだれでしょう

私はだれでしょう

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2020/10/09 (金) ~ 2020/10/22 (木)公演終了

満足度★★★★

平埜生成(ひらのきなり)氏がとにかく凄い。
この役を完全に自分のものにしている。 他の人には再現の出来ない産物。顔芸、ダンス、タップと平埜氏の大暴れを熟練の超一流役者陣がガッチリ脇を固め、受け止め切っての後押し。ピアノの朴勝哲氏との息もピッタリ。初演の川平慈英氏バージョンも観てみたかった。(当て書きらしい)。
朝海ひかるさんが長身で吉田栄作氏との並びが綺麗。吉田氏はかつての井上順氏や布施明氏を彷彿とさせる味のある良い役者になっていた。シリアスな役柄の朝海さんが愉快に陽気に踊り出すと場の空気が一転してパッと明るく。
朝海・平埜コンビの『日野浦姫物語』をまた観たくなった。

戦後まもなくNHKラジオで尋ね人の放送を開始。そこに記憶喪失のサイパンからの帰還兵が訪れる。「私はだれでしょう」。

ネタバレBOX

話はいつもの通りの纏まりがない感じ。いろんな要素を無理矢理こじつけているような。けれどそれが退屈でも不快でもないのが素晴らしい。ジブリ的に登場人物に嫌な奴が一人もいない為、微笑ましく観ていられるからか。GHQとの戦いや平埜氏の正体などには余り興味が湧かない。ラスト近くの台詞、『私は誰であるべきなんでしょう?』が胸に来る。
敗戦直後、不幸の共有者としての連帯感。八幡みゆきさん演じる女性分室員が象徴する純粋なる善意が、其処ら此処等に満ち溢れている。どうしようもない不条理に立ち向かう弱者の最後の武器は、無心の善意だけなのか。
雲の切れ目からのぞいた町

雲の切れ目からのぞいた町

大人の麦茶FLYING COLUMN

THE SHOJIMARU(東京都)

2020/10/19 (月) ~ 2020/10/21 (水)公演終了

満足度★★★★★

あの終わりで良かった!
マスクで泣いちゃうと大変なことが分かりました。
前回と何が違うのか(会場?マスク?環境?)フェイスシールドが曇って困りました。
それでも見ることができて良かったです。これから配信の方も見てみようと思います。

ボノボたち

ボノボたち

株式会社NLT

シアターX(東京都)

2020/10/17 (土) ~ 2020/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

上演されることの少ないフランス艶笑ドタバタ喜劇である。身体障碍者の性処理が素材になっているから、今どきの言上げ好きの手にかかれば、たちまち、ネットは炎上、お詫びを張り出し、という事になりかねない話なのに、平然と上演するところ、さすが、賀原夏子仕こみの根性のある喜劇劇団の公演である。安易で定見のない正義派に敢然と喜劇で戦いを挑んだところは大いに評価したいのだが、このフランス喜劇になれているはずのこの劇団でも、日本とは異質の倫理観を持つフランス喜劇は手に余った。
こういう倫理を逆手に取ったような喜劇は、ドライに笑いの中に話を展開しないとくだらない正義の声に負ける。俳優のセリフの受け渡しも、稽古ができなかったのかもしれないし、技量及ばず、というところかもしれないが、動きもテンポもかみ合わず(ほとんど動きだけで笑わせなければいけないところがもたもたしているので内容で笑えなくなってしまう)残念な出来だった。ことに、客演の方々、もっとシャンとやらなければ。

ネタバレBOX

女性の一人が義足だったという落ちはうまいものなのだが、ここは、一瞬ぎょっとして、どっと笑いが来るようにやらなければ。ここでシーンとするようでは喜劇劇団とは言えない。
ボノボたち

ボノボたち

株式会社NLT

シアターX(東京都)

2020/10/17 (土) ~ 2020/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/10/21 (水) 19:00

115分。休憩なし(途中換気あり)。

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